インタビュー
 
「5年 10年と愛されるゲームに!」プロデューサー中尾氏に聞く『グラナド・エスパダ』
2009.07.27
 
 先日開催された3rdアニバーサリーパーティーも好評のうちに終了し、ついに4年目を迎えた『グラナド・エスパダ プラス』(以下『GE』)。
 今回は3周年を振り返って、『GE』の今までの歩みと、これからの施策について同作品のプロデューサーを務めるハンビットユビキタスエンターテインメント(以下HUE)社の中尾圭吾氏にお話をうかがった。

 一時期はBOTに悩まされた同作品も、その根絶を完了し、ユーザーが本当に楽しめるようにという想いで企画された様々な施策が動き出している。今後も定期的に開かれるというオンライン座談会やアップデート、イベント予定など、HUE社の『GE』運営チームの意気込みを感じられた。現行ユーザーはもちろん、過去に『GE』を遊んだことのある人や、他のゲームでBOTや不正者にうんざりさせられたオンラインゲーマーにも気になる内容と言えるだろう。

▲『グラナド・エスパダ プラス』のプロデューサーを務める中尾圭吾氏。インタビューはテンポ良く進行。『GE』のこれまでの問題点と、今後の方向性を明確に示してくれた

これまでの『GE』。BOTとの戦いを制するまでの道のり

――今回は『GE』のこれまでの歩みと、今後の展開についてお聞かせいただきたく思います。まず、過去を振り返ってみて、『GE』はどのように進んできたのでしょうか。

★中尾圭吾氏(以下、中尾氏)
 βテストのときまで遡ってお話ししましょう。
 『GE』は当初からシステムが独特で、3人のキャラクタを同時に操作したり、街にいるNPCを仲間にできたりといったことが可能です。開発ももちろん難しかったのですが、さらに言うと、弊社(HUE)自体にもオンラインゲーム運営のノウハウといったものがあまりなかったのも事実です。
 こういった事情が重なり、最初に入ってきてくれたユーザーさんに“いいサービス”が提供できなかったという悔いがありました。オープンβを終えて、正式サービス開始時には月額の接続料金形式だったのですが、その頃にはもう月額サービスというのが一般的ではなくなってきていたんですね。

――たしかに月額では後発というか、基本無料ゲームが台頭してきた時期でしたね。

★中尾氏
 月額サービスというのはやや敷居が高いものですよね。
 今振り返ってみて、正直に言うと、当時の『GE』は月額で続けられる内容ではなかったと思っています。

――ぶっちゃけて言いますね(笑)。

★中尾氏
 その後、2006年12月にアイテム課金制に移行しましたが、そこでかなりのユーザーさんが入ってきてくれました。一応の復活をみたんですが、まだまだ足りない点がありました。特に何が足りなかったのかと言いますと、BOTの対応なんですね。
 2007年度のお問い合わせ窓口の内容をまとめた資料があるのですが、BOT報告が34%にのぼっていて、ダントツの1位です。意見・要望(4%)や不具合報告(16%)、ローカライズの問題(1%)といった、ゲーム本来のお問い合わせと比べてあまりにも多い。


――かなり細分化されたリストですが、一目見てBOTの割合が多いですね。やはりBOTはプレイしていて一番目につくものですからね……。

★中尾氏
 この資料からもわかるとおり、BOTの根絶というのはユーザーさんの切実な思いなんですね。というか、プレイする側からしてみれば当たり前ですよね。こんな状態ではいいサービスを提供するのは難しいということで、力を入れてBOT対応に取り組みました。どのようにBOT対応を行ったかという点についてお話ししましょう。

 まず、BOTを隔離するためのマップとして監獄エリアというのを作りました。この監獄エリアには1Fと2Fの2種類があります。1Fは、ユーザーさんが見かけた怪しいキャラ(家門)を閉じ込める場所になっています。申告を受けた家門のプレイヤーの画面には文字入力を受け付けるウィンドウが表示されます。一定時間内に正しい入力ができれば、そのままプレイを続行することができますが、反応しなかったり間違えたりすると投獄される、という仕組みですね。

