| 大好きなディズニーキャラと、いつも一緒にいられる喜び。『KHII』レビュー |
| 2006/01/24 |
年明け早々というか、遅ればせながらと言うべきか、いまさら『キングダム ハーツII』に感動している筆者である。年明けで仕事山積みなのに! 初代『キングダム ハーツ』も、『キングダム ハーツ チェイン オブ メモリーズ』も未プレイなのに! 『ローグギャラクシー』を終えたばっかりで「しばらくRPGはいいや」とか言ってたのに! ……でも、ハマってしまったんです。 プレイのきっかけは、普段ゲームの話なんてしたこともない同僚(女性)のひとこと。 「『キングダム ハーツ』の新作が出るんだ。買わなきゃ!」 聞けば前作を遊んで、たいそうお気に召したとのこと。こんな女性まで虜にしてしまうとは、おそるべしディズニー! おそるべしスクウェア・エニックス! ともかくこれは遊んでおかねば、というわけで無謀にも『キングダム ハーツII』から挑戦してみたのでした。
■ディズニーとスクウェア・エニックスによる夢のコラボレーション!
『キングダム ハーツ』は、ディズニーとスクウェア・エニックスという“超”豪華コラボレーションにより実現された人気アクションRPGシリーズ。ドナルドやグーフィーといったお馴染みのディズニーキャラと、『FF』シリーズのキャラがメディアの枠を越えた共演を果たすという、ディズニー好き、『FF』好きにとっては夢のような作品だ。 たとえば今作の登場キャラ(作品)をずらっと挙げてみると、ディズニー陣営からはミッキー、ドナルド、グーフィー、くまのプーさん、それにライオン・キング、アラジン、美女と野獣、ちょっと変わったところではパイレーツ・オブ・カリビアン、トロンなどなど……。なんと最新作の「チキン・リトル」までバッチリ登場する。 対する『FF』陣営も、クラウドやスコール、ユウナといった主役級キャラから、シド、エアリス、セフィロス、ビビ、モーグリといった人気脇役陣まで、古くは『FF VI』、新しいところでは『FF X-2』まで幅広くカバー。これほどの豪華キャストは、古今東西のアニメ、ゲームをあさっても、そうそう見られるモノではないだろう。
本作『キングダム ハーツII』は、初代『キングダム ハーツ』、GBA版『キングダム ハーツ チェイン オブ メモリーズ』に続く、シリーズ第3作目ということになる(海外バージョンを逆輸入した『キングダム ハーツ ファイナルミックス』も含めると4作目)。 ちょっと注意が必要なのは、ストーリーが『キングダム ハーツ』『キングダム ハーツ チェイン オブ メモリーズ』と地続きになっている点。とは言え、序盤のストーリーを進めるなかで、前作までの流れは(あくまで断片的にではあるけれど)説明されるので、本作から遊んでしまってもとりあえず大きな問題はなさそうだった。
■ポリゴンであることを忘れさせる、「生きた」キャラクタたち
キャスティングの豪華さもさることながら、何よりまず驚いたのが、登場キャラたちの「名演」ぶりだ。 さすがにディズニーの厳しい審査をクリアしているだけあって、どの角度から見てもしっかり「ディズニーキャラ」になっているのは当たり前。会話の内容に合わせてコロコロと変わる表情や、ディズニーアニメならではのオーバーアクションまできっちり再現されており、他のゲームでたまに見られるような「ポリゴン人形」っぽさはまったくない。 中でも、コミカルな動きで終始パーティを盛り上げてくれるドナルドや、うるさいくらい動き回るランプの魔人・ジーニーなどは、まるで原作アニメから飛び出してきたんじゃないかと錯覚するほど「生きている」感たっぷり。余談だが、この作品を遊んで、筆者はすっかりドナルドのファンになってしまった。あのフリフリッとしたお尻を揺さぶりながらヒョコヒョコ走るモーションが最ッ高にツボ! ……ああ、一度でいいから、抱き上げてあのお尻に顔をうずめてみたい。 それと「パイレーツ・オブ・カリビアン」に代表される実写映画の登場も、嬉しいサプライズだった。中でもジョニー・デップ演じるスパロウと、宿敵バルボッサのふたりは、とてもCGとは思えないほどのリアルさ! というかリアルすぎてむしろ不気味! さらにゲーム中では、彼らがドナルドやグーフィーといったアニメキャラと普通に接しているわけで……こうなるともう、感動していいんだか笑っていいんだかわからない。こういう贅沢極まる楽しみ方ができるのも、『キングダム ハーツ』シリーズならではだろう。
プレイヤーはゲーム中、主人公のソラとなって仲間のドナルド、グーフィーとともに様々なディズニー作品の世界を渡り歩いていくのだが、この「ワールド」の出来栄えも出色。「美女と野獣」でビーストとベルが手を取り合って踊ったお城のダンスホールや、サバンナにそびえ立つ「ライオン・キング」のプライドロック、さらにはミッキーマウスの初出演作品「蒸気船ウィリー」の世界まで、古今様々なディズニー映画の名場面が、原作そのままのクオリティですっぽり切り取られている。しかも、プレイヤーはソラの体を借りて、実際にその中を自由に歩き、冒険することが可能! 筆者はプレイ中に何度も「そうそう、ここに見張り台があって……」「この床のツヤが……」と、原作のシーンをなぞりながらウロウロ歩きまわってしまった。ある意味、原作のファンにとってこれ以上のサービスはないかもしれない。
