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一人で楽しい対戦格闘!『ソウルキャリバーIII』プレイレビュー
2005/12/02
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 対戦格闘ゲームの醍醐味は? と聞かれたら、やっぱり生身の人間との「対戦プレイ」を第一に挙げたい。人間ならではの「生臭い動き」とか「息詰まる心理戦」とか、それに何より、同じ血の通った人間をガチ勝負で組み伏せたという達成感! ――こういうのを一度でも味わってしまうと、どうしても一人で遊ぶ「CPU戦」には物足りなさを感じてしまう。

 そんなわけで、これまで『ソウルキャリバー』シリーズには全て手を出してきた僕なのだが、今回の『ソウルキャリバーIII』については見送るつもりでいた。だってナムコさん、PS2版しか出してくれないんだもん!
 学生時代ならまだしも、社会人になってしまった今では「ガチ勝負」に付き合ってくれるような奇特な友達もいないし、かといって家で黙々と腕を磨いてゲーセンで披露! を夢見ようにもアーケード版の稼働予定はなし。買ってもどうせCPU戦しかできないんなら見送りでいいや、というわけである。

 が、その後仕事ついでに『ソウルキャリバーIII』で遊ぶ機会があって……ハマった。CPU戦が物足りないとか言っちゃってホントすいませんでした! 『ソウルキャリバーIII』は、「一人で遊んでも楽しい対戦格闘」だった。

文句も引っ込む「超」充実のシングルモード

 対戦ツールとしての秀逸さは、いまさら説明するまでもないだろう。見所はなんといっても、シングル(一人用)モードの充実ぶり。対戦相手なんかいなくても、一通りのモードを遊び尽くすだけでも軽く数十時間は楽しめる(十数時間遊んだ現時点でもまだ全然底が見えていないので、ひょっとするともっと遊べるかもしれない)。結局、対戦プレイの機会はまだほとんどなく、そっち方面での「物足りなさ」は予想通りなのだが……この「至れり尽くせり」っぷりを前にして、なお「物足りない」なんて言う人がいたら、その人はきっと鬼である。

 筆者が主に遊んでいたモードは「ストーリー」「ロストクロニクルズ」、そして「キャラクタークリエーション」の3つ。とりあえず、順を追って各モードについて説明していこう。


■“分岐とお金とアイテム”が繰り返し遊びたくなる「ストーリー」

 まずは、一番オーソドックスに遊べる「ストーリー」。これは18人(+隠しキャラクター11人)のレギュラーキャラクタのなかから一人を選び、物語に沿ってCPU戦を勝ち抜いていくというもの。バトルの合間には文字やイベントデモによるストーリー説明が挿入され、それぞれの「邪剣」をめぐる物語が展開されていく。

 エンディングまでの道のりは大体10戦程度なので、プレイ時間は一般的なアーケード格闘(CPU戦)1プレイと同じくらい。スムーズに行けばだいたい10分~15分くらいで終わるのだが、面白いのは途中の選択肢やプレイの結果によって、物語や対戦相手が微妙に変わってくる点。ノーコンティニューなど特定の条件下でのみ登場するステージ、武器などもあるため、全キャラ・全ルートを制覇しようと思ったら相当なボリュームになる。プレイするたびにお金や様々なアイテム(後述する「キャラクタークリエーション」などで使用)が手に入るのも嬉しくて、ちょっとした空き時間があるとつい遊びたくなってしまう。


■戦略と力押しの絶妙なバランス!「ロストクロニクルズ」

 自分で作成したオリジナルキャラを使った、リアルタイム戦略シミュレーションが楽しめる、『ソウルキャリバーIII』からの新モード。レギュラーキャラたちが「邪剣」を追って旅をしている背後で起こっていた、もう一つの「邪剣をめぐる物語」が章立てで描かれていく。
 プレイヤーはグランダール帝国の士官となって、物語に沿って様々な戦場を戦っていくことになる。ルールはわりとシンプルで、「駒」として配置された自軍のキャラクタを動かし、マップ上の拠点や本拠地を制圧できればマップクリア。シミュレーションゲーム未経験でも、すぐに遊び方やコツは飲み込めるはずだ。
 最大の特徴は、戦闘部分が『ソウルキャリバーIII』のシステムを使った対戦格闘になっている点。マップ上でキャラ同士が接触したり、敵の拠点に攻め込んだりするとバトルが発生し、これに勝つことでようやく拠点を制圧したり、先に進んだりすることができる。逆に倒されてしまうと、そのキャラは一定時間出撃不可能に。この間に敵に攻め込まれ、自軍の拠点を落とされてしまうと負けとなる。

