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【TRPGリプレイ連載19】「赤き槍のダークエルフ」第六話
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2012.02.13 |
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【前回までのあらすじ】
プレイヤーの身から出た錆という感じのドラゴントゥースウォーリア戦はなんとか犠牲者を出さずに乗り切れたものの、いよいよ目的の聖遺物奪還という段になって、問答無用でダークエルフの少年・シリオンに攻撃を開始するプレイヤー約2名。いきなりの展開に戸惑うGMとウィムでしたが……!?
■■いきなりの戦闘は意外な強敵?
GM:サリィとシャルが攻撃をするならエルガイも攻撃を仕掛けるだろうな。「やはりダークエルフは信用がならんということだ! いくぞ!」ということで戦闘に突入します。
ウィム:ああ、もう止めようがないなこれは……。
GM:ではイニシアチブ(行動順)の決定を。(サイコロを振る)最初はシリオンのほうが早い。ええと、戦闘の配置はこんな感じか(と、机の上のメモに配置を走り書きする)。一番近いのは……どう見てもエルガイか。またNPC同士の戦闘か。
サリィ:ふむ。相手の実力を見るにはエルガイに受けてもらったほうがいいわね。
GM:ヒドイ話である(笑)。ではシリオンがエルガイに攻撃。エルガイ強いから当たらないだろうなぁ……(サイコロを振る)。あれ、当たったわ。ダメージ処理して、と。エルガイがけっこうダメージを受けました。
サリィ:サイコロ目のまぐれ当たりはあるとしてもダメージは高そうね。当たるとヤバいみたい。回避の援護魔法と防御の援護魔法を重点的にかけたほうがいいかも。
GM:さすがに対策取るよなぁ。一撃目をエルガイに向かわせたのは失敗か(笑)。
アイマ:ではまずはシールド魔法をかけよう。
シャル:支援魔法だとシャーマンは弱いわね。……ダメもとで攻撃をするとして、あたしは行動を後回しにするわ。
ウィム:ではこちらは祝福魔法を。
カノレ:よっしゃ。支援をもらったし攻撃だ。最初は移動攻撃のぶん命中率が下がるけど……(サイコロを振る)ちっ、当たらない。
サリィ:こっちも同様にハズレ。
シャル:当然(サイコロを振る)当たらないわ。
GM:はっはっは。シリオンを舐めてもらっては困る。かなり回避と防御が高いぞ。っと、エルガイの行動を忘れてた。うーん、自分で回復魔法を使おう。さすがにちょっとヤバかった。というわけで次のラウンドにいきます。
その後の戦闘ラウンドでも魔法使いは支援魔法を中心に、前衛は攻撃を行いますが、さすがに手強く、なかなか攻撃が当たりません。
ちなみにダークエルフの少年・シリオンは実質的なラスボス扱いで、聖遺物の槍のほかに鎧にも魔法の防具を装着しており、これがかなりの性能になっています。仮にパーティーがこのことに気付いて、戦闘後にシリオンの装備を奪ったとしても、少年サイズであるため仕立て直しをしなければ着られず、その際に能力が低下するということにしてありました。
■■苛烈を極める戦い
GM:では次のラウンドに突入だ。(サイコロを振る)イニシアチブはシリオンが取ったな。では、必殺技を使わせてもらおうかなー。
カノレ:必殺技とかあるのかよ!? ていうか、攻撃全然当たってないのに厳しいぞ!
ウィム:単体攻撃だったからなんとか持っているけど、これで全員攻撃がきたりするとヤバいな。
GM:シリオンは槍を前に構えて精神を集中すると、何事か呪文をつぶやく。すると突如、赤い槍から紅蓮の炎が飛び出し、全員に向かって飛んでくる。というわけで魔法扱いの攻撃です。魔術抵抗はできるよ。(サイコロを振る)ダメージは7点。抵抗に成功したら4点になる。まあさっきのラウンドで抵抗魔法もかけてあるみたいだし、全員抵抗成功するっしょ?