■RPG初心者でも楽しめる、サクサク、快適アクション
本作はいわゆるコマンド選択式のRPGではなくて、自分でソラを操作し、敵をバッサバッサとぶった切っていく(どちらかというと「ぶっ叩く」に近い?)アクションRPGとなっている。 バトルシステムは実にお気楽・簡単。基本的には左スティックでソラを動かし、○ボタンでびしばし攻撃。とりあえずこれだけ憶えておけば、あとは出てくる敵を片っ端からぶっ飛ばしていくだけで、さくさくゲームは進んでいく。移動とバトルの切り替えもなく、適当に○ボタンを押していれば、どんどんコンボがつながり、どんどん敵が吹っ飛び、どんどんレベルが上がり、どんどんストーリーも進展する。最近の煩雑なRPGにうんざりしていた身としては、このテンポのよさは大変にありがたかった。普段ゲームを遊ばないような初心者でも、これならストレスなく遊ぶことができるだろう。もちろん、慣れてくれば魔法や召喚、リアクションコマンド(特定条件下でのみ発動できる必殺技のようなもの)、ドライヴ(変身のようなもの)など、より多彩なアクションを使った高度なバトルも可能となっている。でも、○ボタンでの攻撃以外で本当に使わなければならないのは「アイテムによる回復」「魔法(ケアル)による回復」くらい。いろいろな“攻撃アクション”を行うこともできるのだが、まったく考えなくてもゲームを進められる。 また、普段はドナルド、グーフィーとの3人パーティだが、ワールドによってはアラジンやシンバといった他のディズニーキャラが仲間になることも。今度は誰が仲間になるんだろう――とドキドキ、ワクワクする楽しさ、大好きなディズニーキャラと一緒に戦える楽しさも、本作ならではの魅力の一つとなっている。
■ついつい止めどきを失う、「抜群のテンポ」と「ディズニーキャラ」
振り返ってみると、どうも「ハマった」というより、「試しに30分ほど遊んでみたら、止めるタイミングを失ってしまった」と言った方が近いような気がする。原因はやはり「抜群のテンポ」と、「ディズニーキャラとの再会」だろう。なんせバトルはサクサク進むし、合わせて物語もどんどん展開。そうこうしているうちにドナルド、グーフィー、ミッキーとぞろぞろディズニーキャラが出てきてしまい、今度は誰が出てくるんだろう? 今度はどんな世界を訪れるんだろう? ――などと考えはじめてしまったらもう止まらない。あのジョニー・デップを見ちゃったら、そりゃーやっぱり他のキャラも見たくなりますよ!
ただ、最後まで遊んでみて感じたのは「やっぱり前2作は遊んでおいたほうがいい!」という点。回想シーンである程度フォローしているとは言え、ここまでの流れのすべてを把握するにはやはり説明不足。何より、前作からの思い出があれば、ラスト~エンディングにかけての感動もより大きくなったのではないかと思う。 また、余裕があれば前もってGBAの『キングダム ハーツ チェイン オブ メモリーズ』もプレイしておくことをオススメしたい。これを遊んでいないと、『キングダム ハーツ』と『キングダム ハーツII』の「間」で何が起こったのかわからず、やはり若干のモヤモヤが残ってしまうらしい(上記同僚談)。そんな大事な作品を、わざわざ別の機種で出してくるあたり、とりあえず「おそるべしスクウェア・エニックス!」と言っておきたい。
そんなわけで、現在はさっそく『キングダム ハーツ』と『キングダム ハーツ チェイン オブ メモリーズ』を同時進行で遊んでいる筆者なのであります。ちょっと順序は前後してしまったものの、おかげでこんな楽しいシリーズに出会うことができたということで、個人的には結果オーライということにしている。
■大好きな作品の世界を「再訪」できる――これぞ究極のファンサービス!
映画の世界への扉は、いつだって一方通行だった。どんなに観客がその世界に「留まりたい」と思っても、スクリーンの幕が下りてしまえば、その扉が二度と開くことはない。 これはゲームでも同じこと。どんなに苦労してクリアしたRPGも、幕が下りてしまえば、もうプレイヤーがそこに関与することはできない。 しかし、本作はその「扉」をちょっとだけ開けてくれた。大好きなキャラにもう一度会える。大好きなキャラとまた一緒に冒険できる。大好きな作品の世界を一緒に歩くことができる。ゲーム以外の有名なキャラクタが登場するゲームにとって一番大切なことって、要するにそういうことなんだろう。
今作でストーリーは一応完結しているものの、こんなクオリティを見せられて、続編を期待しないわけにはいかないだろう。そしてもし続編を作っていただけるなら、次回はぜひとも「トイ・ストーリー」や「ファインディング・ニモ」といったピクサー作品の収録を! ……やっぱムリですか?
(ジーパラ編集部)
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