イベントレポート
 
「放課後ティータイム」優勝までの軌跡。 「RJC2010」全試合を完全レポ

2010.05.03

『ラグナロクオンライン』公式サイト
 

 2010年5月1日(土)、ガンホー・オンライン・エンターテイメント社は、同社の運営するMMORPG『ラグナロクオンライン(以下、RO)』のファン感謝祭を開催した。

 この『RO』ファン感謝祭2010では、数々のイベントが行われたが、目玉とも言えるのは『RO』のキャラクタを用いた対戦大会「RagnarokOnline Japan Championship2010(RJC2010)」の決勝トーナメントだ。本記事ではこのRJC2010決勝トーナメントの試合の模様を詳しくレポートしていこう。ファン感謝祭のイベント全体や、『RO』などに関するカンファレンスの模様は別記事でお届けしているので、そちらを参照してほしい。

▲今回の大会でもRWC2009で好評だった3カメラビューを採用。エフェクトを切った両脇のカメラのおかげで状況が分かりやすくなっていた

※各写真をクリックすると、拡大したものを見ることができます。

大きくルールの変わった「RJC2010」は戦い方も一変

 RJCは毎年開催されている大会で、『RO』で行われるギルド攻城戦やPvPをベースに、オリジナルのルールの下で行うギルド対抗戦だ。通常はオンライン上で予選トーナメントが行われ、決勝トーナメントは今回のようにファン感謝祭の舞台上で行われる。ゲームのアップデートや仕様変更に合わせて毎年細かくルールが変わっていたが、今年は大幅にルールを改定した。

 今回のルールにおける大きな変更点は、出場キャラクタに「コスト制」を導入したこと。有利なスキルや有効な能力を持った職業は高コストとされ、出場メンバーのコストが21を越えない5~7名のチームを結成して戦いに挑むことになったのだ。これにより、上位2次職(転生したあとに就ける職業)ばかりだったチーム構成に、転生前の2次職やこれまで使われなかった拳聖やソウルリンカーといった拡張職も姿を見せるようになった。

 また、今大会ではチームごとに使える資金を大幅に削減し、回復アイテムを使いまくったり、高価な装備で身を固めることが前提の、いわゆるパワーゲーム化を避ける方向にシフトしている。前述のコスト制の導入のおかげで、ほとんどのチームがSPを回復できるプロフェッサーを使用しなくなり、それにともない、モンク&チャンピオンの阿修羅覇凰拳(SPは0になるが残存SPの分ダメージが高くなる高威力の攻撃スキル)一辺倒だった攻撃パターンが大幅に変化。各チームが多用な攻撃手段を模索し、結果的にバラエティに富んだ戦いが展開されることになった。

 しかし、出場チーム側からするとこの「枷」のおかげで自由に戦えなくなっていたことも事実。連携やスキルの使いどころが絶妙に上手くても、スキルに使う消費アイテムが資金難のせいで数を用意できなかったりすれば、その実力を発揮しきれない。これは非常に歯がゆいのは理解できるが、逆に観戦側からすると阿修羅覇凰拳の撃ち合いではない戦いは新鮮さと意外性があった。ただ、攻撃手段を欠いてしまったギルドがギブアップするしかない状況なども発生しやすくなったことも否めない。決勝トーナメント用に用意された資金をどこでどのように使うか、各ギルドは頭を悩ませたところだろう。

 なお、観戦環境的なことを補足しておくと、RJC2010決勝トーナメントでは、RWC2009で使用された3モニタを引き続き採用。中央のモニタで両ギルドの戦闘の様子を、左右のモニタではスキルなどのエフェクト効果を切り、各ギルドのメンバーのHPなどが見えるパーティウィンドウを表示していた(冒頭の写真を参照)。また、今大会からはキャラが戦闘不能になった際の表示を大きくし、戦いの様子がよりわかりやすくなっていた。

▲決勝トーナメント1回戦のマップはモスコビアの王座の間。上下の狭い階段が戦いのポイントとなった ▲決勝トーナメント準決勝のマップはコモドのカジノ。障害物が多く、射線をさえぎることから広範囲魔法などが活用しにくい
▲決勝トーナメント決勝戦のマップはラヘルの教皇執務室。両ギルドは左右からスタートし、玉座の周囲でぶつかり合う ▲マップに関する説明では、障害物と射線の影響などが丁寧に説明された。仕様がよくわかっていない人でも理解できたはずだ
▲今回から導入されたコスト制。各職業のコストについても試合の開始前や合間に簡単に説明された ▲試合の合間に各職業がコストごとに解説されたが、個人的には主力級の高コスト職から説明したほうがわかりやすかったように思えた

