2007年7月17日(火)、六本木にて、プレイステーションに関する最新情報を発表する「PLAYSTATION PREMIERE 2007」が開催された。前週にアメリカの「E3」で発表された、新型のプレイステーション・ポータブル(以下、PSP)の日本初披露などが期待された本発表会。しかしその内容は期待をはるかに越える、充実したものとなった。その詳細をレポートしよう。
33%も軽くなった! 新型PSP初披露
発表会開始とともに、スクリーンに流されたのは懐かしの初代『みんなのGOLF』のCM。発表会が行なわれた7月17日(火)は第一作『みんなのゴルフ』発売からちょうど10周年にあたる日だったのだ。続いて7月26日(木)に発売が予定されているプレイステーション3用最新作『5』のCMが流され、この日の進行を務めるSCEJの佐伯 雅司氏が登場。開会の挨拶が行われ、発表会が本格的に始まった。
次に登壇したのはソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE) 代表取締役 社長 兼 グループCEO 平井 一夫氏。軽量化、薄型化した新型PSPを秤に乗せ、従来型のPSPと比較するなどのデモンストレーションが行なわれた。その後はテレビ出力のデモ。しかし機材の調子が悪かったのか、PSP上で再生したUMDビデオの出力機能は、コンパニオンさん、平井氏が試しても見ることができず断念。次に行ったゲーム画面は見事テレビに出力成功。大画面でPSP『ラチェット&クランク5 激突!ドデカ銀河のミリミリ軍団』のゲーム画面が映し出され、壇上だけでなく、見守っていた会場全体が、安堵した瞬間だった。
実際見てみると、ゲーム画面をテレビに出力してプレイできるのは、かなり便利そうだ。もう一点、「E3」では発表されなかった新型PSPに関する機能も明かされた。それは別売りのワンセグチューナーを接続して、ワンセグ放送が観られるという。
これらの機能を備えた新型PSPは、9月20日発売で19,800円(税込)。カラーバリエーションは、従来のピアノブラック、アイスシルバー、セラミックホワイトの3つに加えて、さらに花をイメージした「ブルーメシリーズ」を追加。淡い色彩のローズピンク、ラベンダーパープル、フェリシアブルーを加えて6種類となっている。なお、先述のワンセグチューナーは新型PSPと同時発売で、6,980円(税込)だ。
最新車種を収録して10月に登場!?『GRAN TURISMO 5 Prologue』
日本初の新型PSPの披露に続いて、各メーカーから新作に関するプレゼンテーションが行なわれた。最初に登壇したのはポリフォニーデジタル 代表取締役 プレジデント 山内 一典氏。「E3」ではタイトルのみしか明かされなかった『GRAN TURISMO 5 Prologue』のゲーム画面が明かされた。ゲームを始めると最初に登場するのはタイトル画面ではなく、ガレージ機能やプロフィール変更などが行なえる「マイページ」。こういった構成は「オンラインゲームとしてのあり方を考えての結果」(山内)だそうで、新しい『グランツーリスモ』に対する意気込みが伺えた。
登場する新車の一部(BMW Z4、アウディ R8、フェラーリ F430)を紹介したあとは、注目のレースシーン。1080pで60フレームと、『グランツーリスモ4』のオープニングと同じレベルの美しさを実際のゲーム画面で実現。さらに最大16台での走行が可能となり、レースシーンの迫力は圧倒的なものとなっていた。なお、内装からの視点の追加や敵車AIの向上も行なわれている。
実際発表会では、実機を使ったデモを山内氏自ら操作して見せてくれた。『GT4』の時点で、車を美しく見せる上限と思われたビジュアルクォリティだが、今回発表した『GRAN TURISMO 5 Prologue』は、前作を遥かに凌駕していた。まるでレース番組を見ているかのように、車と風景に違和感がないのに驚き。また緑から紫へと見る角度によって変化するボディーカラー「マジューラ」も実車さながらの見え方を再現していたのは正直驚きであった。
本作品は10月末に行なわれる今年のモーターショウに展示予定の車種も含めるため、10月には登場する予定。
自分の分身が主人公の冒険をサポート『白騎士物語』
続いてレベルファイブの日野 晃博氏により、ファンタジーRPG『白騎士物語』のPVとゲームプレイが披露された。本作品は「壮大なファンタジー世界で、ヒーローモノのかっこよさを表現する」(日野氏)というコンセプトから生まれたもの。中世ファンタジー世界に魔法やモンスターが存在するオーソドックスな雰囲気ながら、戦闘画面では主人公が変身を行ない、タイトルにある白い騎士に変身&巨大化。小さな味方を従えたまま、巨大なボスと戦うユニークな場面も見られた。
