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シリ研―シリーズ研究所― 【第8回】  

平和の維持と恋愛成就!戦う乙女は忙しい!? 主人公を取り巻く『サクラ大戦』の人間関係を総まとめ!

2006.11.17
『サクラ大戦』シリーズ公式サイト「サクラ大戦.com」
 
 作品を重ね、歴史を形作るゲームがある。この連載では、毎回ひとつのシリーズの歴史を紐解いていく。
  今回のテーマは、広井王子×藤島康介×あかほりさとる×田中公平×セガという超豪華スタッフ陣が作り上げた新ジャンル(?)「ドラマチック・アドベンチャー」でおなじみの『サクラ大戦』をご紹介。1996年の第一作発売以来、足掛け10年以上に渡って続く本シリーズの登場人物と物語を総括する。
『サクラ大戦』シリーズ作品リストはコチラ
セガとREDのコラボレーションで生まれた新ジャンル
『サクラ大戦』シリーズには多数のキャラクタが登場するが、その全体を通してのヒロインと目されているのが、この「真宮寺さくら」。
  『サクラ大戦』シリーズは、大正時代とスチームパンクがミックスしたような「太正」時代を舞台としたアドベンチャーゲーム。都市に渦巻く人々の欲望から生まれる「都市エネルギー」に引き寄せられるようにして生まれる邪悪な存在から、都市を守るために結成された「華撃団」の戦いを描いた人気シリーズだ。
  華撃団のおもな構成員はすべて10代~20代前半の、高い「霊力」を持った女性たち。彼女達は普段「歌劇団」として舞台のトップスターでいるかたわら、敵が現れると「華撃団」となって霊力が駆動源の「霊子甲冑(光武)」と呼ばれるロボットのようなものに乗り込み出撃するというわけだ。
  プレイヤーはその華撃団の隊長となり、アドベンチャーパートで華撃団の面々の普段の生活に付き合うことで信頼を得る。そして敵に対して出撃するシミュレーションパートでは、アドベンチャーパートで得たキャラクターごとの信頼度がそのまま戦闘力に影響するというシステムになっている。
『サクラ大戦』の物語に深く関わる3つのキーワード
都市エネルギー
  人が集まるところに渦巻く欲望などを媒介として、都市に蓄積されてゆくエネルギー。とりわけ人口の多い都市ほどその影響力が大きいとされ、大都市ならではの災いを引き起こすものとして作中では描かれている。華撃団構想によって組織された部隊は、この都市エネルギーによる災いやトラブルを解決もしくは鎮圧するために存在している。
霊力
  人間が持つ霊的エネルギー。華撃団構想のメンバーたちは、なかでも霊力や、その扱いに長けた少女たちが中心となっている。隊長となる大神一郎や大河新次郎は、彼女らの霊力を引き出す優れた触媒的存在でもある。また、劇場版およびテレビアニメ版には、霊力のみを融合させることで帝国華撃団の戦いを支援する霊能部隊・夢組というものが存在した。
光武
  蒸気および霊力によって駆動する「霊子力エンジン」を搭載した甲冑兵器「人型蒸気」のひとつ。「光武」は初めての国産人型蒸気として陸軍および神崎重工によって生産され、帝国華撃団の兵装として配備された。巴里華撃団が正式採用している「光武F」は、神埼重工製のボディをベースに、独自設計の霊子力エンジンを搭載している。同様の兵器(人型蒸気)として、ドイツ産の「アイゼンクライト」米国産の「スター」などがある。
都市に渦巻く邪のエネルギーから人々を守る「華撃団」だって年頃の女の子
 「黒之巣会」をはじめとする、数々の集団と戦う華撃団。そのメンバーは前述のとおり、いずれも年頃の女の子。使命に燃えて日々戦ってはいるけれど、そこはそれ、お年頃だけに恋もしちゃう。では、どれだけのメンバーがシリーズに登場するのか? その相関図を表してみた(下記参照)。
■敵は作品ごとに変化。しかし作品の主眼は戦闘よりも…
 『サクラ大戦』シリーズは、基本的にエネルギーを求める悪の組織と戦っていくゲームである。SLGパートでユニット(仲間キャラクタ)を操作し、敵を倒していく。協力攻撃やカットインの演出など、プレイを楽しませてくれる要素が含まれている。
  それでは、各作品は、どんな物語になっているのか、みていこう。
■新ジャンルを確立し、その名を轟かせた『サクラ大戦』
制限時間つきの選択肢「LIPS」がユーザーに決断を迫る。「選ばない」という選択肢もあるところがポイント
