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荒木飛呂彦が設定秘話を明かす!『ジョジョ』発表会レポート
2006.09.13
『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』メインページ
関連URL:『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』公式サイト
 
▲発表会開始前のステージ
▲ディオ役の緑川光氏
▲映画のワンシーン
▲作者の荒木飛呂彦先生
▲スピードワゴンのお二人
▲ゲーム中のスピードワゴン(右)
▲ディオの名セリフも再現
▲ポーズを決めて特殊能力を強化
▼会場横のスペースで展示された原画

 バンダイナムコゲームスが9月13日(水)に開催した「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド共同プロジェクト」。本発表会で、マンガ「ジョジョの奇妙な冒険」に関する様々な設定が作者・荒木飛呂彦先生の口から語られた。
  会場にはプレスのほかに、ウルトラジャンプ誌で行われた抽選に当選した一般ユーザー50名も来場していた。

 本発表会は、荒木先生のマンガ家生活25周年及び「ジョジョの奇妙な冒険」20周年を記念して展開されるプロジェクトの概要を伝えるもの。現在、「ジョジョの奇妙な冒険」の“第7部”にあたる「STEEL BALL RUN」が連載されているウルトラジャンプ誌の編集長、伊東健介氏が概要を語った。
  伊東氏によると「本プロジェクトの柱は10月26日(木)発売のPS2『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』と、2007年2~3月に公開予定の劇場用アニメ映画、この2つのコンテンツ」とのこと。どちらも題材となっているのは原作の“第1部”。ジョナサン・ジョースターとディオ・ブランドー、二人が物語の軸になっている作品だ。なお、「映画の公開に合わせるタイミングで、ムックなどの“サプライズ”も用意する」という。

 続いて声優の緑川光氏が「ハートがふるえましたね」というセリフとともに登場。同氏はPS2『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』でディオを演じる。すでにアフレコはすべて終了しており、「のどに良くないセリフが多かったのですが、魂を込めて演じたいと強く感じましたので、がんばりました。久々に、のどの奥に血を感じました」と感想を語っていた。なんでも、OKが出たセリフでも自分が納得しなかったときには、自ら撮り直しを願い出たという。
  収録時にゲームの映像を見て、実際にプレイもしたという緑川氏。本作独自の「ポーズを決めて攻撃力や回復力をアップさせる」というシステムに「周りに敵がいるのに、ポーズとってる場合じゃないよね」とコメント。しかし、これがゲームに慣れてくると微妙な緊張感を生み、気持ち良くなってくるそうだ。なお、緑川氏本人には知らされていなかったようだが、映画のディオも同氏が演じることが伝えられた。

 緑川氏の次に登壇したのは映画の監督、羽山淳一氏。過去に、製作された「ジョジョ」のOVAなどで作画監督を務めた人物だ。司会者に映画の見所を聞かれ「全編、見所なんですが、CGが良い感じに仕上がっています。物語としては二人(ジョナサンとディオ)の最終決戦と、そこに向かっていくシーンですね。原作特有のしなやかに流れているカラダのラインも再現すべく努力しています」と回答。自身も原作のファンであり、何度も携わっている題材だけに、製作における戸惑いなどはないようだ。
  ただ、問題となっている点がひとつ。それは「90分に収めること」だ。単行本にして約5冊分のボリュームである“第1部”。これを映画という90分の枠に、原作の面白さをすべて盛り込むのは、なかなか難しいだろう。この後に続くトークのなかでも、何度も「90分に入れるのが…」と、もらしていた。
  また、今回の映画の音響はOVAと同じくスカイウォーカーサウンド。“ズギューン”“ゴゴゴゴゴゴゴ”といった「ジョジョ」独特の擬音もバッチリ再現される!?
  ちなみに、この映画は大きく3つのパートに分けられており、それぞれ「少年」「青年」「最終決戦」となる(演出上であって、具体的に3本になっているわけではない)。そしてなんと、「スピードワゴン」が映画には登場しないという。この発表には、会場内が驚愕。もし続編を作ることになった場合、ややこしいことにならないか?

