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水口哲也氏が語る『N3』、そして次世代のゲームとは!?

2006/04/20

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これぞ水口流! ゲームの作り方!?

ジーパラ:水口さんというと『スペースチャンネル5』や『Rez』、また『ルミネス』や『メテオス』といったゲームが浮かびますが、今回はアクションということで、また印象がガラリと変わる感じです。ご自身の中で、それぞれのゲームの制作の出発点というのはやはり違うものなんでしょうか。

『スペースチャンネル5』
ハード:ドリームキャスト
メーカー:セガ
ジャンル:ミュージカルアクション
発売日:1999年12月16日
価格:5,800円(税別)
(C)SEGA 1999
『Rez』
ハード:ドリームキャスト/プレイステーション2
メーカー:セガ
ジャンル;ミッドナイトハイシューティング
発売日:2001年11月22日
価格:6,800円(税別)
(C)UGA/SEGA.2001
『メテオス』
ハード:ニンテンドーDS
メーカー:バンダイ
ジャンル:打ち上げパズル
発売日:2005年3月10日
価格:4,800円(税別)
(C)Q ENTERTAINMENT (C)BANDAI

水口氏:うーん、あまり自分の中では変わっていないと思うんですよ。例えば『スペースチャンネル5』と『N3』。もちろん踊って戦ってという外見はまったく違いますよね。でも……なんていうのかな、最初、点でしかなかったものがいろいろ集まって線になって、それが回り回ってあるところに到着する。こう言うと意外に聞こえるかもしれませんけど、「結局何が大事なんだっけ?」という疑問に対するメッセージだったりとか、目指しているものは同じだったりするんですよ。それをどのように見せるかというだけで。

ジーパラ:ふむ。パズルゲームなどはアイディアの面が強調されているようにも感じますが。

水口氏:パズルや音楽ゲームに関しては、すごく生理的な化学反応というか、音とビジュアル、演奏している感じ、そういう面はちょっと違うように見えるかもしれませんね。でも基本的には同じテンプレートの上に乗っているんです。……そうですね、僕としてはゲームを作るってことは、それほど難しく考えてはいないんです。さきほども言いましたが人間の身体で言うと骨と筋肉に喩えられるかなと。筋肉が強すぎると簡単に骨が折れてしまうし、その逆では力が出ないだろうし。その骨なりのいいバランスっていうものがあると思うんです。その骨にもすごく長~く丈夫な骨と、瞬発的にすごい負荷に耐えうる骨、そんな種類があって、それがゲームデザインやレベルデザインの、持っている総量みたいなものじゃないかなと思うんです。スルメのようにずーっとプレイするためには、細く長い筋肉をつけてあげるとすごくいい身体になったりして。ああ、そうだ。料理を作るのに似ているのかもしれません。この味ならこういう食材をそろえて、最終的に飾り付けを考えて出すじゃないですか。食材に合わせてテイストなども変えたりしますしね。フレッシュなものにはコショウをかけないとか。そんな感覚で、僕にとっての考え方っていうのはレースゲームもパズルゲームも同じなんですよね。
  ただ、ひとつだけいつも考えていることがあって、それは常に新しい何か、「ワォ!」って驚けるものが必ず入っていないと気が済まないってことなんです。例えば、今はもう普通になってしまいましたが、『セガラリー』のときには、ゲームで初めて実在の車を登場させるということと、熱いドリフトをあらゆるコンディションで体験させるということを組み込まれていました。女の子でもドリフトできる、みたいな。『スペースチャンネル5』や『Rez』というのは、構想・発想自体は結構昔からあったと思いますが、結局テクノロジーの進化を待たないとできなかったゲームなんですよね。『Rez』でプレイするとどんどんトランスしていく感覚というのは音の効果が大きいわけです。例えば、エコーのかかったような気持ちのいい音が出せないと意味がない。昔のBeep音でも構造的には同じことができるのですが、感情的な高揚感というのは弱くなりますよね。それは『スペースチャンネル5』も同じで、「救出成功で~す!」という声があって、一方で「何やってんだ!」って怒るディレクターがいて、それがなんとなく感情的に「やった!」とか「ごめんなさ~い」と思える。あれがもし文字で出ただけだったとしたら、もちろん機能としては同じなんですが、受ける感覚はまったく違う。
  機能美だけを追い求めるなら、大抵のゲームは8ビットのマシンでもできてしまうと思うんです。でもみんな8ビットのゲームをやり続けるかというとそうではない。テクノロジーの進化が僕らに与えてくれる新しい刺激や体験というものがやっぱりあって、僕はいつもそれを考えるんですよね。こんないい音が出るんだったらこういうことができるよな、とか。例えば、PSPが出たときには、ヘッドフォンでクオリティの高いゲームサウンドが聴けるということに感動したんです。今までのゲームハードってヘッドフォンジャックがまともについていなかったじゃないですか。どれもいったんテレビを経由していましたよね。つまり、ヘッドフォンでゲームサウンドを聴くのを積極的に推奨していないという表明だったんですよ。初めてウォークマンを作ったソニーが、インタラクティブウォークマンを作ってくるのであれば、僕は『ルミネス』というゲームでソニーの挑戦に応えよう! みたいな気持ちもちょっとあったんですよ。一方で『メテオス』っていうのは、デュアルスクリーン、そしてタッチスクリーンというのを聞いたときに、マルチタスクでいろいろ処理をするという感覚が合っているのではないだろうかと考えた。そんな風に、新しいテクノロジーから受けるインスピレーションというのはとても大きいんですよね。それが今のところ全方向に開かれていて、実は“やりたいこと”というのはいろいろあるんです。だからもしかしたら次(に制作するゲーム)は全然違う方向へ行くんじゃないかと思ったりしています(笑)。何をやるかわからないですよ? あ、でも、音楽とゲームの融合みたいなものは、たぶん僕らのオリジナルなスタイルがあるんじゃないかなと考えていますので、それは大事に作り続けていこうと思っています。言わばライフワークですね。

ジーパラ:今までの水口さんのゲームを見てきたファンの方はこれからも注目、という感じですね。

水口氏:そう言っていただけるとありがたいですね。僕だけでなく、一緒にやってきた仲間もたくさんいますので、彼らも元気づけられると思います。でも、実は僕らがやってきたことというのは、ちょっと早過ぎたのかなと思うところもあって、これから面白くなるのではないか、という気もしているんです。『ルミネス』がグローバルで70万本くらい出荷されているんですね。それはサプライズではあるのですが、それと同時にラッキーだなとも思う。でもふと冷静に考えてみると、人々の意識というものが少しずつ変わってきているのではないかとも思えるんです。それが肌で感じられるというか……。今年は流行らなかったけれど、同じことを次の年にやると流行るってこと、ありますよね。改めて、諦めたら終わりなんだな、みたいなことを考えたりもしますよ。


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