インタビュー  
石渡ディレクターが語る、『ギルティギア2』のテーマとは!?
2007.09.28
関連URL:『GUILTY GEAR2 オーヴァチュア』公式サイト
▲ゼネラルディレクター・石渡太輔氏
 「東京ゲームショウ2007」では初の試遊台も一般公開され、いよいよ発売まで秒読み状態となった感のあるXbox 360『ギルティギア2 オーヴァチュア』。今回は同作品のゼネラルディレクターを務める、アークシステムワークス・石渡太輔氏のインタビューをお届けする。

 TGS開催期間中とあって、ブースイベントなどで一日中引っ張りだことなっていた石渡氏だったが、インタビューでは疲れた様子も見せず、「なぜこれまでの2D格闘路線から、一転して『ギルティギア2』では新ジャンルへと展開することになったのか?」「気になる"あの男"は今回出てくるのか?」といった、(若干答えにくそうな)こちらの質問にも気さくに答えてくれた。2D格闘というジャンルでひとつの金字塔を打ち立てた同氏が、次に目指したものとは一体何なのか、少しでも感じ取っていただければ幸いだ。

「多対多」に重点を置いた、まったく新しい『ギルティギア』

―― さっそくですが、石渡さんが今回『ギルティギア2』で目指したものというのは?

石渡 :そうですね、シンプルですが、やはり「新しい対戦ツールを作る」というのがまずコンセプトとしてありました。

―― そのベースとして、対戦格闘にRTS(リアルタイム・ストラテジー)の要素を組み合わせるというのは、かなり思いきった試みだったと思うのですが。

石渡 :国内ではまだまだですが、海外に目を向けると、RTSやFPSといったジャンルが広く対戦ツールとして受け入れられていますよね。これを見たとき、「ああ、世の中にはまだこれだけ盛り上がれる対戦ツールがあるんだ」って思ったんですよ。そこが出発点でしたね。それなら、既存の流れに乗っかるだけではなくて、僕らで新たなムーブメントを生み出すこともできるんじゃないかと。

―― 確かに、韓国や北米でのRTS、FPSの人気はものすごいものがありますね。

石渡 :そこに僕らがこれまで培ってきた「どういうことをすれば駆け引きが生まれ、対戦が盛り上がるか」というノウハウを組み合わせてみたら、もっと面白いものになると思ったんです。

―― TGSのステージイベントでは「RTS要素のあるアクションではなく、アクション要素のあるRTSにしたい」とおっしゃっていましたが。

石渡 :「アクション要素の"非常に強い"RTS」ですね(笑)。画面から受ける印象は、どちらかと言えば「一騎当千」系のアクションゲームだと思うんですが、メインはむしろRTSの部分。今回は「一対一」でも「一対多」でもなく、「多対多」の駆け引きが非常に重要になってきます。今までは目の前の敵を倒すことだけが目的だったんですが、今回は必ずしもそうではない。いかに兵士たちを動かすか、自分自身がどう動くべきか。リアルタイムで動き続けるゲームの中で、戦場全体を見通す力が必要になってきます。

―― 実際に遊んでみましたが、反射神経的なモノよりも、将棋のような、先を読む力が求められるというか。

石渡 :慣れないとアタマからシューッと煙が出ちゃうかもしれないですね(笑)。ただもちろん、ソルのように自分自身がガンガン前に出て行って戦うタイプのキャラクタもいますし、逆にサーヴァント(兵士)を主体に戦うキャラクタもいる。プレイスタイルは色々用意したつもりなので、アクションが得意な人も、RTSが好きな人も、いろんな人に遊んでいただけると思います。

オンラインは「できて当たり前」

―― 今回オンライン対戦に対応しているということで、今までとは勝手が違う部分も多かったのでは?