シャル:……し、失敗しました(笑)。
GM:それは相当運がないな(笑)。大人しく7点食らってもらおうか。
カノレ:くっ、やられっぱなしじゃラチがあかないぞ。反撃だ! (サイコロを振る)お、ダイス目がいい、命中したぞ。
GM:鎧の防御点を引いて、と。さすがに前衛系のダメージは痛いなぁ。
サリィ:こっちはハズレ。当たらないと意味がないわねぇ。シリオンの回避が異様に高いのがつらいわ。
GM:その他の攻撃もはずれか。エルガイは回復にまわったほうがいいよね。
ウィム:うん、私だけでは追いつかないからそのほうがいいかも。
GM:では次のラウンドに突入しよう。(サイコロを振る)イニシアチブはまたもシリオンか。実は必殺技その2があったりするんだけど(呪文リストをめくりながら)……うーん、やっぱ強いな。今使うと全滅させられそうだけど、どうするか。
アイマ:え? 今なんか言った!?
カノレ:必殺技その2がどうのって聞こえたけど……まだあるの!? 炎系呪文だと……あとは最強魔法のメテオくらいしか思いつかないけど、まさかね!
GM:(あ、ビンゴだ。うーん、言い当てられた直後に使うのも悔しいな)ふふふ、さあどうだろう。とりあえずこのラウンドは前のラウンドと同様に紅蓮の炎を使用するよ。(サイコロを振る)各自ダメージ12点。魔法の抵抗に成功したら半分でいいよ。
シャル:ひー、もうダメ、死んじゃうわ(涙)!
ウィム:次の行動順では回復魔法決定か。
GM:うむ、エルガイも回復に回らざるをえないな。まぁ、エルガイにおいしいところを持っていかれるよりはいいでしょ(笑)。
アイマ:うーん、防御系の支援魔法はだいたいかけ終えたから、攻撃系の支援魔法を使おう。サリィにダメージアップのエンチャント。当ててくれよー!
サリィ:任せなさい! (サイコロを振る)っと、本当に当たった!
GM:鎧の防御は高いとはいえ、けっこう痛いな。
カノレ:こっちも命中!
GM:くっ、このラウンドは調子いいな。HPが減ってきたわ。さすがにHPは強化できないからなぁ。
次のラウンドもシリオンは紅蓮の炎を使って全員にダメージを与えます。パーティーメンバーのHPもいい感じに減ってきて、特にシャルは「死ぬー」とか「もうだめー」とかGMがドキッとすることを言いまくっていました。……実際は多少余裕があったようですが(笑)。
■■最後の犠牲は?
GM:よし、次のラウンドはシリオンの先攻。そろそろワンパターンになってきた感があるけど、紅蓮の炎を使おう(というか、メテオは威力が強すぎてプレイヤーが全滅確定だし、使うに使えなくなっちゃっただけなんだけど。最初に使っておけばよかった……)。ではみんな抵抗をしてくれ。失敗したらダメージ12点だ。
アイマ:うわっ、死んじゃったよ!
GM:(驚いてアイマを見る)えっ、シャルじゃなくてアイマのほう?
シャル:あたしはさっきのラウンドで回復してもらったんで……(笑)。
ウィム:抵抗ロールには成功しているの?
アイマ:うん、成功しても6点だからピッタリ死亡。
GM:あら、それはまぁご愁傷様です。
アイマ:うわーん、ここまできたのに!
サリィ:とりあえずあとで考えるとして、目先の敵をなんとかしないと!
GM:おいこらそこの幼なじみ、それでいいのか(笑)。まぁ正論ではあるけど。
サリィ:(サイコロを振る)っと、攻撃は命中! アイマの死はムダにはしないっ!
