インタビュー
 
エボリューション実施は2010年第1Qか!?『RO』運営チームにインタビュー

2009.10.23

関連URL:「RWC2009」公式サイト
 

 これまでも何度かお伝えしてきたが、ガンホー・オンライン・エンターテイメント(以下、ガンホー)の運営する『ラグナロクオンライン』(以下、『RO』)では大規模なリニューアルプロジェクト進行中だ(※こちらのインタビュー後半など)。

 これらは「エボリューションプロジェクト」と題されており、韓国ではすでに実装済みのリニューアルバージョンをテストサーバ・SakrayJ(サクライ・ジェイ)というかたちで一部のユーザー(テスター)に開放し、意見を募るなどの動きを見せている。
 さらに、専用のSNS(エボプロSNS)を立ち上げて意見の集約を行うなど、ガンホーのかなり“本気”な姿勢がうかがえる。

 なぜ、ガンホーがここまで力を入れるのかというのは簡単で、韓国のリニューアルが日本のユーザーに不評だからだ。韓国の公式告知やファンサイトの翻訳が日本のユーザーのコミュニティに届くたびに、不安の声は大きくなっていった。
 レベル限界の突破(99→150)、ステータス限界の突破(99→120)、3次職業の実装と見どころは多いものの、それらを実装するために、基本的な計算式やモンスターの経験値などが大幅に変更され、グラフィック以外は現行の『RO』の面影をほとんど残さないまでになっている。

 ガンホーも事態を重く見て今回の「エボリューションプロジェクト」をたちあげ、広くユーザーから意見を募集するに至ったというわけだ。
 その一環として8月下旬から9月中旬までテストサーバ・SakrayJが設置され、韓国バージョンでのテストプレイが実施された。テストプレイへの意見はエボプロSNSへ書き込まれ、その結果、現在の韓国版のリニューアルバージョンは、少なくとも日本には実装されない方向で決着している。

 ユーザーの意見とともに、ガンホー『RO』運営チームが韓国グラヴィティ社へと赴き、リニューアルプランを提示したということを受けて、今回、お話をうかがえることになった。気になるリニューアルの進捗状況などを聞いてきたのだが……。

今回お話を聞かせていただいたのはおなじみのこのお二方。左はゲームサービス部一課の廣瀬高志氏、右は執行役員 ゲーム事業部 オンライン本部長の飯野平氏

※各写真をクリックすると、拡大したものを見ることができます

 そのほかにも、『RO』史上初となる無料開放デー、開催を目前に控えた世界大会RWC2009(RagnarokOnline World Championship2009)への意気込みなどをうかがってきたので、併せてお届けしていこう。

日本のユーザーにとっては初のお目見えとなるテストサーバSakrayJ(サクライ・ジェイ)。ちなみにSakrayとは韓国のテストサーバの名称であり、昔からの『RO』ユーザーにはなじみの深いものだ SakrayJのテストでは装備品などはほとんどがNPCから販売されていた。経験値倍率は韓国の通常サーバと同様。仕様的には経験値偏差がないだけで、その他は韓国実装直後のものだったようだ。NPCは拠点にのみ配置され、クエストは一切なし。転職やダンジョンへの転送もプロンテラ、アマツ、モロクの3ヶ所の拠点から直接移動するようになっていた
実を言えば筆者もフツーにプライベートでテスターをやっていたので、立場的には読者のみなさんと同じだったりする。近接職をメインにプレイしてみたが、現行『RO』ではありえないくらいにDexステータスを要求されたことに困惑した 弓系のバードへの転職までプレイしてみたが、本来、緊急回避的に敵を吹き飛ばすためのチャージアローが詠唱の遅さのせいで“死にスキル”化していた反面、mobの弱体化でアローシャワーがやけに強力だったりと、現行『RO』では考えられない仕様になっていた
SakrayJのワールドマップには、主なモンスター名と推奨レベルが記載されている。これを見て自分のレベルに合ったマップで戦えばいいということらしい。レベルに応じた狩場はわかりやすいものの、大抵の場合はどんなステータスでもソロで狩れてしまうので、パーティを組む必要性がなかったのが気になった この記事が掲載される時点では、SakrayJサーバで3次職の体験プレイが行われている。本来「第二期テスト」として実施されるハズだったものだが、スケジュールが前倒しになったため、「第一期テスト」のレポートを提出したプレイヤーへのお礼的な“体験プレイ”にとどまっている
ドラゴンに騎乗するルーンナイト(ナイトの3次職)。アイテムを合成してルーンを作り、その力を解放することで特殊スキルを使用可能。ステータスやスキルのリセットが行えるので、様々なタイプをプレイしている人も多いようだ 魔導ギアと呼ばれるロボットに乗るメカニック(ブラックスミスの3次職)。魔導ギアに乗るとブラックスミス時代のスキルがほとんど使えなくなってしまううえに、ヒールや速度増加なども効かなくなる。なお、体験できる3次職はいわゆる3-1次職と呼ばれる6種類だけとなっている