石渡 :そうですね。オンラインだとどうしてもフレーム単位でのラグが発生してしまう。これを視野に入れた上で、お互いがフェアに対戦できる新しい「駆け引き」を考えるのが大変でしたね。

―― アクション要素の強いタイトルほど、ラグの影響は大きくなってきますしね。

石渡 :今までの感覚で行くと、たとえば最速のパンチは3フレームで出ていたんですが、それだとラグの影響を受けすぎてしまう。そこで今回はもう少しテンポを落として、その中でラグが追いつくような仕組みを作っています。で、当然今までとまったく同じフレーム概念にはできないんだけど、なるべく同じような駆け引きが楽しめるように、新しいテンポに合わせてスケーリングしていく。

―― 石渡さん自身はオンライン対戦の可能性をどのように捉えていますか。

石渡 :どうしても現状、アーケードベースの対戦格闘ではフェアな対戦は難しいですよね。ただ、RTSやFPSのようなジャンルは、ある程度はラグを承知で遊ぶというのが前提になっていて、ユーザー自身も多少のラグなら許せてしまえるという一面がある。今作はRTSに近いゲーム性ではありますが、一方ではアクション要素も非常に強いものとなっていますので、ここをいかに昇華していくかが難しかったですね。

―― 今回ジャンルを変えたというのも、ひとつにはオンライン対戦に向けてというのが大きかったのでは?

石渡 :いえ、それはむしろ逆で、どちらかと言えばオンラインは必然的についてきたという格好です。RTSというジャンルがまずあって、そう考えるとオンライン対戦はできて当たり前と。加えてXbox 360というプラットフォームと、マイクロソフトさんのサポートも手伝って、実現に至ったという感じですね。

―― ちょっとだけ脱線しますが、2Dの『ギルティギア』シリーズの方もオンライン対戦に対応していく予定は?

石渡 :うーん、僕自身は今のところ『ギルティギア2』の方でてんてこまいなんで、まだ他のことを考えている余裕がないというのが正直なところです。ただ会社としてはおそらく、ユーザーさんからの要望や反響が大きければ、それを完全に無視するわけにはいかないんじゃないかなと。……すいません、今の僕の立場で言えるのはここまでです(笑)。

「少数精鋭」で選ばれたキャラクタ

―― 今回、ソル以外の4人は全員オリジナルキャラクタとなっていますが、この顔ぶ
れはどういった意図で?、この顔ぶれはどういった意図で?

石渡 :とりあえず新しくナンバリングタイトルとして出すということで、キャラクタについては心機一転しようじゃないかと。特に今回はストーリーモードがありますので、ドラマ上の役割を考えながら割り振っていった結果、必然的に絞り込まれていったという感じです。

―― これまでの『ギルティギア』シリーズと比べると、初期段階で使用可能となるキャラクタ(トライブ)が5人というのは、やや少なく感じられますが。

石渡 :今回、RTSというジャンルを吸収していく以上、格闘ゲームと同じ感覚でというわけにはいかなかったんです。キャラクタは、RTSで言うところの「種族」だと思ってください。たとえば『スタークラフト』などでは、プレイヤーが使用可能な種族は3種類ですから、RTSに馴染みのある人からすれば、まずまずのキャラクタ数と思っていただけるんじゃないかなと。

――確かに、RTSとして見ればむしろ多い方ですね。ちなみに、各トライブの特徴をざっくりと教えていただけますか?

石渡 :まず、ソルはやはりマスター自身が非常に強く、単身突っ込んでいってボコボコ殴っていくようなキャラクタですね。これと対照的なのがDr.パラダイムで、こちらはソルとは逆にマスターが非常に弱い。ソルなんかとガチンコでぶつかったらたぶん瞬殺されてしまうくらい(笑)。ただしその分サーヴァント(兵士)が強くて、また後方支援能力にも優れているので、サーヴァントの陰にこそこそ隠れて戦う分には非常に強い。


―― マスター主体で戦うキャラクタと、サーヴァント主体で戦うキャラクタがいると。

石渡 :それから準主役的な存在であるシンは、ミドルレンジ主体で相手のリーチ外からちょくちょく手を出していくのが得意。またサーヴァントに関しても偏りがなく、発想したことがそのままダイレクトに活かせるようなキャラクタですね。イズナもシンと同じくバランス型ですが、シンよりはもう少しアクション寄りな位置づけになるのかな。また自分が姿を消したりといった、トリッキーなスキルを多く持っていますので、そのあたりをいかに使うかがポイントです。

―― ヴァレンタインはやはりサーヴァント主体?

