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戦いは数だよ兄貴!…って、ドラ!?『ガンダム麻雀DS』レビュー
2006/02/02
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 突然ですが、これまでに発売された「ガンダム」ゲームの数、知っていますか? タイトル名に「ガンダム」が含まれるものだけでも、その数ざっと200以上。『スーパーロボット大戦』シリーズなどの関連作品も含めると、総登場作品数は400を越えると言う。いやはや、これだけの長きに渡って愛され続けている作品というのも、ちょっとないだろう。
 しかし、これだけのタイトルがリリースされているとなると、たまには直球だけでなく変化球も味わってみたくなるモノ。そこで目に付いたのが、昨年新たに旗揚げされた『機動劇団はろ一座』シリーズ。「ファーストガンダム」の世界観をベースに、デフォルメされたコミカルなキャラクタたちが、お馴染みの名(迷?)ゼリフをネタに「パロディ漫才」を繰り広げるという、ある意味で「ガンダム」ゲームの常識を覆したシリーズだ。
 これまでに発売されているのは、『機動劇団はろ一座 ハロのぷよぷよ』『機動劇団はろ一座 ガンダム麻雀DS』の2作品。ここでは2作目にあたる『機動劇団はろ一座 ガンダム麻雀DS』を遊んでみた。

■一発逆転の切り札となるか!? 勝負のカギを握る「至言ワザ」

 タイトルからもわかるとおり、本作はアムロやシャア、ブライト、ガルマといった「ガンダム」キャラたちが登場する麻雀ゲーム。とは言えもちろんタダの麻雀ではなく、各キャラはそれぞれ2種類ずつの「至言ワザ」を持っており、これを対局中に使うことで様々なイカサマ効果を得られるのが最大の特徴だ。
 この「至言ワザ」の応酬がなかなか面白い。たとえばアムロなら、「ボクが一番、ドラをうまく使えるんだ!(手牌を2枚選び、ドラ牌と交換できる)」、シャアなら「見えるぞ! 私にもツモが見える!(未来のツモ牌を知ることができる)」といった具合。もちろん、これらのセリフは各キャラクタがアニメや映画の中で発したものの一部を、麻雀に合わせて変えているもの。ワザの効果も、意外とセリフ内容に沿っている。初めて聞いたときは「は?」と、戸惑ってしまったが、直後に思わず笑ってしまった。パロディなのに、声優さんがアニメさながらの演技をしてくれている、このギャップがツボを突いてくるんだなぁ。
セリフのキワドサはさておき、これらの「至言ワザ」をどのように生かし、使いこなすか――という攻防が加わったことで、対局がより立体的になっている。同時に、選択したキャラに応じて有効な打ち回しも変わってくるため、キャラの個性付けという点でも一役買っていると言えるだろう。また、これらの至言ワザはもちろん、対局中のセリフはすべて原作の声優によるボイス演出付き。原作そのままの声で「捨て牌迷うぞ!」とか、「ドラ量産のあかつきには――」などと喋りながら麻雀を打っている光景は、なかなかシュールで楽しい。

 筆者が気に入っているのは、やはり主役だけあってバランスの良さが光るアムロ。上で書いた「ボクが一番~」は白・發・中などの翻牌がドラの時に使えば、速攻で翻牌ドラ2を引き入れることができるし、わざとドラで待つ→ツモ牌をドラに交換→ツモ! といった荒技も可能。もう一つの至言ワザである「ボクにはまだ、替えれる牌があるんだ!(手配を最大6枚、山牌と交換することができる)」も、局面を問わず使える性能のよさ。「本作ならではの戦術」をもっとも堪能できるキャラだろう。