――まさに監獄送りなわけですね。

★中尾氏
 はい。ただ、1Fは内部で努力をすれば脱出できるようになっているんです。門番に話しかけて、要求されるアイテムを正確な数だけ持って行くことで一般フィールドに出ることができます。
 一方で2Fですが、こちらは運営チームメンバーだけが(家門を)送ることのできるエリアです。完全に「黒」だと判断された家門だけを送り込みます。こちらには脱出方法はありません。

 このシステムは昨年から導入したのですが、『GE』ではシステム的にセミオートプレイ(放置狩り)もできるため、その間に監獄1Fに飛ばされてしまうということもあり、ユーザーさんも1Fは見たことのある方もいるのではないかと思います。運営チームでも疑わしい家門を1Fに送ることがありますが、そこで黒と判定されると2Fへ送り込みます。最初から黒と確定した家門はいきなり2Fに送ることもありますが、一応、弊社ではこういった2段階の措置を取っています。

――2Fに送られた家門が実は放置していただけ、ということはないのでしょうか。

★中尾氏
 それはないですね。1Fへ送る段階でも、セミオートプレイ中には絶対に行えないような挙動をしたときのみ送るようになっています。
 例えばキープモードによるセミオートプレイ中には、スキルを使ったり、遠くに落ちたアイテムを拾いに行くといった動作ができませんよね。こういった際にスキルを使用したりアイテムを拾ったりすると文字入力ウィンドウが表示されるようになっています。ただ、プレイヤーが文字入力を間違えてしまうといったミスはあるので、そういった場合は監獄1Fに飛ばされてしまうことになりますね。

――なるほど。

★中尾氏
 監獄エリアへの投獄数は2008年1月〜4月がピークでした。1月2月にノウハウを蓄積し、3月にはそれまでと比べて投獄数がほぼ倍増し、さらに4月で最大数を記録しています。それまでのBOTは、いくらアカウントを凍結しても新しいアカウントで復活するといういたちごっこ状態だったのですが、3月4月の徹底駆除で“撤退”し始めたんですね。さらに、BOTの倉庫用アカウントやBOTがどんなことをされると困るのかといったことを徹底的に調査して対応を行いました。
 また、BOTプログラムを使っていたユーザーにも「使わないように!」との告知を行い、抑止力を働かせました。現在は処理アカウント数もさらに減っていまして、ゲーム内にBOTを見かけることはほぼないと思いますよ。少なくとも一般に“業者”と呼ばれるような大量投入者はもういません。

――特に日本のユーザーはBOTや業者といった者への反発が強いですからね。

★中尾氏
 まさにそのとおりです。BOTアカウントが撤退すると、数値上はいったん接続数が減少しますが、その後徐々に接続数が増加してきたんです。それまでは本来のお客様であるユーザーさんに楽しんでもらえていなかった状況だったということなんです。

――楽しめればコミュニティが広がり、外から人がさらに入ってくるということですね。

★中尾氏
 はい。それとゲーム内の経済バランスに関しても正常化しました。BOTによって資産を築くことができなくなりました。せっかく苦労して手に入れたアイテムもBOTによって大量に産出されている状況だと興ざめですからね。
 まだ個人でBOTプログラムを使う人も、ごく少数ですが確認していますので、発見次第随時対応しています。個人的には利用規約を守ってくれない人はユーザーだと思っていませんので容赦しませんよ(笑)。

――なるほど(笑)。

★中尾氏
 BOT利用などの不正行為は、ユーザーごとに世界が閉じているならまだ甘く見ることもできますが、ゲーム内の空間は全ユーザー共有のものですからね。マナーやルールはしっかり守ってもらわないといけません。
 このようにBOTへの対応が改善した結果、2007年と2008年ではユーザーさんからのお問い合わせ統計ではBOT報告が5分の1に減少しました。2008年の報告も、4月までのものがほとんどで、後半にはBOTに関するお問い合わせも激減しています。まだ統計は出していないのですが、2009年の上半期ではBOT報告はほとんどなくなっています。

――BOTへの対応的には、BOT使用が発覚してから監獄へ投獄し、BANを行うという感じなのでしょうか。それともアカウント登録の段階からチェックを行う、いわゆる水際処理なのでしょうか。