どうなる『RO』!? ズバリ、リニューアルの進捗状況は?

――『RO』のリニューアル計画が「エボリューションプロジェクト」という名前で始動しています。まずは、開始されてからこれまでの経緯を簡単にご説明願えますか。

★廣瀬高志氏(以下、廣瀬氏)
 はい。韓国では今年6月に『RO』の大規模リニューアルが本サーバーに実装されました。実は弊社としてもそれより前に実装されるリニューアルプランに触れたりしていたんですね。『RO』の拡張のために変更しなければならない点というものは、両社の共通認識としてあるのですが、その時点から“変え方”や(リニューアルの)方向性に関しては改定していかなければならないだろうなと考えていました。
 改定案を出していくにあたって、運営チームの考えだけでなく現状の『RO』と比較して、ユーザーさんの反応をいただきたいなと思ったんです。そこで、韓国に実装されたリニューアルバージョンをユーザーさんに実際に体験してもらったのがエボリューションプロジェクトの「第一期テスト」になります。

 第一期テストは9月18日で終了しましたが、やはり我々、日本の運営チームで予想していた反応が返ってきたという感じでした。ユーザーさんから第一期テストのレポートを提出していただきましたが、現状の『RO』の遊び方を変えてしまうような……日本で多くの方が楽しまれている遊び方を奪ってしまうようなリニューアルポイントが存在する。そういったところは日本運営チームで予想していたのと、おおむね同じような捉え方をされているんだなというのが見えました。

――エボリューションプロジェクト用に立ち上げられたSNSも拝見させていただいていますが、第一期テスト開始後のユーザーさんの反応はかなり激しいというか、反対意見が続出しましたよね。実際、その後、本来ならば3次職を導入した「第二期テスト」、日本のリニューアルプランを練るための「第三期テスト」という予定がありましたが、いずれも取りやめて、急遽、開発元のグラヴィティ社へ赴いてリニューアルプランの見直し会議を行われたとか。

★廣瀬氏
 当初の予定ですと、第一期レポートを見た段階でグラヴィティ社の方へリニューアルプランの見直しを伝えにいくつもりだったのですが、だいぶ前倒しになりました。

★飯野平氏(以下、飯野氏)
 第一期テストでは、まずはとりあえずユーザーさんに触れていただいて、韓国で実装されたリニューアルの是非、また、日本のユーザーさんが『RO』をどう捉えているのか、といった“方向性”を固めるつもりでいました。実際は、第二期テストに入った段階で、細かい点について……具体的には攻撃速度の計算式はどうなのか、とか、詠唱速度の変更はどうなのか、そういったあたりをレポートしてもらうつもりだったんです。
 そのつもりだったんですが……先ほどおっしゃられた通り、第一期開始直後の反応がものすごかったんですね。

