2009年6月15日(月)より正式サービスが開始された“クリエイティブRPG”『蒼空のフロンティア』。サービス開始後、これまでに発表されたシナリオ約30本全てが満員になるなど、好評を博している。
本作は、Webブラウザ上でプレイできる基本登録無料のオンラインゲームだ。最大の特徴は、ユーザー自身が物語を作成する「テーブルトークRPG」のようなシステムが採用されている点。ユーザー自身がシナリオを作成し、さらにイラストやキャラクタボイスを発注することで、オリジナルの物語を体験できる。
今回、『蒼空のフロンティア』を運営するフロンティアワークスにおいて、プロジェクトのキーマンであるチーフプロデューサー・雑賀寛氏と、チーフディレクター・栗田真樹生氏にお話しを伺った。企画を立ち上げた経緯や、本作と現在のオンラインゲームとの比較考察、今後の展開までじっくり語っていただいた。
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| インタビューに応じていただいたフロンティアワークスのおふたり。左から、『蒼空のフロンティア』チーフプロデューサー・雑賀寛氏、同チーフディレクター・栗田真樹生氏 |
――ではまず、『蒼空のフロンティア』というプロジェクトが立ち上げられた、そもそもの発端からお話いただけますか。
★栗田真樹生氏(以下、栗田氏)
昨年の秋に、今回のプロジェクトの話が持ち上がりまして、アナログ系ゲームの運営経験などがありました雑賀にオファーが来たのがきっかけです。
そのあと、やはり同種企画の製作・運営の経験が豊富ということで私にお誘いがかかりまして、『蒼空のフロンティア』という企画を立ち上げることになりました。
当時私はコンシューマータイトルの仕事をしていたのですが、過去の経験を生かしてより魅力的なゲームが作れるのではないかということ、同時に本企画は他のゲームとの決定的な「魅力的な差別化」を計れるのではないかと思い、参加させて頂くことにしました。
――『蒼空のフロンティア』がほかの、いわゆる一般のオンラインゲームとは何が異なるのか。その着想を語る上でテーブルトークゲームは外せないと思うのですが。
★栗田氏
今、テーブルトークRPGブームと言われていますが、それでも往年の盛り上がりほどではなくて、自分たちで考えて遊ぶゲームを作っていこうという流れは廃れているのが現状です。でも、中には、僕らがタイアップしている「手書きブログ」さんとか、雑誌の投稿コーナーなどに似た性質のものが生き残っていて、「ユーザーが物語を生みだして楽しむ」という行為は完全に消えていないと思うんですね。
私自身のお話をしますと、テーブルトークの世界に触れてから、コンシューマ業界に入ったものですから、やっぱり心残りはあったわけです。その時、ちょうどいいところで今回のプロジェクトに加わった、という感じで現在に至ります。
――栗田さんとしては、かつてのテーブルトークゲームのように、アナログな何かをやりたかったということですね。
★栗田氏
やりたかった、というのはありますね。それが会社のコンテンツとしての独自性とウリになると思っていましたし。
アナログのゲームって、もちろん映像や音声はないのですが、「他者と繋がっている」と感じる瞬間があるんですね。それは人とやり取りしているから生まれるもので、MMORPGの「一緒に冒険している」という感触と共通する部分もあるんですが、やっぱり違うものなんです。よく、今はMMOのゲームがあるんだから、テーブルトークゲームなんていらないと言われるんですが、そうじゃないんです。
――少し脱線しますが、テーブルトークゲームの本場といえばアメリカですよね。日米のテーブルトークの違いはありますか?
