2009年6月10日(水)に発売されるPC用DTMソフト「VOCALOID2 キャラクター・ボーカロイド・シリーズ 鏡音リン・レン」(以下、「鏡音リン・レン」)の人気楽曲を収録したCDアルバム「Prism」。
5月某日、東京・赤坂にあるスタジオFOESにおいて、「鏡音リン・レン」のサンプリング元でもあり、今回同アルバムで歌を担当した声優・下田麻美さんへのインタビュー取材を実施した。
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「Prism」は、アニメ・ゲーム音楽レーベル「Peertone」の第一弾企画としてリリースされる作品。「鏡音リン・レン」を使用した楽曲のうち、「ニコニコ動画」や「You Tube」などの動画投稿サイトで人気の作品を、同ソフトの音声を務める下田麻美さん本人が歌うカバーアルバムで、下田さんにとっては初のソロCDアルバムとなる。
アルバムには、動画投稿サイト上で人気の12曲に加えて、サイトで人気を得ているユーザー「シグナルP」氏が作曲し、下田さんが作詞を担当した新曲「Prism」も収録される。
今回は、下田さんがCDアルバム「Prism」について語ってくれたので、その内容をお届けしよう。
――まず、この企画のお話をもらった時の感想を教えてください。
★下田さん
このCDのお話を頂いた時には、また「鏡音リン・レン」と一緒にお仕事ができるとは思っていませんでしたから、そういった意味での驚きと喜びを感じました。あとは、声優・下田麻美としてのアルバムを出させていただけるという意味でも嬉しかったですね。
――「Prism」に収録される公募曲はどのように選びましたか?
★下田さん
今回は、既存の「鏡音リン・レン」の曲以外にも、「ピアプロ」というコンテンツ投稿サイトで、一般の方からの応募も受け付けていたんです。その際に278曲もの応募を1ヶ月という期間で頂くことができて、そんなところからも「鏡音リン・レン」の人気を感じました。
でも実際に選ばせていただけるのは1曲しかないので、スタッフさんに手伝ってもらいながらですが、私自身がすべて聴いてセレクトしました。1ヶ月くらいずっと曲を聴いていると、素敵な曲がいっぱいあって、その中からたった1曲しか選べないというのと、「私なんかが決めちゃっていいんだろうか」というプレッシャーもすごく感じちゃいましたね。
私自身ができることは、「とことん歌いたい!」と思える曲を探すことだったので、その中からビビッときたものをセレクトしました。
――では、下田さんが選んだ曲について教えてもらえますか?
★下田さん
今回、企画の中で選んだのは、「さむそんP」の「イタズラムスメ」という昭和の雰囲気が溢れている「グループ・サウンズ(GS)」といったジャンルの曲です。私自身が昔からこういったジャンルの曲がすごく好きだったので、実際に「イタズラムスメ」を聴いたときに「私が好きな曲調だ」と感じました。
それに、「イタズラムスメ」の歌詞は、思春期の女の子の素直になれない感情がストーリー性を持たせて作られているなと思いました。そのストーリー性を、曲を聴きながら感じた時に「これを私が歌で表現したらどうなるのかな」というのを想像しただけで、すごく楽しみになっちゃいましたね。
ほかにも、最終段階で20曲ほど候補に上げていた曲があってすごく悩んだんですけど、最後は私の好みで選ばさせていただきました。
――今や大人気となった「ボーカロイド」ですが、下田さん自身はどういったイメージを持っていますか?
★下田さん
ボーカロイドは、キャラクタに公式の設定がないから、ユーザーの方たちが思う理想の視点で、キャラクタを作り上げていけるという点が人気の秘訣になっているのではないかと思っています。だから、「鏡音リン・レン」というひとつのキャラクタにも関わらず、色々なストーリー性やキャラクタ性というものが垣間見えるのだと思います。ボーカロイドたちの歌は、ひとりのアーティストが歌っている曲だと言われると、むしろ違和感がありますね。
――実際に、下田さん自身が「鏡音リン・レン」の曲を歌ってみた感想はいかがでした?