――そのあたりの感想というか、細かい検証まで、もう第一期テスト開始直後に大量に上がってきましたね。

★飯野氏
 実際、その内容に関しては、運営チームが考えていたこととほぼ同じだったんです。ただ、反応の大きさやスピードが、予想していたものをはるかに上回っていました。これはもう、当初第二期までに予定していたものを前倒ししていかないといけない、と。そこで、9月の上旬の段階で中間報告的にグラヴィティ社を訪問しまして、話をさせていただきました。
 このあたりは公式ホームページのエボリューションプロジェクト特設ページでも発表したのでご存知の方も多いと思います。その後、第一期テストが終了した時点で、日本運営チームとしてのリニューアルプランをまとめて今回、10月上旬にグラヴィティ社のほうへ提示してきたという次第です。

★廣瀬氏
 さきほど、9月の訪韓の際に中間報告とありましたが、その時点ですでに、現在の韓国のリニューアルプランの日本への導入は“なし”の方向でお伝えしています。10月の時点では、グラヴィティ社の企画チームに「日本のユーザーさんが『RO』に何を求めているのか」という部分を説明して、日本でのリニューアルプランというものを提示させていただきました。

――実際にどう変わるのか、といったところが気になる点なのですが、たとえば、韓国のリニューアルバージョンを大改変していくのか、それとも日本の現行『RO』を元に変更を行っていくのか。はたまたまったく新しい『RO』をイチから構築していくのか、その中ではどれに近いものになりそうですか?

★飯野氏
 うーん、どれに近い、と言われると……ユーザーさんの目に見えるものという点では、私たちが提示したものは現行の『RO』に近いものです。ただ、拡張性は持たせなくてはいけないと思っていますので、そういった変更は入ってくると考えています。

★廣瀬氏
 少なくとも、我々が提案したものは、韓国バージョンのリニューアルプランを改定して……という案ではありませんね。実際にどうなるかについては、現在も両社で協議を進めている段階です。

――もうある程度細かい仕様まで固めて提示しているのでしょうか。それとも、全体的な変更の方向性を提示された段階でしょうか?

★飯野氏
 具体的には、私たちが「こうしてほしい」という意見をまとめてミーティングを行い、グラヴィティ社のスタッフに理解してもらった段階です。
 ただ、かなり多くの要素を提示していますので、それを全部行うとなると、韓国で行った規模のリニューアルを再度行うことになってしまうのではないかと……。そういったこともふまえて、現在、グラヴィティ社の方で検討していただいている状況で、細かい仕様については両社で詰めていきます。
 実際、私たちが持っていったプランについても、今回のミーティングを踏まえてさらに練りこんでる部分もありますし、グラヴィティ社で考えていただいている部分もある、という感じです。

――なるほど。まだ、どういった仕様になるかの決定は出ていないわけですね。たとえばステータスが120までアップするとか、レベルが150まで上がるようになるとか、経験値テーブルの数値などといった基本的なことから話し合われてきたのでしょうか。

★飯野氏
 はい。日本のニーズに合わせるというか、日本のユーザーさんの遊び方はこうですよ、とお伝えして、それを継続または発展させられるようなシステムですね。今のユーザーさんが『RO』を選んでくださっている点があると思うんです。そこを活かしたリニューアルを行わないといけないな、と。
 なぜ日本のユーザーさんはそういった遊び方をするのか、といったところからグラヴィティさんに説明させていただきました。そこに関しては納得というか、かなり理解はしてもらえたと感じています。
 一方、グラヴィティ社としては、韓国のユーザーさんだけでなくグローバルな視点でのリニューアルを考えた結果、現在韓国で実装されている方向性になった、という点は、私たちも理解しています。その上で、私たちは日本のユーザーさんのニーズにあったものを提供していきたいと考えています。

――ただ、韓国でのリニューアルを行うのに約1年をかけ、さらに現在も3次職関連では毎週のように仕様変更が行われています。この状態でさらに日本のリニューアルプランを開発するというと、相当な時間がかかると予想されます。その間、『RO』は停滞してしまうのではないかという不安もあります。

