現在、mixiを中心に『RockYou! クライム★ワールド』『RockYou! スピード★レーシング』などのソーシャルゲームを提供しているロックユーアジア。
この1年、Facebookを中心に、世界各国でソーシャルゲームが一大ブームを巻き起こしています。実はこのソーシャルゲーム業界で世界第2位のシェアを持っているのがロックユーアジアの総本山 RockYou! US。
その登録ユーザー数1,600万人というのだからそのスケールに驚きばかり。
ロックユーアジアは、先月6月に新体制となり、本格的な日本市場への参戦も決まり、7月1日(木)には、同社最大のユーザー数を誇る『ZOO☆World』がmixiアプリとしてリリースされました。
数々のゲームを触っているはずのジーパラ読者の中には「ソーシャルゲームはちょっと…」という方も実は多いかもしれません。至ってシンプルな暇つぶしゲーになぜそんなに人が集まるのだろうか。そんな素朴な疑問を抱えつつ、新たに就任した代表取締役CEOジア・シェン氏、COO石塚亮氏にインタビューを実施しました。
あまりジーパラにはないビジネス的な話でしたが、思わずウンウンとうなずいてしまう場面も。ぜひご一読を!
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| ▲左からCOO石塚亮氏、代表取締役CEOジア・シェン氏 |
| Facebookという新しいプラットフォームとの出会い |
――失礼ながらジーパラ読者にはまだ「ロックユーアジア」をご存じない方もいるかと思います。我々もソーシャルゲームを作られていることは存じ上げていますが。
★ジア・シェン氏(以下、ジア氏):
主な事業としては2つあります。ひとつはソーシャルゲームの開発、運営をSNSに向けて行っています。
★石塚 亮氏(以下、石塚氏):
ゲームやアプリ開発のみを行っている会社だと思われているかもしれませんが、それだけではなく、アドネットワークの運営も行っていて、ソーシャルアプリ内で、ロックユーのみならず、他社のアプリケーションでも広告を配信するアドネットワーク事業を行っています。
――ロックユーの設立、ソーシャルゲームに至る経緯をお教え頂けますか。
★ジア氏:
これまでさまざまなWebサービスの制作に関わってきました。でも「集客」が巧くできなかった時期があります。いろいろ調査した結果、この問題はSNSを利用するユーザーを対象とすることで解消できることが分かりました。現在弊社をご存知の方はFacebookにおけるロックユーというイメージがあるかと思いますが、Facebookというプラットフォームができるそれ以前にMyspace向けにさまざななWebサービスを行ってきました。
そのひとつとして、ユーザーが自分のプロフィールとしてスライドショーを持てるというサービス。その他、自分のプロフィールをデコレーションし華やかに見せるためのパーツを提供していました。
その1年後にFacebookというプラットフォームが誕生しユーザーに対してアプリケーションを提供できるような環境が整ったのです。このプラットフォームではバイラル機能を強化していくという戦略を採られていたので、これまで提供してきたウィジェットからアプリケーションを作っていこうという流れになりました。このアプリケーションというのは占いであったり、ユーザー同士のコミュニケーションを促すというものです。その後ゲームというアプリケーションにたどり着いたというのがこれまでの経緯となります。
――ではこれまでどのようなゲームを開発されてきたのですか。
★石塚氏:
我々の特徴は、オリジナルのゲームを開発することに主眼を置いていることです。他社さんの例ですと、すでにアメリカや中国で流行っているゲームやテーマを焼き直すという形で自社タイトルとしてリリースするという方法を採っています。ロックユーは違います。オリジナルのゲームコンセプト、ゲームテーマをもってゲームを開発しています。7月1日(木)よりmixi向けにリリースした『ZOO☆World』もそのような方法で作ったオリジナルゲームとなります。現在、「Zoo」系と言われるゲームが数多くリリースされていますが、最初に出したのは我々のものになります。
| プレイヤースキルに邪魔されず誰にでも楽しめるゲーム性 |
――ソーシャルゲームに多くの人が感心を示し、触れていることも分かっているのですが、単純に家庭用ゲームと比べこれ本当に面白いの?というイメージが払拭できません。ソーシャルゲームの魅力はなんでしょう?