歌う曲を実際に聴いたときに、私自身が持った最初のイメージもそうなんですけど、やっぱりどの曲もユーザーやファンの方に支えられて人気になっている曲なので、そういう方たちがもっているイメージを絶対に崩したくなかったんです。なので、全ての曲ではありませんが、作曲家さんが現場にいる時に、その曲のイメージや要望を伺ったりしました。
あとこれは、全ての曲に対してですが、ただ歌を聴くだけではなく、「ニコニコ動画」で曲と一緒に流れる映像も観てイメージを膨らませてから収録に望みました。
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| 声優・下田麻美さん |
――収録を行った曲の中で、歌いづらい曲はありましたか?
★下田さん
それはもう、数え切れないほど(笑)。このレコーディングに臨みながら、「私って人間なんだな」という実感がすごく湧きましたね。私が歌っても、ボーカロイドが歌っても、どちらも私自身の声ではあるんですけど、人間か機械かという決定的な差で、それぞれに長所と短所が必ず存在すると思うんですよ。
そんなことを考えつつ、低い音から高い音域の歌を難なく歌うボーカロイドを見ていると、「すごいな」という尊敬も感じましたね。音域の高い歌に関しては、力を振り絞りながら頑張って歌わせていただきました。
――アルバム「Prism」は、どんなシチュエーションで聴いてもらいたいですか?
★下田さん
収録曲には色々なジャンルの曲が用意されているので、たとえば大自然溢れる場所がマッチする曲もあれば、しない曲もあるんです。それくらいジャンルとしては、幅広いものになっています。ですから、お気に入りの曲を見つけていただいて、好きな場所で聴いてもらえればいいのではないかなと思います。
――下田さんが作詞を担当した「Prism」は、どんなコンセプトで作りましたか?
★下田さん
まず、私自身が「強く生きる」ということを目標としているんです。すごく打たれ弱い面を持っているんですけど、今は自分のやりたかった仕事をさせてもらっているので、いつまでも弱虫じゃいけないと思っているんですね。なので、今回作曲家として参加している「シグナルP」さんには、「“強く生きていたい”という気持ちを歌で表現したいんです」とお伝えして曲を作っていただきました。
作詞なんですけど、私は作詞家ではないので詞的に美しい表現ができたか分からないし、器用なテクニックを使えたと自分では思っていません。でも、伝えたいことストレートにぶつけました。聴いていただく方にも、その想いがストレートに届いてくれればと思います。
――今回の「Prism」で、ここを聴いてほしいといった部分はありますか?
★下田さん
私自身、歌で遊ぶことが非常に大好きなんです。今回、そういった遊び心をどのくらい含められるのかということもあって、曲選びをした部分も実はあるんです。
公募曲の「イタズラムスメ」は、まさに遊ばせていただいた曲ですね。「この言葉はすごく面白くできそうだな」ということを曲選びのときに思いました。なので「イタズラムスメ」に関しては、ふんだんに遊び心とか、おませさんな雰囲気を込めているんです。
もちろん、どの曲にも「表現してみよう」といった挑戦が盛り込まれているんですけど、「リンリンシグナル」という曲に関しては、キャラクタソングに近い感じで、男女がはっきりと分かるように区別して歌わせていただきました。「これが鏡音リン・レン」というわけではないですが、下田麻美が表現したデュエット曲として聴いていただければと思います。
――では、最後にファンへのメッセージをお願いします。
★下田さん
今回、このようなアルバムを出させていただくことになったのは、なによりも普段から私や「鏡音リン・レン」を支えてくださっているファンの声援があってのことだと思っています。
ユーザーやファンの皆様に喜んでいただけるアルバムになる様に、自信を持って収録させていただきました。アルバムがお手元に届いたら、大事にしていただけると嬉しいです。
――本日は、ありがとうございました。
[ジーパラドットコム 編集部]