 大会開始前にはRJCの見どころと題して簡単なルール説明やポイントが紹介された。『RO』は知っているけれどRJCのルールを知らずに会場に来たという人も安心の体制が取られていた。このあたりの観客への配慮は回を重ねるごとに進化しており、感心することしきりといった感じだ。

 今回の実況・解説はガンホー社の佐久間氏と山本氏が担当。RJCや『RO』がわからない人にも理解できるようにと、実況の佐久間氏が初心者的な立場で解説の山本氏に話を振るというスタイルで行っていたが、やや初心者向けすぎる話の“フリ”が目立っていたのが残念だった。前回まで実況・解説をほぼ一人でこなしていた中村氏が、淡々と戦術やポイントを解説してくれていただけにそのギャップに戸惑うことも多かったが、聞いている人を楽しませたいという意気込みは非常に感じられた。

 対戦マップは第1回戦はモスコビアの王の間のマップ、準決勝はコモドのカジノマップ、決勝戦はラヘルの教皇の間マップと、どれも非常にクセの強いマップ。特に準決勝のカジノは開けたスペースがほとんどなく、射線をさえぎる障害物も多いという難マップとなっていた。実際のゲーム中で使われているマップでそのまま対戦で利用するという試みも今までに見られなかった光景だが、普段ゲームをプレイしている人にも馴染みやすいという点では面白い試みと言えるだろう。

1回戦第1試合・「Greensleeves」対「Rampage...」

 決勝トーナメント1回戦第1試合はIrisワールドの「Greensleeves」とTiametワールドの「Rampage...」の対戦。GreensleevesはRJC2009の優勝ギルドで、今回も優勝候補の筆頭と言われているギルドだ。ルールが大きく変わった今大会でどんな戦い方を見せるのか、注目されていたが、第1試合からまさかの番狂わせが起きる。

 Greensleevesはモンクの阿修羅覇凰拳を主体とし、ロードナイトのスパイラルピアースを補助攻撃とした構成。モンク、ロードナイト、ウィザード、セージ、アルケミスト、バード、ハイプリーストの7名構成だ。一方のRampage...は、クリエイターのアシッドデモンストレーションを主軸にクラウンのアローバルカンを補助攻撃に据え、さらにバードを別に用意してブラギの詩を使いつつ、クラウンとバードで寒いジョークの連打を行うという特異な構成。メンバーは拳聖、ハイプリースト、ナイト、セージ、クリエイター、バード、クラウンだ。

 第1ラウンドではGreensleevesのモンクが果敢に阿修羅覇凰拳を決めるも、Rampage...のメンバーはなんとか耐え続ける。コスト制によりプロフェッサーによるSP回復も行えず、資金制限によりSP回復アイテムによる回復にも制約が加わるため、阿修羅覇凰拳も高威力のものを連打はできない。
 GreensleevesはなんとかRampage...の拳聖を倒すものの、その一瞬の隙をついてアシッドデモンストレーションによりモンクを撃破されてしまい、攻撃の要を失うことに。Greensleevesはスパイラルピアースなどを使って反撃を行うものの、その後、HP係数の低いバードを狙われ、倒されてしまう。スパイラルピアースやストームガストの詠唱速度を加速させるブラギの詩を担当するバードがいなくなったことで地力を奪われてしまったことになる。
 しばらく膠着状態が続くものの、決定的攻撃力を欠いたGreensleevesは敵を消耗させつつ次で勝ちを狙う作戦にしたのか、後退を行い体制を整えようとする。Rampage...は引き続き集中攻撃を行い、Greensleevesのハイプリースト、ロードナイトを撃破し、この時点で試合はほぼ決まった。Greensleevesはアルケミスト、ウィザード、セージを撃破され、Rampage...の勝利となった。

 第2ラウンドも両ギルドとも構成は同様。しかしラウンド開始後、早いうちにRampage...側がセージ、ハイプリーストを立て続けに撃破されたことで守りの要を失い、拳聖、バード、ナイト、クラウン、クリエイターの順に次々と倒されてしまう。Greensleevesはさすがは前年度覇者といった圧倒ぶりだった。

 第3ラウンドも構成は同様。お互いのナイト系職が敵陣に食い込み、場を引っ掻き回しつつ相手の偵察を行うが、Greensleeves側のロードナイトが撃破されてしまい、続いてHPの低いウィザードまでもがやられてしまう。第2ラウンドの敗北で危機を感じ、Rampage...側が早期決着を狙ったのかもしれない。セージ、バードとHPの低い職を順次撃破し、続いてハイプリーストも撃破。守りのほぼすべてを失ってしまっては攻撃の要である阿修羅覇凰拳を撃てるモンクも倒されるのを待つだけとなってしまう。モンクが落とされたあとは何もできないアルケミストが白ポーションを使って耐えるもののタコ殴り状態で敗北。
 フタを開けてみれば、優勝候補と言われたGreensleevesがまさかの1回戦敗退という結果になった。

