ガンホー・オンライン・エンターテイメント、ブロッコリー、ヘッドロックの3社が提供して、企画、開発、運営を行っているMMORPG『エミル・クロニクル・オンライン』(以下ECO)。7月21日に大型アップデートが行なわれ、「SAGA 4:興国の風」が実装された。今回はそのSAGA 4について、制作担当のガンホー・オンライン・エンターテイメントの岩田容賢氏にお話を伺った。
■1年という年月をかけて完成した『ECO』の世界
――:まずは7月21日(金)のアップデートお疲れ様でした。「SAGA 4:興国の風」でいよいよアクロニア大陸の外側の島々が揃ったという感じですね。
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ガンホー・オンライン・エンターテイメント
開発本部 コンテンツ制作部
岩田 容賢 氏 |
岩田氏:ありがとうございます。8月1日(火)でクローズドβの開始から1年になりますが、我々が当初予定していた世界がなんとか形になりました。外側にある4つの島の最後、モーグ国が実装されたことで東西南北が揃いましたからね。北は魔法、南は軍事的な面が強くて、東はほのぼのしている。そして西は前時代の文明が色濃く残っていると。
――:今回のモーグ国というのはどんなところなのでしょうか?
岩田氏:『ECO』の世界にある国々には、それぞれ背景(歴史)や特徴があるんですが、モーグ国は滅びた文明、前時代の遺産があるという設定です。ここでは唯一の化石燃料が採れて、その燃料に紐付けるような遺跡があって、いろんなモノが産出されています。一番特徴的なのは、光の塔と呼ばれている離れ小島。そこには廃墟となったビルがあり、登場するモンスターたちはビルを守るセキュリティロボみたいな感じです。動かないですけれども、エスカレーターなどもあり、まさに科学の力があったという雰囲気ですね。今のところ光の塔には定期的に出ている飛空庭に乗って行くことになります。本当は皆さんの飛空庭でいけるようになればいいんですけれどもね。
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| 光の塔へは、モーグシティから飛空庭(定期便)に乗って行くことに。飛空庭に乗るためには、光の塔への航空券を購入する必要がある |
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| 光の塔の中ではロボットたちが待ち構える。岩田氏曰く、魔法系の職業が有利とのこと。現在のレベルキャップ(Lv70)ぐらいのパーティーであれば何とか進める |
――:化石燃料や機械文明など今までの『ECO』の世界観とはちょっと雰囲気が違いますが、やはり『ECO』のストーリーには大きく関わってくるのでしょうか。
岩田氏:そうですね。そもそも『ECO』の世界は、なぜか滅んでしまった前時代があって、そのあとひと悶着があり、今の世界が創られたという設定なんです。なぜ世界には3つの種族がいるのか? というのも明確にされていませんでしたしね。でもモーグ国が実装されたことで、ようやく『ECO』のストーリーを走らせることができるようになりました。モーグ島、光の塔は、前時代の文明がなぜ滅んでしまったのか、その背景を知るための手がかりになると思います。
――:天上界、地上界、地下世界という設定もいよいよ明らかになるということでしょうか?
岩田氏:すぐにとはいきませんが、今後明らかになっていくと思います。『ECO』の世界では昔、天上界や地上界を行き来することができた。それには機械文明が関わっているのではないか? など、これからちょっとずつ進んでいくことになると思います。今までユーザーさんからも『ECO』の世界観に関わるストーリーやクエストを入れてほしいというご意見をいただいていました。これからは特定のNPCしか発行していない特別なクエストや、スペシャルイベントみたいなものが各地にどんどん追加されていくと思いますので、楽しみにしていてください。
――:先ほどモーグシティや光の塔をプレイさせていただいたのですが、段差があるマップも特徴的ですよね。
岩田氏:もともと『ECO』は低スペックのマシンでも遊べるようにするというのが、コンセプトだったんです。そこでまず見下ろし型の仕様にしたんですけれども、徐々にユーザーさんから、もう少しいろいろ見えるようにしてほしいという要望があり、それじゃあということで、画面をグルッと旋回できるようにしました。その仕様を実装したことによって、私のマシンでは処理が重くなってしまったという声もあったのですが、全マップを旋回できるように変えてくださいという声が、とても多かったんです。それで今後、新しいマップを作るときは、3D対応にしようということに決まりました。