★栗田氏
アメリカのテーブルトークの完成形は、今のMMORPGではないかと個人的には思っています。その根底にあるのは「すごい自分を見てくれ」というものなんですね。それが完成形としてあったので、MMORPGにしろ、たとえば『セカンドライフ』のような革新的なサービスにしろ、コミュニティの終着点がさっき言った「すごい自分を見てくれ」になるんです。『D&D』にしても、キャラクタを成長させて偉くなっていくという、まさにアメリカンドリームそのもののゲームでしたし。
もちろん、アメリカと日本のRPGの広がり方というのは違いがあります。日本のRPGは、アニメやマンガ文化の影響を色濃く受けていて、そのようなストーリーを遊ぶという方向に進化してきたと思っています。テーブルトークRPGにしても、郵便のやり取りだけで物語を進めていくという遊びが日本独自で進化しました。私としてはその流れを絶やしたくなかったですし、そこで何かを生み出したかったということです。
――考えてみると、コミック誌や雑誌などの読者がイラストやネタを送ってきてコーナーを成り立たせるというのは、日本独自のコミュニティですよね。
★栗田氏
そうですね。そういった雑誌などの投稿コーナーから、プロのクリエイターが生まれてくるという仕組みも日本独自ではないでしょうか。今はその部分を同人やウェブ上の2次創作が担っていると思いますが。
| 今のMO/MMORPGは、創造性を発揮できるものが少ない |
――雑賀さんはこの『蒼空のフロンティア』の船頭というべき立場ですが、立ち上げの意図を聞かせてください。
★雑賀寛氏(以下、雑賀氏)
私がアナログ感のあるゲームに魅かれる理由のひとつは、「妄想が形になる」ということです。つまり、ユーザーが想像力を使って生みだしたものが、運営側の力によって具現化されるという点です。かつてのテーブルトークゲームは数人で「妄想を形にしていた」わけですが、数千人、数万人で大きな妄想を具現化して共有するという感覚が何ものにも代えがたいという想いがあり、『蒼空のフロンティア』に着手しました。
『蒼空のフロンティア』は、サーバーによってパラレルになっているMOやMMOタイプのオンラインゲームとはちがいます。そういったゲームでは、各サーバー内は擬似コミュニティになっているわけですが、サーバーが違えば同じゲームをプレイしているファンというだけでなんですね。
たとえば、ゲーム内のコミュニティを縦軸、創造性を共にするという要素を横軸とすると、既存のオンラインゲームには横軸の要素があまり見られないわけです。もし、MOやMMOタイプのゲームで横軸の要素があるとするなら、運営会社のゲームマスターがアナログで、リアルタイムに進行させるゲーム内イベントなどが、その稀有な例にあてはまるのではないでしょうか。そのような手でつくりあげるイベントであれば、さきほど栗田が言ったような「他者と繋がっている」感覚を強く感じられるはずです。残念ながら、今は多くのオンラインゲームでほとんど見かけなくなっていますが。
――では、『蒼空のフロンティア』はゲームそのものとしての縦軸、物語や創造性といった横軸の両方を兼ね備えたコンテンツを目指すということでしょうか。
★雑賀氏
その通りです。つまり、ファンとしての仲間意識やシンパシーの形成と、自分たちで具現化させた妄想をゲームの中で同じように体験したんだという共有感を、ユーザーの皆さんに味わっていただきたいということです。そのようなコンテンツをインターネットを介して実現させたいというのはずっと考えていたことですので、今後もその想いを忘れずプロジェクトに関わっていきたいと思います。
――『蒼空のフロンティア』では特に、共に物語を生む/共に体験するというユーザーの創造性による横軸のつながりを大事にしたいと。
★雑賀氏
結局、参加者自身が創造性を発揮するということが、この8年くらいにわたって展開されてきた在来型のMO/MMORPGには欠けている要素なんです。
――確かに、在来型のオンラインゲームは受け身な楽しみ方が中心にはなってきますね。
★雑賀氏
いえ、すべてが押し並べて受け身というわけではありませんよ。私自身、ここ何年か日本最大と言って過言でないMMORPGの運営に携わってきましたが、中には制約のある中でも創造性を発揮しているユーザーさんや運営者がいるんです。たとえば、数人のユーザーが自身のキャラクタに役をつけて、広場で劇を披露していたりするんです。集まるユーザーの中にはその劇のファンまで出現していましたね。とはいえ、それはメインストリームには成りえないんです。
私もゲームマスターとしてゲーム内で姿を消して、そういった劇を覗かせてもらったことがあるんです。確かに、劇の創造性は素晴らしいものがあるんですよ。でも、システムとして施行されてはいないんです。とあるカジュアル系MMORPGには、ゲーム内で作曲をすることができるんですが、あれこそ創造性をシステムとしてバックアップしている上手な例でしょうね。個人的にはああいったシステムが、今のMMORPGにはもっとあってもいいと思っています。
逆に、『蒼空のフロンティア』が名乗っている「クリエイティブRPG」というジャンルでは、創造性が基準になってきます。というより、自分で創造性を発揮しないと物語が前へ進まないくらいです。
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| 雑賀氏の語った「縦軸」と「横軸」の関係を図であらわしたものがこちら。縦軸が「コミュニティの深度」、横軸が「参加者自らが創造性を発揮できるかどうか」を示す |