▲第1ラウンド。バードを欠いたGreensleevesは徐々に押されていくことに ▲第2ラウンド。Rampage...はセージとハイプリーストを立て続けに撃破されて一気に崩れてしまう ▲第3ラウンド。HPの低い職を狙われ、優勝候補Greensleevesがまさかの敗北を喫した

1回戦第2試合・「Forza Diabolica」対「+Nirvana+」

 1回戦第2試合はThorワールドの「Forza Diabolica」とFreyaワールドの「+Nirvana+」の対戦。+Nirvana+はRJC2009では予選2回戦という戦績だが、Forza Diabolicaは決勝トーナメント出場を果たしている強豪。

 第1ラウンドの構成はForza Diabolica側がロードナイト、プリースト、モンク、ウィザード、クラウン、アルケミスト、セージという、いわゆる定番構成であるのに対し、+Nirvana+側はアサシンクロス、ハイプリースト、セージ、クラウン、クリエイターという5人体制。5名構成というのももちろん、予選時とがらりと変えてきたのは驚きだった。

 第1ラウンド開始後、+Nirvana+のクラウンが早々に撃破されてしまう。防御支援のブラギの詩と補助攻撃としても使えるアルーバルカン役を失い、もともと5人体制だった+Nirvana+は一気に不利に。アサシンクロスがForza Diabolicaのモンクを撃破するものの、+Nirvana+がクリエイターを撃破された時点で勝敗は決した。

 第2ラウンドはお互いが速攻を仕掛けたか、+Nirvana+のハイプリーストとForza Diabolicaのモンクがほぼ同時に戦闘不能に。攻撃の要を欠いたForza Diabolicaだったが、動じずに+Nirvana+の攻撃の要であるアサシンクロスを撃破。その後もクラウン、クリエイターと撃破して、残ったセージがやられた時点でForza Diabolicaの勝利となった。
 ……と、観戦側からは見えたのだが、試合終了直後、審議が入り進行が中断。発表によると+Nirvana+側のPCでエラーが発生し、クライアントが強制終了するという事態が発生していたとのこと。エラーによるクライアント落ちは戦闘不能扱いとなる規定により、勝敗は変わらないとのジャッジとなった。どのキャラクタがいつエラーで落とされたかはわからないため、試合結果がどうなったかも予想はつかないが、やや残念な結末となったことは否めない。

▲第1ラウンド。人数の少ない+Nirvana+が先にクラウンを撃破されたのが響いた ▲第2ラウンド。クライアントの強制終了というアクシデントもあり、+Nirvana+が敗北してしまう

1回戦第3試合・「Latency」対「☆★☆STARDUST☆★☆」

 1回戦第3試合はEirワールドの「Latency」と、Lokiワールドの「☆★☆STARDUST☆★☆」の対戦。決勝トーナメント初出場のLatencyに対し、☆★☆STARDUST☆★☆はRJC2008でも予選3回戦、RJC2009ではベスト4に残った強豪ギルド。

 1ラウンド目の両ギルドの構成は、Latencyがロードナイト、アサシンクロス、プリースト、アルケミスト、セージ、クラウン、拳聖。☆★☆STARDUST☆★☆がクルセイダー、アサシンクロス、プリースト、バード、ダンサー、セージ、拳聖。お互いにモンクとウィザードがおらず、アサシンクロスを主軸に置いた構成だ。

 この第3試合でも第1ラウンド開始数秒前、カウントダウンをしている最中にマシントラブルにより双方のチームが控え室に戻されるというアクシデントが発生し、試合が中断。機器調整後、気を取り直して試合開始となった。ラウンド開始直後はLatencyが待ちの構えを見せつつスピアブーメランで牽制。しかし☆★☆STARDUST☆★☆のアサシンクロスが果敢に飛び込んでLatencyのプリーストを撃破。
 だが、同時に☆★☆STARDUST☆★☆の拳聖も相手のアサシンクロスによって倒されてしまう。6対6での戦闘が続くが、☆★☆STARDUST☆★☆のアサシンクロスがLatencyのクラウンを撃破。Latencyはクラウンを失ったことで☆★☆STARDUST☆★☆側のブラギの詩を利用しようと混戦に持ち込むが、そこを☆★☆STARDUST☆★☆のアサシンクロスに狙われアルケミストを失ってしまう。
 ポーションピッチャーによる回復も絶たれ、続いて攻撃の要であるアサシンクロスを撃破されたLatencyの敗北はこの時点でほぼ確定し、セージ、拳聖も撃破。最後に残ったロードナイトもニューマによってスパイラルピアースを封じられるため、ギブアップを宣言して敗北となった。

