イベントレポート
 
2億7,500万試合が生む『FIFA 10 ワールドクラス サッカー』青山で披露

2009.07.28

 
 エレクトロニック・アーツは2009年7月28日(火)、同社が展開するサッカーゲーム『FIFAサッカー』シリーズの最新作『FIFA 10 ワールドクラス サッカー』(以下、『FIFA 10』)の発表会を東京・青山の「スタジアムプレイス青山」にて開催。国内だけでなく海外からも業界/報道関係者が出席した。

発表会の会場となった東京・青山の「スタジアムプレイス青山」

※各写真をクリックすると、拡大したものを見ることができます

 『FIFAサッカー』シリーズは、世界中のサッカーを体感できる唯一のFIFA公認サッカーゲームとして、本作で10作目を数える。実際の選手のパフォーマンスや、試合結果といったデータをふんだんに取り込んでおり、シミュレータとしても高い精度を誇るのが特徴だ。
 前作にあたる『FIFA 09 ワールドクラスサッカー』からは、現実のシーズンがゲーム内に反映される「ADIDAS ライブ・シーズン」や、オンライン対戦での10対10を実現するなど、よりリアルなサッカーを追及し続けている。

 今回の発表会では、同社の関係者が登壇。プレイ画面を披露しながらゲームモードの詳細や、前作からの改善点をプレゼンしている。

シリーズと、ユーザーからのフィードバックの集大成
 最初に登壇したのは、『FIFA 10』の広報活動を担当する、同社マーケティング部の熊谷一幸氏。熊谷氏はシリーズのこれまでの展開に触れつつ、本作にかける期待を語った。

★熊谷一幸氏
 '90年代よりこの『FIFAサッカー』シリーズが連綿と続いているのは、概ね安定した評価をいただいており、何よりファンの皆さんの支持があってのことです。前作から“ADIDAS ライブ・シーズン”やオンライン対戦における10対10を導入するなど、アクションサッカーのジャンルで同シリーズはトップレベルにあると考えています。しかしながら、市場でのシェアはまだまだと捉えており、今回発表するシリーズとユーザーからのフィードバックの集大成である『FIFA 10』で、さらに訴求していきたいと考えています。

『FIFAサッカー』シリーズと最新作『FIFA 10』についてコメントする熊谷一幸氏

 『FIFAサッカー』シリーズの開発は、同社のカナダにあるスタジオにて行われている。この『FIFA 10』の開発体制も同様となっており、会場ではエグゼクティブ・プロデューサーを務める牧田和也が登壇。前作からの改善点や、新機能「360°ドリブルシステム」を説明している。

およそ10年、初代作品から『FIFAサッカー』シリーズの開発に関わっている、EAカナダ エグゼクティブ・プロデューサー牧田和也氏。『FIFA 10』の詳細な説明をおこなった

 まず『FIFA 10』の日本における発売日は2009年10月。PS3、PS2、PSP、Xbox 360、Wiiの5ハード向けにリリースされる。
 PSP版は、プロ選手を育成する「Be A Pro」モードが前作に引き続き登場、ワイヤレスLANで2人同時の対戦や協力プレイも可能となっている。Wii版は、新しいアートスタイルで描かれる選手をWiiリモコンで操作して楽しむ。シリーズの特徴であるシュミレータとしての側面よりも手軽さを重視しており、幅広い年代層が楽しめる点が特徴だ。

 会場での発表はPS3とXbox 360版に集中しており、Wii版は概要が公開された程度。PS2版に関する詳細な情報は、今回は見送られたかたちだ。

“人間らしさ”を実現する『FIFA 10』の改良点
 牧田氏が『FIFA 10』の制作に関して、「30%が新規の開発、70%が前作からの改善や修正」と語っているが、実際かなりの数の調整や、ユーザーからの要望が盛り込まれる。ここから細かく見ていこう。

●AIの判断が『FIFA 09』よりも“人間らしい”
 『FIFA 10』では、AIの判断に人間らしさを加味。ゲームの中の流れを意識してAI選手が行動するようになったので、パスやポジショニングに無理がなくなった。ディフェンス時にはAIがボール方向やスペースを意識して動く。
 たとえば、『FIFA 09』ではボールが遠くにあっても近くに寄っていてもAI選手は皆一様に「走って」いたが、『FIFA 10』ではボールから遠く離れたAI選手は歩き、近い選手はボールを確保するべく走る。こういった細かな判断が、ゲームの流れを生み出す

●パスの改良
 AI選手がスペースを強く認識できるようになったので、今までにないピンポイントなパスを繰り出せる。
 たとえば、『FIFA 09』ではパスをするとチームメイトにわたるまで約3秒かかる場面が、『FIFA 10』ではスルーパスを用いるという判断を下し、1秒ほどで完了する。