GM:おおっ、やるな(笑)。しかもそのダメージだと、こっちもやられる。サリィの刃がシリオンの胸に食い込み、彼は石の床の上に倒れる。その手から聖遺物の槍がこぼれ、少し離れた位置に転がっていく。エルガイは慌ててそれを回収した。
サリィ:やった。やっと倒したわ……。
カノレ:うーん、長かった。
ウィム:さすがに厳しかった。
アイマ:くぅ、あと1ラウンド生き延びていれば!
GM:はいはい。それではエルガイがアイマのそばに歩み寄ってプリースト魔法を使いますよ。
シャル:え? もしかして……。
GM:(サイコロを振る)っと。アイマ、キミは生き返ったよ。HPは1だけど。
アイマ:おおーっ(笑)。ありがたい!
カノレ:ってことは復活魔法の「リザレクション」かよ! どんだけレベル高いんだよエルガイ!
GM:ええと、少なくとも11レベル以上だということはわかるね(笑)。
一同:高すぎるっ(笑)!
ちなみにエルガイの設定レベルは13。道中で誰かが死んだ場合を考慮してこの復活魔法、リザレクションが使えることを前提に設定してあるので、ある意味想定どおりという感じでした。必然的に戦闘能力も高く、戦闘中はできるだけ狙われないように、そして攻撃も控えて回復を行うようにしていたのです。
■■終わらない、戦い
GM:さて、ところでシリオンを問答無用でぶっ倒してしまったわけだが。
ウィム:ああ、結局止められなかった。
GM:ふむ、シリオンにはまだ息があることにしようか。「お前たち人間にやられるなんて……父さんと母さんを殺した悪い人間たち。ふふふ、でももうすぐ……もうすぐ儀式が終わる。僕も役目は果たせたよ、バカな人間たち」
カノレ:儀式!?
GM:シリオンはもう答えません。どうやら息を引きとったようだ。というわけでシーフスキルのチェックをしてもらおうか。
シャル:あ、成功したわ。
GM:ふむ、成功した人は建物の奥からなにやら呪文詠唱のような声が聞こえてくることに気付きます。
ウィム:えっ、終わりじゃないのか。
サリィ:ここまできたらその儀式とやらも止めないとダメよね、当然。
GM:エルガイは「大都市であるイナンにほど近いこんな場所でわざわざ儀式を行うとすれば、当然イナンへの影響が出るものなのだろう。幸いまだ儀式は終わっていないようだ。今ならチャンスはまだある。……行ってくれるな?」と、みんなを振り返ります。
アイマ:命の恩人のお願いは断れないな。
カノレ:ま、しゃーないよね。
ウィム:文字通り命がけで戦ったシリオンには申し訳ないけど、これは見過ごすわけにもいかないね。
シャル:個人的にはもう帰りたい(笑)。
GM:シャルは黙れ(笑)。まぁ、エルガイはそんなみんなに「ありがとう」と礼を言う。というわけで両開きの大扉を開けて先に進むことになるぞ。
結局、シリオンの防具の件は気付かれずにスルーされほっと一息。しかし、シリオンとは戦うことになる展開ではいたのですが、説得も行わず、理由も聞かずに戦闘に突入してしまったため、プレイヤーにはシリオンがただの無鉄砲なお子様と映ってしまったようです。人間側がダークエルフを敵視していたため、ダークエルフ側も人間を同様に敵視していて、そのあたりを和解させるために説得を試みたり、戦闘で殺さない配慮を行うなどすればかなり展開は変わってきたのですが、残念ながらそこまで言い出すプレイヤーはいませんでした。
シリオンをボス的扱いにして強くしすぎたというのも一因になっているため、一概にプレイヤーたちのせいとは言い切れない面もありますが、それにしても問答無用で攻撃は……(笑)。
さて、シリオン戦で、HPもMPもほとんど使い果たしているキャラクタたちですが、いよいよ最終決戦に突入することになります。引き続き次回をお楽しみに。
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