女性層と高年齢層を徐々に引き入れてきたDSに、再び転機が訪れる。『ジャンプ・スーパー・スターズ』と新たなカラーバリエーション「レッド」が発売された2005年8月8日(月)だ。両者によって、週の販売台数が実に31週間ぶりに10万台を突破。お盆ということもあり、久々に良い結果を残すことができた。さらに、2005年8月22日(月)~8月28日(日)には、累計販売台数が300万台を突破している。発売から38週間でのことである。 そして、同日から週間の販売台数も4~5万台へとアップ。前述の“冬”の時代が2~3万台だったため、ここで2倍近く伸ばしていることになる。週刊少年ジャンプのマンガキャラクタが多数登場する『ジャンプ・スーパー・スターズ』と、『たまごっちのプチプチおみせっち』(2005年9月15日(木)発売)によって、もともと強かった低年齢層への訴求力を高めたためと推測される。 ユーザー層を拡大してきたうえに、本来、得意としている層も強化。これらによって、販売台数が伸びてきたのだろう。そして2005年末に訪れた“地獄の全国品切状態”がやってくるのである。
2007年に入っても順調に売れ続けているDSだが、毎週の販売台数は実は2006年とあまり変わっていない(下図5)。あれ? ここまでずっと伸びてきたのに? 出せば売れるのに? という疑問を持たれる方が多いと思われるが、現実には「変化なし」なのである。 なぜか? 推測でしかないが、考えられる理由は3つ。「急に出荷を増やして余剰感が溢れると、ユーザーの気持ちが収まってしまう」「ヘタに生産ラインを増やすと、製品のクオリティに問題が出やすくなる」「生産ラインを増やした後で急に需要が低くなった場合、トンデモナイ在庫を抱えることになる」である。 この推測がどこまで当たっているかは不明だが、任天堂としては「今、たまたま流行しているからって安易にドンドン作れるもんかい。適度に“ほしいけど買えないなぁ”って気分のまま推移できれば、出荷分が安定して売れるだろう」という気持ちだったのではないだろうか。そして、それが2006年以降の「人気があるにも関わらず、出荷量が大して変わっていない」という結果に表れていると考えられる。いやもちろん、すでに生産体制が上限に達していたのかもしれないが。 2007年7月に、DSの累計販売台数が1,800万台を突破した。この数字がどこまで伸びるのかはわからない。2007年8月に入って、やや品薄感は解消されてきたものの、今後『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』なんてタイトルの発売も控えている。まだまだ、本体の需要はありそうだ。しかし、これまでの経緯から、任天堂が毎週の出荷台数を大きく増やすことはおそらくないだろう。いま「ほしい!」と願っているユーザーにとっては、もどかしい日々が続くかもしれない。はたして、商品が店頭に潤沢に並ぶ日は来るのだろうか。まぁ個人的には、解消された頃には新ハードが発表されて、今度はそっちが「ほしい! ほしい!」となると思うのだが。