●ポジショニングの改良
 AIのポジショニングに関する思考も改良されている。『FIFA 09』では、走っているAI選手同士がフィールド上でぶつかってしまうという場面も見られたが、『FIFA 10』では選手同士が互いのポジションを意識するので、無駄な衝突が発生しにくい。

●シューティングの改良
 『FIFA 10』では、シュートを行った際のボール軌道と、シュートのパターン自体が物理演算に基づいてより忠実に調整され、実際の試合で見られるようなリアルなシュートシーンが実現する。

●ディフェンスの改良
 スライディングタックルのターゲッティングが改良されたことで、スライディングの範囲が拡大。ディフェンス能力が高い選手は、不用意なタックルを避けられるようになった。
 また、シュート体勢に入った選手がいる場合、シュートのコース上にいる選手が積極的にディフェンスにまわってクリアするなど、思考自体も改良されている。


操作性の向上、高度なプレイを生み出す「新機能」
 ここからは改良点ではなく、新機能について触れていこう。
 新機能は、「360度ドリブル」「スキルドリブル」「Freedom in Physical Play」といった3点が明らかとなっている。いずれもプレーヤー自身が選手を操る際の操作性を向上させ、さらに高度なプレイを生み出す可能性をもたらすものだ。1対1における楽しみが増したともいえるだろう。

●新機能:「360度ドリブル」
 360度どの方向へも、右足、左足と軸足を決めて、円を描くような軌道でドリブルを行うことができるようになった。ボールをより繊細に扱えるので、デイフェンダーの間のわずかな隙を突くといったプレイも実現しやすい。

●新機能:「スキルドリブル」
 PS3ではL2ボタン、Xbox 360ならLBを押すことで、ドリブル中に「スキルドリブル」を発動させられる。ドリブルに優れたプレイヤーならば、「スライドドリブル」でディフェンダーを華麗に抜き去れる。

●新機能:「Freedom in Physical Play」
 『FIFA 10』では、選手同士がボールを競り合う際のバリエーションがより多彩になった。ボールをキープする側、体を入れて奪う側、ともにお互いの動きが簡単には読み切れない。結果として、従来シリーズよりも長時間の競り合いも実現可能だ。1対1にこだわるプレイヤーには嬉しい新機能といえる。


カカ選手の高額移籍、『FIFA 10』にとっては想定の範囲内!?
 前作でも登場していた、チーム運営を楽しめる「マネージャーモード」が、『FIFA 10』ではさらに改良されて登場する。こちらもAIまわりの改良キーワード「人間らしく」と同じく、より現実に近付けるための施策が盛り込まれている。
 「マネージャーモード」の改良点は50以上にもおよび、選手が体験する移籍を、現実の名声や経験に基づいてリアルに再現することを目指している。


 牧田氏によれば、2009年6月に6,800万ユーロ(およそ92億円)という高額な移籍金でACミランからレアル・マドリードへ移籍したカカ選手に関して、『FIFA 10』でも「マネージャーモード」を使い事前にシミュレート。およそ7,300万ユーロ(およそ99億円)で移籍という結果が出たそうだ。
 金額的中とまではいかないものの、歴代記録に残る高額移籍という方向性は当たっており、開発担当者は「笑顔で満足げな様子だった」と牧田氏は話している。

2億7,500万回以上のフィードバックから成る『FIFA 10』
 牧田氏は、一連の『FIFA 10』における改良について、「『FIFA 09』のオンラインモードで行われた2億7,500万回以上のゲームプレイからのフィードバックを取り込んでいる」と語った。なお、現時点でのPS3・Xbox 360版の完成度については「65%」とし、「今後はさらに細かなチューニングを施していく」としている。
 なお、『FIFA 10』におけるオンラインモードに関しては、ドイツ・ケルンで開催されるゲームショウ「GamesCom」などで明らかにされるようだ。

 また、Wii版については「Wii用のアートスタイルで、アクションが中心としたゲームプレイを押しだしていく。Wiiはコミュニティの要素が大事なので、多人数でのプレイにも対応する予定」とし、現時点での完成度は「80%」と回答している。

★Wii版

★PSP版

◆『FIFA 09 ワールドクラスサッカー』
メーカー:エレクトロニック・アーツ
ハード:PS3、PS2、PSP、Xbox 360、Wii
ジャンル:サッカー
発売日:2009年10月予定
価格:PS3・Xbox 360/7,665円(税込)、Wii・PS2/6,090円(税込)、PSP/5,250円(税込)
CERO審査:「A」(全年齢対象)

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