マイクロソフトは2009年1月24日(土)、同社内で『Halo Wars(ヘイロー ウォーズ)』の先行体験会を開催した。『Halo Wars』は、同社が2月26日(木)に発売を予定している、Xbox 360用RTS(リアルタイムストラテジー)。『Halo』は、全世界でシリーズ累計約2,500万本を販売する人気FPSで、『Halo Wars』はシリーズでは現時点で唯一のジャンルが異なる作品となる。
今回、その体験会に参加しゲームの一部をプレイすることができたので、同作品のゲームの流れと戦略の要素を、お伝えしよう。
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『Halo Wars』の舞台は、『Halo』シリーズから20年さかのぼった2531年の惑星「ハーベスト」。人類を代表する「UNSC(国連宇宙司令部)」軍と、人類を脅かすグラントやエリートといったエイリアンの軍事同盟「コヴナント」軍との戦いが描かれる。この日プレイした体験版では、ハリウッド映画のような精細なCGムービーとともにストーリーが語られていた。
| チュートリアル:とっつきやすいシンプルなゲームシステム |
『Halo Wars』の基本的な操作は、部隊を選択して目的地を指定すれば自動的に移動、敵を指定すれば自動的に攻撃、指定しなくても敵の攻撃には自動的に反撃、と実にシンプル。チュートリアルが用意されているので、RTS初心者にもとっつきやすい。この日初めてプレイした筆者でも、慣れると直感的に操作でき、RTSにありがちな「頭で考えていることに手が追いつかない」というようなイライラは感じなかった。
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| 親切丁寧なチュートリアルで一通りの操作方法を学べる |
同作品では、部隊を移動、攻撃させるだけでなく、基地の設置や部隊の生産も重要な要素になっている。こちらは、円形のメニューから簡単に選択できる。生産に必要なのは人員、電力、資源の3つ。プレイしていて瞬時に判断でき、「目で見たものを頭でわかるまでにタイムラグがある」というストレスも感じなかった。
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| 円形メニューで、レバーを倒すだけで選択できる簡単操作。作りたい部隊や設備の生産に必要な人員、電力、資源の数が、円の中央に表示される |
今回のプレイでは、この円形のメニューに特に感銘を受けた。華やかなムービーやグラフィックに比べると、インターフェイスの工夫は目立たないが、実は本作品のプレイの快適さをかなり支えている。
たとえばメニューが縦に並んだRTSのPCゲームがあるとして、PCではマウスで選択でき、キーボードにショートカットも割り振れる。ところが家庭用に移植する際に工夫をしないと、10個の選択肢で最大9回、十字キーの下を押して選ぶ操作になってしまう。普通はメニューを階層化したりして減らすが、ひとつの選択で1回操作が増えただけでも、ユニットが複数あればプレイ全体では何十回にもなってしまう。
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| 快適操作の源、サークルメニュー。すべての選択肢が大きめのアイコン表示なのも、瞬時に視認できてクール! |
しかし円形のメニューなら、コントローラーのレバーを倒す一回の操作で選択できる、というわけだ。これ自体は単純な発想のようでも、数値入力があるかどうかなど、全体のゲームデザインとも関係するだろうから、実現は意外と大変そう。そこは最初からXbox 360での発売を念頭においた、『Halo Wars』の開発体制の強みだろう。
| キャンペーンモード:基地を奪還し、遺跡の爆破を防げ |
チュートリアルを終えて、シナリオに沿って戦闘が進行するキャンペーンモードに挑戦した。最初のステージ「01-アルファ基地」は、リーダーのフォージ軍曹が四散したUNSC兵たちを集め、コヴナント軍からアルファ基地を奪還するというシナリオ。チュートリアルで学習した移動や攻撃を実践するのがこのステージでの目的のようだが、自動的に始まる銃撃戦などの描写が爽快で退屈することなくプレイできた。また、「グラントのバーベキューってとこだな」といった軍曹たちの軽妙なセリフ回しも楽しい。
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| 最初は軍曹ひとりだったが、救出した海兵隊員が次々に加わり、クリア時には大部隊に膨れあがって勢力逆転するという痛快な展開 |
次のステージ「02-遺跡へ」では、奪還した基地を復旧し、遺跡を探し出してコヴナント軍による爆破を防ぐ。途中、コヴナント軍の基地があり、これを破壊すると跡地に自軍の基地を建設できるようになる。歩兵ユニットを養成する「兵舎」や、資源を生産する「物資パッド」といった施設を甲板上に作れるので、基地はかなり重要だ。