■フィギュアを賭けて真剣勝負! コンプリート目指して遊びまくれ

 もう一つの「本作ならでは」の要素が「フィギュア集め」だ。対局時には最大5個のモビルスーツ(MS)フィギュアを賭けることができ、順位に応じて互いのフィギュアを奪い合っていくことになる。また、満貫以上の役で上がれば、役のクラスに応じてレアなフィギュアがプレゼントされることも。中には役満を上がらないと入手できないものもあり、200種類近く存在するフィギュアをすべて集めるのは至難のワザ。これらフィギュアのコンプリートこそが本作の最終目標と言えるだろう。
 面白いのが、賭けたフィギュアに応じて「上がり点+1500」「至言ワザゲージ増加3倍」「配牌やツモが良くなる」といった様々な効果が得られること。レアなフィギュアはそれだけ付加効果も強力となっており、奪われるリスクをとるか、それとも付加効果の強さをとるか、なかなか迷うところ。レアフィギュアを賭けた時の緊張感は相当なモノだ。

 この「至言ワザ」+「フィギュア効果」の組み合わせで、プレイヤーの戦術がほぼ決まると言っていいだろう。至言ワザを前面に出した戦いがしたければゲージ増加系フィギュアを、さくさく上がりたければ配牌アップ系フィギュアを賭ける――といった具合。少々地味だが、上がり点アップ系フィギュアを賭け、小役を上がりまくるというのもシブくていい。こうした戦術の組み立てを考える楽しさは、ある種トレーディングカードゲームに通じるものがある。


■素材の良さを生かしたアレンジがお見事。今後の展開に期待!

 主なゲームモードは、一年戦争を描いた全12話のシナリオを勝ち進んでいく「シナリオ対局」と、好きなキャラを選んで自由に対局が可能な「フリー対局」の2種類。人数分の本体とソフトがあれば、複数人での「通信対局」や「通信交換」も可能となっている。

 目玉はやっぱり、「はろ一座」の面々がドタバタのパロディ漫才を繰り広げる「シナリオ対局」だろう。往々にしてこういうセルフパロディ的な企画は空回りしがちなのだが、そもそも素材がいい――つまり、原作である「ガンダム」自体がネタの宝庫のような作品ということもあって、不覚にも随所でニヤリとさせられてしまった。やたら変態扱いされるシャアや、主役のくせにすぐスネるアムロ、終始シャアに「謀られ」っぱなしのガルマなど、ちょっとあざとすぎる気がしなくもないのだが、笑ってしまった時点でこちらの負けだろう。セリフの端々にも、「新兵のかかりやすい病気」だの「若さゆえのあやまち」だの、ファンなら記憶に残っているであろうキーワードが散りばめられて芸が細かい。まいりました。

 実を言うと前作『機動劇団はろ一座 ハロのぷよぷよ』は、個人的にはちょっと期待はずれな内容だった。というのも、ステージ間の漫才デモや、連鎖時のボイス演出などが「ガンダム」のキャラに差し変わっただけで、ゲーム部分はいつもの『ぷよぷよ』そのままだったからだ。「ガンダム」と『ぷよぷよ』、どちらも素材としては一級品だが、単に両者を同じお皿に盛り合わせただけ――というのではあまりに芸がない。
 しかし本作では、「至言ワザ」と「フィギュア集め」という、素材の良さを活かした独自のシステムを盛り込んでおり、麻雀部分でもしっかり「本作ならでは」の戦略・戦術を実現している。至言ワザがピタリとハマった瞬間の気持ちよさは、普通の麻雀ゲームでは味わえないものだし、対局中もしゃべりまくるキャラクタは、他の麻雀ゲームでありがちな「CPUキャラの個性を出しにくい」という問題をうまく解決している。

 それにしても感心してしまうのは、こういうパロディ的な作品をも許容してしまう、「ガンダム」という世界観の奥深さだ。マジメなファンからすれば「不真面目な作品」ととられるかもしれないが、年間10本近くも発売される「ガンダム」ゲームの中に、たまにはこういう「お遊び」が混ざっているのも悪くないかな、と思ってしまう。
『ぷよぷよ』「麻雀」ときて、次は何が来るのだろうか。いずれにしても、「ガンダム」ゲームの新しい形として、今後の展開が楽しみなシリーズである。
(ジーパラ編集部)
 


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