 第2ラウンドも両ギルドとも同じ構成でのスタート。Latencyがやはり待ちの体制を取りつつサイトなどでアサシンクロスのクローキングを警戒。それに対してしばらく攻撃を行っていた☆★☆STARDUST☆★☆も、スタート地点付近に戻り同じく待ちの体制を取ってしまう。しばらく膠着状態が続くが、痺れを切らせたのかLatencyが攻めに転じる。一進一退の攻防が続くが、☆★☆STARDUST☆★☆側のサイトによってLatency側のアサシンクロスがあぶりだされ、そこを撃破されてしまう。続いてLatencyはクラウンも撃破され、攻撃の柱を失うことに。
 しかしディボーションで受けたダメージが大きかったのか、☆★☆STARDUST☆★☆側のクルセイダーがまさかの戦闘不能。その後☆★☆STARDUST☆★☆のセージも戦闘不能になり、人数的にはイーブンの5対5。攻撃の要を失っているLatencyは敵の攻撃力を落とそうとアサシンクロスに集中攻撃を仕掛けるものの、ポーションなどによって耐えられてしまい、落としきれない。このチャンスを逃がしてしまったLatencyは逆に☆★☆STARDUST☆★☆のアサシンクロスによってプリースト、セージを失い防御の要をも欠くことに。Latencyはロードナイトで時間いっぱいまで粘るものの、人数差判定により☆★☆STARDUST☆★☆が勝利を手にし、2-0で勝ちあがった。

▲第1ラウンド。待ち状態のLatencyに対して☆★☆STARDUST☆★☆が攻撃を仕掛けた ▲第2ラウンド。逆に待ち状態を取った☆★☆STARDUST☆★☆はLatencyのアサシンクロスをあぶり出し、カウンター的に撃破した

1回戦第4試合・「くまー将軍」対「放課後ティータイム」

 1回戦最後となる第4試合はBijouワールドの「くまー将軍」とLokiワールドの「放課後ティータイム」の対戦。パーティ構成はくまー将軍がロードナイト、プリースト、ウィザード、バード、セージ、クリエイターの6人。放課後ティータイムはロードナイト、プリースト、モンク、ウィザード、セージ、クラウン、アルケミストの7人。

 第1ラウンドから激しい攻撃合戦が繰り広げられ、放課後ティータイムのプリーストが落ちるのとほぼ同時にくまー将軍のクリエイターが撃破される。支援の要を欠いたものの、放課後ティタームの攻撃の要である阿修羅覇凰拳を撃てるモンクが健在なため、くまー将軍側のプリースト、ウィザード、セージを撃破する。放課後ティータイムは敵がリカバリーやブレッシングを使えないことを利用してストーンカースを多用。石化したところに阿修羅覇凰拳を撃ちこみ、ロードナイトをも撃破。試合はこれでほぼ決まった。

 第2ラウンドもパーティ構成は同様。やはりお互い攻勢に出るが、試合開始後しばらくして放課後ティータイムのプリーストが戦闘不能に。人数的には同数の6対6のまま試合は続行するが、放課後ティータイムのモンクがくまー将軍のセージを阿修羅覇凰拳で撃破。しかしそのモンクも隙を狙われたか、直後に撃破されてしまう。戦線も分断され、かなり入り組んだ戦いが展開されるが、放課後ティータイム側はリカバリーによる状態異常が回復できないことがマイナスになり、ウィザードもここで落とされてしまう。放課後ティータイムはアルケミスト、セージと防御系メンバーも撃破され、いまや攻撃の柱であるクラウン、ロードナイトも順番に撃破されてしまい、このラウンドを落としてしまう

 1-1で迎えた第3ラウンドもパーティ構成はどちらも同じ。お互いのロードナイトのスパイラルピアースを中心に牽制しあうが、一瞬の隙を突いて放課後ティータイムのモンクが阿修羅覇凰拳でくまー将軍のウィザードを撃破。放課後ティータイムはくまー将軍のクリエイターのアシッドデモンストレーションによりロードナイトを撃破されてしまうものの、モンクが残影を上手く使って戦線をかき乱しつつ敵を狙う。くまー将軍側は数で負けているためじわじわ押されてしまい、ついにプリーストが阿修羅覇凰拳に沈んでしまう。攻撃の要たりえるクリエイターは残っている状態だが、さすがに3対6という倍の人数はひっくり返すことができず、セージ、クリエイターの順で倒されてしまう。
 ここでバードが残っているにも関わらず、運営側が気付かずに放課後ティータイムの勝利宣言をしそうになり、中継画面も消えてしまう。慌てて画面が戻ったときには残ったバードがタコ殴りにされているという状況で、勝利は放課後ティータイムのまま変わらなかったものの、会場からはため息も漏れていた。