――:光の塔の外周にある階段などでも下の景色を見ることができ、かなり迫力がありました。
岩田氏:どうせ3Dで作るのだから、一番見栄えがする形にしようと。光の塔は、せっかく塔なんだから外に出て下を見られるようにしたほうがいいんじゃないか? 踊り場があって、そこから遠くを見渡せたらもっとすごいんじゃないか? とか、いろいろアイディアは出ました。やっぱりユーザーさんに、この景色を見てもらいたいと思いながら作っていますから、ぜひ驚きながらプレイしてもらいたいです。
――:今後は敵と戦うだけでなく、高い塔から街を見下ろして絶景ポイントを探すといった楽しみ方も増えるかもしれませんね。
岩田氏:そうですね。建物や木などのオブジェクトの解像度は設定で変更することができますから、マシンスペックに自信のある方は設定をMAXにすると、遠くのほうまで街が広がっている様子なども見えるかもしれません。ぜひほかの街にも塔や高台などを追加していきたいですね。名所探しみたいなのも楽しみ方のひとつですし、『ECO』の世界観を構成する上では面白いかもしれないですね。
――:あと細かい部分ですが、光の塔は外に出ると雷がずっと鳴っていますよね。
岩田氏:モーグ島の世界観としては常にどんよりしているんです。光の塔にもそのテイストを持ってきていて曇り空なんですが、ただ薄暗いだけでは面白くない。そこでビカビカっと稲光を入れたら演出上面白いんじゃないかということになりました。ダンジョンの中にいてもゴロゴロと鳴っていると邪魔に感じる人もいると思うんですが、外に出たとき光ると一瞬、オッ! と驚いていただけるんではないかと。曇り空で雷があると、不安な感じにもなりますし、光の塔には相応しいですからね。
――:ほかに細かいギミックなどは追加されたのでしょうか?
岩田氏:飛空庭のBGMを変えられるレコードプレイヤーというアイテムがあるのですが、今回追加されたバードという職業に、"ゲリラライブ"というスキルがあって、同じように飛空庭の音楽を変えることができます。あと、ここまでは作り込む時間がなかったんですが、コンシューマゲームであるような隠し通路や、隠し部屋、隠しボタンなど、ストーリーとはまったく関係ないものも作りたいと思っています。本当に"遊び"の要素。ただオンラインゲームだと「これって不具合ですか?」って聞かれてしまうんですよ(笑)。その線引きが難しいんですよね。ただそういう"遊び"の要素は、作っているスタッフも楽しいですし、見つけたユーザーさんも発見の喜びがあると思うので、ぜひ今後は導入したいと思っています。
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| モーグシティ(左)と光の塔の中(真ん中)。どちらも階段をそのまま上り下りして移動できる。光の塔では階段でも敵に襲われる。光の塔の外周(右)では真下を見ることもできる |
■新たに追加された12のテクニカルジョブ
――:先ほど少し職業のお話がありましたが、今回の「SAGA 4:興国の風」では、まず二次職テクニカルジョブとジョブスイッチングシステムが実装されましたね。
岩田氏:当初から『ECO』の特徴として職業を多く作りたいという思いがあり、昨年の12月に一次職に対して上位職である二次職エキスパートジョブを実装しました。その後、今回実装の専門職であるテクニカルジョブを作成していく段階で、スキルを対人戦に特化したものなど特殊なスキル編成にしたため、新たに1から育てるのは難しいのではないか? という壁にぶつかったんです。そこで1つの職業から2つの職業を選べるということができてもいいんじゃないかというアイディアが生まれました。
――:「SAGA 4」が実装されるまでは、そういう仕様になるとアナウンスされていましたよね。
岩田氏:そうなんです。実際にテストしていくうちに、1回職業を変えてから仕様変更やアップデートによってやっぱり元のキャラに戻りたくなったとき、キャラを作り直しになる、ということはやめたかったんです。今でもスキルリセットやステータスリセットを残しているのは、細かい調整を入れたときユーザーさんがキャラを作り直さなくても楽しめるようにするためのものなんです。であれば、そのコンセプトどおりに職業を自由に行き来できたらいいのではないかと。それからいろいろ検証をして、問題がなかったので今回、その仕様で実装しました。その産物ではないですけれども、リザーブスキルという新たな仕様も追加され、職業をスイッチするときに、元の職業のジョブレベルにあわせて、いくつかのスキルを持ち越すことができるようになりました。これであれば、よりユーザーさんが自分の好みにあったキャラクターをつくれますからね。
――:岩田さんの中でこの職業は注目! というのはありますか?
