? Gpara.com:Review:制作者の愛が詰まりすぎ?超・特盛りの冒険RPG『ローグギャラクシー』

制作者の愛が詰まりすぎ?超・特盛りの冒険RPG『ローグギャラクシー』
2005/12/27
■関連コンテンツ
[『ローグギャラクシー』インデックス]
■関連リンク
[『ローグギャラクシー』公式ページ]
 小さい頃、ものすごーく「ラピュタ」に憧れていた時期があった。空から降ってきた女の子、飛行石、空に浮かぶ伝説の都市……。自分もいつかこんな大冒険してみたいっ! と思っては、夜ごと夜空を見上げたものだ。
「ラピュタ」でなければ、「宝島」、あるいは「ピーター・パン」や「スター・ウォーズ」かもしれない(ちょっと例が古いかな)。ともかく誰でも一度は、こんな冒険物語に憧れたことがあることと思う。
 なんでいきなり昔話を始めたかというと、『ローグギャラクシー』を遊んでいて、ふと「ラピュタ」をはじめて見たときのワクワクを思い出したからだ。いくつもの伏線が複雑に絡み合うような「大人向け」のストーリーはないけれど、まっすぐで、純粋で、誰でも子供の頃に戻ってドキドキ、ワクワクできる――そんな「大冒険」が、ここにはある。

■大人も、子供もワクワクできる、直球勝負のストーリー

 舞台は、ロンガディア惑星同盟とドラクシル帝国の二勢力が、長きにわたって争い続けている銀河系。宇宙に憧れる青年・ジェスターは、ふとしたことから宇宙海賊ドルゲンゴア一味にスカウトされ、宇宙を股にかけた大冒険へと旅立つことになる。
 詳しいストーリーはネタバレになるので伏せておくが、一行の行く手には笑いあり、涙あり、謎あり、伝説あり。ほかにも脱獄、ロボット、恋愛、友情、陰謀、仮面の男、○○の末裔……挙げればきりがないが、およそ思いつくかぎりの娯楽要素が、これ一本にすべて詰まっていると言っても過言ではない。大宇宙が舞台とあって、行き先も沙漠の惑星、密林の惑星、鉱山の惑星などなどバリエーションに富んでいて飽きさせない。
 きっと、「ラピュタ」や「スター・ウォーズ」のように、いつまでも子供たちの心に残り続ける冒険物語を作りたい――そう思って、レベルファイブはこの作品を作ったのだろう。そのためストーリーは王道も王道、ド真ん中ストレートの直球勝負。思わず「そう来たか!」と唸ってしまうような新鮮味はないが、あくまで直球でオトナの「冒険心」を揺さぶってくるあたり、逆にレベルファイブの「本気」がうかがえるというものだ。王道中の王道とはいえ、最初のボス戦を終えて、いよいよ宇宙へ旅立つ海賊船をバックにタイトルロゴが浮かび上がった時は、やっぱりゾクゾクしてしまった。

 ただ、せっかく「SFだけどちょっとファンタジー」というすばらしい世界観を持っているのに、部分部分を切り取ってみると「生け贄の女の子をモンスターから助けよう!」みたいな、ありがちなお話が大したヒネりもないままホイと出されたりする。時折、どうしても「どこかで見たお話」が出てきてしまうのが若干、気になった。


■「シームレス」と「アクションバトル」で快適プレイ!

 ゲーム全編にわたり徹底的に「シームレス」を追求している点も大きな特徴だ。一旦惑星に着いてしまえば、宇宙船の甲板からフィールド、街、ダンジョンの最深部に至るまで「Now Loading」は一切なし。戦闘もフィールド上でそのまま行われるため、開始時、終了時ともに待ち時間なしでスイスイ進む。惑星から惑星へと移動する時も、ワープの演出でうまく読み込み時間を隠しており、体感的にはロードなしというものすごさだ。この一点だけでも、レベルファイブの技術力の高さを垣間見ることができる。
 加えて、戦闘は実際にキャラクターを動かし、並み居る敵をズバズバ斬っていくアクション形式。ジャンプあり、コンボあり、投げ技あり、飛び道具ありと、アクションの土台はかなりしっかりしており、ちょっとした剣術アクション感覚で楽しめる。
 この「シームレス」と「アクションバトル」はほとんど無敵の組み合わせと言っていい。情報収集、買い物、ダンジョン探索、それに戦闘。すべてが地続きになっていて、プレイヤーは終始ストレスを感じることなく、ゲームの世界に没入することができる。この快適さは、RPG好きなら一度は体験しておく価値はあるだろう。

 ちょっと残念に感じたのは、せっかくの「シームレス」が100%活かされていない点。フィールドを歩いていてもすぐに強制イベントなどの足止めが入るし、戦闘中もいちいち手動で回復してあげないとすぐ死んでしまうお仲間や、武器を持ち替えないと倒せない敵、使いにくいメニューなどのおかげで、なかなかアクションに専念させてくれない。スキップできるとはいえ、スキルを使うたびに派手で長い演出が入るのも「シームレス」とは対照的だ。どうせなら徹頭徹尾ぜーんぶシームレスにしてくれれば最高だったのに、もったいない。


■ボリュームは超・特盛り。そのせいか序盤はちょっとツラいかも?

