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シリ研―シリーズ研究所― 【第9回】  

日本近代史のウラ教科書!?『桃鉄』シリーズの物件から時代を読み解く

2006.12.01
『桃太郎電鉄』シリーズ公式サイト
 
 作品を重ね、歴史を形作るゲームがある。この連載では、毎回ひとつのシリーズの歴史を紐解いていく。
  今回はファミコンで登場してから20年近くもリリースされ続け、いまや年末の風物詩となった『桃太郎電鉄(以下、桃鉄)』シリーズを考察。本シリーズに追加されてきた物件を追っていくと、日本近代史が見えてくる!? さらに、プレイヤーを悩ませ続ける名物キャラ「ボンビー」の変遷も辿っていくぞ。
『桃太郎電鉄』シリーズ作品リストはコチラ
■物件で振り返る『桃鉄』~こんな物件ありました~
  『桃鉄』は日本全国の駅をまわって物件を買い、規定の期間(年)内に自分の資産を増やすスゴロクゲーム。さまざまな能力を持ったカードや逆転性の強いイベントなどを経て、日本中を巡る。
  これらのシステムとシリーズ共通のゲームバランスの良さが面白い部分だが、シンプルにルールをまとめると以上のようになる。
  そんな『桃鉄』のシステムの根幹となっている「物件」だが、シリーズが発売されるごとに、その時々の時勢に合わせてどんどん変化している。ここでは21世紀初の作品となる『桃太郎電鉄X(ばってん)~九州編もあるばい~』以降の5作品から気になる物件を探して、現実世界との関係性を調査してみた。
『桃鉄』シリーズの(独自)注目物件

桃太郎電鉄X(ばってん)~九州編もあるばい~
(2001年12月23日発売)
■おまいり横丁:伊勢駅
 元ネタはおそらく伊勢名物が並ぶ町「おかげ横丁」。伊勢神宮へ「お参り」する際にはぜひ立ち寄ろう。『Ⅹ』、『11』では80億円前後の食品系物件なのに、『12』以降のシリーズでは140億円の観光系物件へと高騰。一体何があったのだろうか……。

▲画面写真をクリックすると、その他の物件の説明が表示されます。
桃太郎電鉄11 ブラックボンビー出現!の巻
(2002年12月5日発売)
■東京ネズミーシー:幕張駅
 長らく幕張駅の最高額物件だった東京ネズミーランドの弟分。元ネタは間違いなくディズニーシーで、2001年9月4日にオープン。幕張は千葉県なのに「東京」と付いているのはイメージの問題?

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桃太郎電鉄12西日本編もありまっせー!
(2003年12月11日発売)
■演歌の親父記念館:函館駅
 「親父」と呼ばれ慕われている北島三郎氏が故郷に建てた記念館が元ネタ。運営会社によるWebページの更新が2003年に止まっているのが泣ける。

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桃太郎電鉄G ゴールド・デッキを作れ!
(2005年6月30日発売)
■プロ野球チーム:札幌駅・仙台駅
 日本を舞台とする『桃鉄』が1年半ぶりであったため、その間にあった日本ハムファイターズの拠点の移動や東北楽天ゴールデンイーグルスの誕生が反映されている。
  なお、価格は札幌のチームが66億円で、仙台のチームが30億円。

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桃太郎電鉄15五大ボンビー登場!の巻
(2005年12月8日発売)
■桃太郎ランド:岡山駅
 シリーズおなじみの架空のテーマパーク。毎回、超高額物件。しばらく価格は3,000億円で安定していたが、本作でついに1兆円になった。
  ちなみにこれは日本の年間総予算の約80分の1。