▲第1ラウンド。正面からぶつかりあう激しい戦いが繰り広げられた ▲第2ラウンド。プリーストを失った放課後ティータイムは石化などの異常状態を回復できなくなる ▲第3ラウンド。序盤に阿修羅覇凰拳によってくまー将軍のウィザードが撃破されてしまう

準決勝第1試合・「Rampage...」対「Forza Diabolica」

 マップの変わった準決勝第1試合はTiametワールドの「Rampage...」対Thorワールドの「Forza Diabolica」の対戦。Rampage...の構成はナイト、ハイプリースト、バード、クラウン、セージ、クリエイター、拳聖の7名。Forza Diabolicaはロードナイト、プリースト、モンク、ウィザード、セージ、クラウン、アルケミストの7名構成。

 ラウンド開始後、かなり早い段階でRampage...の拳聖が戦闘不能に陥ってしまうが、マップの北端のスペースなど、戦いやすい場所を求めてかなりの転戦が繰り返される。Forza Diabolicaのプリーストが撃破され人数はイーブンの6対6になったが、引き続きForza Diabolicaのセージが撃破されてしまう。Rampage...のクラウンのアローバルカンによってForza Diabolicaのウィザードも倒され、攻撃の要であるモンクも撃破されてしまう。続いてクラウンもストーンカースによる石化が解除できないところに集中攻撃を叩き込まれ戦闘不能に。アルケミスト、ロードナイトも撃破され、Rampage...が勝利を手にした。

 第2ラウンドはForza Diabolicaが構成を大きく変更。ロードナイト、プリースト、ウィザード、セージ、バード、クリエイターという6名構成にしてきた。障害物が多く敵に近づきにくいマップのため阿修羅覇凰拳による攻撃からアシッドデモンストレーションによる攻撃に切り替えたというところだろうか。これが功を奏したか、ラウンド開始直後からRampage...のセージ、クラウンといったHP係数の低いキャラを連続で撃破し人数の差をひっくり返す。間を置かずに拳聖、クリエイターと立て続けに撃破し、一気に有利に。引き続きハイプリーストも撃破され、逃げ回るバード、ナイトが撃破され、Rampage...側は全滅による敗北を喫した。

 1-1で迎えた最終第3ラウンド。両者の構成は第2ラウンドと同様。ラウンド開始からしばらくしてForza Diabolocaのセージが戦闘不能に陥り人数は7対5と不利に。だが、ロードナイトによるスパイラルピアースとクリエイターのアシッドデモンストレーションで果敢に攻撃を繰り返し、Rampage...が次第に後退。スタート地点付近まで戻ることになる。そんなRampage...のセージが撃破されるのと同時にForza Diabolicaのウィザードが撃破される。ランドプロテクターを失ったものの相手のストームガストが消えたこともあってまだまだ状況は変わらない。しかしRampage...は支援の柱であるハイプリーストも撃破され、人数差も5対4と縮められてしまう。
 ところが、Forza Diabolicaのロードナイトもこの時点で武器を破壊(アシッドデモンストレーションの効果か?)され、スパイラルピアースが撃てない状態に陥ってしまう。またRampage...の拳聖が温もり状態でクリエイターに張り付き、SPを奪いアシッドデモンストレーションを封じ続けることにも成功。攻撃手段の残っているRampage...が執拗に攻撃を決めるが、Forza Diabolocaもポーションやポーションピッチャーでなんとか凌ぎ続け、戦闘は5対4のまま長期戦の様相を呈し始めた。だが、残り1分を切り、集中攻撃されていたForza Diabolicaのバードがついに戦闘不能に。制限時間2秒前でクリエイターも力尽き、結果は5-2でRampage...の勝利。決勝戦へのチケットは2-1でForza Diabolicaを破ったRampage...が手にした。

▲第1ラウンド。戦いは解説者も予想しないようなマップの端でも展開されていった ▲第2ラウンド。人数差を詰めるためにもまずはHP係数の低い職は狙われやすいのかもしれない ▲第3ラウンド。お互い序盤から攻め続けるが一進一退の攻防が繰り広げられた

準決勝第2試合・「☆★☆STARDUST☆★☆」対「放課後ティータイム」

 準決勝第2試合は「☆★☆STARDUST☆★☆」と「放課後ティータイム」のLokiワールド同士の対決。しかも放課後ティータイムのメンバーは元☆★☆STARDUST☆★☆のメンバーで、意見の違いから袂を分かったという過去があるとのこと。いわゆる因縁の対決というヤツである。

