取材を通して、気になるゲーム情報をワイドショー的・下世話な切り口で取り上げる新連載「やじうまゲームニュース」。連載第1回目は、弾幕系MMORPG『Valkyrie Sky(ヴァルキリー スカイ)』を取り上げます。
弾幕系MMORPG。
そんな耳慣れないジャンルを引っ提げて、JC Globalの新作オンラインゲーム『Valkyrie Sky(ヴァルキリー スカイ)』の初報が編集部に届けられたのは、
2010年の年明け間もない1月8日(金)のこと。
「弾幕系」というおそらくシューティングゲームにあたる要素と、「MMORPG」(多人数同時参加型オンラインRPG)が結びつくという予想外な合わせ技は、正直なところ理解不能だった。牛丼にバナナのっけて食べちゃうくらいに。
ちなみに「弾幕系」とは、シューティングゲームというジャンルの中のひとつの派閥、流派というか、ジャンルの中をさらに細分化したジャンル内ジャンルのようなものだ。大量に画面上に放たれる敵からの攻撃がまるで弾幕のようであることに由来し、避けることに重点を置いた攻略姿勢が、いずれの作品にも共通している。
最近の「弾幕系」に分類されるタイトルを挙げると、ケイブの
『怒首領蜂』や
『虫姫さま』シリーズ、同人作品「東方Project」シリーズのシューティング作品がよく知られるところだろう。
1月も過ぎ去り、月末に開催されたクローズドβテストは5,000人規模で盛況だったいう『Valkyrie Sky』。
これはもう、どんなゲームなのか、今後どういった方向に展開されていくのか、直に訊くしかない! ということで、本作の運営責任者・JC Globalの松岡 映次氏にインタビューさせていただいた。
※画面写真をクリックすると、拡大したものを見ることができます |
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――「弾幕系MMORPG」って何だよ! どーいうことだよォ…!!
★松岡 映次氏(以下、松岡氏)
ハッ、いきなり飛ばしますね(冷笑)。…まず「弾幕系」というのは、敵の弾が乱れ飛ぶシューティングゲームのことです。『Valkyrie Sky』の戦闘シーンにあたります。後半の「MMORPG」に関しては、本作でいうと3Dで描写されるフィールドを移動する部分で、他のプレイヤーと触れ合ったり、料理を作って食べたりと、いわゆる既存のMMORPG作品が持つ要素ということになります。
―― ……なぜ、そのふたつを合体させようと思ったんですか?
★松岡氏
『Valkyrie Sky』は韓国の
Yolim Communicationという開発会社が手掛けているんですけど、初めて作品を見させてもらった時、これは新しいなと思ったんです。弾幕系のシューティングゲームは日本ではなじみ深いですが、それをMMORPGというまったく別ジャンルと合体させた例は今までないですし、そもそもMMORPGの戦闘シーンが「縦スクロール」する、というのが面白いじゃないですか。
――不勉強で申し訳ないんですが、Yolim Communicationはいつもそんなエキセントリックな挑戦をしている会社なんでしょうか?
★松岡氏
いえ、そんなこともないですよ。『Valkyrie Sky』が先方にとっては3作目で、これまでカジュアルFPSやカジュアルMMOといったオンラインタイトルを開発した実績があります。まぁ、『Valkyrie Sky』はかなり挑戦的な試みではあるかもしれませんが(笑)。
――Yolim Communicationでは、どのようにして『Valkyrie Sky』の開発がスタートしたのですか?
★松岡氏
プログラマー主導で始まったらしいです。企画書もない状態からスタートして、いつの間にか社内でも規模の大きいプロジェクトになっていたみたいですね。よく聞かれるのは、MMORPGにシューティングを足したのか、シューティングにMMORPGの要素を加えたのか、ということなんですが、これは向こうのスタッフもよくわからないみたいで「気づいたら、今の形になっていた」と言っていました。
――なるほど。では、どんな経緯で『Valkyrie Sky』を御社が日本国内で運営することになったんですか?