★ジア氏:
ゲームをやるにあたって、どういったところに楽しさを求めているのかは、ユーザーによって変わってくると思います。例えば、スポーツゲームやシューティングゲームを例にとると家庭用ゲームにおいては「どれだけうまくなれるか」が一つの訴求ポイントなのかなと思います。どれだけスコアを稼げるのか。対戦要素があればどれだけうまくなって友達より強くなれるのか。そこが一つのおもしろみ。ただし、うまくなれる人がいる一方、プレイに時間をつぎ込んでもうまくなれない人もいるわけです。プレイスキルによっておもしろさが制限されるものに人々は飽き飽きしているのではないでしょうか。
ソーシャルゲームは、プレイヤースキルに限定されるものではなく、「どれだけ時間を注ぎ込んだか」によって楽しさが分かるもの。例えば『シムシティ』『シヴィライゼーション』といった誰にでも楽しめるゲーム性がソーシャルゲームの魅力ではないでしょうか。
★石塚氏:
ソーシャルゲームの作り手は、どれだけユーザーが長く遊べるかというところに制作におけるフォーカスを置きます。少なくともこれまでの家庭用ゲームにおいて、クリアしたら終わりというものが多かったと思います。でも今は、やり込むことでトロフィーを集める、アップデートで新たなステージが遊べる等、家庭用ゲームも変わってきていますね。ソーシャルゲームと家庭用ゲームも同じ要素を持ってきているという印象を受けています。
――先ほどゲームに「勝ち負け」のお話が出ていましたが、確かにそのようなゲーム性ゆえ、ドロップアウトしてしまうユーザーが実際に多い。だからこそ日本では他人との「勝ち負けに」こだわらなくて良いRPGという文化が非常に強く根付いています。ですがそんな家庭用ゲームを遊んできた人たちがソーシャルゲームを触って「面白さが分からない」と言います。今ソーシャルゲームを楽しんでいる人たちはコアゲーマーではないという分析もあります。この状況をどうお考えですか。
★ジア氏:
仰る通り今ソーシャルゲームのコアユーザーは、カジュアルゲーマー、または家庭用ゲームをやったことがない人です。特にアメリカにおいては顕著です。
現在ソーシャルゲームのターゲットは、ゲームに触ったことのない、あるいはゲーム機を持ったことのない人に向けて作られています。ゲームが1日数分間だけでも遊べるような内容になっているのもその理由です。
例えば、ポーカーや麻雀といったテーブルゲーム系をわざわざ家庭用ゲームでやるという人は少ないかと思います。しかし、全世界で見るとオンラインオフライン問わず、多くのプレイヤーが存在する最もポピュラーなゲームであることは確かです。そういった性質のものをソーシャルゲーム上でプレイする人がいる。こういった人たちの方が潜在的に多くいるので、今はライト層を囲い込むことを狙っています。
――家庭用ゲームソフトを手がけてきたゲームメーカーが、ソーシャルゲームの市場に魅力を感じ、次々と参入してきてます。もちろん現在ヒットしているソーシャルゲームを研究しての参入なのですが、あまり大きなヒットに結びついていない。なぜ御社はソーシャルゲームの市場で第2位のシェアを誇る成功を収めているのでしょうか。
★ジア氏:
ひとつの理由として挙げられるのは「中毒性」に注力するのか「面白いと感じさせるゲーム性」に注力するのか。これまでの経験からゲームメーカーは「ゲーム性」を作ることにかけては優れていると思いますが、「中毒性」においては気を配られていなかったのではないかと思います。ソーシャルゲームはゲームの面白さよりも中毒性を高める方が成功しやすい傾向にあります。その中毒性は、ユーザーがゲームを始めてどの時点でレベルが上がり、どんなアイテムを手に入れられるのか。そして次に何が出来るようになるのか。ゲームバランスをアメリカのゲーム開発者は科学的に分析、改善していきます。10分でレベルを上げた方がいいのか、30分でレベルを上げた方が良いのかと言うところを常にチューニングしているのです。
★石塚氏:
さらに我々はロックユーとしてソーシャルゲームで成功するためには3つの重要なポイントがあると考えています。「おもしろさというゲームデザイン」「どれだけユーザーを獲得することができるのかというバイラル性やプロモーション」「マネタイズ」。
「ゲームデザイン」に関しては、既存のゲームメーカーの開発は非常に優れていると思います。ただその他の2つの点ではいままでの経験では通じない。「マネタイズ」に関してはオンラインゲームメーカーならノウハウがあるかもしれません。ただし、オンラインゲームメーカーでもユーザーを獲得するという点では苦戦するはずです。これはソーシャルゲームならではの独自のノウハウが必要となるので、このあたりで苦戦するのではないでしょうか。
――6月から新体制でスタートしたロックユーアジアですが、日本市場をどう考えていますか。
★ジア氏:
今の日本のソーシャルゲーム業界を見ると、複数のプラットフォームが乱立し、PCだけでなくモバイルも混在しているという、アメリカとは異なる市場にあります。
そして、できたばかりの市場なので、ゲームの数が少なく、日本の開発者が作ったオリジナルのゲームも少ない。ロックユーアジアとしては、海外ですでに展開しているという強みを生かして、既存のコンテンツをどんどん日本市場に持ってこようと考えています。しかしこれらのアプリはそのほとんどがPCのもの。次なるステップに携帯のアプリ開発をと考えています。
――現時点で日本国内でリリースしているロックユーアジアのオリジナルタイトルはどのように分析していますか。
★石塚氏:
オリジナルで企画開発しているモバイル版についてお話させて頂くと、ゲームザイン面で非常に面白くできていると思います。ただし「ユーザー獲得」「マネタイズ」という面はまだまだ。これは本国ロックユーのノウハウの共有ができてなかったのことが理由なので、このあたりは新しい体制のもと注力していく予定です。
| 累計会員数7,000万人を超えるビッグタイトル『ZOO☆World』mixiに |
――ちょっとビジネス的な話が続いたのでちょっと一休み横道に。
ジアさんは、非常にアニメ、漫画、ゲームといったサブカルチャーに興味を持たれていると聞きました。実際にどのようなものが好きなのですか。
★ジア氏:
どこでそんな情報を(笑)。アニメでは「トランスフォーマー」「マクロスフロンティア」といったロボット系、漫画では「鋼の錬金術師」、ゲームは全般好きですね。子供の頃から『トランスフォーマー」とかアニメを見ていてロボット系に自然に惹かれていくようになりました。そもそもプログラムといったエンジニアになったのも「トランスフォーマー」の影響が大きくて、いつかロボットを作ってみたいという夢を抱いています。
また、幼少の頃から数多くのゲームをプレイしてきましたが、ソロプレイではなく、対人戦の要素のあるゲームを好んで選んできました。ソーシャルゲームを作るのに非常に役立っていると思います。
――(笑) でも「エヴァンゲリオン」が出なかったのは意外でしたね。
★ジア氏:
作品自体は見たし、好きなんですが「ロボットもの」としては惹かれなかったんです(笑)。
――そういえば、石塚さん。ジアさんと同級生なのですか?同じ学校と伺いましたが。
★
石塚氏:
実は大学時代のルームメイトでして。当時の彼はとにかく、格闘アクションゲームが得意。スポーツゲームでは勝てるのに、なぜか格闘では…。しかも変なコレクション癖もあり、要らないものばかり部屋に持ち込んで…ブツブツブツブツ…。
ーーーこんな話で数10分経過ーーー
――そろそろ近々の具体的な動きをお教えいただけませんでしょうか。そういえば、先ほど7月1日(木)に新作『ZOO☆World』がmixiアプリとしてリリースされると仰ってましたが。
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ジア氏:
それは。マーケティングを担当している加藤から。
