イベントレポート
 
「.hack」新作は映像作品!!
サイバーコネクトツー戦略発表会
2007.10.03
関連URL:サイバーコネクトツー
 
 
左から、バンダイビジュアル取締役・ 森本浩二氏、サイバーコネクトツー代表取締役・松山洋氏、バンダイナムコゲームス代表取締役社長・鵜之澤伸氏
 『ナルティメットヒーロー』や『.hack』シリーズなどの生みの親として知られるサイバーコネクトツーは、2007年10月3日(水)、同社の新事業および事業戦略についての発表会を都内にて開催。同社としては初の試みとなる長編映像作品「.hack//G.U.TRILOGY」のほか、九州大学とのコラボレーションにより進行中のゲーム製作プロジェクトなど、今後の同社の事業展開について発表を行った。

 発表に先立ち、同社代表取締役の松山洋氏は「ゲーム業界全体が元気であるためには、我々ディベロッパーがまず元気であることが重要。本日はディベロッパーとしての立場から業界をもっと元気にしたいと思い、こうした発表の場を設けさせていただきました」とコメントし、これから発表する数々の新戦略についての期待感をあおった。

※各写真をクリックすると、拡大版がご覧になれます。
■映像作品として蘇る『.hack//G.U』
▲今作でのハセヲは、ゲーム全三作に登場した4つのフォームに加え、第5の形態「B-stフォーム」に変身する
▲夕暮れの教室でたたずむハセヲとアトリ。果たしてアニメでは一体どういった展開となるのだろうか
 松山氏がまず最初に触れたのは、「映像制作事業への参入」。今回はその第一弾タイトルとして、2008年1月25日(金)にDVDおよびBlu-ray Discで発売予定という「.hack//G.U. TRILOGY」の映像が公開された(発売元はバンダイナムコゲームス、販売元はバンダイビジュアル)。

 本作は、PS2用RPGとして3作品にわたり発売されてきた『.hack//G.U.』シリーズ(バンダイナムコゲームスより発売)を題材とした85分間の長編CGアニメーション。ゲーム総プレイ時間100時間という『.hack//G.U.』の物語をベースとしながらも、全カット完全新作のHD映像により1本のストーリーへと昇華。さらにゲーム全三巻とは違った展開、違った結末が語られていくことになるという。

 映像の質感としてはゲーム中で使用されていたCGムービー部分に近い印象だが、松山氏によれば「ゲームからの転用は一切なく、全キャラクタ、全シーンすべて完全新作として作っています」とのこと。また、モーションキャプチャを使わず、全シーン「手付け」でモーションを作成していることや、ゲーム制作のノウハウを活かした制作行程の最適化など、ゲームメーカーならではのこだわりも同時に明かしてくれた。確かに、昨今のゲームでは映画やアニメ顔負けのムービーシーンが挿入されることも多く、こうしたノウハウを使って1本の映像作品を作る、という試みは面白そうだ。

▲DVD版とBlu-ray Disc版の同時発売予定。初回封入特典として、オールカラーブックレットが付属する。ファンには必須の特典となりそうだ ▲出演声優3名からのビデオメッセージも。左からオーヴァン役の東地宏樹さん、アトリ役の川澄綾子さん、ハセヲ役の櫻井孝宏さん

▲新たに立ち上げられた映像製作チーム「sai -サイ-」。社内指折りの「映像スペシャリスト」たちで構成されていると言う
▲サウンドユニット「LieN -リアン-」。絡み合うツタをデザインしたシンボルマークは、絆・つながり・緑をイメージしたもの
 ここで松山氏は、この映像プロジェクトのために結成したという、新たな社内制作チーム「sai -サイ-」を紹介。このチームは、同社のなかでも選りぬきのスペシャリストたちで構成されており、今後はゲーム制作から独立し、「.hack//G.U. TRILOGY」をはじめとする映像コンテンツの制作を中心に活動していくことになるという。ちなみにチーム名の「sai」は、「sensible(感性)」「art(技術)」「innovation(革新)」の頭文字からとったもので、同時に漢字の「サイ」を意味に当てはめ、「"最"も"彩"りのある"才"能集団」を表しているとのこと。新たに映像制作専門の新チームを作ってしまうあたり、同社の映像制作事業への「本気」度がうかがえると言えそうだ。