| 「クリエイティブRPG」が目指すのは、横軸+縦軸の融合 |
――上記の図を見ると、今までのゲームはオンライン/オフライン問わず創造性を発揮できるタイプの作品が少なかったということになりますね。
★雑賀氏
そうですね。ただこれは欠点として挙げているわけではなくて、仕様上、ユーザーさんがゲームに対して直接創造性を入れ込む余地がなかったということです。アーケードゲームなどでは高得点を出せばランキングに名前を入力できるので、そこで何か変な言葉を入れたりできましたけど…。特に、黎明期のビデオゲームにはランキングでの名前入力くらいしか個性を出せる場がなかったわけです。その後、家庭用のゲームは対戦機能、近年ではオンラインで結んでの大規模な対戦を実現しました。
――結果として、家庭用ゲームのコミュニティは深まりましたよね。創造性が発揮できているのかといえば、それは別の話ですが。
★雑賀氏
場を共有していく中で、その場限りの創造性というのはあると思うんですよ。とんでもない作戦を思いついたり、誰も見たことがないスーパープレイを披露して場が盛り上がったりとか。ゲームってそういうのが楽しいじゃないですか、みんなが勝つために必死になるわけですし。それがコミュニティを深くして、新しい遊び方を生み出している。
コミュニティの形成と遊び方の提案というのはMMOでは昔からありますし、MOでは毎日がコミュニティ形成と遊び方の提案が行われていますが、家庭用ではまだそれほど浸透していないですね。
以上のように、家庭用はもちろん、オンラインゲームでもコミュニティは深まってきてはいるものの、ユーザーさん自身が物語を紡いでいけるほど、創造性を許容するゲーム作品はほとんど出てきていません。そこから先へ踏み込むことが、私たちの役目ではないでしょうか。
――コミュニティ形成というのは、近年のオンラインサービスにおける重要なポイントですよね。
★雑賀氏
今のMMOやMMORPGですと、ユーザーさんはログインしているだけで楽しいという状況になっていますよね。それはコミュニティあってのことだと思います。また、ゲーム以外のジャンルに目を向けてみると、コミュニティの形成に成功しつつ、ユーザーさんのクリエイティビティを上手に発揮させているサービスも見られるようになりました。視聴中にコメントできる動画投稿サービスなどは、それにあたりますね。
★栗田氏
僕がここ何年かで一番衝撃を受けたオンラインコンテンツは、「ケータイ小説」なんです。今まで小説に触れることのなかった層に、メール文化を通してクリエイティビティの裾野を広げていったわけですから。
★雑賀氏
「ケータイ小説」では、文学に埋没して本の虫のようにならなくても、メール文化から一歩先へシフトするだけで、一種の擬似作家になれてしまう。そこからベストセラーや映画が出てくるというのは、すごい現象だと思いますね。
――さきほどの図でいいますと、横軸を果てしなく広げていったのが、「ケータイ小説」のようなサービスなのでしょうね。
★雑賀氏
間口の広さという点では、「ケータイ小説」は参考になります。『蒼空のフロンティア』は先ほど言いましたように、ユーザーさんに創造性を発揮していただかないと、物語が動いていきません。そのためには、多くの人に参加していただく必要がありますから、参加するための難易度を極力下げるような配慮をしています。
そして、縦軸のコミュニティの深さと、横軸である創造性を発揮できるサービスを目指していきたいですね。MMOのコミュニティの深さ、同人創作の自由度を併せ持つようなゲームメディアが、「クリエイティブRPG」です。
★栗田氏
言い方が悪いかもしれませんけど、「絵にかいたモチ」だからこそできることってあると思うんです。コンシューマのゲームですと、何をやるにしろグラフィックが必要になりますが、『蒼空のフロンティア』は文字だけでも創作することができます。想像力で形作られる世界なので、どんなキャラクタも、どんな武器も、どんなモンスターも、登場させることができるんです。
――極端な話、テキストを書いてしまえば何でもできますからね。
★栗田氏
ええ。逆に、グラフィック重視の作品の方ができないことって増えていると思うんですよ。ゲームに登場させるものにいちいち画が必要なので、どうしても制作段階で予算の都合というものが出てきてしまう。そうすると、実現できるものが限られてしまうんです。むしろグラフィック表現が貧しかった、昔の作品の方が実現できていたことってありますね。
――確かに、某国民的RPGの第1作目で「ロ●の剣」という伝説の武器が出てきますが、別に立派なグラフィックが用意されていたわけではありませんでした。それでも、手に入れた時は嬉しかったですし、装備すれば心強かったものです。
★栗田氏
かつてのゲームユーザーは、今おっしゃったような「行間を読む」というべき行為を、遊びながら実践していたのだと思います。
★雑賀氏
今のゲームの傾向として、イマジネーションは開発側が用意するもので、ユーザーさんはそれを受動的に楽しむもの、という暗黙の了解があるような気がします。先ほどの「ロ●の剣」もそうですが、ゲーム黎明期である1970年代には「アスタリスク」とか「@」を「ドラゴン」として捉えてゲームを楽しんでいたわけです。そういった感情というか楽しみ方は、30年以上経った今でも通用すると思います。
――『蒼空のフロンティア』はユーザー参加型のサービスです。運営者として、ユーザーさんに期待することはありますか?
