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Wii版『ゼルダ』のリンクは右利き!岩田・宮本氏一問一答
2006.09.14
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関連URL:任天堂公式サイト
 

 任天堂の次世代ゲーム機「Wii」。同ハードの発売日を発表したその日、任天堂の岩田聡社長及び、宮本茂氏が記者団の質問に答えた。

 質問内容は欧米市場での展開時期や『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』など、多岐に渡った。その中で、特に両氏のコメントに“力”を感じたのが、「Wiiのコンセプト」。
  これはE3でのコメントとほぼ同じ「ゲーム人口の拡充」である。その拡充手順を岩田氏の言葉を借りてまとめると次のとおりになる。

(1)家庭にゲーム機がある
(2)ゲームに興味がない層が、Wiiに搭載されているゲーム以外の機能に興味を示す
(3)(2)の層が、Wiiコントローラをにぎり、それに慣れる
(4)直感的に操作するゲームのプレイシーンを見て、ついにゲームに興味を持つ

 確かに、言わんとしていることは理解できる。このとおりに推移すれば、理想的だろう。しかし(3)から(4)へ、そう簡単に移行するだろうか?
  Wiiには、天気予報やニュースを見る機能が備わっている。これらは日々、更新されていくものだし、毎日見ているからといって飽きるものではない。「天気とニュースを見たいがためにWiiのコントローラを握る」という習慣は身に付くかもしれない。だが、この人物はゲームに興味を持っていない。いくらコントローラを握ったからといって、そのままゲームという普段、興味を持っていないエンタテインメントへ、歩みを進めるだろうか。
  この点に対し、岩田社長・宮本氏からの具体的な説明はなかった。しかし、岩田社長は「ゲームを認知していない人に遊んでもらうわけだから、これまでのアプローチでは絶対に届かない。また、むやみやたらに宣伝をすれば良いというわけでもない」と、問題を認識しているかのような発言を行っている。また「それなりにプロモーションの費用を考える必要もある」という趣旨のコメントも残している。つまり、記者団の危惧を踏まえたうえで、Wiiをコンセプトどおりに展開していく用意ができている、ということなのだろう。
  他にも、Wiiのコンセプトに関わる内容と思われる発言をいくつか繰り返している。それらを以下に抜粋した。
  「よく、他社ハードと比較されるが、我々は競争しているとは思っていない。ハードメーカー間で競争すると、意識がライバルに向いてしまい、ユーザーに向かなくなる。それでは、ユーザーの信頼を得られない」。
  「どうしたら、毎日、ゲームのコントローラを持ってくれるのか? いつも、それをみんなで考えていた。その答えのひとつが、ゲーム以外の機能だ」。
  「いきなりゲームユーザーを増やすのではなく、まずは1世帯あたりのゲーム人口を増やす。これまでと同じハード・ゲーム・パブリッシングでは、人口は増えない」。
  「我々はパワーゲームをしているのではない。他社を叩けば、我々が伸びるというわけではない。すべてのエンタテインメントがライバルになりうるが、それは敵ではない。我々もユーザーに認知されるエンタテインメントを作るだけ」。
  「これまで、門外不出だった宮本のアイディアを積極的に出すようにしている」。

 特に興味深いのが、最後のコメント。宮本氏も「今の主な仕事はライブラリ作りです」と語っている。
  これまで、任天堂のプラットホームは、「ハードが売れてもサードパーティのソフトが売れない」という事態を多く招いている。実際、好調が伝えられるNDSもメディアクリエイト販売ランキングを見るとNDSソフトが7本ランクインしているが、6タイトルが任天堂作品である。しかし、今後Wiiにおいて宮本氏の作成したライブラリがサードパーティに公開されることで、こうした弊害が解消される可能性もある。そこからソフトラインナップの拡充が進み、Wiiの普及が広がることも考えられる。これも、Wiiのコンセプトを推し進める施策のひとつなのであろう。それだけ、本気ということだ。

 しかし、ここで新たな疑問が浮かび上がる。「Wiiはどこに向かっているのか」と。岩田社長は、こう答えている。「いくらNDSやインターネットとの連携があっても、Wiiを情報端末にする気はない」。
  ゲーム以外の機能をフックに新たなゲームユーザーを取り込んでも、結局は彼らをゲームに導いていくのである。そのためにも、『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』『スーパーマリオギャラクシー』『ファイアーエムブレム 暁の女神』といった、“いわゆるゲームらしいゲーム”をラインナップに加えているという。
  宮本氏は「N64、GCよりも開発陣がWiiに手応えを感じている。新しいものを作るのが楽しい、とよく聞く。既存のゲームとはまったく異なる、本当に斬新なゲームを作ることができる。クリエイターにチャンスがある」とコメント。先のライブラリ提供とあわせて、柔軟な開発体制を敷いているのだろう。もしかしたら、それがロンチ時に名を連ねるのが珍しい、アトラスやサクセスといったメーカーのタイトルにつながっているのかもしれない。

 さて、Wiiのコンセプトに関する両氏のコメントを紹介してきたが、宮本氏がもう少し具体的な質疑に答えてくれた。それは以下のとおりである。

Q:カラーバリエーションは?
A:発売時には用意しない。春ぐらいまでは供給台数に限りがあるし「好きな色がなかったから買わなかった」という事態を避けるため。しかし、後々には用意していく。怖がられないデザインを目指している。

Q:『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』のリンクが右利きだったが?
A:当初は左利きだった。しかし、右手でコントローラを振るユーザーが多いようなので、リンクも右手に剣を持たせた。ちなみにGCの『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』では、リンクは左利き。

Q:コミュニティのようなものは考えているのか?
A:「Mii」を使ってコミュニケーションを取れるような何かを考えている。名称などは決めていないがイメージで言うと「Wii ミクシィ」みたいな。

 今、ゲームに興味がある層、ない層含めて、携帯電話が広く普及している。しかし、「ネットワークの現状と課題に関する調査(総務省情報通信政策局情報通信経済局・2005年)」によると、携帯電話所持層のアプリ(ゲーム)利用率は約20%となっている。仮に、現在は利用率が上がって30%と考えよう。すると、携帯電話の加入件数が約9,000万件であるから、その30%つまり2,700万件(≒人)がユーザー数だと推測できる。
  携帯電話で初めてゲームをプレイしたユーザーも、多いことだろう。その数は、おそらく、最大で2,700万人。これだけ普及し、使われている携帯電話におけるゲーム人口が、この数字である。「ゼロからのゲーム人口の増加」をコンセプトに掲げるWiiは、ある意味、ここに挑戦するのだと言えるのではないだろうか。



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