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インタビュー
 
『ラグナロクオンライン』運営者に直撃!「SakrayJ」を経た“新たな形”とは!?
2010.06.26
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 ガンホー・オンライン・エンターテイメントの運営するMMORPG『ラグナロクオンライン』(以下、『RO』)において、2010年7月6日(火)に実施される3次職を含む大型アップデート。
 同アップデートに関して気になる点を、同社のゲームサービス部一課課長・廣瀬高志氏と、マーケティング部第一企画課主任・中村聡伸氏に伺うことができたので、その内容をお届けする。

 熱心な『RO』プレイヤーの方ならご存知かとは思うが、前半のプレイレポート記事中でも何度か触れたように、先日まで本作のリニューアルテストとして「SakrayJ(サクライ・ジェイ)」というワールドが設置されていた。
 テストサーバは6月22日(火)にクローズしており、今は7月6日(火)の3次職およびリニューアルの実装を待つ段階だ。テストサーバは事前に申し込みをしたプレイヤーのみのクローズドテスト状態だったが、有効アカウント数は数千にもおよび、比較的多くのプレイヤーがリニューアル仕様のテストに参加することができたと思われる。

 筆者は昨年の「SakrayJ」に個人的に申し込みしていたこともあり、今回のテストサーバにも(半分仕事だから、と言い訳しつつ)参加することができた。
 攻城戦テストと銘打たれた今回のテストサーバでは、その名のとおり攻城戦をメインに据えたテストを実施。リニューアル後の仕様を元に、前半の期間は3次職を除いた上位2次職までの攻城戦テストが行われ、後半の期間には3次職を加えた攻城戦テストも行われた。だが、3次職実装とともにフィールドやダンジョンにモンスターも配置され、全般的なゲームプレイも可能となっていた。

 「SakrayJ」を体験した個人的な感想を述べさせてもらうと、攻城戦ではいくつかのスキルが非常に強力になってしまい、パワーバランスの変化が懸念されそうだ。また、対モンスター戦においては計算式の変更により魔法スキル系が実質的な弱体化を起こしており、逆にモンスターのスキルはやや強化されている印象を受けた。また、注目の3次職はそのスキルの強力さもさることながら、レベルアップまでの必要経験値の多さが話題となった。

 『RO』系の各コミュニティでも様々な議論を起こしているが、テストサーバはあくまでもテストということもあり、本サーバでの実装がどうなるのかは当日まではわからないのが現状だ。今回、限られた時間ながら、こうした点において運営チームにインタビューをすることができたので、その様子をお届けしよう。話題が話題だけにやや細かい部分が多くなり、現役『RO』プレイヤー向けのコアな内容になるが、ご了承願いたい。

▲テストプレイのアナウンスに引き続き、インタビューに回答してくれたガンホー社の廣瀬高志氏(左)と中村聡伸氏(右)。お二人とも『RO』のプレイヤーであり、ユーザーの意見や状況把握も的確だ

※このインタビューは2010年6月17日(木)に行ったものです。

気になるセイフティウォールとソウルチェンジの仕様変更は?

――いきなりですが、最初にまず非常に細かい点から聞いてしまおうと思います。「SakrayJ」ではセイフティウォールやソウルチェンジなど、いくつかのスキルが韓国バージョンのままの仕様で導入されていました。以前カンファレンスなどでうかがった、“日本の仕様を維持する”という話と食い違いが出ているように思えたのですが、これは本サーバ実装時には現行の『RO』バージョンと同様の仕様になると考えてもいいのでしょうか。

★廣瀬氏:
 まず、SakrayJサーバではテストということもあり、いったん韓国バージョンを導入させていただいた要素もいくつかあります。 セイフティウォールに関してもソウルチェンジに関しても課題になっているところなんですね。特にセイフティウォールは、耐久力制になっているため、強力なスキルを受けると貫通してしまうことが、バランス上の大きな話題のひとつになっています。基本的には我々日本運営としてもセイフティウォールは(現行のバージョン、あるいは近い形に)修正したいと考えています。

 ユーザーさんからも元の仕様が望ましいという声があるだろうとは思っているのですが、その反応を開発元のグラヴィティ社に伝えていく必要があるんです。とはいえ、そういう意図でテストをしますよと明言してしまうと、運営チームが誘導したような形になってしまいますので、あくまでもユーザーさんの生の声を聞くために、テストに関してはあえて詳細をお伝えしていない部分が多くあります。

――ではまだ(現行のバージョンへの)変更の可能性もある、と?