★松岡氏
昨年の春ごろですが、弊社で新たに運営するタイトルを探していたんです。そこで私が目をつけまして、6月ごろには弊社で運営することが決定しました。
――松岡さんが目をつけた『Valkyrie Sky』のポイントって、どのあたりですか?
★松岡氏
世の中には多くのMMORPGがあって、一見するとどれも同じに見えるじゃないですか。それは、ユーザーの目を引き付けるポイントが似通っている、ということだと思うんです。私自身もMMORPGを遊びますが、「何がちがうのか」と問われると、一概には答えられない。
『Valkyrie Sky』はMMORPGでありながら、「弾幕系シューティング」という全く異質な要素が含まれているので、やっぱり目を引くわけです。で、実際にそのシューティング部分を試してみたところ面白かった、というのが最大のポイントかもしれませんね。
――実際にプレイした時の好感触が、『Valkyrie Sky』を日本に持ってくる決め手になったと。
★松岡氏
はい。韓国でYolim Communication社が開いた『Valkyrie Sky』のクローズドβテストに参加して、良い感触でしたから。正直、最初に静止画(スクリーンショット)を見たときはグラフィックから面白さは伝わってこなかったんですよ。ただ、実際にプレイしてみると、シューティングをあまりやらなかった私でも楽しめましたし、初心者でも気軽に遊べる配慮があっていいなと思ったんです。
| CBTでの要望を反映 & 「上級クラス」も開発中! |
――初心者への配慮という話が出ましたが、『Valkyrie Sky』のシューティング部分は、難易度的にはどの程度を想定して作られているんですか?
★松岡氏
たとえば、初心者の方におすすめしたいのは、4人でパーティを組むことです。『Valkyrie Sky』には、「剣士」「召喚師」「魔術師」「弓使い」という4つの種族が用意されていて、それそれ一長一短、個性的な特徴づけがされています。パーティを組んだ場合、各員の短所を補い合うかたちになるので、初心者でも安心してプレイできます。
シューティングゲームに慣れている方には、ソロプレイにも挑戦していただきたいですね。種族は「弓使い」で。「弓使い」はまっずぐに矢を放って攻撃する種族で、一般的なシューティングゲームにおける「自機」が一切パワーアップしていない状態に近いんです。ストイックに楽しみたいシューターのみなさんにはおすすめです。
…といったような感じでして、他のプレイヤーとパーティーを組むか否かをはじめとする遊び方しだいで、『Valkyrie Sky』の難易度は変わってきますので、特定の難易度に絞って作られてはいません。むしろ間口は広いですから、幅広く遊んでいただけると嬉しいですね。
――シューターという人種は、生半可な難易度では満足できない体になっていると思うのですけれど……。
★松岡氏
『Valkyrie Sky』の各地域におけるステージ構成は全5ステージになっているんですが、こちらをクリアすると1日1回挑戦できる「ハードモード」を、今後のアップデートで実装したいと考えています。こちらは完全にソロ専用で、通常のステージで消耗されるスタミナの概念も存在せず、ひたすら撃墜されるまでプレイするという内容です。
ひととおりクリアするとループして、ゲームオーバーになるまで続く、いわゆる一般的なシューティングにおける「スコアアタック」のような存在だと思ってください。将来的にはスコアを競うランキングなども盛り込んで、コアユーザーに満足いただける要素に仕上げたいです。
――先日のCBTでもすでに4種族が実装されていましたが、各種族の中にさらに3種類の「クラス」という小項目が設けられているんですよね。
★松岡氏
「クラス」は覚えられるスキルを左右する要素です。各スキルは、レベルアップすることで手に入るポイントを割り振って覚え、習得後にはさらに強化することもできます。スキルはクラス間で共有されるので、同じ種族でもプレイヤーの趣向によって全く性質の異なるキャラクタができあがるという楽しみがあります。
――今後、さらに強力な種族が実装されたりするのでしょうか?