★飯野氏
 もちろん、すぐに開発できるというわけではありません。ただ、根本的な問題点である「拡張性を持たせるためのリニューアル」という点に関しては(韓国のリニューアルも日本のリニューアル案も)共通しています。あとはその方法の問題だと思うんです。ですから韓国でリニューアルを行うまでにかかったほどの時間はかからない、と我々は考えています。

――もしや、日本のリニューアルは徐々に変更を入れていく形式になったりするのでしょうか。

★飯野氏
 そのあたりに関しても、まだ仕様の詳細と同様で、どのように変えていくかという最終決定は出ていない状況です。グラヴィティ社のリソースの問題というか、変更点が膨大になっているので、開発チームレベルで即座に返答できるレベルを超えています。訪韓してから現在お話ししている段階で1週間しか経っていませんので、返答もこれからというところですね。
 そうは言っても、返事はまだですかという催促は毎日のように行っています。


運営チームのプランを裏付けたユーザー意見の数々

――では具体的に、どんな風に変えてほしいというか、グラヴィティさんに行った提案をいくつかお話いただけますか?

★飯野氏
 「どういう風に変えてくれ」という具体的なことに関してお話しするのは難しいんですが、「どういう項目を変えてくれ」と伝えたかに関してはお話しできます。

★廣瀬氏
 そうですね、いくつか紹介させていただくのであれば、まず真っ先に挙げさせてもらったのはステータスが及ぼす効果ですね。キャラクタがレベルアップし、ステータスポイントを消費してステータスをアップさせていくわけですが、韓国のリニューアルではだいぶその効果が低くなっています。

――成長線もなだらかになっているように感じました。

★廣瀬氏
 はい。それにより、ステータスの効果よりも武器・防具の効果が重視される計算式になっています。運営チームでは、そのせいで成長感があまり得られていないのではないかと感じています。あとはいくつか挙げるとすれば、ASPD(攻撃速度)の計算式、そして詠唱時間の計算式もそうですね。詠唱時間に関しては詠唱速度をステータスで減少できない「固定詠唱時間」が加えられていて、これについてはユーザーの皆様からも色々とご意見をいただいています。
 さらに、経験値テーブル、およびモンスターの経験値……まあ育成のバランスですね。特に、序盤が苦しいことに対しては、意見をいただいています。
 それと、モンスターレベルと自分のキャラクタのレベルの差によって獲得経験値が変動する、いわゆる経験値偏差およびドロップ率偏差の問題もあります。

――テスト開始前から話題になっていた点ですね。

★廣瀬氏
 はい。経験値偏差とドロップ率偏差に関しては、すごくシステマチックな考え方なんですね。こういった順番でマップを回って育てていけばいいという教科書的な育成を提示されているわけです。日本の『RO』ユーザーにはそういった点は受け入れられなかったと思います。自由度が高く、工夫次第でどこでも戦える。戦ってモンスターを倒したからには、しっかりと経験値が得られるという部分が、現在の日本の“『RO』らしさ”としてユーザーの皆さんに浸透しています。
 ただ、これはある種のパワーレベリングにも繋がっていて、そちらはそちらで解決しなくてはならないとは思うんですが、楽しみ方として受け入れられている部分が大きいですからね。

――実際、現在3次職の体験プレイをさせていただいていますが、例えばルーンナイトのルーンの材料なども、ドロップ率偏差があると将来的には集めにくくなるなぁと感じています。

★廣瀬氏
 そうなんですよね。それにアイテムの収集というのはキャラクタの育成とはまた別モノだと思います。育ちきったキャラクタで集めるというのもあるわけですし。

――楽に集められるようになったから集める、というのもありますよね。

★廣瀬氏
 ドロップ率偏差を導入したのは、強いキャラで低レベルマップにやってきて、低レベルキャラの育成を邪魔するほどのモンスターの乱獲を防ぐ、という企画意図なんですが、とはいえ、製造系のキャラなどはある程度育てた状態でアイテム収集を行わなければなりませんし……。

