インタビュー
 
戦闘、キャラ作成、対人戦すべて進化中!『Blade Chronicle』開発者インタビュー
2009.01.15
関連URL:『Blade Chronicle: Samurai Online』公式サイト
 
 昨年末にクローズドβテストが行なわれた、ゲームズアリーナのMMORPG『Blade Chronicle: Samurai Online』(以下『ブレイドクロニクル』)。

 以前紹介したように、本作品は和風ファンタジーという世界観、マウスメインで戦うという操作、武器に多くのパラメータが集約されているというシステムなど、とても独自性の強いゲームになっている。

 そこで今回は、この作品がどのようにして作られたのか、そしていよいよ本格始動する2009年はどのようなゲームになるのか、プロデューサーとディレクターのおふたりに話を伺った。その模様をお伝えしよう。

▲ゲームズアリーナ大阪開発部制作セクションのプロデューサー・早坂貴志氏(右)と同セクションディレクター・古谷直也氏(左)

『Blade Chronicle』で漁師や篭屋になることができた!?


――まず『ブレイドクロニクル』を作ることになったきっかけを教えてください。


古谷氏:
 実はゲームズアリーナができた当初(2005年12月)から話はありました。グループ会社にコンシューマゲームを手がけるスパイクがあったので、いずれかの作品をもとにオンラインゲームを作ろう、と。それで当時一番注目度が高かった『侍道』をオンライン化することになりました。

―― 当初のコンセプトと現状のものは変化していますか?

古谷氏:
 開発中にどんどん変わってきましたね。最初は幕末風の世界で色んな生き方ができるというゲームで、戦いより生活が中心でした。侍以外にも籠屋や漁師などの職業にもなれたのですが、ちょっと目的が散漫になりそうで……それで特定の部分、つまり戦闘にクローズアップすることになりました。当初の名残として、現在も漁師や伐採みたいなことはできるようになっていますけどね。

――その企画が出た段階での社内の反響は?

古谷氏:
 「難易度は高いけど、まずは挑戦してみよう」という雰囲気でした。ただコンセプトだけではなく、開発も思いのほか難航しましたけど(笑)

――早坂さんは長い間オンラインゲームの開発や運営に関わっていると伺っています。そんな立場から見て、『ブレイドクロニクル』をどのように捉えていますか?

早坂氏:
 私が『ブレイドクロニクル』のプロジェクトに参加したとき、オンラインゲームを開発からリリース、その後の運営まですべてできるメーカーは、日本に数社くらいだったんです。その間に割って入るには相当チャレンジングな方向性でいかなきゃいけない、と思っていました。『ブレイドクロニクル』では世界観やシステムでうまく独自性が出せている、と感じています。

―― 『ブレイドクロニクル』の和風ファンタジーという世界観を作るにあたって、参考にされた文献やゲームはありますか?

古谷氏:
 もちろん『侍道』を一番参考にしていますが、同じ時代を扱っているものや、ファンタジー要素のある軍記モノは参考にしましたね。

――なるほど。

古谷氏:
 あと『龍が如く3』のプロデューサー・名越稔洋さんがとあるインタビューで「これは何を参考にされたんですか?」と聞かれていたんです。そこで「別に江戸とか幕末をイメージしたわけじゃなく、自分がカッコいいと思うものを作った」とおっしゃっていまして、その言葉には感銘を受けました。

――では史実などをベースにしつつ、強調している部分などは多いのでしょうか?

古谷氏:
 デフォルメは意識していますね。たとえばお城は姫路城をモチーフにしているんですが、天守閣を改造してより『ブレイドクロニクル』になじむものにしています。あとはキャラクタの動きもカッコよさにこだわって作っているので、よく見てほしいところです。

▲“白鷺城”と呼ばれるほどの美しさで名高い、姫路城をもとにしたというお城。手前にある丘の上から見下ろすとかなり絶景

マウスによる剣戟では、多彩な必殺技や防御もできるようになる!?

――『ブレイドクロニクル』最大の特徴である、戦闘システムについてお伺いします。あの操作はどのように生まれたのでしょうか?


