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| 本稿では『NAVYFIELD』の世界をさらに幅広くディープに楽しむための一助となるために、ゲーム以外のメディアで活躍する艦船・潜水艦などの情報をお届けしたい。題して「NAVYFIELDサブカルチャーコラム」。時にはPCの前から離れて、様々なジャンルから「海戦」のロマンに浸ってみるのはいかがだろうか? |
| 「仮想戦記」と聞けば志茂田センセイなどが書かれているような、ハチャメチャな兵器が時代考証完全無視の世界を舞台に、適当な歴史人物の指揮のもとでメチャクチャな戦いを展開するというようなシロモノを思い浮かべる方も多いかもしれない。しかし、そんなデタラメがまかり通る仮想戦記界で、緻密な世界設定と男泣きの人物描写によって、リアル志向な読者たちの圧倒的な支持を受け続ける人気遅筆作家が存在する。それあ佐藤大輔氏なのである。 |
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ゲームで憶えているプレイヤーもいるかもしれないが、同名シミュレーションボードゲームの小説版で、佐藤大輔氏の代表作である。
日露戦争に敗れ植民地路線を放棄した日本帝国が、重商路線に転換して日英同盟を堅守しながらアメリカとの対決姿勢を強めていた1939年。ヒトラー率いる新生ナチスドイツは、第二次世界大戦を引き起こしてイギリス本土に上陸。イギリス政府はカナダに亡命政府を樹立した。アメリカはドイツと米独不干渉条約を締結して日英と対決しようとするが、ドイツはその隙をついて世界初の原爆をアメリカに投下し、第三次世界大戦を勃発させる……。
兵器や作戦だけでなく、当時の経済状態や技術開発など戦争に関わるありとあらゆる事象を総合した、数百年にもわたる緻密な世界設計は他の追随を許さず、多くのファンを引きつけてやまない大快作。現在、本編が2つの出版社から11冊、外伝や別冊が5冊刊行されているが、いまだに第三次世界大戦の序盤であり、日本軍の反撃が開始されたばかりである。『NAVYFIELD』プレイヤーには中央公論新社から刊行されている『死線の太平洋』編をお奨めする。輸送船団護衛任務という一般戦記小説ではまず取り上げられない戦いをめぐって、駆逐艦を中心にした護衛艦隊タイフーンと、Uボート戦隊アヴェンダーの熾烈な消耗戦はとにかく泣ける!他に印度洋を舞台に巨大艦同士が激突する3~5巻の大海戦も『NAVYFIELD』プレイヤーにとっては必読だろう。
現在もまだ刊行中であるが、開店休業状態なのは寂しい。
「死線の太平洋 レッドサンブラッククロス1」
中央公論新社・刊 新書判 1999年09月 850円(税抜)
大中小 全規模海戦あります度 ★★★★★ |
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上記「レッドサンブラッククロス」とほぼ同時期を描く日米対決。
南北戦争によって北の合衆国と南の南部連合に分断されたアメリカ。その後、合衆国は豊かなバックボーンによって経済を発展させていた。しかし奇跡的な経済成長を遂げた日本が合衆国の経済を圧迫し始め、これに危機感をもった合衆国は経済戦で優位に立つために、奇襲攻撃からの早期講和を目的とした限定的な対日戦争を決意するが……。
あらすじを読めば分かるとおり、日本とアメリカの立場を変えた太平洋戦争。しかし、そのままだとどうやってもアメリカ圧勝となってしまうので、日本に勝ち目を残すために(普通は日本を強くするのだが)19世紀末に起こった南北戦争のゲディスバーグの戦いを南軍の勝利に結果を変え、アメリカを南北分断国家という設定にして国力を弱めている点に注目。パシフィックストーム作戦発動後巻き起こる日米機動部隊による死屍累々の大決戦シーンは、『NAVYFIELD』の空母使いプレイヤーに是非読んで欲しいところ。
現在、本編3冊と外伝が1冊発売中。本編は継続中だが、もう6年も新刊が出ていない。真田少将他、主要登場人物が「レッドサンブラッククロス」に引っ越ししている点も、ファンの不安を煽っている。
「侵攻作戦パシフィックストーム
1 対立要因」
中央公論社・刊 新書判 1994年11月発行 757円(税抜) ※絶版
リメンバー・パール・ハーバー度 ★★★★★ |
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ここまで仮想戦記を二編紹介したが、
最後に紹介するのは太平洋戦争の初動作戦であり、
世界初の大規模な機動部隊による
航空攻撃作戦であった真珠湾攻撃をめぐる
ドキュメント小説「真珠湾の暁」。
はたしてアメリカは真珠湾攻撃を事前に察知していたのか?
また第一次攻撃を大成功させた南雲機動部隊は何故第二次攻撃を行わなかったのか? なぜ日本軍は真珠湾の石油タンクや工廠設備などを攻撃して真珠湾を使用不可能にしなかったのか? など世論でもさんざん議論されたテーマを資料を元に考察する。真珠湾攻撃にからみ、途中から世界の軍事艦船のメインストリームが、なぜ戦艦から空母へと変遷していったか、またシーパワー、エアパワーにおける空母の重要性に関する論評へと移っていく。
ただし、著者本人も書いているとおり「小説でも史論でもない」というのが言い得て妙かもしれない。何とも奇妙な作品ではある。
「真珠湾の暁」
徳間書店・刊 文庫判 2002年11月発行 533円 (税抜)
機動部隊原理主義度 ★★★★★ |
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