――逆に、アイテム集め用のキャラを活用したいというのも……。

★廣瀬氏
 ええ、それも自由度だと思います。

――こうして話を聞くと、おおむねテスターの方から出た意見もすべて伝えてきたという感じですね。

★廣瀬氏
 はい。第一期テストレポートで、(韓国バージョンのリニューアルに対して)よいと思われた点はどんなところなのか、悪いと思われた点はどんなところなのか、そういったものを抽出し、代表的な意見を取りまとめた資料としてグラヴィティ社にも提示しています。

★飯野氏
 ただ、リニューアルプラン自体はユーザーさんの意見をいただいてから作ったわけではなくて、もともと弊社が(韓国バージョンのリニューアルに対して)問題点だと思っていた部分があったんですね。ユーザーさんからのレポートはその裏付けというかたちになっています。
 最初にもお話ししましたが、今回は弊社で考えていたものがユーザーさんの考えていたこととほぼ同じだったので、今回提示したプランとユーザーさんの意見がかなり合致していたということですね。


拡大するSNSとエボリューションプロジェクト

――少し話は変わりますが、エボリューションプロジェクト用としてSNSがたち上がり、テスト終了後の現在もそのまま継続しています。先日、参加者の追加募集などもありましたが、今後、リニューアルのテストなどがあった場合、そのSNSをベースに行われると考えていいのでしょうか。

★飯野氏
 SNSのあり方的な話ですが、エボリューションプロジェクトと題した計画の中で一番大きなものはテストサーバのSakrayJと今お話ししたリニューアルの件です。ただ、それ以外にも、『RO』自体が7年間運営されてきて、昔実装されたコンテンツの中にもニーズに合わなくなってきて使われなくなってきているものや、いろいろと問題があって日本ではまだ実装できていないコンテンツがあります。 
 そういったものを含めてコンテンツのリニューアルを行い、もう一度ユーザーさんに遊んでもらえるように改善していこうというものまで含めたのが、エボリューションプロジェクトなんですね。
 SakrayJのテストを行っていただいたり、レポートを書いていただいたりというのももちろんですが、それ以外でもSNSを通じてユーザーさんからのご意見をいただいたり、またこちらから投げかけたりといったことをやっていきたいと考えています。

――現在は申し込み期間内に申し込みをして、アカウントをもらってログインできる、という感じですが、将来的にはもう少し気軽にアクセスできるようになるのでしょうか。

★飯野氏
 そうですね。将来的な夢を言うと、『RO』の全ユーザーさんに使っていただけるようなものにしたいですね。そのときはもちろん「エボプロSNS」という名前ではないと思いますが。そういった点もふまえて、現在のSNSがどういう使われ方をするのか、といったことを見させていただいているところです。

――なるほど、わかりました。お話を聞いた限り、リニューアルプランに関しては、ぶっっちゃけて言うと、グラヴィティさんへ意見を伝えてその反応待ちという感じですが……。

★廣瀬氏
 ユーザーのみなさんとしては、結論として、日本ではリニューアル後はどうなるんだ、ってところだと思いますが……。

――例えば、現行の『RO』のままで3次職を実装しない、とかそういった方向性でもいいという意見もありますよね。

★廣瀬氏
 はい。そういった意見もいただいています。また、例えば現行の『RO』を何も変えずに3次職を実装するのも可能か不可能かで言えば可能だとは思うんです。ですが、それを行った場合の歪みが出てきますからね。そこはSakrayJでの第一期のテストでユーザーさんに感じていただけた部分でもあると思います。
 「リニューアルの方向性は納得はいかないけれど、○○の部分に関しては変えるべきだろう」という感想も多くいただきました。今のリニューアルプランとは違うかたちを模索していかねばなりませんが、今後の『RO』の発展に必要不可欠な部分は変えていきたいという風に考えています。
 その「変え方」に関してはいただいた意見を参考にしつつ、現行の『RO』の楽しみを奪わないように、納得いただけるものを目指しています。

★飯野氏
 (場を見回しつつ)煮えきらない感じですね?

