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シリ研
 

第3回
意外な人物が繋げる
『ヴァルキリープロファイル』

2006.09.11
『ヴァルキリープロファイル2 シルメリア』メインページ
関連URL:『ヴァルキリープロファイル』シリーズ公式サイト
 
多くの作品を重ね、歴史作られるゲームがある。この連載では毎回ひとつのシリーズを紐解いていく
主神・オーディンによって、世界の終末「ラグナロク」に備えて地上に出向くよう、命が下される『レナス』冒頭のシーン。ここから、勇者の魂「エインフェリア」を求める冒険、そして神と人間の物語が始まる
 プレイステーション用RPGとしてエニックスより発売された『ヴァルキリープロファイル』。北欧神話をベースにしている純正ファンタジーということで、多くのRPGファンから注目を集めていた人気作だ。2作目となる『ヴァルキリープロファイル2 シルメリア(以下、シルメリア)』が2006年6月に発売されたのは記憶に新しいだろう。今回はシリーズ2作品と、物語を繋ぐ意外なキャラクタについて紹介していこう。

 初代『ヴァルキリープロファイル』がプレイステーションで発売されたのは1999年の年末。開発を担当したのは、『スターオーシャン』シリーズで名を馳せたトライエース。運命の三女神の次女、ヴァルキリー・レナスが主人公をタイトル。神々の戦争(ラグナロク)を背景に「人の死」を扱った奥深いストーリーとなっている。

不死者の王・ブラムスの居城に乗り込むレナス。ブラムスはオーディンと幾度も争ったことがあり、さらにこの城にはシルメリアの精神が捕らわれていたり、と過去の時代との関わりが仄めかされる

  『ヴァルキリープロファイル』はRPGとしては珍しく、横スクロールのダンジョンやターン制ながらアクション性の高い戦闘システムを採用。
  当時RPGでも3Dグラフィックが幅を利かせつつあった中で、緻密に描かれたドット絵、さらに桜庭統氏が手がける音楽、という他のRPGタイトルと一線を画した魅力が詰め込まれていた。発売後、すぐに多くの熱狂的なファンを獲得することができ、続編を望む声も高かった。

■ふたつの作品をつなぐキャラクタ

シルメリアの宿る「アリーシャ」と、ともに冒険をしたエインフェリア「ディラン」に扮していた「アーリィ」が刃を交える『シルメリア』での一幕。アーリィは姉であり、『シルメリア』時代のヴァルキリーでもある

  続編が発表されたのは、それから6年後。この時に発表されたのがプレイステーション・ポータブル用として前作をリメイクした『ヴァルキリープロファイル -レナス-(以下、レナス)』とプレイステーション2での完全新作『ヴァルキリープロファイル2 -シルメリア-(以下、シルメリア)』だった。
  2D作品の前作から、『シルメリア』は3D表現を採用することで、見た目が大きく変化。しかし『レナス』の世界から数百年前が舞台。物語は前作に引き続き、神と人間の争いが描かれている。
  タイトルになっている「シルメリア」とは、『レナス』でも名前だけが明かされていたキャラクタ。運命の三女神・レナスの妹に当たる存在だ。『レナス』に登場した他のキャラの中にも、傭兵アリューゼ、不死王ブラムスといった過去を匂わつつ、あまり語られることがなかったキャラクタが、『シルメリア』に登場し、前作との明確なつながりを感じさせてくれる。

『ヴァルキリープロファイル』シリーズをつなぐ重要なキャラクタ、レザード・ヴァレス。『シルメリア』では魔道の新人研究者として、アリーシャたちを助ける好青年を演じているが、秘めた野望は変わらない

 中でも重要な存在となっているのが魔術師レザード・ヴァレス。『レナス』では少々不気味な雰囲気の魔術師として、師や兄弟弟子をも利用し、片思いの相手レナスをストーカーの如く執拗に追い掛けていた。キャラクタボイスを担当する子安武人氏による、狂気を帯びた演技も相まって、ファンからの人気も上々だった彼。しかし『シルメリア』では、意外にも主人公であるアリーシャ(=シルメリア)一行を助ける、さわやかな研究者として登場したのだった。
  あまりにも違う印象で登場したレザード・ヴァレス。その訳は、物語の終盤に登場するレナスによって語られる。
  レナス自身とレザードは未来(『レナス』の世界)からやってきた設定。つまり『シルメリア』の世界は時間軸的には過去だが、物語としては『レナス』を受けたものなのだ。
  レザードの目的は、過去の世界を変え、神の力を得て、愛するレナスと融合することだった。こんな一個人の欲望を為し得るために神の力をも利用するという、ゆがんだ魅力を有するレザード・ヴァレスが、脇役に留まらず、シリーズをつなげる重要な役割となっている。
  ほかにも『レナス』では栄華を極める都市が、『シルメリア』では廃墟となっているなど、2作品は密接に関係している。シリーズものにも関わらず、まったく別の作品や、世界観は同じだが作品同士はあまり関係しないシリーズ作品もある中、『ヴァルキリープロファイル』シリーズは、シリーズ通してプレイして、より一層の驚きと深く物語が楽しめる好例と言えるだろう。

 余談ではあるが実際の北欧神話で重要人物と言えば、巨人族の出身ながら神の一人となり、最終戦争「ラグナロク」でその神々に反旗を翻す「ロキ」の存在が思い出される。『ヴァルキリープロファイル』でのロキは『レナス』の終盤において登場するが、『シルメリア』には存在しない。『レナス』、『シルメリア』に続き、運命の三女神の最後のひとりである長女の「アーリィ」を題した3作目があるとすれば登場する……か?

(C)1999,2006,SQUARE ENIX CO.,LTD.ALL Rights Reserved.
Developed by tri-Ace Inc. Character design : PRODUCTION I.G
(C)2006 SQUARE ENIX CO.,LTD. All Rights Reserved./Developed by tri- Ace Inc./
Character illustration:KOU YOSHINARI/YOU YOSHINARI
 
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