★中尾氏
 両方ですね。登録時に同一IPから大量に登録してきたりといったものはまず怪しいですよね。対処法が発覚すると裏をかかれますので詳しくは言えませんが、ほかにも様々なチェックを行っています。ゲーム接続後もアイテムをどういった経路で流しているのかなど、逐一チェック体制が整っています。それと、BOTを使うことにより得られるメリットや収益を先回りしてカットしておくことで、業者に“旨み”がない状態にしておくことも重要ですね。

――このゲームでは稼げないとわかれば撤退せざるをえないですからね。

★中尾氏
 それと、ユーザー個人で使用するBOTプログラムにしても、こちらはちゃんと監視できているということをアピールしていくのも大事ですね。疑わしい人には注意文を送ったりしています。
 また、以前は1つのメールアドレスで複数のアカウントを作成できたんですが、弊社のポータルサイトが「ハンビットステーション」になった段階で今後はそういったことができなくなっています。
 今は検討段階なのですが、フリーメールアドレスでアカウントを取れないようにするなどの措置も考えています。

――通常ですと、間口を広げる意味合いでフリーメールOKとしている運営会社も多いですよね。ですが、それを差し引いてもBOT被害をなくしたほうが人が集まってくれると見越してのことでしょうか。

★中尾氏
 各社さんいろいろな対応を取られていると思いますが、以前はフリーメールアドレスがOKだった会社さんでも、徐々にプロバイダメールアドレスでないとアカウントが取れないように移行しつつありますね。特に『GE』に関しては新規ユーザーをたくさん集めるという時期でもないですよね。やはりお客さんに長く楽しんでいただくために、不快に思われるものをすべてカットしていかなければならない、という方向で進んでいます。

――ただ、そうはいっても、現在はフリーメールアドレスしか持っていないという人も多くなってきていますよね。

★中尾氏
 そうですね。もしフリーメールアドレスによる登録をできなくする場合には、フリーメールしか使えない人用の入口を作るつもりではあります。現状ではまだいろいろ問題があるだろうということで、検討段階なんです。わざわざプロバイダメールアドレスを取ってくれと言っても、お金もかかりますからね。

――悩みどころですね。

★中尾氏
 はい。ただ、現状の『GE』ではそれだけ不正者対策を重視しているということでもあるんです。

――ところで不正者からの問い合わせも少数ながらあるということですか、これはどんなことを聞いてくるのでしょうか。

★中尾氏
 いろいろありますが、カタコトの日本語で「わたしはなにもしていません」みたいなメールが送られてきたり、どう見ても機械翻訳したヘンテコな文章でメールがきたり(笑)。ただ、その中でも2割くらいはちゃんとした日本語で丁寧なメールがきたりします。そういったものも、改めてチェックしてみると完全に黒だったりします。最初の調査の段階でも対応フローや図などを作って照らし合わせて処分を行っていますので、判断を覆すことはまずありませんね。

――そこまでの処理機構を作り上げるには相当の苦労があったように思いますが。

★中尾氏
 そうですね。社内のリソースをかなり注ぎ込みました。同時に、2007年当時はゲーム的なコンテンツも十分とは言いきれなかったので、アップデートにもいろいろと必死でした。オープンβテストのときから言われ続けていた項目として、サーバの安定化が1番だったのですが、それと同時にゲームコンテンツが足りないということだったんですね。



ユーザーとの距離を縮めた「オンライン座談会」

――最近は座談会なども行われて、非常にユーザーとの距離が近い対応をされているな、という印象があるんですが。


★中尾氏
 我々がこんな風に取り組んでいますよ、ということを伝えたり、なによりユーザーさんからの意見を取り入れたいと思って行っています。一番大きいのは“ユーザーさんと一緒にゲームを作っていきたい”という気持ちですね。
 開発側としても、ずっと同じゲームを開発していると、ユーザーさんの生の意見というのが見えなくなってくる部分もあると思うんです。我々運営会社は開発とユーザーさんの結束点にいますから、ユーザーさんの正しい意見を伝えるためにも、座談会などを開いて、その意見をまとめ資料にして開発に伝えていくというのは非常に意義のあることだと思っています。意見が食い違ったときにも開発を説得する材料にもなりますので。先日のオンライン座談会ではこんな意見が出ていますよ、と言えますから(笑)。