 伊東氏、緑川氏、羽山氏のトークが終わったところで、いよいよ作者の荒木飛呂彦先生と芸人のスピードワゴンが登場。この3人に羽山監督を加えた4名でのトークセッションとなった。
  しかし、スピードワゴン・井戸田氏の「さぁ、先生は誰でしょう? ……と、ひとすべりしたところではじめましょうか」との挨拶に、会場には微妙な空気が。それを感じ取ったかスピードワゴンの小沢氏が「ぼくね、ずっと「ジョジョ」好きなんですよ。コンビ名もマンガからだし」と、自身の熱意を猛烈にアピール。会場の温度を高めたかに思えた。ところが、直後に大きな笑いをとったのは荒木氏。一言も声を発しないことをツッコまれ「ぼく、マンガ家だからしゃべるの苦手」と返答。この言葉に、会場内の誰もが緊張から解き放たれたのだ。
  トークセッションは、主に司会者からの一般的な質問と、小沢氏のマニアックな質問に荒木先生が答える形で進行。そのコメントは以下のとおり。

Q:デビュー25周年の感想は?
A:えーと、昔のこと、あんまり覚えてないんだよね。キャラとかも忘れちゃう。今回「ポスターを描いてくれ」って言われたんだけど、つらかった。忘れちゃってたから(笑)。

Q:デビュー当時、仙台からFAXで原稿を東京に送っていた?
A:うん。そのとおり。そんな時期もあったね。

Q:昔の苦労話を聞きたいのですが?
A:うーん。あんまりないなぁ。お金に困ったことないんだよね(笑)。

Q:デビューのきっかけは?
A:高校生の頃からマンガを描き始め、手塚賞に応募。そこで賞をもらって、それがきっかけになったよ。

Q:「ジョジョ」以前に描いていたマンガ「魔少年ビーティー」の「B.T」とは?
A:寺沢武一さんの「B.T」。寺沢さんの大ファンなんだよ(笑)。

Q:「ジョジョ」を描き始めたきっかけは?
A:「ジョジョ」の前に「バオー来訪者」というマンガを描いていたんだけど、そこで筋肉質なキャラクタを描いていた。すごく強いキャラをね。で、その当時シルベスター・スタローンの「ランボー」とか流行っていて、それも強そうだった。じゃあ、一番強いキャラクタって、どんなのなんだろう? と思って描き始めたのが「ジョジョ」。

Q:最後の敵の能力が「時間を操る」であることが多いが?
A:うーん。物語の前提に「強い敵を倒す」ということがあるんだけど、じゃあ、どんなヤツが最強なんだろう? と描く前に考える。すると、結局「時間を操る敵じゃないか?」という答えに辿りついちゃう。どんな攻撃を受けても、受ける前に時間を戻しちゃえばいいし、もしくは相手の時間を止めちゃえばいいわけだから。で、ご指摘のとおりになっている。
Q:バンド名からもじったキャラがたくさん出てくるが?
A:ロック大好き。ロック少年だったから。で、バンドから名前を借りたんだけど、ルールがある。バンド名とキャラ(名前や設定、能力など)がマッチしていないとダメなんだ。だから、敵だったり味方だったりというのは、そこに理由がある。

Q:一番好きな作品(部)は?
A:第4部。最も好きなキャラもここの主人公「東方 仗助(ひがしかた・じょうすけ)」。敵の中で最も好きなキャラも“第4部”の「吉良 吉影(きら・よしかげ)」。あとは「空条 承太郎(くうじょう・じょうたろう)」。

Q:ファミレスのジョナサンでネタを作っていたというのは本当?
A:ええ、本当。さすがにマンガは描いていなかったけど(笑)。

Q:ジョナサン・ジョースターという名前の由来は?
A:「ジョースター」というファミリーネームは最初から決めていた。で、「D・D」とか「B・B」とかイニシャルを合わせたかった。というように考えていたら「あ、ここジョナサンだ」ということで、「ジョナサン・ジョースター」に(笑)。

Q:ディオの名前もバンドから?
A:ええ、バンドから。それに、イタリア語で「神」っていう意味もある。

Q:「ジョジョ」と言えば、独特のポーズ。あれは?
A:イタリア美術のひとつに「ありえそうなんだけど、ありえない構図」で描くものがある。それを自分なりに探求した形。だから、正確に真似しようとしても、きっと無理(笑)。で、最初から“ありえない”ポーズだから、現実でできなくて当たり前なんだよね(笑)。