石渡 :そうですね。ただしヴァレンタインは召喚できる兵種に偏りがあって、ジャンケンで言うとグーとチョキしか出せないようなタイプ。高いコストを支払えばパーも出せるんですが、どのタイミングでこれを使っていくかがカギですね。相手は当然パーがいないスキをついてくるでしょうし、こちらは逆にそこを狙い打ちにしたりと、いろいろな戦略が考えられるキャラクタです。

―― こうして見ると、マスター個人の個性があって、それとは別にサーヴァントにも個性があって――と、バランス抜きで考えれば、まだまだキャラクタのバリエーションは考えられそうですが、今後キャラクタを追加していく予定などはありますか?

石渡 :それはもう、このタイトルが続けばストーリーに合わせてキャラクタも増えていくのではと。

―― そのあたりの追加要素というのは、マーケットプレースで配信といった形に?

石渡 :うーん、これも僕の立場からは答えにくい、というのが正直なところです(笑)。ただ追加要素があるかないかということについては、「十二分に可能性はある」と言っておきます。

ついに「あの男」の正体が明かされる……!?

―― ストーリーについては、単純に『ギルティギア』の続きという位置づけということになるのでしょうか。

石渡 :そうですね。今まで『ゼクス』シリーズは外伝的な扱いとされてきましたが、これはシリーズの中で時間が進まないからというだけで、物語自体は初代『ギルティギア』からずっとつながっています。

―― 時間軸的には『ギルティギア』、『ゼクス』シリーズ、そして『ギルティギア2』と。物語の中で、前作以前とのかかわりが語られたりすることもある?

石渡 :冒頭でちょっと説明が入るくらいですね。かつてジャスティスという破壊神がいて、「聖戦」というものがあって、今に至っていますよという感じで。

―― ステージイベントでもおっしゃっていましたが、今回はソルとの因縁が何度となく語られてきた「あの男」がついに登場するとのことでしたが……。

石渡 :出ます。今まで「あの男」というのは、テキストの中でしか描かれてこなかったんですが、ちゃんとゲーム画面に出てくるのは今回が初めてになります。


―― どういったキャラクタなのかはまだ秘密……ですよね(笑)。

石渡 :それはもう。この作品の中でも明かされないかもしれません(笑)。

―― ええええ!

石渡 :とは言えもちろんセリフもありますし、声優さんも付いていますので、その意味では今まででもっとも「露出度」は高いですね。今まではホントに、都市伝説みたいな存在でしたけど。

―― 依然謎に包まれた人物であることは変わらなそうですが、一体どんなキャラクタなのか、実際にゲーム内で会えるのを楽しみにしています。

石渡 :あっけにとられると思います。いろんな意味で。

―― そ、それはどういう……。

石渡 :これ以上はネタバレになってしまうので、秘密です(笑)。

―― それでは最後に、『ギルティギア』ファンに向けて、そしてこれから遊ぶ人に向けて一言、おねがいします。

石渡 :まず、2Dでの続編を期待してくれていた方には申し訳なかったと。これは本当に、素直にそう思っています。ただ今回僕らが作ったゲームは、今までの『ギルティギア』と同じか、それ以上に白熱できるものになっていますので、3Dだからと毛嫌いせずに一度ぜひ触っていただければ嬉しく思います。

またこれから新しく遊ぶ人には、とにかく触って、どんなゲームなのか、自分の手で確かめてみてほしい。見た目の印象から、つい「一騎当千」系のアクションゲームだと誤解されがちなんですが、本当に色々な新しい試みを盛り込んでありますので、何ができるのか、何が見どころなのか、ぜひ実際に触って確かめてみてください。

―― 本日はどうも、ありがとうございました。

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