 第1ラウンドの構成は☆★☆STARDUST☆★☆がアサシンクロス、クルセイダー、セージ、バード、ダンサー、拳聖という、プリーストのいない珍しい6人構成。対する放課後ティータイムはロードナイト、プリースト、モンク、ウィザード、セージ、クラウン、アルケミストという定番の7人構成。ラウンド開始直後、☆★☆STARDUST☆★☆はスタート地点付近に陣取り待ちの構え。じわじわと進んできた放課後ティータイムだが、飛び出してきたアサシンクロスにプリーストが戦闘不能にされてしまう。
 これに怯まず放課後ティータイムは果敢に攻撃を続行。状態異常なども駆使するが、☆★☆STARDUST☆★☆側はプリーストがいないにも関わらず状態異常を高Vitで自然回復させるというステータス特性の模様。☆★☆STARDUST☆★☆はアサシンクロスが執拗に攻撃を行いつつ、拳聖が敵後衛のSPを温もりで減少させて封じる戦法が決まる。しかし、決定打の攻撃がなかなか出せず、奥に行き過ぎた拳聖が撃破されたのと時をほぼ同じくしてクルセイダーが撃破されてしまう。防御の要を欠いたところでアサシンクロスも撃破されてしまい、反撃の手段もほぼ失うことに。セージ、ダンサーと撃破され、残ったバードがギブアップして第1ラウンドは放課後ティータイムが勝利した。

 第2ラウンドでは☆★☆STARDUST☆★☆が構成を変更。モンク、プリースト、セージ、バード、クリエイター、拳聖、ソウルリンカーという、これまた珍しい職構成に。決勝トーナメントでソウルリンカーを見るのはこれが初めてとなる。ソウルリンカーはアルケミストの魂とバードとダンサーの魂を使用。アルケミストの魂はポーションピッチャーの回復力を大幅に高めるもの。バードとダンサーの魂は演奏時の移動速度を通常移動の速度にアップさせ、バードならダンサーの、ダンサーならバードのスキルが使えるようになるというものだ。

 第2ラウンドは☆★☆STARDUST☆★☆側がソウルリンカーを全面に出しつつ魔法反射でウィザードの撃破を狙うものの、なかなかうまくいかない。膠着状態の様相を見せるが、☆★☆STARDUST☆★☆のクリエイターがアシッドデモンストレーションを撃つために前に出たところを阿修羅覇凰拳で狙い撃ちされ倒されてしまう。その代わりとばかりに☆★☆STARDUST☆★☆のモンクが放課後ティータイムのセージを撃破。
 放課後ティータイムが体制を立て直そうと下がったところに☆★☆STARDUST☆★☆が攻め入りパーティを分断、クラウンを撃破する。孤立したプリーストとウィザードも撃破され、ロードナイト、アルケミストの順に戦闘不能にされ、第2ラウンドは☆★☆STARDUST☆★☆が勝利した。ちなみに放課後ティータイム側のモンクがいつ戦闘不能になったのか記録できていなかったため、正確な状況はわかっていないのをご了承願いたい。

 第3ラウンドは両ギルドとも第2ラウンドと同じ構成。☆★☆STARDUST☆★☆のソウルリンカーはやはりアルケミストの魂とバードとダンサーの魂を使用。☆★☆STARDUST☆★☆は第2ラウンドと同じくソウルリンカーを前面に押し出して魔法反射を狙うが、放課後ティータイム側はストームガストの連打をやめず、☆★☆STARDUST☆★☆はなかなか攻め入ることができない。お互い散発的に阿修羅覇凰拳で攻撃を行い、そのうち一発が☆★☆STARDUST☆★☆のクリエイターを直撃し、戦闘不能に。
 守りの体制にある☆★☆STARDUST☆★☆はすぐに崩れることはないが、主力の遠距離攻撃を失ったことで頼れるのはモンクの阿修羅覇凰拳だけになってしまう。ここで☆★☆STARDUST☆★☆は陣地を飛び出し、敵の背後に回り込んで陣地交換の状態に。その後は流動的に戦線を移動するが、これが裏目に出てしまったか、攻撃の要であるモンクを失ってしまう。5対7の状態のまま膠着状態が続く。放課後ティータイムの主力であるモンクは☆★☆STARDUST☆★☆の拳聖に張り付かれてSPを減らされ続け、爆裂状態になることもできず、阿修羅覇凰拳も封じられてしまう。
 しかし、☆★☆STARDUST☆★☆も攻撃の要を失ってしまって決定打が出せず、そのまま時間切れで放課後ティータイムが決勝へ進出を決めることになった。

▲第1ラウンド。非常に上手く立ち回った拳聖だったが、深追いしすぎたか、放課後ティータイム側に撃破されてしまう ▲第2ラウンド。試合開始直後、☆★☆STARDUST☆★☆はソウルリンカーを前に押し出す戦法を取る ▲第3ラウンド。ソウルリンカーの反射にも負けずに放課後ティータイムは果敢にストームガストを続行する

