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シリ研―シリーズ研究所― 【第6回】  

アルファ・システムの「七つの世界」を用語集と概念図で簡潔に解説!

2006.10.20
アルファ・システム公式サイト
   
 
 作品を重ね、歴史を形作るゲームがある。この連載では、毎回ひとつのシリーズの歴史を紐解いていく。
 今回のテーマは、九州に居を構えるゲーム制作会社・アルファ・システムが送り出してきた数々の作品。一見、各タイトルは関連がないように見えるが、実はひとつの世界間のもとに成り立っているのである。
アルファ・システム「七つの世界」関連作品リストはコチラ
アルファ・システムが仕掛けた壮大な叙事詩「七つの世界」
 熱心なゲームファンであれば「アルファ・システム」(以下、アルファ)の名前を聞いたことがあるはず。アルファは九州は熊本に居を置くメーカーで、これまでに『イース』や『ドラゴンスレイヤー』などの移植や、『新世紀エヴァンゲリオン2 造られしセカイ』などの制作をしている。
  そのアルファ制作ゲームのうち、こちらのリストにあるゲームには、一見世界観やジャンルがまったく異なっているが、実はすべてのゲームがつながっているという知る人ぞ知る裏設定がある。もちろんそれぞれのゲーム単体でも楽しめるが、この裏設定を知っているからこそ理解できる描写も多い。今回はその膨大に用意され、また現在も発展中である裏設定のほんの入口を紹介しよう。
  これらのゲームの世界の舞台は「無名世界観」や「七つの世界」などと呼ばれる世界観の一部で、この世界は右の表にあるように7つの世界に分かれている。7つの世界はそれぞれに独立している平行世界(パラレルワールド)で、基本的にはそれぞれの世界の行き来や認識はできないようになっている。ただしこの世界観では、各ゲームで断片的に示される、世界間をまたぐ存在や事象から推理することで、ひとつのゲーム内だけでは明かされなかった真実にたどり着く、という仕掛けが施されているのだ。
  また、この「無名世界観」の物語はゲームやドラマCDなどの関連グッズのほかに、以下のような小説やWebコンテンツなどでも語られている。そのすべてを追いかけるのは結構大変なのだ。
そもそも「七つの世界」って? それぞれが独立しつつ、かつ交わる7つの宇宙
 まず、「七つの世界」とは、文字どおり7つの世界の総称のこと。これらは右表のようにわかれており、これまでに発売されているゲームなどが、それぞれ該当する。つまり『ガンパレード・マーチ』『式神の城』などは独立した作品でありながら、同一の世界観の元に成り立っていると言える。
 各世界はそれぞれ平行(パラレル)に独立して存在している世界で、基本的には異なる世界への行き来や認識はできない。ただし、それらの世界間を行き来できる特別な人物や組織が存在する。彼らは複数のゲームで確認することができ、ユーザーはそこから何らかの“事象”を断片的に読み取ることができる。それらを理解し、補完することで、ひとつのゲーム内だけでは明かされなかった真実にたどり着く、という仕掛けだ。
  また、この「七つの世界」の物語はゲームやドラマCDなどの関連グッズのほかに、以下のような小説やWebコンテンツなどでも語られている。そのすべてを追いかけるのは結構、大変なのだ。
「七つの世界」の基本構造
第1世界「サイレントオデッセイ」
主な登場作品 なし
第2世界「ダンスドール」
主な登場作品 なし
第3世界「ハートオブハイドロゲン」
主な登場作品 『水素の心臓』
第4世界「エレメンタルギアボルト」
主な登場作品 『幻世虚構・精霊機導弾』
第5世界「ガンパレード」
主な登場作品 『ガンパレード』シリーズ
第6世界「ゴージャスタンゴ」
主な登場作品 『式神の城』シリーズ・『絢爛舞踏祭』
第7世界「アイドレス」
主な登場作品 『GPM23』