★栗田氏
僕がユーザーさんに期待するのは、創造性よりも第一には好奇心ですね。『蒼空のフロンティア』はやはり新しいサービスなので、得体が知れないという印象を持たれるユーザーさんも多いと思うんですよ(笑)。もちろん、その部分に関しては僕たちがきちんと説明していくわけですが、ユーザーさんにも勇気を出してもらって、飛び込んで来てもらいたいわけです。なので、「まずは、試してみよう」という好奇心が、一番期待するところではあります。
本来、ゲームって好奇心が先立つべきだと思うんですが、今はユーザーさんも作り手もまず「こうあるべきだ」という決まりごとを発想や議論の基盤にしている傾向があって、そのことがゲームの可能性を狭めているじゃないかと思いますし、批判的な意見が多くなってしまう要因ではないかと考えています。
先ほどレトロゲームの話が出ましたけど、たとえばファミコンの出始めの時なんて、なんのゲームかわからなくてもソフトを買っていましたよね。「なんとなく面白そう」だから買うという、今考えるとギャンブルのようなソフトの買い方を、結構みんなやっていました。それは、今ほど情報がなかったということもありますけど、何より強い好奇心がユーザーさんにあったからだと思うんです。そういったゲーム黎明期にユーザーさんが持っていた好奇心を僕らが上手く引き出して、『蒼空のフロンティア』の世界に入ってきて頂けたら嬉しいですね。
★雑賀氏
『蒼空のフロンティア』が「クリエイティブRPG」と名乗っているそもそもの意味は、参加者も運営者も双方が生み出してほしい、という願いです。
私は、(運営を行うフロンティワークスの)社内のクリエイターたちに、研修の際「50/50の姿勢でいこう」と話しています。弊社に集まってくれたシナリオライターやイラストレーター、声優のみなさんはもちろん作り手ですが、受注するユーザーさんも受注内容を考えているわけで、こちらもまた作り手なんです。ユーザーさんが「こういうイラストがほしい」「こんなボイスにしたい」と考えるのが50。そして、それを実現する社内のクリエイターたちの仕事が残りの50となり、ひとつの作品が完成をみるわけです。
そのような体制においては、信頼関係が何より重要になります。ユーザーさんには、クリエイターたちの仕事を信頼して彼らに作品の50%を任せてほしいですし、クリエイター側も自分の主張にユーザーさんを引きずりこむのではなく、ユーザーさんが何を望むのかを真摯に考えて50%を創る仕事をしてもらいたいですね。
また、ユーザー間の相乗効果にも期待しています。ユーザーさんがお互いに創造性を刺激し合ってより良い作品を生み出していただければ、『蒼空のフロンティア』の世界はもっと魅力的になっていきますから。
――ユーザーさんと作り手が、50/50の信頼関係で成り立つオンラインゲームというのは目新しいです。
★雑賀氏
『蒼空のフロンティア』だからこそ、できる創り方だと思います。自分では絵が描けない、自分では小説が書けない、あるいは声の演技ができませんという方であっても、自分の気に入るクリエイターを見つけて依頼すれば、不足するピースを補完してくれます。いわばユーザーさんはディレクター感覚でゲームを作って楽しめるわけです。
――現場の人間を信用して任せるという点では、実際のゲームを製作しているディレクターと共通する部分も多そうです。…ムチャ振りは控えないといけませんね(笑)。
★栗田氏
ムチャ振りがあっても大丈夫なように、ライターは先回りして考えているんですよ。たとえすぐに対応できなくても、後々フォローできるようにシナリオを用意しておくわけです。
――それは巧いライターさんですね。
★雑賀氏
ユーザーさんにもそういった“巧い”方はいらっしゃいます。一見、突出して変な行動を取っているんですが、何故かシナリオが運営チームに採用されている。その時点では、他のユーザーさんには意味が分からないかもしれませんけれど、後から振り返ってみると多くのユーザーさんが奇抜な行動の裏に隠された真意を理解できていたり、コミュニティで評価されるようなケースもあるんです。
もちろん、そこまでやれるのは、ベテランのユーザーさんに限られてしまうかもしれませんが、他のユーザーを引っ張っていってくれるような方の登場には非常に期待しています。
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| 漫画家/イラストレーターのFBCさんが手がけた『蒼空のフロンティア』に登場するNPCたちのイラスト。ユーザーからのイラスト発注も間もなく開始される |
――近日、ユーザーさんからの発注に応じたイラストの販売も開始されるそうですが、こちらの著作権はどなたに帰属するのですか?