――そ、そうですね(笑)。もうちょっとこう、具体的な仕様が聞けるかと思っていたので……。

★廣瀬氏
 意気込み的なことを言わせてもらえば「お任せ下さい!」と言いたいんですが。本当にユーザーさんの考えていることと運営チームが考えていることはすごく共通していると感じています。今回ご協力いただいたユーザーさんには、本当にありがとうございましたとお礼を言わせてください。私たちもグラヴィティさんに対して自信を持って自分たちのプランを提示することができました。
 この件に関しては譲らずに、日本に合った『RO』になるように頑張っていきますので、ちょっとお時間はかかってしまうかもしれませんが、もう少しお待ちいただければと思います。最終的に出来上がってくるものに関しては、絶対にユーザーのみなさんの期待を裏切らないものをお見せできるよう頑張ります。

★飯野氏
 スケジュールの目標的には来年の第1クォーターまでには導入をしていくつもりです。

――おっと、予想よりもかなり早いですね。

★飯野氏
 そこまでにはやっていただけるよう、我々としても努力していきます。

――その間にもまたSakrayJでのテストなどが行われるのですか?

★飯野氏
 グラヴィティ社のほうでリニューアル仕様を作った際のテストや、リニューアルの参考のために意見を聞きたいという場合は再びSakrayJでのテストをお願いするかもしれません。そのあたりは柔軟に考えていきたいと思っています。


『RO』史上初の無料開放デー来たる!

――2009年10月24日(土)10時より24時間、『RO』の無料開放デー(※参考記事)が実施されますね。リリースをうかがったときに非常に驚いたのですが、これについて聞かせてください。

★飯野氏
 はい。24時間だけですが、今までのカムバックキャンペーンとは違い、もっと枠を広げてみました。新たにアカウントを取得された方も、前はプレイしていたという人も、誰もが遊べる状態になります。今回の企画意図のひとつにRWC2009(RagnarokOnline World Championship2009)の開催が挙げられます。
 7年間運営していてついに日本で世界大会を開くまでになったと、我々も意気込んでいますし、盛り上げていきたいと思っています。今は『RO』から離れてしまったユーザーさんにも、これだけの規模のイベントがある、そして『RO』も7年間でこんなに変わった、というのを見ていただきたい。そのうえでイベントも楽しんでほしい。RWC2009を記念して、その前に今の『RO』を体験していただける機会を作ろうということなんです。

――RWCを盛り上げるための一環という感じですか?

★飯野氏
 そうは言いつつも、RWCの開催は確かにきっかけではありますが、RWCを盛り上げるためというよりも、実は『RO』をもう一度見てもらいたいという意識のほうが強いですね(笑)。『RO』がスタートして7年、ゲームももちろんですが運営チームも成長していると思っていますし、そういうところを見てもらいたいんです。無料開放というのはきっかけがないとなかなか踏みきれませんから、RWCに乗っかってみたという感じではあります(笑)。

★廣瀬氏
 当日はゲーム内でもパーティを組むことでメリットがある仕掛けを入れてありますので、懐かしのご友人と組んで遊んでみるもよし、見ず知らずの人と臨時パーティを組んでみるもよし。楽しんでいただければいいなと考えています

――無料開放デーというのは今回初めてですが、かなり特別なことという印象を受けました。ただ、もし、好評であれば今後も行っていく可能性はあるのでしょうか? たとえばアニバーサリーイベントの一環などで……。

★飯野氏
 えーと、年内ということであれば、ないと思いますよ。ただ、うーん……これは私の勝手な思いとお断りしてからお話ししますが、今回のような状態はすごく不満足なんですね。

――それはどういったところでしょうか。

★飯野氏
 機会があればまたやりたい、と思っています。ただ、それがいつのタイミングでできるのか、といったところまでの話はできていないので、なかなか難しいところですね。
 (再び無料開放デーという)企画はできるとは思いますが、チャンスは多くはないかなと思っているのが正直なところですね。そういった意味では今後の無料開放デーの企画は白紙状態ですが、私たちはもっともっといい企画をやってみたいなぁという思いはあります。

