インタビュー
 
上田文人氏にインタビュー:『人喰いの大鷲トリコ』のいま

2009.10.14

関連URL:プレイステーション オフィシャルサイト
 

 米・ロサンゼルス現地時間2009年6月2日(火)、世界最大のゲームショウ「E3 2009」で電撃発表され、カンファレンス会場に駆け付けた報道関係者の注目を集めたPS3専用ソフト『人喰いの大鷲トリコ』。


※写真をクリックすると、拡大したものを見ることができます

 この『人喰いの大鷲トリコ』とは、『ICO』や『ワンダと巨像』などを手がけたことで知られるゲームクリエイター・上田文人氏の最新作にあたる。
 幻想的な世界観、登場キャラクタを通してユーザーに伝えられる切なさ。上田氏の作品を構成する要素は揺るぎなく、本作でもそのような体験/感動を期待するファンも多いことだろう。

 今回、9月に行われた「東京ゲームショウ2009」の会場である幕張メッセにおいて、上田氏にインタビューを実施。「Project TRICO」として出発した本作が、今どのような段階にあるのか、そして作品で描かれるものは何なのか、わずかな時間ながらお答えいただいた。

ソニー・コンピュータエンタテインメントの上田文人氏。『人喰いの大鷲トリコ』ではディレクションとゲームデザインを手がけている


――「E3 2009」で初披露された本作ですが、現在制作はどのような段階を迎えているのでしょうか?

上田文人氏(以下、上田氏):
 ちょっとまだ言えないんですよ、どのくらいなのかは…。

――今までに公開された映像を見る限り、作品で描かれる少年と大鷲「トリコ」の関係からは悲しさを感じますが、本作の物語のテイストはどういったものですか。

上田氏:
 これまでの作品ですと物悲しい、さびしい感じがあったかと思います。もちろん本作でもそういうテイストはあるかと思いますが、でも今回は「動物」がテーマということで、少しコミカルな感じもあるかもしれませんね。

――「動物」がテーマということは、すでに公開されている「トリコ」のほかにも動物たちが登場するということですか?

上田氏:
 それもまだ言えないんですが、「動物」というのは「トリコ」のことですね。

――「トリコ」と交流する少年ですが、主人公を少年と設定していることに何か理由はありますか。

上田氏:
 ゲームデザインからの設定になっているんですが、何か障害をクリアするのは「トリコ」の方なので、主人公の年齢がもうちょっと高めだとゲームデザインの整合性が悪くなるんですね。逆に主人公が女の子だと身体能力的に足りないということで、その中間というかマッチする「少年」を主役に据えています。




――グラフィックについて伺います。プラットフォームがプレイステーション3に移行したことで、より鮮明な映像が制作可能になったと思います。そのような中で、本作はフォトリアルな映像を追及するのでしょうか、それとも幻想的なタッチを目指すのでしょうか。

上田氏:
 基本は幻想的な映像ですね。それはこれまでと同じ。ただ今回の大鷲「トリコ」については、これまでと違ったリアリティを追及した、フォトリアルな映像も追及していると思っています。基本は、人が一番リアルに感じるライン、質感であったりとか、そういったものを追及しています。

――「トリコ」の細密な描写も、フォトリアルな映像を追及した結果ということでしょうか。

上田氏:
 そうですね。特に顔のあたりとか。




――登場するキャラクタたちの動き、動作や挙動の制作に関してお話いただけますか?

上田氏:
 全部、手で動きをつけているんですよね。最近のゲームですとモーションキャプチャーがよく使われていると思うんですけど、本作では今のところすべて手で動きを制作しています。
 今回は手で付けたモーションのほかにも、プログラムによって生成されるモーションもあったりとか、物理がからんだり、より高度なモーション制御が出来ていると思います。

――プログラムによって生成されるモーションというのは、独自のエンジンからキャラクタの動きが生み出される、ということですか。

上田氏:
 ええ、そういった感じになっていますね。

――ちょっとお話は変わりますが、初披露された時の英題は『The Last Guardian』と発表されていますが、これは立ち上げ時から海外展開を視野に入れての対応なのでしょうか。

上田氏:
 そうですね。日本でも評価していただきましたが、『ICO』や『ワンダ』は海外でも高評価、好セールスだったので。

――英題の『The Last Guardian』に込められた意味を教えていただきたいのですが。邦題とだいぶ印象が異なると思います。

上田氏:
 ええ、まったく印象は異なると思います。いろいろ含みはありますし、いか様にも受け取れる題名にしてあります。

――私は『The Last Guardian』という英題を聞いてから、日本語のタイトル『人喰いの大鷲トリコ』を耳にしました。かなりショックを受けた記憶があります。

上田氏:
 僕ら的には順番は逆で、邦題が決まってから海外向けのタイトルを決める、といった流れでした。映画だとわかりやすいんですが、海外の映画は直接的なタイトルが多いですよね? 海外の場合は直接的なタイトルの方が広く受け入れられますから、できるだけダイレクトに、あまりひねらずに名前を付けています。
 逆に日本ですと直接すぎるタイトルは面白くないと捉えられたり。本作のタイトルに関しても各文化圏に合わせたものにする、という前提で検討した結果、邦題は『人喰いの大鷲トリコ』としました。

――では、最後に上田さんの作品を待っているファンの方へメッセージをお願いします。

上田氏:
 えらく長い時間かかってしまっているんですけど、できるだけ早くリリースしたいと思っています。ただ、あまり中途半端なものを出しても良くないと思うので、もう少しだけ、期待して待っていてください。

――ありがとうございました。




◆『人喰いの大鷲トリコ』
ハード:プレイステーション3
ジャンル:未定
発売日:未定
価格:未定
CERO審査:未定


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[プレスリリース]
上田文人氏新作の正式名称が『人喰いの大鷲トリコ』に決定、画像も公開
[E3 2009 特設ページ]
「E3 2009」特設ページ:プレスカンファレンス~意外なネタまで掘り起す
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※画面は開発中のものです。
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