カプコンは2009年3月4日(水)、東京・新宿にある同社東京支社にて、3月5日(木)に発売となるプレイステーション3/Xbox 360向けソフト『バイオハザード5』における開発者インタビューを実施した。
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『バイオハザード5』は、同社の製作するホラーアドベンチャーゲーム『バイオハザード』シリーズの最新作。シリーズ1作目の登場人物・クリスが主人公となり、相棒のシェバと協力し、襲い来るクリーチャーたちとの戦いに挑んでいく。また本作には、オフライン・オンラインで2人協力プレイを楽しめる「Co-op」モードも用意されている。
会場では、『バイオハザード5』のプロデューサー・竹内潤氏が登壇し、同作に関する製作秘話や、本作で新たに採用された「Co-op」プレイに関するエピソードなどを語った。今回は、そのインタビュー内容を紹介していこう。
| 「“全方位スキ無し”の『バイオ5』を楽しんで」(竹内氏) |
――『バイオハザード5』が無事発売を迎えた感想は?
★竹内氏
「前作の『バイオハザード4』が、世界でも高い評価を得た作品だったので、プレッシャーを感じつつ開発を進めました。開発スタッフ一同、良い作品ができたという自信を持っているので、期待してください」
――『バイオハザード5』を開発することになった動機は?
★竹内氏
「実は前作の開発中から、主人公をクリスに据えた『5』の構想は始まっていました。本作は、『バイオハザード』シリーズ全体として見ると、起承転結の“転”の部分に当たる物語が描かれ、シリーズを通しての大きなターニングポイント的な立ち位置にあります」
――『バイオハザード5』にはどのようなコンセプトがありますか?
★竹内氏
「今回は、“光と闇”というテーマの下に制作が進行し、これまでCG技術が苦手としてきた“明るい表現”と暗い場所との対比をさせています。その対比によって、新たな恐怖を生み出しているんです。また、“Co-op”モードに関しては、2人のプレイヤーが協力し合うという“絆”がテーマになっています。これら2つのテーマを、随所に散りばめています」
――PS3とXbox 360という、次世代機での開発に関した、苦労した点を教えてください。
★竹内氏
「元々この作品はPCベースで開発を進めて、そこから両プラットフォームに落とし込むという形で制作されています。こういった手法は日本国内のパブリッシャーとしてはまだまだ珍しいやり方です。また、自社独自の開発エンジンの“MT Framework”を使用しているので、容易に両機種に対応させられています」
――「Co-op」モードを導入した理由は?
★竹内氏
「“2人で遊ぶ”ということを重視したかったので導入しました。「Co-op」モードでは、従来のオンラインゲームとは違った、一方のプレイヤーが倒れると両者ともゲームオーバーになってしまうという、一見するとシビアなシステムをあえて採用しています。シビアな設定にすることで、本来の“協力プレイ”を実現するとともに、決して無理やり協力させるというような作りにはしていません。それぞれのユーザーが、自分なりの遊び方を見つけてくれたら幸いです」
――開発時の面白いエピソードがあったら聞かせて下さい。
★竹内氏
「シェバのグラフィックを、かわいく作るのに苦労しましたね。何パターンも試行錯誤を重ねていて、一時期は、関西で有名な女性芸人さんにそっくりな事もありましたよ(笑)。でも最終的に眼を力強いものにするなどして、魅力的なキャラクタに仕上げられたと思います」
――開発途中でカットした要素はありますか?
★竹内氏
「当初は、クリスとシェバが2人で出すコンビネーション技や、フォーメーションなんかが構想にありました。1人がもう1人を投げ飛ばして敵にアタックする技とか。でも実際にやってみると、そんなにおもしろいシステムにはならなかったし、協力を“させよう”という感じが強く出てしまうので、ボツになりました」
――武器のバリエーションについて教えてください。
★竹内氏
「前作を越える、数十種類もの武器が用意されています。中には、とあるモードでしか使用できない特殊な武器も存在しています。私が気に入っている武器は隠し武器の一つで、過去のシリーズ作にありそうで無かったものになっています。実はその隠し武器、数年前からデザインは上がっていたんですけどね」
――プレイヤー側がゾンビを使用するというアイディアは出なかったんですか?