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| ▲マーケティング部 事業企画マネージャー 加藤典子氏。ご自身かなり『ZOO☆World』をやり込んでいるという |
――まず『ZOO☆World』はどのようなゲームなのですか。
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加藤 典子氏(以下、加藤氏):
テーマはシンプル。「動物園を大きくしよう」というゲームです。
1日ちょっと2、3分という軽い気持ちでも楽しめるゲームなのですが、アメリカでは2〜3時間プレイする人もざら、という非常にディープなゲームでもあります。
なにかユーザーがアクションをととると、数時間後、もしくは数日後に何らかビジュアル的に変化が生まれるので、ユーザーがたびたび『ZOO☆World』の世界に戻ってきたくなるはずです。
――それでは相当数の動物が飼えると。
★加藤氏:
カエルなどの小動物を含め200種以上の動物を飼育することができます。貴重な動物(!?)としてフェニックスやペガサスという架空の動物も用意しています。
実は私もプレイ当初「何となく」プレイしていたのですが、少しずつ動物が増えていく。園内のスペースが埋まっていくことに、収集欲が刺激され、止まらなくなりました。
動物の飼育に加え、園内に設置する植物や施設といったアイテムも数多く、これらのアイテムを組み合わせ、まるでお城のような施設を設置し、可愛らしいテーマパークのような動物園をつくられているユーザーもたくさんいらっしゃいます。基本的には経営者であるプレイヤーのアイディア次第で自由にオリジナルの箱庭を作れるという、女性プレイヤーでも楽しめるゲームシステムです。
――プレイヤーそれぞれが経営者なんですよね?ユーザーの関係はどのような立ち位置なのでしょうか。
★加藤氏:
ユーザーはあくまで経営者なのですが、他のプレイヤーの動物園を訪れることができます。訪れた動物園には隠されたお宝があるので、このお宝を探す、木を揺らしコインを手に入れるといったちょっと変わった仕掛けも用意しています。さまざまなお宝も用意しているのでFacebook版ではユーザー同士で活発な交流が見られますよ。
――プレイをする上でのアドバイスをいただけませんでしょうか。
★中村氏:
まずは、動物をつがいにすること。
そして、子づくりに励んでください!
順調にブリーディングを重ねて行けば、飼育できる動物も増え、来場者も増え、プレイヤーのできることが広がっていきます。
また、『ZOO☆World』には「ギフト」機能があります。ソーシャルゲームに良くあるフリーのプレゼント機能です。ですがこのゲームでは、ユーザーによって贈れる動物が違います。ぜひmixi内で「猿が欲しい」「パンダが欲しい」と情報を交換をし、『ZOO☆World』を通して多くの友達を作ってください。よりゲームが楽しくなると思いますよ。
★ジア氏:
数多くのソーシャルゲームがリリースされていますが、多くのパブリッシャーがリリースした後にチューニングや機能追加といったことをおろそかにしてしまうという大きなミスを犯してしまう。『ZOO☆World』は、リリースしてから1年近くたちましたが、常に機能追加を行ってきているアプリです。その点に置いてもソーシャルゲームながら、非常にディープなゲームになっています。コアユーザーでも長い時間楽しめるし、チュートリアルもしっかり作りこんでいるのでライトユーザーでもとっつきやすく遊び易いゲームになっています。
――最後に面白いソーシャルゲームを探している読者にメッセージをいただけますか。
★ジア氏:
ソーシャルゲームはカジュアルなものですが、日本ではディープなソーシャルゲームがヒットする可能性があると考えています。すでにリリースしているものを日本でリリースするだけでなく、ロックユーアジアとしては、ゲームデザインに優れた日本のゲームメーカーとがっちり組んで、ラインナップを用意していきたいと考えています。ぜひご期待下さい。