――では、とりあえず今回の無料開放デーは逃さないようにしたほうがいいですね。

★飯野氏
 はい。まぁ、新規で始めるのであれば、無料のスクルドワールドを再び実施しますので今後も体験はできると思います。ただ、24日はいろんな人たちが懐かしの場所に集まって遊べるという1日を作るつもりです。一番面白さが伝わる1日になるんじゃないかなと。もし、時間が許せばぜひ無料開放中に遊んでもらえればと思っています。

――クライアントのダウンロードも早くなりましたからね。

★飯野氏
 はい、かなり早くなりましたので、そういうところも含めて見ていただければと(笑)! 自宅の環境のせいで時間がかかる方も、この情報を知ったら事前にダウンロードしておいてもらえれば……。ハロウィンイベントも併催していますので、ぜひぜひ楽しんでいただきたいです。


「RWC2009」は、これまでにない規模のオフラインイベント

――ではRWC2009に関してお聞きしたいと思います。今回はかなり規模が大きくなりますが、RJC(RagnarokOnline Japan Championship)の拡大版と考えてもいいのでしょうか。

★飯野氏
 今回はステージが2つになりまして、メインステージのほうでは試合だけでなく、今回イメージソングを歌ってくださっているJAM Projectさんや、アニバーサリーイメージソングを歌ってくださるスフィアのみなさんのライブなどが行われます。とはいえ、基本的には朝から継続して試合を行う流れになります。また、イベントステージでは、弊社各タイトルも含めてアップデートのカンファレンスやユーザーさん参加型のアトラクションを実施したいと考えています。

――それは、どちらを見たらいいか迷いますね。

★飯野氏
 常に併走している状態だと思いますよ。さらに、協賛いただいている各社さんのブースにおいても色々な企画があります。試合はもちろん見ていただきたいのですが、それだけではなく、1日楽しんでいただけるような盛りだくさんなイベントにしたいなと思っています。

――なるほど…。RJCのつもりで行くと圧倒されそうです。

★廣瀬氏
 あと、1つ宣伝させてもらっていいですか。

★飯野氏
 ああ、一生懸命企画したアレですね。

――なにか、新たな企画が?

★廣瀬氏
 今回の会場でひとつ催し物をやろうと思っています。実は弊社の採用セミナーなんです。(※参考記事

――って、それはSNSでマーケティング担当のRoccaさんが半分本気でやりたいと日記に書いていたものですね? 上司に「ダメだろう」と却下されたと書かれていましたが(笑)。

★廣瀬氏
 はい、そうなんです。Roccaと「テントでも建てて募集しよう!」って言ってたらそれはダメだろうと……言った本人が隣にいますが(笑)。

★飯野氏
 いや、テントはダメだよ。室内だもの(笑)。でも、あのときダメって言ったっけ? やればいいんじゃないって言ったような。

★廣瀬氏
 いやいや、Roccaさんの日記に記録されてますので。あれがアップされたあとに「いいんじゃない?」とは言ってましたけど、最初はダメって言ってましたよ(笑)。まあ、そんなことはさておき、具体的には、弊社の運営の仕事を説明させていただいて、それでもなお弊社に入って仕事をしたいという方がいらっしゃれば、当日、履歴書と職務経歴書を提出していただいて、社に持ち帰らせていただいて書類選考を行いたいと。

――あ、ユーザーさんの特派員というか特別スタッフみたいな枠ではなく、ガチでガンホーさんの『RO』運営スタッフの選考になるんですね。

★廣瀬氏
 ええ、本当に採用セミナーです。

★廣瀬氏
 この急募でどれだけ集まるか不安ではあるのですが、1回やってみようかということで。今までオフラインイベントを何度も開催していまして、弊社のコンテンツに興味を持ってお客様としていらっしゃってくださる方だけでなく、“弊社そのもの”に興味を持った方も起こしいただければと考えました。