▲画面写真をクリックすると、その他の物件の説明が表示されます。
 以上で見たとおり、『桃鉄』の物件には、時事ネタやかなりマニアックな話題もふんだんに取り入れられている。このシリーズを遊んでいて地理や近代史の勉強に役立った人も多いはずだ。
  また「愛・地球博」が行なわれた年にはあった瀬戸駅が、次の作品ではバッサリ切られるなど、結構ドライなところもある模様。新しい作品をプレイする際にはどういった物件が登場しているか注目しても面白いだろう。
月日 史実 物件
1993   カシマスタジアム開場 サッカースタジアム(鹿嶋駅・『Ⅹ』)
1996   長居スタジアムが現在の形に サッカースタジアム(大阪駅・『Ⅹ』)
1998   日産スタジアム開場 サッカースタジアム(横浜駅・『Ⅹ』)
2000   宮城スタジアム開場 サッカースタジアム(仙台駅・『Ⅹ』)
2001 2月 フェニックス・シーガイア・リゾート、会社更生法を適用を申請 シードーム(『Ⅹ』)
3月 静岡スタジアム・エコパ竣工 サッカースタジアム(静岡駅・『Ⅹ』)
3月31日 ユニバーサル・スタジオ・ジャパン開園 映画ランドジャパン(『Ⅹ』)
4月29日 新潟スタジアム開場 サッカースタジアム(新潟駅・『Ⅹ』)
5月 大分スポーツ公園総合競技場開場 サッカースタジアム(大分駅・『Ⅹ』)
6月3日 札幌ドーム開場 サッカースタジアム(札幌駅・『Ⅹ』)
7月23日 石ノ森萬画館オープン マンガランド(『11』)
9月4日 東京ディズニーシーオープン 東京ネズミーシー(『11』)
10月 埼玉スタジアム開場 サッカースタジアム(埼玉駅・『Ⅹ』)
11月 神戸ウイングスタジアム開場 サッカースタジアム(神戸駅・『Ⅹ』)
12月23日 『桃太郎電鉄Ⅹ(ばってん)~九州編もあるばい~』発売  
2002 12月5日 『桃太郎電鉄11 ブラックボンビー出現!の巻』発売  
12月23日 北島三郎記念館オープン 演歌の親父記念館(『12』)
2003 5月 ゼンリン、「リバーウォーク北九州」に本社機能を移転 地図製作会社(『12』)
12月11日 『桃太郎電鉄12 西日本編もありまっせー!』発売  
2004   日本ハムファイターズ、北海道へ本拠地を移動 プロ野球チーム(札幌駅・『G』)
2005   東北楽天ゴールデンイーグルス誕生 プロ野球チーム(仙台駅・『G』)
3月25日 愛・地球博開催 地球博覧会パーク(『G』)
6月30日 『桃太郎電鉄G ゴールド・デッキを作れ!』発売  
12月8日 『桃太郎電鉄15~五大ボンビー登場!の巻』発売  
 
■ヤメテー!憎いアイツもたくさん登場しました ~ボンビー進化論~
 元々『桃鉄』シリーズはRPG『桃太郎伝説』シリーズから派生したものだが、現在では『桃鉄』のほうが有名になっている。とは言え、いつもゲームパッケージの目立つ場所で敬礼をしている姿からも、「桃太郎」(RPGの主人公)が『桃鉄』シリーズでも「顔」と言って差し支えないだろう。
  しかし『桃鉄』のプレイヤーにとって、桃太郎以上に強烈な印象を受けているのはキングボンビーを始めとしたさまざまなボンビーたちのはず。プレイヤーにさまざまな悪行を行う貧乏神が変身して、さらにひどい悪行でプレイヤーをボロボロにしてくれる、困ったキャラクタたちだ。そこで、そんな『桃鉄』の裏の顔とも言えるボンビーの、貧乏神からの変身バリエーションを振り返ってみる。
キングボンビー
 『スーパー桃太郎電鉄II』以降の多くの作品に登場するボンビーシリーズの基本形。
悪行:金、カード、物件を捨てるなど、とにかくたくさん!
ミニボンビー
 まだまだかわいい赤ちゃんボンビー。
  『スーパー桃太郎電鉄II』以降に登場。
悪行:お金を少しだけ奪っていく。一定期間経つと消える。
ギーガボンビー
 キングボンビーのカウンターが0になると誕生する。
  『7』『Jr』『15』に登場。
悪行:全員の所持金をゼロにする。全員のカードを捨てる。
ブラックボンビー
 不必要なカードをたくさんくれる憎くて黒いやつ。『11』『15』に登場。
悪行:マップを、いらないカードが手に入るブラック駅だらけにする。
       