このタイトルに関してもうひとつの注目点がキャラメイキングだ。髪型や顔の輪郭のほか、目、眉、瞳などの細かなパーツも含めて、大きさや位置をパラメータでいじって、自由に顔を作成可能。さらに作った顔が物語に合わせて、表情変化をする。ゲーム中に登場する主人公やNPCもこのシステムによって作られたキャラクタだ。
もちろん実在の人物に似せた顔も作れるということで、この日は俳優の要潤氏からのビデオメッセージとともに彼に似た顔が製作された。彼の顔に似せて作ったキャラクターは、その後のゲーム画面でも登場し、主人公たちとともに冒険を行なっていた。今年の東京ゲームショウではプレイできるように進めているとのこと。もしプレイできた場合は、ぜひそのキャラメイクの細かさを確かめてほしい。
PS3のUCC(User Created Contents)タイトル『リトルビッグプラネット』
SCE JAPANスタジオ シニアバイスプレジデント 桐田 富和氏は、この日もっともオリジナリティの高そうなアクションゲーム『リトルビッグプラネット』を発表した。このゲームの基本は横スクロールアクション。ただし、ステージやキャラクタを自分で作ることができ、さらにオンラインを通じて、最大4人での協力プレイ、ステージの共有などができるのだ。今回はサンプルのステージを開発スタッフ4人でプレイし、数々のギミックを乗り越えてクリアまでの様子を見せてくれた。
最後に披露されたステージメイキングのムービーによると、アイコンからの選択や、コピー&ペーストという簡単な操作で、どんどんステージが作れるようだ。ただし、出来上がったステージは落下や回転など物理法則に沿ったギミックとなり、愉快なアクションゲームとなる。SNSやマイスペースにアップしてのコミュニティ機能などの展開も行なわれるそうで、久々の“SCEらしい”ちょっと変わったゲームとなりそうだ。
ナムコブランドの強力タイトルラインナップを発表!
バンダイナムコゲームス 代表取締役副社長 コンテンツ制作本部長 鵜ノ澤 伸 氏は4つの新作について発表。『鉄拳6』はアーケード版を11月に稼働し、その後1年以内にPS3で登場、『タイムクライシス4』は年内に、『ソウルキャリバー4』は2008年に発売させると、人気シリーズ作品の今後の予定をムービーとともに紹介した。
完全なる新作としては『のびのびBOY』が発表された。ゲーム画面やムービーではない、ニョロニョロとした物体がPS3の高い物理計算能力で動いていた映像が流されただけだが、『塊魂』の高橋慶太氏が手がける作品だけに、今後の具体的な内容発表に期待できそうだ。なお、この日はナムコレーベルのものが中心だったが、バンダイレーベルでは、「忍者、格闘、そしてロボットアニメのゲームも開発してますよ」と、アナウンスされた。
『龍が如く』名越氏が着流しで登場の意味とは?
セガ CS開発統括部 副統括部長 兼 NEソフト研究開発部長 名越稔洋氏はふたりの花魁を従えて龍が描かれた着流し姿で登場。意外な衣装に会場から笑いが起こった。
今回初披露の作品は、『サクラ大戦』スタッフの新作として、1935年、第二次戦争時代のヨーロッパを舞台に寄せ集めの義勇軍がの戦いを描く『戦場のヴァルキュリア』。発表会では、イメージムービーが流された。特徴的なのは、そのビジュアル。水彩画風の暖かみを持つ表現手法「CANVAS」を採用し、独自の作品世界を表現していた。
さらにチュンソフトが製作し、10月25日(木)に発売が決定したサウンドノベル『忌火起草(いまびきそう)』のムービーも流された。文章の合間にムービーが次々に挿入されるようで、名越氏曰く「サウンドノベル史上もっとも怖い。じつはこういうのが苦手で、チビリそう」と、作品は順調に仕上がっているそうだ。
現在、名越氏自身が手がける作品は現在ふたつあるが、両作品とも満足いくクオリティに達しなかったため、今回の発表会ではお披露目はなし。そのうちのひとつは詳細が9月14日(金)のセガ戦略発表会で発表される予定だが、この日のコスプレ姿が、ゲーム内容のヒントとなるそうだ。
各社からの発表がひととおり終わると第一部のシメとして、そのほかのメーカーからリリースされる新作がムービーで紹介された。紹介されたタイトルは以下のとおりだ。
『湾岸ミッドナイト』/元気
『Heavenly Sword ~ヘブンリーソード~』/ソニー・コンピュータエンタテインメント
『トニー・ホーク プロジェクト 8』/スパイク
『山佐DigiワールドSP パチスロ戦国無双』/ヤマサエンタテインメント