Q:「岸辺 露伴(きしべ・ろはん)」と東方仗助の関係は?
A:近所の人(笑)。現実で、ぼくの近所の人がぼくを岸辺露伴だと思っているんだよね(笑)。

Q:1週間のうち、何日、マンガを描いている?
A:5日。2日は休んでいる。でも、ちゃんと締め切りは守っているよ。じゃないと結局、進行が後ろに詰まっていって自分の首がしまっちゃうから(笑)。描いている日は、基本的に1日中、描いている。そうだなぁ、だいたい、11:00~深夜1:00くらいまでかな。ずーっと描いていて、筋肉痛になっちゃうこともある。

Q:シリーズを描き始めるときに、物語のエンディングは決まっている?
A:そうだね。スタートとゴール、敵の能力は決めている。物語の途中は読者の反応を見て、臨機応変に(笑)。でも、唯一、ゴールが見えていなかったのが“第4部”。「うわー、こいつ(吉良吉影のこと)、強すぎるなー」って、描きながら思っていた(笑)。吉良をすごく強いキャラにしたのは、読者に「えー、どうやって勝つんだろう」って想像を膨らませてほしかったから。

Q:「ジョジョの奇妙な冒険」のテーマは?
A:「人間を肯定する」。ただし、善人だけじゃなくて悪人も肯定する。殺人鬼だろうが、どんな犯罪者だろうが、肯定して描く。悪人には悪人の言い分があるし、そういう部分も肯定して描くことで、物語が面白くなる。

Q:では“第7部”のテーマは?
A:「旅によって、人間はどんな風に成長するか?」。それは人間性だけでなく、技とかも。

  またトークセッションでは、先生がスピードワゴンの二人に「映画、出たらどう?」と話しかけ、「まじっすか!」と両人がいきり立つシーンも。しかし、映画には芸名の由来となったスピードワゴンが出演しないため「じゃあ、ワンチェンで」と、やや格下のキャラ名を告げられ「えぇ~?」と肩を落としていた。ところがその後も声優の会話は続き、いつしか井戸田氏のワンチェン役が当確ムードに。このキャストは実現するか!?

 さて、スピードワゴンと言えば、あのギャグであるが…。
小沢 :おれ、本当は「ジョジョ」読んで、公開しているんだよ。
井戸田:お前、こんな場所で何、言ってんだよ! 失礼だろ!
小沢 :だってよ、こんな良いマンガ読んだら、他のマンガ読めねーよ。
井戸田:あまーーーーーーーーーーーーーい!

 はい、最後の最後に出ました。あまりにも出てこないものだから井戸田氏も「いや、いつ言ってくるのか、ドキドキしてたよ」と思わず本音をぽろり。
  かくして「ジョジョ」の熱狂的なファンである小沢氏のマニアックな質問によって和気藹々のまま進んだ本発表会も、ついに終了。最後は荒木先生の「20年前の作品が今、ゲームや映画になるのは本当にうれしい。娘を嫁にいかせるような気持ち。いや、いないんだけど(笑)。ゲームも映画も、本当に愛してくれている人たちが作ってくれている。きっと、いいものになるだろう」という挨拶で幕となった。

 会場横のスペースには『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』の試遊台のほか、購入特典の「1/1石仮面」「ガシャポン」、そして原画9点が展示されていた。特にユーザーの視線を集めていたのが原画と「1/1石仮面」。作中の妖しさを醸し出していた「1/1石仮面」に、早くも多くのユーザーが魅入られたようだ。
  ちなみに『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』では、主人公のジョナサン以外のキャラクタも操作することが可能。その中には敵方であるディオも存在する。ディオとなって、闇の世界を作り上げるモードも用意されているという。プレイ前に「1/1石仮面」を被れば、気分は一気にヒートアップ!? 「お前はこのディオにとってのモンキーなんだよジョジョォォォーーーッ!!」。なんて、叫んじゃうかも!?

▲会場横に設置された試遊台 ▲ガシャポンなどのフィギュアも展示
▲購入特典の「1/1石仮面」 ▲原画は一列に並べられて展示
▲羽山氏(左)と荒木先生(右) ▲荒木先生もポージング
(C)荒木飛呂彦/集英社 (C)2006 NBGI

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