 シミュレーションと格闘をミックス!? と、最初はミスマッチを懸念したものの、遊んでみるとこれが驚くほどのハマりっぷり。無事に敵の拠点まで到達できても、バトルで負ければ台無し――というリスクが心地よい緊張感を生んでいて、一戦一戦が気の抜けないものとなっている。一方、自信がなければ2人、3人で同時に攻め込むことで、敗退のリスクを軽減させることも可能。かといってあまり一つのルートに戦力を集中させると、別のルートからあっさり攻め込まれたり……。格闘部分のムラをいかに戦術でカバーするか。戦術面での不利を、どれだけ格闘部分で押し返せるか。対戦格闘、シミュレーション双方のイイところが溶け合った、本作の目玉モードと言えるだろう。


■作れないキャラはない!?「キャラクタークリエーション」

 膨大なパーツやアイテムを組み合わせ、自分だけのオリジナルキャラクタを作成できるモード。戦闘スタイルや性別、顔、髪型はもちろん、髪の色、肌の色、装備する武器防具に至るまで、エディット可能な箇所はなんと20以上! すでに「ドラ○もん」や「アン○ンマン」など、やや無理矢理感のあるオリジナルキャラクタなんかもネット上では公開されていたりして、一部のユーザーの間ではかなり(いろんな意味で)盛り上がっているようだ。
 各種アイテムは「キャラクタークリエーション」以外の各モードを遊ぶたびにもらえる「お金」を使って購入していくことになる。また、最初はショップの品揃えも貧弱だが、これも他のモードを進めるにつれてどんどん充実。よくある「ごほうび」戦略と言えばそれまでなのだが、“遊ぶ→お金が貯まる→パーツが増える”のサイクルは単純ながらもやっぱり楽しくて、収集癖のある人などはイチコロだろう。アイテムの中には、『ゼノサーガ』の「KOS-MOS」や『源平討魔伝』の「景清」など、様々なナムコキャラクターを作成可能なシリーズも用意されており、これらのコンプリートも密かな楽しみとなっている。


■対戦格闘の枠を超えた楽しみを提供してくれる

 主なモードだけ駆け足で紹介してしまったが、シングルモードの内容はこれだけではない。仮想の世界ツアーに参加し、様々な大会を勝ち抜いていく「ワールドコンペティション」。スカッシュのように相手を壁にぶつけて戦ったり、巨大な神像と戦ったりといった、一風変わったバトルが楽しめる「バトルアリーナ」。基本システムからマニアックな要素まで、懇切丁寧に指導してくれる「プラクティス」などなど。一体いつになったら遊び終わるのかまったく底が見えないほどで、いつしか対戦相手がいない物足りなさなど忘れ、アイテムの収集や隠し要素の解放に夢中になっている自分がいた。ここまでやられてしまったら、出かかった苦言も引っ込むというものだ。

 また、いくら「対戦プレイ」が楽しいとは言っても、負けるのはやっぱりイヤなもの。実際にアーケードでの対戦となると「負けて強くなる」というカラーが強く、初級者、中級者にとってはまだまだ敷居が高いのが現状だ。
 しかし、本作のようにCPU戦がメインなら、初級者でも最初から「勝つ楽しさ」に浸りつつ、知らず知らず強くなっていくことができる。すべてのプレイを「強くなること」に結びつけ、歯を食いしばりながら自分を磨くストイックな遊び方も楽しいが、まったりとCPU戦を楽しみながら奥深い物語やアイテム収集を楽しむ、というスタイルもこれはこれで楽しい――というのは、自分にとって大きな発見だった。

 でも、これだけ「楽しみながら強くなるお膳立て」ができあがっていると、やがては「ひょっとして俺、ウマくない?」「ちょっと腕試ししてみたいな……」といった感情が沸き上がってくるはず。そんな時に、やっぱりアーケードという「野良試合」の場が用意されていないのは残念と言うほかない。対戦ツールとしての秀逸さは、前作までの人気が証明済み。ナムコさん、なんとかご一考いただけませんか……?
 


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