 また併せて松山氏は、映像制作チームと併せて立ち上げられたという、新ユニット「LieN -リアン-」についても紹介。「LieN」は、これまで『.hack』シリーズのテーマ曲、挿入歌などを担当してきた歌手の三谷朋世さんと、同社サウンドチーム所属で、作詞・作曲を担当することになる福田考代氏の二人から構成されるサウンドユニットで、今後は「.hack//G.U. TRILOGY」のメインテーマおよび挿入歌をはじめ、同社の様々なコンテンツに楽曲を提供していくことになるとのこと。こちらも「sai」と併せて、今後の展開が楽しみなユニットとなりそうだ。

 なお、価格はDVD版が7,140円(税込)、Blu-ray Disc版については先日の「東京ゲームショウ2007」で10,290円(税込)と発表されていたが、今回急遽価格を見直し、標準的なPS3用ソフト並みの「8,190円(税込)」に決定したとのこと。Blu-ray Disc版の購入希望者によっては嬉しいニュースと言えるだろう。

■新体制・新ロゴで再スタート
▲詳しいゲームの内容については、「折を見て別途発表の機会を設けさせていただきます」(松山氏)とのこと
▲過去にも「日本ゲーム大賞2006」をはじめ、様々な実績をもつ九州大学。ここからどんなゲームが生まれるのか楽しみだ
  さらに松山氏は、今後の事業戦略の一環として、現在「サイバーコネクトツー×九州大学 ゲーム制作プロジェクト」を進めていることについても発表。

 同社が所属しているGFF(GAME FACTORY FULKUOKA:サイバーコネクトツー、レベルファイブ、ガンバリオンら福岡に拠点を置くゲーム開発会社10社による任意団体)では、これまでにも九州大学および福岡県・福岡市との産官学連携により様々な活動を行ってきたが、今回のプロジェクトもその一環として行われるもの。
  具体的には「九州大学大学院 システム情報科学研究院情報理学部門 岡田義広研究室」の学生を社内に招き、サイバーコネクトツーのプロデュースのもと、新たな家庭用ゲームソフトの企画開発を進めていると言う。詳しいゲームの内容については明かされなかったが、同研究室はこれまでにも「日本ゲーム大賞」のインディーズ部門で大賞を受賞するなど、アマチュアながら高い実績を残しており、どういったゲームがここから生まれることになるのか、今後のさらなる続報に期待したいところだ。

 最後に松山氏は、今回発表した各種「新体制スタート」を記念し、新たな歩みの一歩として、会社ロゴを一新すると宣言。スクリーン一面に、新しくなったロゴを映し出した。
  新たに公開されたロゴは、緑を基調とした、これまでのイメージとはまったく異なるシンプルなもの。松山氏によれば、卵のような楕円形には「調和」の意味が、水の波紋のような"C"のラインには「広がり」が、そして円の外に飛び出した"2"の部分には、既存の枠にとらわれない「トンガリ」がそれぞれ込められているという。

 映像事業への参入をはじめ、新たな社内チームの結成、新たなプロジェクトのスタートと、まさに新しい体制で動きはじめた同社の様子を、この新ロゴが表していると言っても過言ではないだろう。これらの試みが実を結ぶかどうかも含め、今後の動静に注目していきたいディベロッパーのひとつとなりそうだ。

▲スクリーン左に表示されているのが以前の会社ロゴ。文字が主体のデザインが特徴となっている ▲今回発表された新ロゴ。以前のロゴとはイメージが大きく変わり、全体的にすっきりした印象となった

■「.hack//G.U.TRILOGY」設定画&スクリーンショット集
▲本作「.hack//G.U.TRILOGY」タイトルロゴ
▲「.hack//G.U.TRILOGY」メインビジュアル
 「.hack//G.U.TRILOGY」の設定画や本作のスクリーンショットも公開された。こちらもあわせて観覧いただきたい。

■関連リンク
「.hack」オフィシャルサイト








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