『サクラ大戦』および『2』の戦闘パートは、クォータービュー・スクエアタイプのオーソドックスなシミュレーション
 帝国華撃団に配属されたはずの大神が連れられていったのは「帝国華撃団」ならぬ「帝国歌劇団」だった。
  彼は劇場内の雑用を押し付けられ、わけもわからず右往左往しているうちに、彼女たちの本当の姿を知る……。
  江戸の世から現世に復活した天海大僧正率いる「黒之巣会」に立ち向かう第一作。
▼帝国華撃団(登場作品『1』『2』『3』『4』)
 帝都・東京を守るため結成された華撃団。銀座の真ん中にそびえる「大帝国劇場」を拠点にしている。地下鉄の路線を使用する弾丸列車「轟雷号」が劇場の地下から発進。支部である浅草からは飛行船「翔鯨丸」が飛び立つ。操る霊子甲冑は「光武」。『2』で新たに参加した織姫とレニは元・欧州星組メンバーでもある。
■男だと思っていたら女だった!『サクラ大戦2~君、死にたもうなかれ~』
戦闘パートは初代のものを踏襲しながら、必殺攻撃や合体攻撃、協力攻撃など、ビジュアル面の演出も強化された
グループのリーダー的存在であるマリア・タチバナ。夏休みイベントは番外編的な楽しみもあるインターバル
 黒之巣会を倒してからちょうど一年後、新たに台頭してきた悪の存在「黒鬼会」を倒すため、海軍に戻されていた大神のもとにふたたび着任命令が下る。欧州で試験的に設立されていた「欧州星組」から、レニ・ミルヒシュトラーセとソレッタ織姫、ふたりの新たな隊員を迎え、第二の「サクラ大戦」に挑む。
■フランス・巴里に舞台を移した『サクラ大戦3~巴里は燃えているか~』
戦闘は3Dとなり、行動に応じてゲージが減っていく「ARMS」システムを採用。合わせてスクエア(ヘックス)の概念が廃された
天真爛漫な快活さが魅力のエリカ。しかし、その明るさの裏にはかつて橋の下に捨てられていたという過去がある
 試験的な存在だった欧州星組計画を経て、正式に欧州初の華撃団を設立。そこに選ばれた場所はフランス・巴里だった。
  おりしも巴里は世界博覧会により、世界中から押し寄せる人々のエネルギーで沸き立っていた。しかし、そのエネルギーが古の「パリシィ」一族の怨念を呼び覚ましつつあった──。
▼巴里華撃団・花組(登場作品『3』『4』)
 帝国華撃団の成功を受け設立された華撃団で、フランス・巴里を拠点とする。巴里華撃団・花組の拠点でもある「テアトル・シャノワール」は、パリジャンたちの社交場となっている。光武をベースに独自設計した「光武F」を駆り、凱旋門にまで独自の兵装を仕込んでいる。
■全部で13人!歴代のヒロインが大集合!『サクラ大戦4~恋せよ乙女~』
戦闘パートはそのときどきによって登場する隊員が変化する。最終的に「大神華撃団」を編成し、巨悪に立ち向かう
本編冒頭で帝都・巴里それぞれひとりずつヒロインを選ぶ13分岐システム。はるか巴里から5人のヒロインが来日する
 「帝都&巴里編フィナーレ」として位置づけられる作品。舞台は「その後」の帝都・東京となっている。
  帝都8人&巴里5人の中からひとりずつヒロイン候補を選び、最終的にどちらかを選び、エンディングを迎える。これまでの作品とは、やや趣が異なっている作品だ。
■主人公含め、登場人物を一新『サクラ大戦V~さらば愛しき人よ~』
戦闘パートでは3Dを活かした空中戦や連携攻撃、エリア移動などを満載。連携攻撃の使い方も攻略のポイントになる
仲間の機体との距離やそのときどきの信頼度などによって偶発的に発生する友情カウンター。これもシリーズ通しての特徴だ
 プラットフォームをプレイステーション2に移してのシリーズ最新作。その舞台はアメリカ・紐育──世界のショウビジネスの最先端を行くブロードウェイで、大河新次郎の奮闘を描く。紐育をその手に収めるため復活した織田信長を相手に戦う。
▼紐育華撃団・星組(登場作品『V』)
 紐育の目抜き通り、ブロードウェイにある「リトルリップシアター」を拠点とする華撃団。シアターでは連日ショーやミュージカルを上演している。オーナーのサニーサイドはちょっと変わった日本びいきでもある。アメリカ独自の最新型の霊子甲冑「スター」に乗り込み、紐育の平和を守る。
 以上のように、各作品のストーリーはいたってシンプル。悪を倒す、勧善懲悪モノである。いわば、王道。それだけに、その中心となって戦う主人公のカッコ良さが際立ち、それを支える女の子たちがかわいらしく描かれるのだろう。ここに、10年に渡って支持を得ている一因が隠されているのではないだろうか。