決勝戦・「Rampage...」対「放課後ティータイム」

 決勝戦は、ガンホーの中村氏とらぐなろ娘のお二人を実況・解説席に加えての開催となった。セッティング中に中村氏より、今回の大会ではセッティングルームにて全キャラクタの登録を行い、コストが合っているかどうか確認するという手間が増えており、そのぶんセッティング時間が長引く傾向にあるという説明がなされた。たしかにセッティング時間は長く、前回大会が決勝以外1戦勝負だったことを差し引いても待ち時間が多かった気がした。中村氏は実況・解説の佐久間氏と山本氏の背後から「悪い意味で面白いトークでごめんなさいねー」「実況になぜか昭和の香りがする」とプレッシャーを与えつつも、二人をフォローする形でトークを誘導していった。

 決勝戦のステージはラヘルの教皇の間、執務室。クエスト時にしか入れない美麗マップで、『RO』イチの萌えキャラとも噂される教皇様がいる場所だ。これまでの障害物が多いマップにくらべて幾分開けており、玉座のある段差以外はわりと広く、戦いやすいマップと言えなくもない。

 決勝戦にコマを進めたTiametワールドの「Rampage...」とLokiワールドの「放課後ティータイム」の構成は、Rampage...側がナイト、ハイプリースト、セージ、バード、クラウン、クリエイター、拳聖。放課後ティータイム側がロードナイト、プリースト、モンク、ウィザード、セージ、クラウン、アルケミスト。どちらも7対7の構成であり、奇しくもお互い一度も構成を変えずに戦ってきたギルド同士の対決となった。

 第1ラウンドはお互いがマップ中央でぶつかり合うかと思いきや、Rampage...側が玉座の背後に回り込み、逃げの態勢を見せる。1周回って位置を入れ替えつつも、教皇の玉座を挟んでお互いが回る追いかけっこの状態に。お互いが接近し乱戦になるかと思った矢先にRampage...のクラウンが撃破され、戦闘不能に。その後、放課後ティータイムのモンクの阿修羅覇凰拳によってRampage...のセージが倒され、人数は5対7に。これで気力をそがれたか、Rampage...側はクリエイター、ハイプリーストと立て続けに撃破され、バード、拳聖、ナイトも順次撃破されてしまう。こうして第1ラウンドは放課後ティータイムの勝利となった。

 第2ラウンドも両者構成は同じ。しかしラウンド開始後すぐにRampage...のクラウンが倒されてしまう。しかしクラウンとバードという変則的な構成のRampage...はまだまだ建て直しが可能。速攻で流れをつかみたい放課後ティータイムは阿修羅覇凰拳で連続攻撃を仕掛けるが、Rampage...側もここはしっかり耐え続ける。Rampage...のナイトがスピアブーメランでモンクの動きを封じるなどのフォローもあって態勢を立て直す。しかし、ここでRampage...はハイプリーストが阿修羅覇凰拳により戦闘不能に陥り7対5と窮地に立たされる。なんとか耐え続けるものの、Rampage...は引き続き拳聖とクリエイターを連続で撃破され、その直後にセージも戦闘不能になってしまう。残ったナイトとバードも順次阿修羅覇凰拳の前に力尽き、2-0で放課後ティータイムが決勝を制し、優勝の栄冠を手にすることになった。

▲第1ラウンド。意外にもRampage...は正面からは戦わず消極的な戦法に出る。やはり資金が残っていなかったのが原因か? ▲第1ラウンド。アシッドデモンストレーションに比べて資金をそれほど消費しない阿修羅覇凰拳を主体に勝ち残ってきた放課後ティータイムの資金勝ちか?
▲第2ラウンド。正面からぶつかり合うも、いきなりクラウンを撃破されてしまうRampage... ▲第2ラウンド。Rampage...は耐久力のあるナイトも阿修羅覇凰拳で撃破され、この後バードも同じ運命を辿ることに……

決勝戦を終えた「両ギルド」に楽屋インタビュー

大会を終えて、優勝を飾った放課後ティータイムには会場内から惜しみない拍手が送られた。優勝ギルド放課後ティータイムの所属するLokiワールドは1週間限定でモンスター討伐経験値とアイテムドロップ率1.5倍、無料転送NPCや無料髪型変更NPCなどが設置される。また、準優勝したRampage...の所属するTiametワールドはモンスター討伐経験値が1.5倍となり、無料転送NPCや無料髪型変更NPCが設置される。