『ゴーストリコン アドバンスウォーファイター2』/ユービーアイソフト
『アガレスト戦記』/アイデアファクトリー
『メジャーリーグベースボール 2K7』/スパイク
『WARHAWK』/ソニー・コンピュータエンタテインメント
『メガゾーン23 青いガーランド』/アイデアファクトリー
『ARMY OF TWO(仮)』/エレクトロニック・アーツ
『The Elder Scrolls IV:オブリビオン』/スパイク
『RISE FROM LAIR』/ソニー・コンピュータエンタテインメント
SCEが挑む仮想空間の構築「PLAYSTATION Home」
10分間の休憩が入った後、「Game Developers Conference 2007」で発表された「PLAYSTATION Home」の詳細について、再度SCEの桐田氏が登壇し、実演を交えてプレゼンを行なった。「PLAYSTATION Home」は、PS3のオンライン上で楽しめる3Dの仮想空間。同じ空間内にいるほかのプレイヤーとチャットやボイスチャット、さらには変なダンスで交流したり、動画を楽しんだり、自分の部屋「Home」を持てたりと、“もうひとつの現実”を体験できるコンテンツだ。
「PLAYSTATION Home」中に別のアプリケーションを立ち上げることもでき、今回は樹木を植え、育てるガーデニングソフト『GARDEN』がピックアップされた。『GARDEN』内で作った庭が「Home」から見れるようになるなど、「PLAYSTATION Home」との連携も図られている。桐田氏によると今後は「Home」からオンラインゲームをプレイできるようにしたいそうで、ゲームだけにとどまらない、新しいPS3コンテンツが広がる予感を感じさせた。なお、2007年末までにはユーザーを対象としたβサービスを行なう予定だ。
世界初!『METAL GEAR SOLID 4』実機で公開
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各メーカーからの新作紹介、第2部のトップバッターは、コナミデジタルエンタテインメントの小島秀夫氏による『METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS』。発表以来、大きな注目を集め続ける本作品の、世界初の実機によるプレゼンが行なわれた。今回スネークが潜入するのは、敵対する勢力同士が争っている戦場。砲弾が入り乱れるなか、銅像になりすます、ドラム缶に隠れる(段ボールよりは耐久性が高いらしい)、ゴミ箱に隠れるなどのアクションを行ないつつ、潜入を行なっていた。ドラム缶の中に入って転がり敵を攻撃、目を回して気分が悪くなったスネークにグラビアを読ませて元気にするなど、『メタルギアソリッド』らしいユニークさは健在。シリーズファンにはおなじみのオタコンも、「メタルギアmkII」という小さなロボット(実は『スナッチャー』という小島作品に登場したサポートロボット)のディスプレイから登場していた。
また、PS2の『MGS3 SUBSISTENCE』で実現していたオンラインでのサービスも用意されており、こちらは来週に行なわれる20周年イベントでその内容が明かされるとのこと。
なお、PSP用の『METAL GEAR SOLID PORTABLE OPS+』のムービーでは、新型PSPと同時となる9月20日(木)に発売されることが発表されていた。
カプコン、こだわり過ぎの開発陣が手掛ける2タイトルをプレゼン
カプコンの稲船敬二氏は、歴代プレイステーションとともに育ったともいえるシリーズの最新作、『デビル メイ クライ 4』と『BIOHAZARD 5』のムービーを披露した。『デビル メイ クライ 4』で流れたのは、スタイリッシュさがさらに増した、「こだわり過ぎる、困った開発チーム」(稲船氏)による戦闘の様子を描いたムービー。一方、『BIOHAZARD 5』では、アフリカの少数民族のような人々がたくさんいる村の情景と、マグマの見え隠れする“5”というロゴが表示されたのみ。シンプルながら不気味さは十分に伝わってくるものだった。
PS3でも爽快アクション『三國無双5』発表
「ラスト」とアナウンスされ、登場したのはコーエーの松原氏。「これまでに各社が発表したすばらしい作品を観て、個人的にもわくわくする」としながらも、自信たっぷりに8月30日(木)に発売される『BLADESTORM 百年戦争』を紹介した。本作品は『真・三國無双』シリーズを開発するオメガフォースによる新作アクションで、舞台はヨーロッパ。PS3本体との同梱版の発売や、7月末からはプレイステーションストアで体験版の配信も行なわれる、注目度の高い作品だ。