チュートリアルで学習した建設や生産を実践するのがここでの目的のようだが、建設計画によって戦略の幅が広がっていくので、プレイヤーの腕の見せどころと言えるだろう。
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| 奪還した自らの基地に設備を建造したり、敵の基地を攻略したりと、基地を巡る攻防が熱い |
| スカーミッシュモード:UNSC軍もコヴナント軍も選択可能 |
体験版の「スカーミッシュ」モードでは、1対1の対CPU戦が遊べた。この日は盛り上がりそうな対人戦が遊べなかったのが残念だが、そちらは製品版に期待しよう。
プレイヤーは、「UNSC」軍の司令官「カッター艦長」と、キャンペーンモードでは敵役だった「コヴナント」軍の指導者「悔恨の予言者」を選択できる。ユニットの名前やパラメーターが異なっているが、基本的なシステムは共通なので、違和感なくプレイできる。いずれを選んでも、敵の本拠地となっている基地を破壊するのが目的だ。
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| 敵役の「悔恨の予言者」も選択できる。「異端者め!」、「焼き尽くせ!」などとイカした(イカれた?)セリフも見られる |
基地運営の方向性は部隊編成と関係してくる。たとえば、歩兵は兵舎を作ればすぐに生産できるが、人員の増員には上限がある。いっぽう、車両や航空機は強力だが、生産には電力が必要になる。電力を供給するには「リアクター」を建てる必要があり、建てるには資源が大量に必要。このようにして、人員、電力、資源の3要素をどう割り振るか、そのバランスが重要になってくるというわけだ。
| 三種の戦術:「ラッシュ」、「タートル」、「ブーム」 |
イベント中、内政と軍備のバランスによって「ラッシュ」、「タートル」、「ブーム」に戦術が大きく分類されるという解説がなされた。スカーミッシュモードでは、この3種の戦術を駆使して戦う。
「軍備>内政」の「ラッシュ」は、攻撃を優先して短時間でユニットを大量生産し、先制攻撃を仕掛ける戦術。「軍備=内政」の「タートル」は、供給を維持しつつ部隊を配備し、防御優先で敵を無力化する戦術。「軍備<内政」の「ブーム」は、物資供給を優先して、強力なユニットを生産して攻める戦術だ。
この日のプレイでは、後述する「ブーム」に分類されるであろう戦術を採用した。ひとつの基地に「資源パッド」をふたつ設置し、大量に資源を蓄え、「リアクター」を建てて電力を供給し、車両と航空機の大部隊を編成して敵基地を一気に叩くというもの。大部隊ができあがるまでの敵の速攻は、「タレット」という砲台を建ててしのぐ。見事、この戦術でUNSCとコヴナントの両軍で勝利できた。
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| ド迫力のコヴナント軍巨大基地を攻略。右上のマップで自軍の基地が緑で表示されている |
立場を逆転してコヴナント軍でUNSC軍の基地を攻撃。航空ユニットで攻めているところだ |
体験会で司会進行をつとめたマイクロソフトの南雲聡氏は、「『Halo』で、FPS(一人称視点シューティング)がコンソール(家庭用ゲーム機)に普及したように、『Halo Wars』でRTSがコンソールへ普及するのを期待」するとコメント。
また、本作品は『エイジ オブ エンパイア』などのRTS制作を手がけた「Ensemble Studios(アンサンブルスタジオ)」が制作する最後の作品となる。南雲聡氏によると、同プロダクションはXbox 360のコントローラーの研究を重ねているそうで、かなりの意気込みが伺えた。
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| 『Halo Wars』の概要を説明する南雲聡氏。全世界と勝負する前に「腕を磨いて欲しい」と、日本のユーザーに期待するコメント |
さらに体験会中には、『エイジ オブ エンパイア』のコミュニティオーナーを務めるユーザー代表のまつじゅん氏による「スカーミッシュ」最高難度のデモプレイが行なわれた。
その腕前は南雲聡氏が「スーパープレイ」と称したほど。そんなまつじゅん氏からは、「RTSに必要な力は一刻一刻と変化する戦況で即判断する、思考の瞬発性」だと、アドバイスが送られた。
本作品は、サークルメニューや基地といった、よく練られたシステムによって、敷居が低く奥は深い。また、「戦え、意のままに」というキャッチコピーが示すように、大軍を自在に指揮するところに醍醐味がある。製品版が発売されたあかつきには、ぜひ指揮官となって戦場を駆けめぐってほしい。