★松岡氏
……ここだけの話、「上級クラス」を開発中です(笑)。今までのクラスの概念とは違う形での上位スキルや育成を考えていますので、テストに参加された方にも期待してお待ちいただきたいと思います。
――これも今後の話ですが、スキルに割り振ったポイントをリセットできるような仕様は盛り込まないんですか?
★松岡氏
そうですね、そちらも検討しています。
――課金アイテムといえば、装備品も気になりますね。やはり正式サービス時には課金方式で、装備品が提供されることになるのでしょうか?
★松岡氏
ゲーム内でなんらかの成果をあげることで獲得できる無料の装備品と、ショップで購入する課金アイテムの2本立てを想定しています。ただ、課金アイテムが強力すぎると不公平感がありますから、課金する装備品はキャラクタの見た目を変更するアバター系を充実させたいと考えてはいます。
装備品に関しては、特定の組合せで「チャージ速度が上昇する」「料理の効能が増す」といった効果を発動する、「セット装備」の概念も積極的に取り入れていきます。
――CBT時には、ゲームパッドを使いたいという要望も多かったようですね。
★松岡氏
クローズドβテストでは、ゲーム内の仕様としてゲームパッドへの対応を盛り込むことができず、お問い合わせいただいた方には申し訳なく感じています。オープンβテストにはゲームパッドの設定を実装する予定ですので、そちらをお待ちいただきたいと思います。
――今後のサービススケジュールに関して、お話しいただける範囲で結構ですので、教えてください。
★松岡氏
3月上旬には正式サービスを開始したいと考えています。そこから1ヶ月以内に先ほどお話した「上級クラス」や、「ギルド戦」「PvP」(対人戦)を実装する大型アップデートを実施する予定です。
――「PvP」ですか。…どのような感じで対戦するんですか?
★松岡氏
上から見下ろした疑似3D風の視点で、プレイヤー同士が1対1で戦います。「PvP」専用のスキルも用意する予定ですし、こちらではプレイヤー自身も「弾幕」を放つことができるので、白熱した対戦を楽しんでいただけるはずです。
――FPSや対戦格闘でもそうですが、対人戦で気になることといえば、秒間何フレームくらい表示されるのか、ということだと思います。
★松岡氏
理論上は300fps(秒間/300フレーム)以上も可能なのですが、人間がプレイすることを考えると60fpsくらいが限度でしょうね。ただ、フレーム数の表示をあまり上げるとPCのスペックや通信状態によってプレイ環境に大きな差が生まれてしまうので、現状の仕様から大幅に引き上げる可能性は低いです。
――たとえば、先ほどの「ハードモード」のようなソロプレイに限っては高フレームレートでも遊べる、みたいな仕様があると嬉しかったりするのですが…。
★松岡氏
う~ん。……検討させてください(笑)。
――では、御社として今後、開発元のYolim Communicationに提案したい事柄、あるいは方向性を教えていただけないでしょうか?
★松岡氏
日本市場の特性を踏まえた上での提案を行っていきます。もともと、『Valkyrie Sky』は今よりもMMORPGの部分があっさりとした作りになっていたんですが、国内サービスにあたってMMORPGパートに厚みを持たせてもらいました。
あとは、「PvP」の話をしたばかりで恐縮なのですが、韓国市場は「PvP」志向なのに対して、日本市場はコミュニケーションを大事にします。ですから、「PvP」と「協力プレイ」の比重としては、後者に重きを置いた展開をしていきたいと考えています。
――最後に、ユーザーへのメッセージをお願いいたします。
★松岡氏
次の機会はオープンβテスト時になりますが、ぜひ触っていただいて、『Valkyrie Sky』を知っていただければと思います。ご期待ください。
――お忙しいところ、ありがとうございました。
(ジーパラドットコム編集部/広田貴久)