▼ゲーム以外で展開している主な「七つの世界」作品▼
テーブルトークRPG「Aの魔法陣」のリプレイブック「~式神の魔法陣篇~」。現在もオンライン上でセッションが行なわれている
第6世界を舞台とした小説「頂天のレムーリア」。読者投票で展開が決まるというある種、スリリングな作品
アルファシステムの公式サイトで公開されている小説「男子の本懐」(左)と「女子の本懐」(右)。小説の隣にはコメディタッチのマンガも付いている、他作品とは違った軽い雰囲気が魅力
▼補足その1 同一存在・世界間移動について▼
▲壬生屋未央(左)と結城小夜(右)
 上記したようにそれぞれの世界は独立している。しかし第5世界を舞台とする『高機動幻想ガンパレード・マーチ』(以下『GPM』)に登場する壬生屋未央と、第6世界を舞台とする『式神の城』に登場する結城小夜のように、「巫女姿」という外見や裏設定などで似たような性質を持ったキャラクタが何人も存在している。これらの存在は「同一存在」と呼ばれていて、同じような歴史を歩むべき7つの世界に均衡を保つため、歴史を変えるような何らかの大きな「可能性」を持つ者が各世界ごとに配置されている。
  ただし『GPM』の新井木勇美(にいぎいさみ)と、『式神の城2』のニーギ・ゴージャスブルーは同一存在ではなく、第6世界から第5世界へと本人がそのまま移動した同一人物。彼女は第5世界からいなくなってしまった意中の先輩・来須銀河を探すために世界を移動しており、こういった人々を「世界間移動存在」や「風を追うもの」と呼んでいる。
▼補足その2 「七つの世界」の理解がどんどん進む用語集▼
ワールドタイムゲート……いくつもの世界と時間をつなげる道。このゲートを通って、『GPM』の幻獣や『絢爛舞踏祭』の火星を覆う大量の水が出現したほか、これまでにもいろいろな「可能性」が通過してきた。情報や「可能性」が集中した場所に現れる。
セプテントリオン……各世界を股にかけて暗躍する世界移動組織。ワールドタイムゲートを開いたり、「竜」を殺すための決戦兵器を作るために『式神の城』や『GPM』の舞台を整えたのは彼ら。ただし最終的な目的は不明。
絢爛舞踏……人類最強の存在に与えられる称号。ゲーム的には『GPM』では300匹以上の幻獣を倒せば、『ガンパレード・オーケストラ』では優勢で10回大勝すればその称号をもらえる。要するにとても強い人。
第4世界~第6世界の主な作品を紹介!アナタが行きたいのはどの世界?
 以上で述べてきたのは、「七つの世界」のホンのさわりの部分のみ。もっと掘り下げていくと、各世界には「基幹」となる技術が存在し、それが世界ごとに異なることや、各世界の位置関係(第3世界は中央に位置している)など、実に複雑な構成になっていることが明らかになってくる。また、その全貌はいまだ明らかにされておらず、今この瞬間にも、“謎”は集中と拡散を繰り返している。
 それでは、ここからはその世界観の一部になっているゲームについて、現在発売されている4つのシリーズを紹介しよう。
■第4世界:七つの世界の始まり ファンタジー系ガンシューティング
『幻世虚構 精霊機導弾』
 「無名世界観」を扱った初のゲームソフト。第4世界での「精霊機導弾事件」をもとにしている、ファンタジー世界でのガンシューティング。各ステージ後にはスコアを経験値に振り分けてレベルアップできる「トレードオフ」システムが特徴となっている。普通に考えると経験値を上げてレベルアップしたほうがよさそうだが、レベルが上がるごとに連続して敵を倒した時の得点の倍率が上がる「コンボボーナス」の上限が減っていき、スコアを伸ばしたい上級者の頭を悩ませる仕様だった。
3つのショットを駆使してゲームを進める。発売当時は幻想的なグラフィックのほか、音楽面の評価も高かった ステージクリア時にはスコアに応じて写真の「精霊男爵」や「精霊神」、はたまた「駄目伯爵」などの称号がもらえる
 