ハリケーンボンビー
 妙に手足の長いボンビー。うまく使えば逆転も!? 『12』以降に登場。
悪行:自分を含む周囲のプレイヤーが持っている物件を毎ターン吹き飛ばす。
ボンビー・モンキー
 プレイヤーの所持金がマイナスのときだけに現れる。『12』以降に登場。
悪行(?):プレイヤーの所持金をゼロにする。デビル系のカードを消す。
スペースボンビー
 結構地味な悪行を使ってくる騎士風のボンビー。『USA』に登場。
悪行:サイコロの出目に応じて、持てるカードの枚数を減らす。
ピヨピー
 カラーひよこのようなボンビー。『G』に登場。
悪行:体の色の変化に合わせて、マップ中の駅の種類を変更する。効果はプレイヤーの運次第。
  ★NEW★ ★NEW★ ★NEW★
ミサイルボンビー
 背中の砲身でカードを撃ち出す亀型(?)ボンビー。『15』に登場。
悪行:毎ターン、プレイヤーに意地悪なカードを使用させる。
ハピネスボンビー
 「ハッピー」になるのはほかのプレイヤーばかり。『16』に登場。
悪行:便利系カードをすべて破壊する。お金や物件を他プレイヤーに配る。
ゾンビボンビー
 墓場から出現する、恐怖のゾンビなボンビー。『16』に登場。
悪行:カードが使えなくなる。カードを腐らせてデビル系カードにする。
イレーザーボンビー
 自らの体を使ってチョチョイと物件を消していく。『16』に登場。
悪行:所持している中で一番高額な物件を1件ずつ消していく。

 思い出すだけでイヤになるような悪行三昧のボンビーたち。2006年12月7日(木)に発売される『桃太郎電鉄16』では上の3体も新たに登場し、またもやプレイヤーを困らせてくれそうだ。
  しかしこれまでのシリーズには、そんなボンビーらを防ぐための手段が必ず存在していた。巨大ロボットのメカボンビーや使い捨てのカプセルロボット、1度だけ悪行を防いでくれる「九死に一生カード」などなど……どれも微妙に信用しきれないものばかりだが、そこはゲーム。やはり、ほどよいスリルがあるほうが盛り上がるというものだ。

 ここまで見てきたように、日本の地理や時事ネタを、ゲームで楽しみながら振り返ることができる『桃鉄』シリーズ。今後も一年間の総決算に使える定番ボードゲームとして、鉄道が走る時代が終わるまで続いてくれるだろう。

【シリ研】小ネタ
絶対に許せない? もうひとりの裏の顔「スリの銀次」
プレイ初期ならまだ挽回できるかもしれないが、99年プレイ時の後半にでもスられると…対抗策がないところも厄介
 ボンビーとともにシリーズに登場し続けるイベントキャラクタのひとりが「スリの銀次」。イベントで彼と出会うと、所持金を4分の1~全額までランダムで盗まれてしまう。派手なボンビーの影に隠れがちだが、結構痛いイベントだ。
  正確には初代『桃鉄』からすべての作品に登場しているのは彼だけとなり、もうひとりの裏の顔と呼んで差し支えないだろう。彼は登場時にいつもコスプレ(変装)をして現れるが、その一部を紹介しよう。こちらも物件同様時事ネタが多いことがわかる。
「スリの銀次」変装リスト
桃鉄HAPPY プルタブにんざぶろう
桃鉄V 大渕総理
桃鉄11 車掌 ・ 宮本武蔵 ・ デブ夫人
桃鉄G ギン様 ・ 大木数子 ・ マツケン弁慶
桃鉄15 ホリダシモン ・ ないない探検隊

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