【シリ研】小ネタ その1
10年の歴史に幕を降ろした帝都花組の歌謡ショウ
 「歌劇団」を扱っているだけあって本編でも舞台シーンが多い『サクラ大戦』だが、ゲーム本編のオリジナルキャストが、そのキャラのコスプレをして実際に舞台をするという「歌謡ショウ」も存在している。なかでも初代『サクラ大戦』および『2』のキャラクター達が総登場する、帝国歌劇団の歌謡ショウは1997年から夏ごとに10公演を行ない、2006年8月にその幕を降ろしたばかり。
  ほかにも巴里花組メンバーによる、有名ホテルでのクリスマスディナーショウや、最新作『V』のメンバーによるレビュウショウも見逃せない。ほぼすべての公演がDVD化されているので、プレイに合わせて観てみるのもシリーズを楽しみ方のひとつと言えるだろう。
【シリ研】小ネタ その2
関連ソフトやケータイアプリは多数あるが、『サクラ大戦』の新作は?
落ちモノパズルの中でマニアックなファン層を獲得した、『コラムス』と『サクラ大戦』のコラボレーション
 セガサターンやドリームキャストのキャラクタータイトルとして、不動の地位を築いた『サクラ大戦』。セガの自社タイトルだけあって、関連ソフトも多数発売されていた。すべてのソフトはキャラクター設定のみが引き継がれ、あくまでサブストーリー的な位置づけなのが残念なところだが、たとえば『花組コラムス』などはセガならではの作品と言えるだろう。
  ほかにもプレイステーション2では『サクラ大戦V』のビフォア的作品であるアクションゲーム『サクラ大戦V EPISODE-0~荒野のサムライ娘~』、純アドベンチャー形式の『サクラ大戦物語~ミステリアス巴里~』などが発売されている。さらにシリーズの前史的な作品や、戦国時代を舞台としたものも発売が予定されていたようだが、ここしばらくそれらのウワサは聞こえてこない。これまで華やかな歴史を綴ってきた『サクラ大戦』シリーズだけに、もっと我々に夢を見せていただきたいものだ。

 次回の【シリ研―シリーズ研究所―】は、ハドソンが贈る年末の“風物詩”『桃太郎電鉄』シリーズを考察。
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 【シリ研―シリーズ研究所―】バックナンバー
 第1回 :『鉄拳』シリーズ 前編
 第2回 :『鉄拳』シリーズ 後編
 第3回 :意外な人物が繋げる『ヴァルキリープロファイル』
 第4回 :『魔界村』シリーズ探求!姫の3サイズとイチゴパンツの歴史に迫る!
 第5回 :真の主役はギース!?相関図とサウスタウンのマップから『餓狼』を考察!
 第6回 :アルファ・システムの「七つの世界」を用語集と概念図で簡潔に解説!
 第7回 :野望と種族間抗争!「ネバーランド」シリーズの終わらない戦争を考察!
(C)SEGA (C)RED
 
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