★廣瀬氏:
 今後の可能性としては十分あります。グラヴィティ社に対して、スキル全般に関しては、ピンポイントで「このスキルを直したい」という意向は伝えていますし、グラヴィティ社のほうでも特定スキルに関しては修正が必要だという見解を持っているのですが、このスキルを直したとしたらこっちのスキルはどうするのか、という問題も次々に出てきてしまいます。また、通常ワールドでの遊ばれ方、多様なプレイスタイルの中でのバランスをとる必要もありますので、結果的にスキルによって7月6日の段階で修正されるものもあればされないものもあるという言い方になってしまいます。

 仮にSakrayJ攻城戦テスト時のスキルがそのまま通常ワールドに実装されたとしても、今後も継続課題として修正していきますという話はグラヴィティ社にも織り込みずみです。随時改善していくことに関してはお約束させていただきます。


攻城戦テストで猛威を振るったアシデモ&阿修羅はどうなる!?

――ではそのSakrayJ攻城戦テストに関してお聞きします。一部、盾カードの効果が出ない不具合があったりもしましたが、それを考慮に入れてもなお、阿修羅覇凰拳、アシッドデモンストレーション、一閃といった、いわゆる一撃必殺系スキルの威力が非常に高く、本当に一撃で必殺されてしまうという状況になっていました。運営チームとしては、この攻城戦テストにおいて、キャラ間のバランスを見るという観点でも調査されていたのでしょうか。

★廣瀬氏:
 計算式上の修正は行ってきたのですが、実際にユーザーさんの使われるスキルの中に高威力のものや仕様が変わったものがありましたので、そういったものがどういう影響をもたらすのかというのを見たかったんですね。バランス上の問題として出てくる点、ユーザーさんがどういう点を問題として出してくるのか、というのを見たかったんです。

 もちろん、予想していた意見もありましたし、実際に運用してみて予想外の意見も出てきています。そういったものをすべて(本サーバ実装前に)我々のほうでも把握しておきたいということだったのです。

 おっしゃった中では、盾カード効果は確実に不具合なので修正必須ですね。また、その“無双ぶり”がユーザーさんの間でも非常に話題になったアシッドデモンストレーションも要修正だとは考えています。

――「アシデモ使えるクリエ(クリエイター)を並べておけばいいじゃん」というような意見も聞かれるほどでしたからね。

★廣瀬氏:
 ええ、アシッドデモンストレーションを使える“ユニット数”で勝敗が決まるというのでは問題があるとは思います。運営チームでも攻城戦テストを拝見させていただいて、これは大きな課題だととらえています。

――これは7月6日の本サーバ実装までに修正したいという勢いのものでしょうか。

★廣瀬氏:
 グラヴィティ社も含めて課題の共有をしなければなりません。我々が問題だと思っていても、韓国の攻城戦では問題になっていないという可能性もあったりして、グラヴィティ社と我々とで見解が異なる点が出てくることもあるかもしれません。少なくとも日本運営側としては重点課題としてとらえています。

――その他、攻城戦テストにおいて、「これは見直したほうがいいかも」という点は出てきましたか?

★廣瀬氏:
 そうですね……攻城戦そのもののルールですかね。SakrayJサーバでは(攻城戦の目標物である)エンペリウムの仕様変更が入ったり、ギルドスキルの緊急招集の仕様を変更してみたりしました。プレイ感への影響ですとか、そのあたりを中心に確認を行ったんです。

 このあたりは、単体の問題というよりも、さきほど話題に出たアシッドデモンストレーションなどで戦闘不能になる率というか、戦闘不能になってしまう回数が多いので、復帰するまでの時間のほうが戦っている時間より長いという可能性も高くなってしまっていますよね。