★栗田氏
イラストに関しては、弊社とイラストレイターさんに権利はありますが、ユーザーさんに使用権があるという形になります。営利目的でなければ個人のブログに貼っていただくなり、携帯の待受画像にしていただいても問題ありません。
――公式サイトでは、他のユーザーのイラストも見られるようですが、購入者以外にコピーされてしまう恐れはありませんか?
★栗田氏
確かに、公式サイトで他のユーザーが発注したイラストを保存することはできます。
ただ、『蒼空のフロンティア』におけるイラストというのは、ユーザーさんからの発注に応じてイラストレーターが描き上げるもので、一点モノのオーダーメイド品です。ですから、発注したご本人にとっては意味のあるものですが、他の人が保持してもほとんど意味を成しません。出来上がったイラストそのものというより、自分だけのイラストを描いてもらえるという部分に、商品価値があると考えています。
★雑賀氏
ユーザーさんのプロットがあってはじめてシナリオが出来上がって、その中でイラストも活きてくるわけです。先ほどの話にもあったように、ディレクターの役割を果たすユーザーさんが不在ですと、個々のコンテンツだけでは物語が成り立ちません。
――ユーザーさん=ディレクターあってのコンテンツ、というわけですね。
★栗田氏
そうですね。ただ、全てのユーザーさんに“ディレクター感覚”というのを上手に説明するのが、なかなか難しかったりするんです。社会人には分かりやすいと思うんです。部下に指示を与えたり、誰かに仕事を委託したり、何かしらディレクション能力が必要とされますから。もしかしたら、仕事に苦労している方ほどハマっていただけるかもしれないです(笑)。
学生さんですと、最初は少しだけ戸惑うかもしれません。部活なんかでメンバーを率いているような方には、理解しやすいかもしれないですね。
★雑賀氏
たとえば学校で生徒会に参加したり、友だちとバンドを組んだり、中高生がサークルを組んで同人誌を作っていることも珍しくありません。『蒼空のフロンティア』でやることというのは、そのような日常とかけ離れたものではありませんので、どなたでも問題なくプレイしていただけると思います。
もちろん、大きくゲームを動かしたり、他のユーザーに影響を与えたり、クリエイターに大作をつくらせるといった高度なことをやる場合は、自身の創造性に加えて、社交性も必要になってくるとは思います。ただ、創造性や社交性は『蒼空のフロンティア』で要求される資質というわけではなく、プレイする中で知らず身についていくものと思ってください。スタッフのサポートもありますから、気軽に入ってきて頂けると嬉しいですね。
――お話しいただける範囲で、『蒼空のフロンティア』今後の動向を教えていただけないでしょうか。
★栗田氏
近日、イラストの注文が開始されます。それから間を空けず8月ごろには音声の注文も開始させ、9月にはRPG風の戦闘が楽しめる「キャラクターシナリオ」が追加されます。先日の発表会でもお話した「手書きブログ」さんの組込みも行う予定です。秋口までには、『蒼空のフロンティア』の第1段階の実装が完了するといった感じです。
★雑賀氏
その後、MMORPGでいう新シナリオの追加も行う予定ですが、基幹機能は秋までに実装される予定です。
――追加されるシナリオの構想はすでに出来上がっていますか?
★栗田氏
2年目は、また新たなシナリオ展開があります。機能面については、シナリオの展開に合わせて実装していくことになると思います。
★雑賀氏
途中からプレイされる方への配慮として、新たな冒険の舞台や新種族の実装も予定していまして、専用のものを用意できると思います。秋以降に基本機能が全て実装されるとして、そのタイミングで新規のユーザーさんが楽しめるシナリオなども配信されるといったイメージですね。
――種族が追加されるというですが、何かヒントだけでも教えてもらえませんか?
★栗田氏
あくまで検討中ですが、とある漫画の擬人化キャラクタみたいな種族と言いますか……。あとは、歴史上の英雄が……といったところで勘弁してください(笑)。
――では、最後にユーザーさんへのメッセージをお願いします。
★栗田氏
より楽しいゲームになるように、みなさんの創造性を受け入れられる設定を考えています。ぜひご参加お願いします。登録は無料なので、一度触れてみてください。
★雑賀氏
長く、しっかりとした形で運営していけるタイトルにするべく動いています。長期的で、参加者が集まるほど充実していくのが『蒼空のフロンティア』ですので、みなさんの参加をお待ちしています。
――ありがとうございました。
[ジーパラドットコム編集部 広田]