――オンライン座談会は非常に難しいというか、ほかの運営会社さんを見てもあまり大々的に開いているところはないですよね。

★中尾氏
 オフラインでもイベントを行ったりしましたが、ゲーム内の意見は今後もオンラインで座談会を開いていくつもりです。オンラインであれば家から参加できますし、いつも遊んでいる仲間といっしょに相談もできますからね。
 例えば、ちょっとココは文句言ってやろうだとか(笑)。オンライン座談会に関してはまだまだノウハウも足りていない部分があるので、今後そのあたりを改良しつつ定期的に要望を集めていきたいと思っています。

――オンライン座談会において、第1回目は初めて運営会社と直接対話できるということもあって、ユーザーさんの意気込みも凄かったんじゃないかと思いますが、感想などを聞かせてもらってもいいですか。

★中尾氏
 最初は怖かったです(笑)。顔が見えない分、ユーザーさんも容赦がありませんから、その勢いに耐えられるのだろうか、と。
 でも第1回を行った段階で、オンライン座談会を行う価値を見出せました。正直、オフラインのほうがいろいろな面で楽だと思うんですが、でも逃げちゃだめだなと。最近はユーザーさんとの距離もだいぶ縮まったんじゃないかなと思っています。

――回数を重ねていくうちに運営会社がちゃんと対応してくれるんだというのがわかってくれば、例えば最初は攻撃的な口調だった人も冷静に話し合えるようになりますよね。

★中尾氏
 運営会社というのはユーザーさんの遊ぶための場づくりを担当するわけですから、ユーザーさん的には厳しめの意見を言って、運営会社そのものを試したいという気持ちもあると思うんです。逆に、オフラインだとユーザーさんが遠慮してしまう面もあるんじゃないかなと。

――我々はオフラインイベントの取材などにもよく行きますが、普段のゲーム内のユーザーの発言と比べるとやはり大人しいですからね。ゲーム内だと勢いも普段のままいけるというか、過激というか(笑)。でも容赦ない発言がありがたい面もありますよね。

★中尾氏
 役立つ意見なんですよね。例えばあるコンテンツにしても「いらない」と一刀両断されてしまっても、それがユーザーの素直な意見として非常にわかりやすい。逆に欲しいものは欲しいと言ってくれますからね。

――公式ページに座談会報告が掲載されているのも嬉しいところですね。

★中尾氏
 できないことはできないと言っちゃっていますが。第1回座談会のぶんはまだ30%くらいしか実現できていないんです。残り30〜40%がまだ対応中で、残りの30%くらいが見通しが立っていないという状況です。

――ユーザーの要望とはいえ、すべてすぐに対応できるというわけではありませんからねぇ……。

★中尾氏
 でも、できないことを隠してもしょうがないんです。オンラインゲームはサービス業なので、できないことをはぐらかして半年とか1年引き伸ばしてからできませんというと、余計に信用が落ちてしまう。ある程度情報を公開して、「これはできる」「これはできない」という方向性を示していかないと、ユーザーさんとの長い付き合いはできないと思うんですよ。



ミフユも実装!イベント攻勢で挑むこの夏の『GE』施策

――これまでは『GE』開発元であるIMC GAMES社のキム・ハッキュ氏などが開発の方向性などをお話しされていましたが、運営サイドと開発サイドの差異というのはないのでしょうか。

★中尾氏
 ほぼないですよ。キム・ハッキュさんはすごくユーザーを大事に思っている方で、要望に関しても実現的に可能であれば作ってくれますね。キム・ハッキュさんにお話ししてもらったという理由は、ゲームコンテンツというのは開発者の手柄だと思っているからです。その手柄を我々運営会社が作ったかのようにお話ししてしまうのもどうかと思っているからなんですよね。

――日本オリジナルコンテンツというのも増えてきていますが、運営会社側で提案して開発してもらうコンテンツもありますよね。

★中尾氏
 はい、開発チームとは定期的に顔を合わせて会議しています。もちろんメールや電話でも打ち合わせはするのですが、顔を合わせないと微妙なニュアンスが伝わらなかったりするんですよ。

――なるほど。では、これまでのお話をうかがったところで、今後のお話に移りたいのですが。

★中尾氏
 はい、BOTもいなくなり、ゲーム内も安定してきたのを受けて、今後はさらにイベントなどに力を入れていこうと思っています。まずはワールドトーナメントが始まりますが、今までは参加している方しか盛り上がれないというご意見が多かったんですね。ワールドトーナメントというのは、各サーバーから2党(他のゲームで言うところのギルド)を選出して、専用サーバーで覇権を争うというイベントなんですが、専用サーバーで行うため、参加者以外がリアルタイムで見られなかったわけです。今回はリアルタイムで中継配信を行うとともに、見ている側のユーザーさん用のイベントを行います。

――生放送はやはりニコニコ動画で?