――それほど仲間がやられなければ、緊急招集を頻繁に使う必然性はないということにも繋がりますね。

★廣瀬氏:
 ええ、戦術というか戦略として使う分には遊びの幅が広がるのですが。

3次職と“限界突破”以降の経験値テーブルに関して

――では、3次職関連の質問に移りたいと思います。昨年の「SakrayJ」でも話題になりましたが、今回「SakrayJ 攻城戦テスト」後半に実装された3次職をプレイしてみて、やはり序盤のジョブレベルの上がり方がやや遅いかなと感じました。このあたりに関してはどうお考えでしょうか。

★廣瀬氏:
 ジョブレベルの上がりやすさなどに関しては、ユーザーさんのプレイスタイルによって差が出てしまうと思っていますが、3次職の特徴的なスキルをある程度取得し、3次職らしさを感じていただけるジョブレベル25から30くらいまでは、比較的上がりやすいと思います。

――でも、3次職のジョブレベル30というと上位2次職に換算するとジョブレベル60くらいですよね?相当時間かかると思うんですが。

★廣瀬氏:
 それは本当にプレイスタイルによると思います。ただ、3次職自体できることが増えていて、狩りの効率という点から見るとこれまで以上に出せるようになっています。現在の状況だけで計算すると厳しいと思われるかもしれませんが、今後の経験値面も含めた3次職向けのモンスターバランスを見据えています。

 つまり、経験値テーブルのほうを見直すのではなく、そのテーブルに見合った経験値を稼ぎ出せるようなモンスターの配置、パラメータの調整というのを今後入れていくという展開を考えています。
 これは、既存モンスターの見直しもそうですし、新規モンスターを実装する際には3次職を念頭にしてデザインしていくべきだとも思います。その点は今後のアップデートに期待していただければと。

――なるほど……。

廣瀬氏:
 これは転生システムが入って上位2次職が実装されたときも同じように感じられたと思うんですよ

――確かに。当時は経験値時給1M(100万)出せたとして何年かかるんだという絶望感はありました(笑)。

廣瀬氏:
 ええ、やっぱり現状で出せる効率で考えてしまうとは思うんです。ですが、例えばアヌビスやアイスタイタン、名もなき島や次元の狭間が登場したのは、上位2次職が入ってた後ですよね。ラグナロクオンラインは今後も続いていくわけですから、こういった未来のアップデートを期待していただきたいと思います。

▲3次職のひとつ「アークビショップ」。レベル100以降の経験値テーブルに変更は加えず、モンスター等のゲームデザインでバランス調整が計られる

公平PT枠はレベル15に拡大!獲得経験値は平均1.5倍に!?

――経験値関連の話題が出たのでお聞きしますが、「SakrayJ」サーバだと、モンスターを倒した際の獲得経験値が現行『RO』の1.5倍程度にされていました。7月6日(火)以降の本サーバでもこの経験値で行く予定ですか?

★廣瀬氏:
 はい。「SakrayJ」では仮決めだったんですが、基本的にはそう考えています。ただ、一部、非常に倒しやすいわりに経験値の高かったモンスターが元々いまして、そういった敵も単純に1.5倍すればいいのかという問題があります。そのあたりは個別に調整していく必要があるのかなと。

――ただ、個人的にはもうちょっと早く3次職になれる速度になるのかなと考えていたんですよ。

★中村氏:
 あまりにも(3次職までの道のりを)通過点にしてしまうのはどうかと思っているんですよね。過程を楽しむという部分も重要視していますので。
 3次職への転職が目標のひとつではあるのですが、やはり転生ですとか、上位2次職のレベルアップというのも、中規模の目標のひとつだと思うんです。そこに到達するまでにどうやってキャラクタを育てていこう、どうやって遊ぼうといった試行錯誤、そしてある程度のレベルになったときに、次はこのダンジョンへ行ってみようという成長感なども残したいんですね。ですので、一気に3次職までの道のりを簡単にしよう、というのはありませんね。

――なるほど。ただ、現状ですと、街を転生したオーラ(レベル99)キャラが闊歩していて、臨時公平パーティーに参加しようにも、未転生では肩身が狭いという方もいると思うのですが。

★中村氏:
 実際上位2次職でレベル99というキャラクタの割合はそこまで多くないですよ。もちろん、今はそこがレベルキャップになっていますから時間が経てば経つほど数は増えていますが、アクティブなキャラクタ数から考えても数%といったところなんですよ。