そして『Fatal Inertia』、シブサワコウ氏製作の『NioH 仁王』といった既報のタイトルに続いて、サプライズとなる『真・三國無双5』がプロデューサーの森中隆氏により紹介された。本作品の存在自体は今回の発表会で初めて明かされたものの、開発はかなり以前から行なわれていたようで、実機でのゲーム画面が披露されていた。森中氏によるとコンセプトは「究極のアクション、究極の戦場」で、次々とアクションをつなげる「連舞システム」、キャラクタアクションと武器の一新、プレイヤーの行動により戦略が変わっていく戦場などがポイント。TGSでは試遊台を置く予定で、寒くなる前、秋ごろに発売と、意外に早い時期のリリースになりそうだ。
その後は第一部と同じく、連続したムービーによってその他のメーカーの新作が発表された。発表されたのは以下のとおり。
『BLADESTORM 百年戦争』/コーエー
『THE EYE OF JUDGMENT BIOLITH REBELLION ~機神の叛乱~ SET.1』/ソニー・コンピュータエンタテインメント
『Railfan 台湾高鉄』/音楽館
『ヴァンパイア レイン ーアルタードスピーシーズー(仮)』/AQ インタラクティブ
『マーセリナーズ 2: ワールド イン フレームス(仮)』/エレクトロニック・アーツ
『アンチャーテッド エルドラドの秘宝(仮)』/ソニー・コンピュータエンタテインメント
『ティアーズ・トゥ・ティアラ-花冠の大地-』/アクアプラス
『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』/ディズニー・インタラクティブ・スタジオ
『Dark Sector』/ディースリー・パブリッシャー
『魔界戦記ディスガイア3』/日本一ソフトウェア
『HAZE』/スパイク
『スタントマン:イグニッション』/THQジャパン
『ラチェット&クランク FUTURE(仮)』/ソニー・コンピュータエンタテインメント
最後はスクウェア・エニックスからサプライズ!
ここで発表会も終了……かと思いきや、最後にスクウェア・エニックスによるプレゼンが用意されていた。登壇したのは橋本真司氏。最初に同社としては初となる日米同時発売が行なわれる『THE LAST REMNANT:ラスト レムナント』の概要を紹介した。本作品は70人以上の群集が一斉に戦うRPGで、開発の効率化を図るため最新のゲームエンジン「Unreal Engine 3」を使用している。同社の新しい柱の一本となることを期待されているタイトルだ。
続いて国内のプレイステーション3では、最大のキラータイトルとなるであろう『FINAL FANTASY XIII』、『FINAL FANTASY Versus XIII』の2作品についても紹介。こちらはスクウェア・エニックスが独自に開発した「ホワイトエンジン」と呼ばれるエンジンを使用している。TGSで新しい映像が披露され、2008年には実機での画面を含んだ本格的な活動が始動される予定だ。その後に流された3作品のムービーは、今回の発表会でも最高品質のもの。TGSでの新たな映像にも、十分に期待しておいてよいだろう。
FINAL FANTASY Versus XIII
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また、橋本氏により発表会の最後にさらに驚きの情報が明かされた。『FFⅦ』シリーズ最新作にして10周年記念作品となる『CRISIS CORE -FINAL FANTASY Ⅶ-』は9月13日(木)に発売、さらに新型PSP同梱版も同日に発売されるのだ。発表会の前半でも紹介したとおり、新型PSPの発売日は9月20日(木)で、この同梱版は77,777個のみの限定先行発売となる。シリーズファンのみならず、新型PSPを少しでも早く手に入れたい人にも要注目の作品となりそうだ。
大量の新作が紹介された今回の発表会。PS3の苦戦が伝えられるなか、冒頭で佐伯氏が述べたとおり「今後のプレイステーション3に期待感、安心感を抱ける」内容となった。スクリーンに最後に現れたのは「続きはTGS2007で」という内容のもの。確かに今回発表された作品の多くが、東京ゲームショウでの展開を紹介していた。どのソフトを買うか、はたまたプレイステーション3自体を買うかどうか、判断するためにも今年の東京ゲームショウは見逃せないイベントとなりそうだ。
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