★中尾氏
 ニコニコ動画さんに、「はんびっとちゃんねる」という専用のチャンネルを作っていただいていますので、そこでリアルタイム中継を行います。
 サッカーのワールドカップとか、あるじゃないですか。僕も録画したりするんですが、家に帰っても録画した分を見ないことが多いんですよ。リアルタイムじゃないと盛り上がれないというか。前回のワールドトーナメントも、録画したものを後日公式ページで配信したりしたのですが、思ったより見て頂けなかったという結果になりました。自分たちもイベントが終わってから見なおしたんですが、やっぱりリアルタイムのときほど面白く見られなかったんです。「ああ、リアルタイムでこそ意味のある情報なんだな」と改めて思いましたね。

――なるほど。今回は中継をリアルタイムで見ながらゲーム内チャットで盛り上がることもできるかもしれませんね。

★中尾氏
 それと、今回でワールドトーナメントも4回目になり、党の選出基準も変更しました。今まではコロニー戦の成績のよかった党と、ログイン率が高かった党を選出していたのですが、本当に強い党が選出されていないだとか、サーバーの代表としては相応しくないという意見が多かったんです。今回は王党派と共和派の各代表(ユーザー自身が選挙で選ぶサーバー内の代表ユーザー)の意見を踏まえたうえで党を選出しました。

――よりワールドの総意、人の意見が反映された党が選出された、ということですね。

★中尾氏
 そういうことになります。正直なところ、昔だったらそんな選出方法は怖くて取れなかったと思います(笑)。ユーザー座談会などを行ってみて“行けるだろう”という手応えがありましたので、そんな方法が取れたんです。

――それもオンライン座談会のいい影響なんですね。

★中尾氏
 そうですね。ユーザーさんとの距離が縮まった分、言いやすくなったという面があります。イベントもよかった点悪かった点などいろいろあると思うんです。悪かったと言われて縮こまってしまっては意味がないと思うんですね。いろいろと新しいことを行ってみて、座談会でよかった悪かったという話をし、サービスを昇華させていくことが大事だと考えています。今回のワールドトーナメントも、終わったあとで座談会を行うのが楽しみです。

――3rdアニバーサリーパーティーでは7月28日、または8月4日に、キャスト募集コンテストでグランプリになった「ミフユ」が実装されるというお話でした。イベントでの配布を予定しているとのことですが、イベントということは期間限定なのでしょうか。

★中尾氏
▲ユーザーデザインの新キャスト「ミフユ」
 期間限定です。ただし、イベント期間は長く取ろうと思っていますし、取得パターンも2種類用意しますので楽しんでもらえればと。そのイベント後、一切配布することはないのか? と言われると、そういうことはないかもしれませんが。
 『GE』って、キャストカードが有料というイメージが強いんですよね。今回、まずはそれを払拭しようという狙いもあるんです。ユーザーさんに考えてもらったキャラクタをユーザーさんからお金を取るといのはどうなのかという意見も社内でも多いですし、ではイベントで配布してみよう、と。
 実際前回のアルセンサーカスアップデートくらいからは有料ではないキャストも導入しているのですが、だんだんそういう方向に動いているという感じです。
 現時点では、有料キャストとそうでないキャストと半々くらい。特にミフユは注目されていると思いますからね。レベルの低いユーザーさんも高いユーザーさんも、全員が入手できるイベントにしようと思っています。

――気になるのはミフユのスタンスですが。

★中尾氏
 ひとつだけ言っておくと、結構強いです(笑)。それと、だいたいは作者さんの要望通りになっていると思います。

4つのマニュフェストを掲げさらなる発展を遂げる『GE』

★中尾氏
 『GE』はセミオートプレイで放置したり、ウィンドウを裏に回して別のことをやっているという状況も多いんですね。こうした場合でも『GE』はCPUを占有してしまい、別作業が非常に重くなってしまうんです。今回、『GE』のウィンドウを裏に回したり、最小化したりした場合にグラフィック描画を停止させる機能がつくようになります。実際ゲームは動いているのですが、描画の演算を止めることでCPUとグラフィックボードの負荷を減少させることができます。ほかのゲームと同時にプレイすることもできますよ。