――そうなんですか。私自身は転生オーラには到達していないのですが、もっと多いのかと思っていました。それと3次職が導入されて『RO』を始めた人が「え?3次っていったん転生しないとなれないの?」という情報を知ったときに、どう思うか、というのはある気はします。

★中村氏:
 3次職がすごく高みにある存在なのは確かだと思います。ただ、転生、上位2次職というのは非常にキャラクタが強くなる要素のひとつで、そこも非常に魅力的に感じられるものという認識をしているんですね。ですので、3次職は最終目標として当然あるべきで、そこに至るまでの途中の成長というのも目標のひとつとして据えて楽しんでいただきたいなと。

 もちろん未転生のキャラクタも転生しているキャラクタと共に遊べる状態にはなっていますので、そこで一緒にプレイして「転生すると強いなぁ、自分も転生を目指したいな」と思っていただくのもモチベーションの維持に繋がると考えています。今回、パーティーの経験値公平配分レベル幅が15レベルに拡大されるのですが、上位2次職で90近くになったキャラクタが3次職と一緒に遊んでいただいて、「3次職になるともっと強くなるのか」と、新しい目標としてプレイしてほしいという部分もあります。

 たしかに最終ゴールとして3次職という新しいゴールが追加されたというのはありますが、そこへ至るまでに小さな喜びの積み重ねができる仕組みは変わらないと思っています。そこを楽しんでほしいですね。

★廣瀬氏:
 それと、キャラクタばかりが育ちすぎてしまうと、いわゆる最終狩場に行く頃に装備が整っていないというアンバランスな状態も起こってしまいますよね。成長する段階で、いろんなキャラクタに手を出していただいていいと思うんです。そうしながらお金を稼いでいきつつ、装備も整えつつ、レベルも上がっていくという形で成長していっていただければなと。

 近年は効率のいいダンジョンの追加によってレベルはすごく高くなっていくんですが、持ち物が伴っていないケースが多くなっています。いったんレベルは高くなるんですが、そこからお金稼ぎ用の狩りを始めるというケースがよく見られます。レベルばかり上げやすい環境にすると、キャラが育ちきったあとで“お金稼ぎの作業”を行うという状況に陥りやすくなるので、そうならないようにはしたいなと思っているんです。

――なるほど。途中で、公平可能レベルが15に拡大という話がありましたが、SakrayJサーバではモンスターの共闘ボーナスが1キャラにつき25%から5%に下降していましたよね?これは本サーバでも5%になる予定なのでしょうか。

★廣瀬氏:
 これについては、現状とSakrayJとの仕様の比較をしつつ、新たな仕様を提案しているところです。ちなみに補足しますと、SakrayJの仕様では、共闘ボーナスが下降している代わりにパーティー人数による経験値ボーナスが付与される仕様となっています。

――今までのお話を聞いている限り、たとえ本サーバに実装されたとしても、ユーザーの声を聞いて変更をかけていく、というのが基本スタイルと……?

★廣瀬氏:
 そうですね。実装するまでが勝負なんですが、実は実装してからも勝負は続いているというか、実際はそこからが勝負だったりすることもあります。

――でも実装されてしまうとすごく反響が大きいですよね。「SakrayJ」など、テストサーバですら大きな反響がありますし。

★廣瀬氏:
 そんな中でも最重要課題は直していきたいという姿勢でいます。ただ、3次職も相当お待たせしてしまっているため、皆さんにご提供する時期についても重要視しているんですね。ここからさらに延ばすというのは我々としてもなるべくしたくはないと思っています。

▲こちらは3次職のひとつ「ウォーロック」のスクリーンショット。獲得経験値の上昇により、3次職を目指すまでの道のりが多少緩和されるとのこと

テストサーバでの魔法の弱体化は修正される予定!?