 試合を終えた両ギルドにお話をうかがうことができた。Rampage...は、試合は全力を出しきったものの、結果に納得しているかと聞かれるとやっぱり悔しいと語った。ルール変更については、これまでのルールではプレイヤーの腕前が如実に現れるもので、自分たちにはその腕前がなく、勝てなかったが、ルール変更によって構成の妙によって腕前をカバーできたことが大きいとのこと。特に定番の職業をあえて外し、バードがいるにも関わらずクラウンを導入し、寒いジョークの連打数を増やして相手にマルクカード挿しの鎧を強要させつつそこにアシッドデモンストレーションを叩き込むという攻撃特化型シフトで挑んだことが功を奏したようだった。
 練習時間もあまり取れなかったぶん、その構成を練るのに力を入れたとのこと。また、資金は準決勝の時点でほぼ尽きており、緒戦で当たった優勝候補のGreensleevesを破るために大きく割いてしまったことを明かしてくれた。しかし「優勝するためにはどこかで戦わなくてはならない相手なのでそれに関しては悔いはない」と語った。RWC2010への抱負は「優勝します! Coool!」とある熱く答えてくれた。

▲RJC2010において準優勝を果たしたTiametワールドのギルドRampage...

 続いて優勝ギルド、放課後ティータイムへのインタビューでは、練習試合では負け続け、優勝できたこと自体が謎でしたと意外な感想が。また、ルール改変のおかげで構成や戦略に悩み続け、以前のルールよりも弱くなってしまったと苦笑。各ギルドメンバーもこれには大きく頷いていた。決勝トーナメントで戦った構成にしたのも大会数日前であり、構成を決めた最大の要因は強豪ギルドが同じ構成だったからという理由だったそうだ。それでもかなり戦いにくく、以前のルールのほうが構成で悩む必要がないぶん楽だったとも語る。練習では戦うたびに構成を変えたため、ギルド内部でのケンカも絶えず、「出場ギルドのうち、練習量は最少に近いと思いますが、おそらくケンカした回数なら最多でしょう」と過去を振り返った。
 勝因は? と聞かれたギルドマスターが『けいおん!』の中野梓のイラストカードをポケットから取り出し、「お守りのご利益です」とギルドメンバーの爆笑を誘う一幕も。しかしこの“お守り”はガンホースタッフにムリを言って選手席まで持って行ったおかげでトーナメントのクジ運もよく、特に強豪がRampage...を削ってくれたことも大きかったと語った。なお、☆★☆STARDUST☆★☆との関係については「去年までは同じチームを組んでいましたが、えーと……音楽性の違いにより分裂しました(笑)」。RWC2010への抱負は「がんばります!」とのこと。

▲RJC2010において優勝の栄冠を勝ち取ったLokiワールドの放課後ティータイム

 昨年のRWC2009の盛り上がりに引き続き、RJC2010も大盛況のうちに幕を閉じた。リニューアルなどでRWC2010のルールがどうなるかわからないが、引き続き、この盛り上がりを維持していってほしいところだ。日本での選抜大会、そしてインドネシアでの決勝が今から楽しみである。

 今回のルール改変については優勝、準優勝チームのインタビューにもあるとおり、より接戦を演出するという方向でうまく働いているようにも感じる一方で、純粋なプレイヤースキルが発揮できない点も指摘されている。大会の方向性にも関わるため、一概にどちらがいいとは言えないが、“阿修羅覇凰拳をいかにうまく当てるか”というゲームだったこれまでのルールよりも、見ていて楽しかったように感じられた。また、職業構成の意外性で驚かせてくれるギルド(☆★☆STARDUST☆★☆のソウルリンカー抜擢には会場も騒然となった)もあり、そういう面での楽しさもあったように思う。次回、そして世界大会におけるルール構築がどうなるのか、楽しみに待ちたいと思う。

◆「ラグナロクオンライン ファン感謝祭2010」 概要
●日時:
2010年5月1日(土)
9:30開場
10:00開演
18:00終演
●場所:
東京・お台場 ディファ有明
東京都江東区有明1-3-25
ゆりかもめ「有明テニスの森駅」もしくは
りんかい線「国際展示場駅」下車
●主催:
ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社
●協賛:
ビットキャッシュ株式会社/株式会社イーフロンティア/株式会社ジー・モード/株式会社サードウェーブ/株式会社ブロッコリー
●入場料:
無料
●ステージスケジュール:
9:50 開会式
10:20 ラグナロクオンライン モバイルカンファレンス
10:50 RJC2010 見どころ紹介
11:20 RJC2010 1回戦第一試合
11:50 RJC2010 1回戦第二試合
12:20 スペシャルコスプレステージ
12:50 RJC2010 1回戦第三試合
13:20 RJC2010 1回戦第四試合
13:50 ラグナロクオンライン検定 Part 1
14:30 美郷あき Special Live
15:05 RJC2010 準決勝第一試合
15:35 RJC2010 準決勝第二試合
16:05 ラグナロクオンライン検定 Part 2
16:35 ラグナロクオンライン カンファレンス
17:20 RJC2010 決勝戦~閉会式


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