 『ドラクエ』『FF』のような大作RPGを目指したと言うだけあって、ボリュームも満点。本筋のシナリオを辿るだけでもゆうに数十時間、合成やインセクトロン、アイテム集めといった脇道も制覇しようとすれば、100時間以上は遊べる内容となっている。
 ただ、オープニング~旅立ちまでは別として、序盤の十数時間はちょっと退屈に感じるかもしれない。せっかく宇宙に出ても、ビーストに襲われ海賊船は密林の惑星に不時着。SF色のかけらもないような未開の星で、修理に必要な木の実をとってこいと言われ……。そんな感じでしばらくは本筋と無関係に見える、退屈なおつかいが続く。
 全体的にダンジョンが長めで、しかも「シームレス」の副作用か、どこまで進んでも延々似たようなマップが続くのにもまいってしまった。だいたい一つのダンジョンを攻略するのに2~3時間かかり、さすがにこれは途中で気力が尽き果てそうになった。

 とは言え、この序盤さえ乗り越えてしまえば、その後に待っているのは期待どおりの「大冒険」だ。特に最後の仲間・ディーゴが加わり、ドルゲンゴア一行、そして敵であるダイトロン社の目的が明らかになる中盤のシークエンスは、まさに「第2のオープニング」と呼べる盛り上がりっぷり。ここまで来れば、あとはエンディングまでどっぷり一直線。退屈な序盤と、長ぁーいダンジョン(特に「監獄」と「ツインタワー」!)に耐えられるかどうかで、本作への評価は大きく変わってくるだろう。



■惜しい点も多いが、誰にも体験してほしい冒険物語

「面白そうなモノなら何でも詰め込む」という姿勢はゲームシステムにも表れている。武器を組み合わせてどんどん強くしていく「合成」、プレートにアイテムをはめこんで新たなスキルを修得していく「ひらめきフロー」、パズルのようにパーツを組み合わせ、あらたなアイテムを生み出す「ファクトリー」、捕まえた虫たちを使って将棋のようなゲームを楽しむ「インセクトロン」などなど、考えうる要素はすべて突っ込んできたという感じである。成長まわりの要素だけ取ってみても、レベルアップによる強化はもちろん、武器熟練度、武器合成などなど、これでもかと言わんばかりの密集ぶり。システムを理解し、使いこなすことに至上の喜びを見出すタイプのゲーマーにとっては、こういう「全部入り」の精神は嬉しいところだろう。
 ただ最後までプレイしてみて、やはりちょっと節操なく盛り込みすぎな気はしてしまった。きっとレベルファイブとしては「やれることはすべてやった!」という感じなのだろうが、プレイヤー側はもうお腹いっぱいなのに「あれも食べてください、これも食べてください」と次々新しいシステムが出てくるのには少々辟易した。かといって武器合成などを怠っていると、後半の敵にはダメージゼロ! なんてこともしばしば。これでは仕方ないから、こちらも付き合うしかない。ダンジョンの長さもきっと、「もっともっと食べてください!」というレベルファイブの“善意”なのだろう。

 と、振り返ってみれば、なんだか持ち上げては落としては――と、コロコロ忙しいレビューになってしまった。
 総合的な満足度は間違いなく高いし、なにより冒頭、そして中盤から終盤にかけて感じた「大冒険」へのワクワクはまぎれもなくホンモノだった。それだけに「どこかで見た……」や、「あれもこれも」なシステムの押しつけが目立ち、もったいないと感じてしまったというのが正直な感想だ。いずれにしても、こういうストレートな「やる気」と「愛」に満ちあふれた大作は、昨今そうそうあるものではない。まるでSFCやPS初期のような、まだゲームが発展の波に乗っていたころを思わせる、まっすぐな貪欲さは本作の大きな魅力だろう。
 エンディングまでの道のりはいろんな意味で険しかったりもするが、そうした苦労を乗り越えていくからこそ「冒険」なのだとも言える。あ、あと玉木宏と上戸彩のCV、意外と良かったですよ。
( )