――では最後にちょっとややこしいところをお聞きしたいと思うんですが、SakrayJサーバでは魔法が弱体化して、物理攻撃系がやや強化されているような印象を受けました。その認識は間違っていないでしょうか。

★廣瀬氏:
 「SakrayJ」の時点では確かにそういったバランスになっていました。

――では、その意図というか……って、「SakrayJ」の時点では、ということは本サーバ実装時と異なるのでしょうか。

★廣瀬氏:
 実はそのあたりは修正の目処を立てて、計算式の調整を行っているところです。

――おおっと、ここにきて計算式の修正と聞くと、ユーザーさんも色めき立つと思うのですが、どのような修正になる予定でしょうか。

★廣瀬氏:
 魔法攻撃力に関しては成長感が出にくくなっているというのが課題になっています。SakrayJの段階ではIntを上げていくよりも、MATKの高い杖で攻撃力が決まってしまうという感じになってしまっていました。そこにIntの成長感を上乗せするように調整を行っているところです。ですので、見え方としては上方修正になると思います。

――一方で、「SakrayJ」ではモンスターの魔法攻撃が強くなっていましたが、魔法攻撃力の調整に伴ってこちらも強くなってしまったりするのでしょうか。

★廣瀬氏:
 それは別の問題で、不具合になりますので、7月6日の段階では修正されます。

――なるほど。では、逆に物理攻撃系で顕著なのは一部のモンスターに対する「錐(きり)」という武器の強さですが、あれは想定されたものなのでしょうか。

★廣瀬氏:
 錐も(モンクスキルの)発剄もそうなのですが、これも要調整案件ですね。錐や発剄の計算式も含めての話になるのですが、今回モンスターのDEFの値も全体的に変わり、防御力の計算式自体も変わっていて、それなりのDEFの敵に対して使った場合、錐や発剄のダメージが以前のようには出なくなっていたんですね。

 その使用感を残すためにはモンスターのDEFを調整しないといけなかったんです。かといって全モンスターのDEFを一律に上げればいいのかというと、それはそれで通常攻撃ではなかなかダメージを与えられないという事態に陥ります。また、SakrayJではクリティカル攻撃が防御力を無視する仕様になっていませんでしたので、そこにも影響が出てしまいます。

 ですので、現在の日本で錐や発剄で倒されているモンスターに対して個別に調整をかけたんです。しかし、今度は逆に錐や発剄のダメージが出すぎるということが課題になってしまいました。ここでさらに微調整をかけるかどうかというところですね。ということで錐や発剄に関しての問題はもちろん運営側でも認識しています。

――たぶんそうなんだろうなぁと思いつつ、一応聞いてみました(笑)。

★廣瀬氏:
 あちらを立てればこちらが立たずという調整の難しさですね。DEFを下げてしまうと錐や発剄でダメージが極端に出なくなってしまうんですよ。今まで発剄で倒せていたモンスターが倒せなくなってしまうというのもプレイ感を損なう問題ですよね。とりあえずSakrayJの場合は凹ませるよりは膨らませてみようという方向で調整していたんです。

――SakrayJでは魔法が弱体化してしまっている状態で一部モンスターのみとはいえ錐のダメージがすごいという情報から、「魔法使いも錐持って殴ればいいじゃん」という状態になっていましたよね……。

★廣瀬氏:
 『RO』は歴史の長いゲームですが、今までもアップデート時にあまりに強力すぎたものは調整されてきたと思うんですよね。

――そうですね。(ウィザードスキルの)ファイアピラーとか……(笑)。

★廣瀬氏:
 ファイアピラーもそうですね(笑)。まぁ、そんな感じで、ダメージが出すぎているものに関しては調整を入れていくことになると思います。逆にまったく使い物にならないという状態は避けたいので、そこは個別に調整していくしかないと思っています。

――なるほど。お話を聞いていると、7月6日(火)にすべてが調整された状態で実装されるというのは厳しそうな雰囲気ですね。

★廣瀬氏:
 今回、ユーザーさんに公開テストをしていただいて、本当に細かいところまで見ていただいているので、そこで浮き上がってきた部分で「これだけは!」というものは修正していきます。ユーザーさんが出していただいた修正点に関して、もちろん、意見を出していただいた方はそれぞれが真っ先に修正すべき点と考えられていると思うのですが、我々の判断で次点となってしまった案件について、ある程度優先順位をつけなければならないとはしても、(本サーバに)実装後も継続的に修正をかけていくというスタンスです。 声をいただいたものに関しては我々もできるだけスピーディに反映していくつもりではいますので、今後ともお付き合いいただければと思います。