古谷氏:
 開発にあたっての大きなテーマとして“武器”があったので、それを直感的に操作するためにマウスに着目をしていました。

早坂氏:
 当初は画面上の敵キャラクタにマウスの軌跡を合わせないといけないとか特定の図形を描くとか、そういった全く別の案もありましたね。

古谷氏:

 ただマウスだとキーボードと違い、ユーザーが入力したと思っている操作と、ゲーム側の認識がズレることがよくあって。そのストレスを回避するために、現在は一撃目の移動方向だけ認識して、あとは何かしらの入力を認識すれば攻撃がつながるという「一歩目」しか実装していない段階です。

――それでは今後、さらに操作が変わる可能性があるということでしょうか?

古谷氏:
 変わるというよりも、「二歩目」以降が順次実装されると考えてください。

早坂氏:
 現状の「一歩目」だと慣れてくると物足りないところがあると思います。いずれ特定のマウス操作を入力すると、特殊な連続攻撃に派生したり、特殊な剣技が発動したり、といったことは考えています。

――ちなみに3連撃や4連撃もやっていると、マウスパッドからマウスが落ちちゃって困ったのですが。

古谷氏:
 (笑)。そこまで長い距離マウスを動かさなくても認識するように調整していますのでやさしく扱ってあげてください(笑)

早坂氏:
 実は当初、チュートリアルで「物言う刀」から操作を教わるときに出るマウス操作のガイドが、画面上から下までくらいともっと長かったんですよ。でも、オーバーなマウス操作をする人もいるようなので、かなり縮めました。

――あと敵の攻撃に対して防御するということはできないのでしょうか? 現状、敵の攻撃は回避しかありませんが

古谷氏:
 今はできませんね。いずれは防御状態になって、その間に敵の攻撃を受けると防御、みたいな剣技を実装したいと思っています。

早坂氏:
 いわゆる格闘ゲームのように任意のタイミングで防御する感覚に近い剣技にしたいという考えはあります。調整しだいですが、便利なものになるので、たとえば発動時間が数秒とかでしょうか。調整をがんばりたいですね。

古谷氏:
 さらにカウンターを追加したり……夢が膨らみますね。

▲操作やシステムを教えてくれる「物言う刀」。チュートリアル終盤で奪われてしまうが、物語が進むと再開の場面もあるそうだ
▲クローズドβテストでは一度に3本までの武器を持ち歩けた。武器ごとにレベルや攻撃力、連撃可能な回数が異なる

ユニークなシステムが満載の『Blade Chronicle』

――戦闘システムのほかにも、個人的にはパラメータのほとんどがプレイヤーキャラクタではなく武器にあるというのも驚きました。これはどのように生まれたアイデアなのでしょうか?


古谷氏:
 これもゲームで一番大切なものを「武器」と定めていたためですね。もちろん最初は刀だけでなく、主人公達にもパラメータがあったのですが、ゲームを詰めていくうえでプレイヤーキャラクタには不要だろうとなりました。

――結局プレイヤーキャラクタに残ったのは、「型」ごとのレベルとアバター的要素だけですよね。大胆な割り切りだと感じました。

早坂氏:
 周囲のゲームを見渡すと結構あるので「行けるんじゃないかなー」と(笑)『ペルソナ』とか『ポケットモンスター』とか。あと『モンスターハンター』も近いですね。パラメータのほとんどは武器と防具、プレイヤーキャラはHPだけという。もちろん『ブレイドクロニクル』の開発中にかなり吟味を重ねた部分ではありますけど。

――その刀を装備できるかどうかの基準となる型によって、プレイスタイルが大きく変わります。なにかオススメの型はありますか?

早坂氏:
 タンク役の守護の型は安定感があっていいですね。あと壮術の型はパーティでもヒーラー専業ではありません。『ブレイドクロニクル』は基本的にどの型でも「相手と斬り結ぶ」事が前提です。

古谷氏:
 ただ今後、型ごとの個性をもっと出したいですね。あくまでパーティを組んでほしいというのが理想としてありますので。

早坂氏:
 クローズドβテスト時は壮術の型が思ったより人気でした。個人的には一撃必殺的な重撃の型も好きなんですが、少し使いづらかったみたいです(笑)

――ちなみにキャラクタ作成時に最初から使えるのは守護の型、というのは「最初は安全に進んでもらおう」という意図からでしょうか?