気になるWESやアップデートに関しても聞いてみた

――ちょっと今回の内容からは外れるのですが、キャラクタをワールド間で入れ替え、実質的なワールド移動が行えるという「ワールドエクスチェンジサービス(WES)」が今年から導入されていますよね。第1回、第2回は立て続けに行われて、このままいくのかなと思いきや、3回目は年末あたりの予定ということで、やや間があいてしまっています。チケットもどちらも一瞬で売りきれましたし、ワールドを移動したいと考えている人もまだいると思うのですが。

★飯野氏
 第1回、第2回と、どのくらいの人数を移動できるのかという負荷的な部分と、サービスとして行っていけるのかといったことをテスト的な意味合いも含めて行わせていただいた面があります。もちろん移動のシステム的な問題はクリアできているので、そういった意味のテストではないのですが。WES自体を行ってみて、どれくらいのニーズがあって、どういったかたちで運用していくのか、といったことを正直、今も話し合っているところなんです。
 現状ですと、例えばアニバーサリーなど、何かのタイミングで行っていきたいかなとは考えています。毎月行っていくといったところまでは落とし込めていない、と。

――WESにはチケット購入の必要がありますが、第1回は500枚、第2回は1000枚がどちらも5分程度で完売という勢いで、販売時間に万全の態勢で接続できないとエクスチェンジができないという、ユーザーからしてみると不満も残る状態だったように思います。最初にうかがったときはもうちょっと気軽に移動できるのかな、と思っていたんですが。

★廣瀬氏
 第2回目にはチケット販売の時間帯などはずらしたりしていたんですが、それでも一瞬で売りきれてしまいまして……。

★飯野氏
 希望者ができるだけ移動できるようにはしたいと思っていますし、このサービス自体をやめるつもりもありませんので、よりよい形で進化させていきたいとは思っています。

――最後にひとつ。先日、唐突とも言えるタイミングで「虚構のオーコルニル(新神器クエスト)」が実装されました。以前、制作担当の千葉さんのほうからも、実装できるタイミングになったら即実装したいとうかがってはいたのですが、前アナウンスなしだったので少し驚きました。今後も「封印された神殿」など実装が止められているコンテンツがいきなり実装されることがあると考えていいのでしょうか。

★廣瀬氏
 うーん、システム的に改修をしなければならない量・難易度の問題もありますね。「封印された神殿」や「戦場システム」に関しては、かなり大規模に改修しないと日本のサービスには耐えられないだろうと考えています。すでにかなりお時間をいただいたいますが、もう少しお時間をいただくことになってしまうと思います。

――なるほど、わかりました。とりあえずは、リニューアルプランが重要だと思いますので、引き続き頑張っていただければと思います。本日はありがとうございました。

★廣瀬氏
 はい、がんばりますので、よろしくお願いします!


一喜一憂の時は過ぎた。“日本の『RO』”の将来像が見たい
 インタビュー中にもあるが、筆者としては、具体的な日本でのリニューアルプランが聞けると思っていただけに、やや肩透かし状態だったところは否めない。『RO』は昔から韓国のアップデート情報に一喜一憂する楽しみもあったが、現状では「どうせ日本では変わるんじゃないの?」と思えてしまう。

 エボリューション内容が来年第1クォーターまでに明らかになるというのは朗報ではあるものの、SakrayJで体験したASPD(攻撃速度)の遅さや、攻撃の当たらなさ、スキル詠唱の遅さ(特に弓系職はどうかと思った)、モンスターの個性のなさがどこまで変わるのかという不安が拭えないのが正直なところだ。

 BOTなどの不正ユーザーの徹底排除、日本独自のイベントや、冒険者アカデミー、モンスターサイドストーリーといった独自シナリオクエストなどで好評を得た“日本の『RO』”だけに、このタイミングで将来像が明確に告知できていないのは非常に惜しい。ユーザーの不安を解消するためにも、一日も早く詳細内容の発表をしてほしいところだ。


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※画面写真はテストサーバSakrayJのもので、現行『ラグナロクオンライン』のものではありません。SakrayJはテスターのみが接続可能で、2009年10月21日現在、テスター募集は行われていません。詳しくは『ラグナロクオンライン』公式サイトのエボリューションプロジェクトページをご覧ください。
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