★中村氏:
 ただ、100%調整された状態で提供するのがいいのかというと、必ずしもそうではないとも思うんですよね。オンラインゲームですので、多くのユーザーさんが多くの遊び方をするわけです。SakrayJのテスターに応募してくれたユーザーさんというのは、非常に意識の高い方だと思うんですね。最初にエボプロに応募された方もそうですし、今回は攻城戦テストということで、ふだん攻城戦を楽しんでいるプレイヤーさんが多くなっています。ただ、意識の高さの反面、遊び方に偏りがあるというか、一方向に寄ってしまっている部分というのも出てきているのかなと。けっして一般のユーザーさんをテスター扱いするわけではないのですが、通常ワールドでプレイしているユーザーさんのご意見も聞いた上で考えていかなければならない面もあるのではないかと思っているんです。

 また、オンラインゲームは長年運営されていきますので、その間にユーザーさんのそれぞれの遊び方も時代によって変わってくると思うんですね。そういったものに合わせて、スキルやアイテムのバランスを調整していったりすることで、色々なタイプのユーザーさんに合うように仕上げていくのがオンラインゲームの形のあり方なのかなと思っている部分もあるんです。

 ですので、7月6日にすべてがテスターさんの意見どおりに修正されないというのを、あまりマイナス方向に考えないでほしいなとも思うんです。

 それと、SNSでの意見募集なども行っていますが、すべての人に見える場所での意見募集だと、トピックの流れと反対方向の意見を持った方がいたとしても、二の足を踏んでしまうと思うんですね。公式コミュニティ以外でも個人で日記を上げられている方もいまして、SakrayJで大騒ぎされている点に関して、実際自分で細かく調べて試してみたらそうでもなかった、という意見も見かけたりするんですね。ですので、今のSNSでの表に出ている意見はもちろんのこと、他者から見えない形での意見も集めて、そこで本当にいい形をいうのを模索していけたらなと考えています。

――アンケートという形での意見募集などもある、と?

★中村氏:
 そうですね。以前行ったようなエントリー形式のアンケートなどもありだと思います。SNSもディベートができるという利点があるのですが、傾いた天秤が戻らないという傾向も見られますので……。

――トピックにも流れというものがありますからね。

★中村氏:
 そうですね。普通に反論しようとしても、1対10で対話すると1の意見って勝てないんですよね。SNSで、僕ら運営側がなかなか情報を出さないじゃないかというお叱りもあると思うんですが、なぜかというと、オフィシャルの情報が最も天秤を傾けてしまうからなんですよ。

――オフィシャルがこう言ってるんだから俺たちは正しい、というような流れになりますよね。

★中村氏:
 そうなんですよ。それでは生のご意見が曲がってしまうのがすごく怖い状態だったんですね。ですので必要以上のことは書き込まず、最低限の情報だけで、みなさんの意見の集約の場として活用させていただいているという状況なんです。

――ユーザーさんの声を見ていると、“○○という現象は仕様なのかバグなのかわからない”というものが多いのですが、今日お話を聞いた限りだと、運営側でも決めかねている案件が多い気がしました。

★中村氏:
 そこに関してはユーザーさんの意見もそうですし、我々とグラヴィティ社の意見というのもそれぞれあるので、その中で一番いい形にできればと思っています。

▲3次職のひとつ「ルーンナイト」。は魔法攻撃、物理攻撃の調整によって、各職業の強さはどのように変化していくのだろうか?

先行ユーザーを気にせず楽しめる新ワールド「ノルン」設立

――ところで、せっかくなのでキャンペーンの告知もあるとうかがいましたが(笑)。

★中村氏:
 はい(笑)。実はですね、5年ぶりくらいになりますが、今回アップデートに合わせて新ワールドのオープンを予定しています。

――おお!? それは確かに久々ですね!

★中村氏:
 しかも、現在行っているWelcomeサービスを適用しますので、新アカウントを登録された方は3週間後の7月27日(火)まで無料で接続できます。もちろん、継続してプレイされている方も新ワールドでゼロから遊ぶことができます。この機会に新しくなった『RO』の世界をイチから体験していただくのもいいかなと思います。さらに、序盤は経験値増加期間を設けますので、そこでガッツリ成長させていただければと。

――ちなみに新ワールドの名前は決まっていますか?