古谷氏:
 そうですね。あと守護の型が『ブレイドクロニクル』での動きとしてはスタンダードなので、操作の基本を覚えて欲しいといった考えもあります。ただ2体目以降のキャラクタで遊んでくれる時も考えると、最初から別の型を選べるようにしようかと検討はしています。

――それはキャラクタ作成のほかの要素もバリエーションが増える可能性があるということでしょうか?

古谷氏:
 まだ出していないですけど、顔や髪型、体型のバリエーションは結構あります。声も収録自体はかなりしていますし。ユーザーからは「もっと色々と選びたかった」という声もありましたが…期待してほしいですね。

▲少しあられもない格好だが、重撃の型にすると武器の構えが変化するのがわかる
▲現段階で同時に8体まで制作可能。今後さらにキャラクタパーツが増えるという

手ごたえバッチリのクローズドβテスト、次の動きは……春?

――昨年末のクローズドβテストはどんなユーザーが参加されていましたか?

早坂氏:
 最終日まで積極的にプレイしていただけたかたも多く、玄人の方が多かった印象ですね!うれしいことです。

――『ブレイドクロニクル』のターゲットどおりということでしょうか?

早坂氏:
 ターゲット的には既存のMMORPGユーザー全般ですね。特に昔からオンラインゲームをプレイしているかただけをターゲットにしたわけではありません。ただ、今そういったコアユーザーが、ほかのユーザーに評判を広めてくれている状況に感謝しています。本当にありがとうございます。

――PvP的な要素もすでに実装されていましたが、多くのユーザーがプレイされていましたか?

早坂氏:
 まずPvPと言うよりは、RvRに近いイメージです。ですがRvRという言葉を使ってしまうと勢力戦がこのゲームの最終目的と思われてしまうので、私たちとしては敢えてその言葉を使っていません。これは、また後の話題に(笑)
 またプレイ状況ですが、クローズドβテスト終盤では、敵対勢力の土地の目の前までいって、「対人戦やろーよー」みたいな話をしている場面を目にしましたね。思っていたよりも受け入れられたようでほっとしています。
ですが、経験上「対人戦闘は絶対に嫌!」という声があることは知っていますので、そういった要望をどれだけ吸収していけるかも今後の課題です。

――独特の操作のおかげで、より対人戦が楽しいのでしょうか?

古谷氏:
 
アクション性が高いのがよかったみたいです。

早坂氏:

 最初は難しいのですが、うまくなると対人戦や人型の敵の攻撃を避けられるようになるんです。そこまでいったユーザーは評価が変わっている、という実感があります。

――ユーザーからの感想で、印象的なことはありますか?

古谷氏:
 予想以上に応援のメッセージは多かったですね。独特の世界観や武器をフィーチャーした部分とか。

早坂氏:

 私は「クリックがドラッグに変わっただけじゃん」という否定意見があったので、今後戦闘部分を調整していくうえで、マウス操作にした利点を推していきたい、と思っています。

――楽しみにしております。最後に今後の『ブレイドクロニクル』の方向性を教えてください。

古谷氏:
 先ほどお話した対人戦闘が重要になりますね。妖物がなぜ攻めてきたのかといったシナリオや武器システムなども絡んできます。

早坂氏:

 はい、先ほど言いかけたことの続きです。まだ漠然としか言えませんが、対人戦闘で得た何かが、ほかの要素にもリンクしていくという感じになります。とは言え対人戦闘を必ずしなくてはその要素にいけないというわけでもなく、様々なプレイスタイルに応えられるようなボリュームは用意したいと考えています。

――オープンβや正式サービスなど、2009年の予定を教えてください。

古谷氏:
 鋭意制作中ということで(笑)

早坂氏:

 次は……暖かくなる前に何か……(笑)期待しておいてください!

――本日はありがとうございました。



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■『Blade Chronicle: Samurai Online』関連リンク
『Blade Chronicle: Samurai Online』公式サイト

(C)Spike/DWANGO/GAMES ARENA

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