岩田氏:見た目で一番派手なのはマシンナリーですね。専用のロボに乗ってガッチョンガッチョンできるのはいいですよ。見たら触りたくなります。あとはガンナーなどもオススメです。イラストを見ていただいても分かるよう、2丁拳銃ですからね。実はガンナーを実装するという発表の前から、それこそスタート直後から2丁拳銃を入れてくださいという声が多かったので、これはもう入れなきゃだめだと(笑)。そこで新たにモーションやグラフィックなど新たに全部作成して実装しました。かなりカッコイイので、ぜひ見ていただきたいですね。あとはバウンティハンター。モンスター相手にはあまり意味がないスキルを持っていますが、PvPでは真価を発揮します。相手の盾や胸アクセサリーを狙ったり、憑依しているキャラを追い出したり、本当に使い方が特殊なスキルが多いので、その辺を楽しんでもらいたいですね。
――:それは楽しみですね。やっぱり二次職テクニカルジョブを待っていた方は多かったと思います。
岩田氏:いや、本当にお待たせしました。せっかくお待ちいただいているので、できるだけ皆さんにご満足いただけるものを作りたかったんです。新たなスキルやオリジナル要素などなど、イラストに関しても完全に描き下ろしですしね。ただイラストが上がってから衣装を作成しているので、正直間に合っていない部分もあるんですが……。今、必死になって作っていますから、もうしばらくお待ち下さい!
――:衣装もそうですが、やはり脱ぎますよね(笑)
岩田氏:ええ、脱ぎます(笑)。『ECO』では脱ぐことに多数ご意見をいただき、アンソロジーなどのネタにもされていますから、ご期待には応えないと。ただ今回は、一応転職用の服を用意しています。
――:やはり新しい衣装や新アイテムの追加の要望は多いのでしょうか?
岩田氏:そうですね。いろんなアイテムを実装してくださいという声も多数いただいています。その声に応え、飛空庭のフィギュアなどを用意したりしているんですが、やはりアイテムを1つずつ作っていくときりがなくなってしまう。だったらユーザーさんが好きに作れるようにしたほうがいいんじゃないかということになり、外見を保持させた状態で、アイテムを作ることが可能になりました。それもユーザーさんからのご意見を反映させたカタチですね。
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| 光の塔へは、モーグシティから飛空庭(定期便)に乗って行くことに。飛空庭に乗るためには、光の塔への航空券を購入する必要がある |
■ユーザーからの声でさらに進化する『ECO』の世界
――:ほかにユーザーさんからの声というのは、どのようなことがありますか?
岩田氏:『ECO』をスタートした頃は、「もっとこういう風にできないのか」「こう変えてください」というのがあったんですけれども、今はもうゲームバランスや職業ごとの細かいスキルに関してのものですね。それに関しては調整が難しいのですが、ちょっとずつ変更を加えていきますので、どんどん言ってもらいたいです。
――:今後は大きなアップデートというよりは、細かな変更が多くなるのでしょうか。
岩田氏:そうですね。もちろん「SAGA 4」に関しても、新しいシステムや残りのアップデートもあります。ただ今までのような大きくシステムが変わるというのは、今のところ予定はしていません。もちろん今までと同じように新しいマップの追加などは用意していますし、シナリオも進んでいきます。さらに衣装に関してもエミル用、タイタニア用、ドミニア用と種族別のアップデートもあると思います。ただどれも細かく行なっていくと思いますので、これまでのアップデートとは少し違うかもしれませんね。
――:今後、決まっているアップデートはありますか?
岩田氏:まずは「SAGA 4」の調整です。テクニカルジョブに関してもジョブレベルが30までですので、30から40のスキル、40から50のスキル。それにエキスパートジョブの40から50のスキルもありますので、スキルに関してはまだまだ更新していきます。それに加え、新たなクエストやストーリー、システムの細かいアップデートももちろん行なっていきます。まだまだいろいろなことを用意しています。
――:それは楽しみですね。それではユーザーさんに対して最後にひと言お願い致します。
岩田氏:今年の8月1日(火)でクローズドβ開始から『ECO』は1年になります。ここまでこられたのは、ひとえに遊んでいただいたユーザーの皆さんのおかげです。私たちも当初予定していたシステムや職業を作り込むことができ、ひとつの『ECO』のカタチをまとめることができました。現在『ECO』を楽しんでいる方はもちろん、離れてしまった方、まだ知らないという方も、『ECO』というものを確認していただくためにも、ぜひ「SAGA 4」を触ってもらいたいですね。そしてプレイしていただいたら、どんなことでもいいので、ご意見をいただければ嬉しいです。『ECO』はユーザーの皆さんと一緒に作っていくものですから。
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