★中村氏:
 ノルンです。そして、現在休止している方々も入学、入社などによる新生活にも慣れたあたりでしょうから、そろそろゲームのことも思い出してほしいな、ということで、また無料開放デーを実施したいと思います。こちらはアップデート実装直後の週末を予定していますが、そこで3次職に転職できるキャラクタがいれば転職していただくのもアリだと思います。

――無料開放期間はどのくらいになりますか?

★中村氏:
 前回の3月のときと同様、金曜日の夜から翌週火曜日のメンテナンス前までですね。特に新ワールドに関しては本当に久々なので、楽しんでいただければと。

――ただ、Welcomeサービスが続いているように、あまり人数のいないワールドのプレイヤーさんとしては、自分たちのワールドの人数がまだまだ欲しいのに新ワールドを作っちゃうの!? と思われる方もいるんじゃないかなと……。

★中村氏:
 Welcomeサービスに関しては全ワールドを1周させたいと考えています。

 アップデート直前の現在、なぜ接続人数の多いChaosワールドでWelcomeサービスを実施しているのかも理由があります。3次職の実装が近づくにつれて、やはり古いワールドでプレイしていた方、それこそ4~5年前にプレイしていた方も3次職関連で『RO』の話題を見ることが多くなると思うんです。
 そういった方々に、懐かしさから遊んでいただきたいという意図があったんです。Chaosはそれこそβ時代からありますし、今Chaosでプレイしているユーザーさんがお友達を呼びやすいということもあります。

 一方で、新ワールド設立に関して、人数の少ないワールドの方から不満も出るのではというお話についてですが、これに関しては別の意図があるんです。「『RO』って古いタイトルだから、今から遊んでも現役プレイヤーには追いつかないじゃないか」という考えを持つ方もいると思うんですね。この機会に始めてみようと考えた方がいたとしても、そういった理由によって躊躇されてしまうのはもったいない。ですので、新ワールドに関しては、今まさに新たに始めてみようと思っている方に対する施策ととらえていただければと考えています。

 Welcomeサービスに関しても、今後も新たな施策を継続的に行っていきたいと思っています。けっしてテコ入れを諦めて「みんな新ワールドでプレイしてね」と思っているわけではありませんので(笑)。

――なるほど、わかりました(笑)。

★中村氏:
 Welcomeサービスといえば、ユーザーさん側の受け入れ体勢もできつつあるんですよ。初心者さんが一番よく訪れるのは冒険者アカデミーになるんですが、そこで熟練者さんがアドバイスのチャットルームを立てたりして交流の場を持ってくれているなんて光景も見られます。またこれはSNSの日記で見たんですが、レベル1の属性武器がWelcome期間中にものすごく売れた、なんていうこともあったようです。

 ユーザーさんにもご協力いただいて、新しく入ってきた初心者ユーザーさんが快適に楽しめる環境を作れるといいなと思っています。

――やはり新しいユーザーさんが入ってきてくれるのは古参ユーザーとしても嬉しいですからね。アップデート作業の追い込みの中、本日はありがとうございました。あと、毎度毎度細かい質問ばかりですみません(笑)。

すべてが新しくなる『ラグナロクオンライン』の世界とは…!?

 というわけで、いつものことながら細かいツッコミに終始してしまった感のあるインタビューとなってしまったが、SakrayJサーバでプレイしたり、その情報を聞いて不安を抱えていた現役ユーザーのウォールオブフォグ的なモヤモヤが少しでも晴れたならば幸いである。

 今回の大リニューアルに関して、個人的には(今回は特に個人的意見ばかりだが……)、各種意見を集約、仕様を修正し、すでにクローズしたSakrayJ攻城戦テストの規模のテストサーバをもう1回くらい繰り返し、さらなるブラッシュアップを行ったあとに本サーバに実装してもらってもいいくらいというのが素直な感想だ。

 それだけ3次職に関しては魅力的かつ吸引力のあるコンテンツだと思うのだが、ガンホーとしては初期の予定からずいぶんユーザーを待たせてしまっているという反省もあるようだ。どちらにせよ7月6日(火)が『RO』の大きな転機になるのは間違いない。

 昔『RO』をプレイしていたという人、名前だけは知っているという人も、この機会に『RO』の世界を覗いてみてはいかがだろうか。


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※画像および内容はテストサーバおよびSakrayJテストサーバのものであり、本サーバ実装時と異なる場合があります。


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