――仕事しながらやっていてもいいですね。

★中尾氏
 『GE』は社会人プレイヤーの人も多いですからね。今回のこの機能の意図というのは、『GE』はレベル上げ自体はそれほど苦労をしなくてもいいのではないかという思いからなんですね。モンスターの湧き量やキャラクタの構成などを考えて配置して戦略を楽しむというか。
 一方で、手動でプレイするのはダンジョンであるとか対人であるとか、ボス戦であるとか、“狩り”ではない面白みのあることを提供していきたいなと。家に帰ってゲームを起動して、2時間モンスターを倒して終わりというのでは寂しいじゃないですか。もちろんレベル上げも手動のほうが早いのですが、選択肢はたくさんあったほうがいいですから。
 また、レベルを上げるだけではなく、どうやって遊ぶのかというのをユーザーさんに提供していけたらという意味合いもありますが、もうひとつ意図があって、できれば弊社のほかのゲームを遊んでいただきたいということなんですね(笑)。

――なるほど(笑)。

★中尾氏
 先日アップデートした『POKIPOKI』ではnProtectを外したりしているんですが、実はこれは『GE』と同時起動できるようにという意図もあるんです。例えば『GE』のコミュニティを『POKIPOKI』で作っていただいて楽しんでいただきながら「キミ『GE』のほうの家門が全滅してるよ?」みたいに会話してもらうといったことも可能だと思うんです。弊社のIDを持っていれば全コンテンツが遊べますので、そういった活用をもっともっとしてもらいたいという戦略の一環なんです。
 このような感じでゲーム内もどんどん変えて行く予定なんです。
 たとえばボスモンスターはサーバー内で数が決まっているのですが、いざ倒そうと思っても他人が倒した直後だったりして、時間の拘束が激しいんですね。人数が集まったからボス討伐に出かけたけど、もういなかった……という状態だと盛り上がらないんですね。今後は好きなときにボス討伐に挑戦できる形態に変えていきたいと思っています。具体的にはインスタンスミッションというかたちになります。

――最近ミッション型クエストが増えてきていますが、やはり好評ですか?

★中尾氏
 あれはもともと日本からの要望で作られたものでして、非常に好評ですね。特にボスモンスター討伐は大変だったんですよ。「ボス戦まで十何時間も待てるか!」みたいな声も多くて。
 そもそも“挑戦できない”というのはどうなのかと考えて、ミッション型にしたんですね。そこから努力する人は何度も挑戦すると思いますが、とにかくまずは討伐感といいますか、そういうものを提供したかったんです。土日しか接続できない人だと、ボスがほかの人に討伐されてしまうと挑戦すらできないですから。

――もちろん、世界の中に1匹しかいないモンスターを倒すというのもいいけれど、それだけではいけないと。ミッションタイプでない場合は「ボスを倒せなくて悔しいから明日休んじゃおう!」みたいな人もいるかもしれませんよね。

★中尾氏
 実生活と『GE』が共存できないと、長続きしないと思うんですよ。とにかく生活の一部に組み込んでもらえるようなゲームを目指していくことですね。実際、復帰率も高いのが『GE』の特徴なんです。
 ずっと接続していなかったけれど、何かの拍子で『GE』に戻ってくるという方が本当に多いんですよ。アップデートの直後に遊んで、しばらくするとまた休む、を繰り返している方もいますし、定着というか、愛されているゲームなんだなと感じますね。

――復帰しやすいというのは大きいですね。

★中尾氏
 やはり月額課金でなくなったということが大きいですよね。いつでも戻って来られる、家みたいなゲームを目指していきたいですし、そのためにもユーザーフレンドリーな環境を整えていきたいと考えています。『GE』は最初は月額というのももちろんでしたが、グラフィック精度が高く、要求スペックも高かったんですね。
 実は、昨年くらいまでは要求スペックの低下施策というのを真剣に協議していたんです。最終的にグラフィックのクォリティを落とさないためにも廃案になったんですが、その考えが今回の最小化時のグラフィック描画停止などの機能につながっているわけです。
 この他にも、ユーザーさんがモンスターや他キャラの描画量を設定できるオプションを付け加えたりして、スペックの敷居を低くする努力をしています。それに、今回の描画停止機能に関しては、CPUやグラフィックボードの寿命を延ばすという効果もありますからね。