★竹内氏
「そのアイディアは、『バイオハザード』シリーズの作品を作るとき、いつも出ますよ(笑)。でも、このシリーズは“恐怖”というテーマがあるので、ゾンビを操作する側に立ってしまうとテーマから脱線してしまうという想いがあるんです。なので、今後の『バイオハザード』シリーズでも、おそらくゾンビを操作する要素は入らないと思います」
――体験版をプレイしたユーザーの感想も取り入れていますか?
★竹内氏
「はい、実際にユーザーから寄せられた意見を基にして、エイミングなどの細かな調整は行っています。体験版をプレイした人が製品版を触ると、違いに気づいていただけるかと思いますよ」
――上級ユーザーでも楽しめる内容になっていますか?
★竹内氏
「実績解除や収集アイテムなどが非常に細かく用意されているので、やり込み要素をじっくりと楽しんでもらえると思います。あと、ノーマル以上の高難易度では、“Co-op”モードによる協力が不可欠になるほどの難易度なので、やり応えもあるかと」
――製作期間や、制作人数について教えてください。
★竹内氏
「製作期間は、構想も含めると4年になります。開発人数は変動が激しいんですが、最も多い時期だと120人態勢で動いていました。莫大な人数が動くプロジェクトなので、各セクションごとに分かれた制作などが必要で、苦労しました」
――『バイオハザード』初心者の人にアドバイスをどうぞ。
★竹内氏
「とにかく、いっぱい敵にやられて下さい(笑)。敵に倒された時のペナルティはないので、敵との間合いなどを体で覚えてもらうと、少しずつ上達していくはずです。ちなみに体験版では、あえて前半の鬼門となるステージを入れています。逆に、あのステージを越えられれば、一気にゲームを進められるようになりますよ」
――クリスとシェバで、能力差はありますか?
★竹内氏
「基本的に能力差はありません。ただ、敵がよろけている時に発動できる近接攻撃に関してはそれぞれ異なります。シェバの方が近接攻撃のバリエーションが多いです」
――海外市場を意識して制作しましたか?
★竹内氏
「『バイオハザード』シリーズは、元々海外から多くの支持を得ているタイトルなので、あえて海外向けの製作はしていません。ただ、英語のボイスやローカライズに関しては違和感がないようにしています。例えばスワヒリ語は、スワヒリ語のネイティブの人がボイスを収録していますし、シェバの英語もスワヒリ語訛りのある英語にするなどのこだわりがあるんです」
――ステージ中に、ポリタンクのような壊れないオブジェクトが配置されている理由は?
★竹内氏
「ポリタンクの陰に弾薬が置いてあるポイントなどで、ガサガサとオブジェクトをかき分けながら弾薬を拾いに行くという演出をしたかったので、そのために配置しています」
――PS3版とXbox 360版との違いは?
★竹内氏
「ハードの設計に違いがあるので、全く同じにすることは不可能に近いです。しかし、どちらが良いという部分は決してないです色味などの細かな点が、若干違う程度です」
――暴力表現に関して、レーティングに苦労した点は?
★竹内氏
「開発開始の段階で、キャラクタの首が飛んだり、体がバラバラになったりという表現は入れないように考えていました。でも、暴力表現がすさまじいことが、必ずしも恐怖に結びつくわけでは無いですよ。例えばチェーンソーで斬られた時、あえてクリスたちの足元だけしか映さないなど、見えない部分を想像してもらうのが逆に怖かったりすると思います」
――最後に、ストーリーの見所と、ファンへのメッセージをどうぞ。
★竹内氏
「今回、クリスとウェスカーという、一作目から因縁のあるキャラ同士の結末を描きます。シリーズファンはそういった点を楽しんでほしいし、新規ユーザーは各キャラの間に芽生える“絆”を楽しんでもらえたら嬉しいです。“Co-op”モードでもシングルプレイでも、どちらでも楽しめるものになっているので、“全方位スキ無し”の『バイオハザード5』を楽しんでください」
――ありがとうございました。