■第6世界:キャラクタ志向シューティングの端緒!?
『式神の城』シリーズ

 アルファ・システム初のアーケード作品は縦スクロールシューティングだった。自機は戦闘機などではなく、なんと選択したキャラクタ。現代に近い第6世界で人が飛んで戦うさまは結構シュールだった。各ステージ間にはキャラクタ別のストーリーが挟まれ、物語性が高いシューティングになっている。現在では『III』までリリースされていて、外伝的存在としてシリーズ間の物語を補完するアドベンチャーゲーム『七夜月幻想曲』が発売されたほか、小説やマンガなどにも作品が存在する。

ゲーム内容はショット、式神攻撃、ボムを使ってステージを進めるシンプルな弾幕系シューティング 『III』のステージ1のボス・堀口ゆかり(ver2)のボス戦前デモシーン。実は彼女も第7世界からの世界移動存在
 
■第5世界:アルファの名を世に知らしめた作品
『ガンパレード』シリーズ
  シリーズの初作品『GPM』は幻獣と戦う熊本の少年兵部隊が舞台のシミュレーションだが、行動の自由度が大変高く幻獣と戦う以外にも恋愛をしたり、アルバイトに精を出したり、はたたまた何もしなかったり、と、どのように過ごしてもよい。実は第7世界の「アルファシステム」という会社が第5世界の事件をもとに作ったゲームソフトという設定。のちにCDドラマ化、アニメ化などもされた人気作で、同じ世界観の続編『ガンパレード・オーケストラ』3部作も発売された。
AIで制御されたキャラクタとはアドベンチャー風に会話ができる。「提案」などをしてコミュニケーションを図るのだ 幻獣との戦闘はターン制のコマンド選択式で行なわれる。『オーケストラ』ではアクション要素も導入された
 
■第6世界:『GPM』からさらに進化したリアルタイムドラマシミュレーション
『絢爛舞踏祭』
 『GPM』のシステムを引き継いだシミュレーションゲーム。「火星独立軍」を名乗り世界と戦っている潜水艦「夜明けの船」のクルーを、別世界に介入するためのシステム「OVERS」を使って第7世界にいるプレイヤーが操っている、という少々込み入った設定。舞台は第5世界の『GPM』の未来の世界と、分裂してしまった第6世界のうちのひとつが重なった世界で、こちらも入り組んだ設定になっている。ゲームより先に、同じ設定を原作にしたアニメが放映された珍しい作品。
奥で行なっているのは決して怪しいことではなくマッサージ。親密になると揉んだり指圧したりできる 仲間を甲板から放り投げる主人公!? 『GPM』から引き続き、荒唐無稽なこともできる自由度は健在だ

 以上のように、てんでバラバラな世界観が同居しているのが「七つの世界」である。さらに、いまだにはっきりとは描かれていない世界や、明かされていない謎も多い。ただし最初からすべての設定を理解している必要はない。基本的に、各ゲームは単体で完結しているのだから。もし、何度かプレイするうちに気になるキーワードやフレーズが出てきたとする。それで、ちょっと調べたらその先には膨大な情報量が待っていた。言葉の海におぼれながら、なんとかそこから特定の答えを見つけられる。しかし、その瞬間に深い設定への驚嘆と新たな知識を習得した感動を得られる、ということである。
  なおアルファ・システムは、ここまでに挙がってきたゲーム以外にも『イースIII』や『天外魔境II 卍MARU』など、往年のゲーマーなら誰もが知っているような名作も数多く手がけている。これらはあくまでも「七つの世界」とは関連がない作品群。しかし、いろいろと調べていくと「実はなんか関わっているのでは?」と、勘ぐってしまうようになる。こうなったら、もうすっかりアナタも「七つの世界」の住人?

 次回の【シリ研―シリーズ研究所―】は、アイディアファクトリーが贈る一大叙事詩「ネバーランド」シリーズを掲載。広大なネバーランド大陸を舞台に、人間や魔族が終わらない戦いを繰り広げる。大陸が見てきた歴史を解説!
 それではまた来週!
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 第4回 :『魔界村』シリーズ探求!姫の3サイズとイチゴパンツの歴史に迫る!
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