――韓国のバージョンで言うと4.0.00アップデートで実装されるオプションになりますね。

★中尾氏
 はい。まずは韓国のほうで様子を見てからの実装になると思います。あちらを実験に使っているように見えて申し訳ないのですが、安定化するまでは日本にアップデートしない運営方針なんです。

――海外ユーザーはバグに寛容というか、あまり気にしない方が多いですが、日本のユーザーは厳しいという話をよく聞きますね。

★中尾氏
 実は韓国に先んじて日本でアップデートすることもできるんですが、テストなしでのアップデートはバグによってユーザーさんの不評を買う可能性が高いため、行うつもりはありません。
 これは韓国側にも伝えてありまして、致命的なバグがなくなったものでない限り日本にはアップデートしません、と。

――ところで、韓国4.0.00アップデートではチュートリアル部分のアップデートも行われますが、これは日本の要望も入っているのでしょうか。

★中尾氏
 はい、共同で考えたコンテンツで、多くの意見を取り入れてもらっています。例えば、日本のコンシューマゲームってチュートリアルがすごくわかりやすいじゃないですか。コンシューマゲームを見習うとともに、初心者ユーザーさんがどんなところでストレスを感じるのかといったことを徹底的に研究して構築していくつもりです。

――初期に比べコンテンツが増加したぶん、導線の整理が必要なのかなと感じる部分もありますね。

★中尾氏
 それと、コミュニティの部分が弱いと感じているんですね。
 これまでも家門同士のつながりを強めるようなシステムなどを導入しましたが、それでもまだまだ弱いと感じているんです。コミュニティ関連のアップデートは必ず増強しなければならないと考えています。
 さらに、『GE』は、特に序盤においては取引が盛んにならないんですよね。1人で複数のキャラクタを扱うので、ドロップされるアイテムや入手できるアイテムが全部必要なものになります。そのあたりも手を入れたいところですね。

――この夏はワールドトーナメントとミフユ入手などのイベントが目白押しといった感じですが、その後の『GE』に関してお聞きしたいと思います。4年目の『GE』のキーワードは「チャレンジ」とのことですが、今まで行っていないようなイベントや施策を取り入れていくということでしょうか?

★中尾氏
その通りです。今まで前例がないようなイベントに取り組んでいきたいですね。イベントは毎回ユーザー様からシビアな評価をいただけるので、いただいた意見やアイデアを上手に組み上げれれば、絶対にもっと面白くなるはずです。
 プランナーは冷や冷やしてるかもしれませんが(笑)、オンライン座談会も定期的に実施していますので、もっとユーザーの方が自由に参加できる形式のイベントを増やしていきたいんです。

――3rdアニバーサリーパーティーで「3ヶ月に1度のオンライン座談会を実施」「毎月、最低2本のイベントを開催」「BOT撲滅活動の継続実施」「3ヶ月ごとの大型アップデート」という4つのマニュフェストを誓っていましたが、自信のほどをお聞かせください。

★中尾氏
 かなりシビアな条件でしたね。見てビックリしましたよ。頑張れば出来ない内容は無いと思っていますので全部やりきってみせます!
 しかし、どの公約も体裁じゃなくて中身が1番大事なので公約よりも中身に力を入れて取り組んでいきたいですね。
 公約も達成しますが(笑)

――最後に、4年目の『GE』の目標と、ユーザーのみなさんへ一言お願いします。

★中尾氏
 『グラナド・エスパダ プラス』は、まだまだ5年、10年と皆様に愛されるゲームとして世界を作り上げていけるようにユーザーの皆様とご一緒にサービスを作り上げていくつもりです。今後もよろしくお願いいたします。

――本日はお忙しい中ありがとうございました。



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■関連リンク
『グラナド・エスパダ プラス』公式サイト

(C)2003-2009 IMC Games Co.,Ltd. Published by Hanbit Ubiquitous Entertainment Inc.


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