マイクロソフトとゼニマックス・アジアは2008年11月8日(土)、東京・代田橋にあるマイクロソフト社屋にて、Xbox 360専用ソフト『Fallout 3』の報道陣向け体験会を開催した。
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『Fallout 3』イメージキャラクタの全身像と並ぶ、ゼニマックス・アジアのゼネラルマネージャー高橋徹氏 |
会場では12月4日(木)の発売前に、ほぼ完成品といえるバージョンの同作を試遊できたほか、日本版ローカライズの指揮を執るゼニマックス・アジアの高橋徹氏へ短時間ながらインタビューを行った。その模様をお伝えしていこう。
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| ちょっと待て。『Fallout 3』ってどんなゲーム…? |
『Fallout 3』は、全面核戦争後の荒廃した世界を舞台とするRPG『Fallout』シリーズの最新作にあたる。『3』以前の作品は、PC向けとしてリリースされ海外では高い評価を受けてきたが、日本ではあまり認知度はなく、その存在を知るのはコアな洋ゲーファンのみとなっていた。
シリーズの風向きが変わったのは今年4月。『The Elder Scrolls IV: オブリビオン』(以下『オブリビオン』)を手がけた米・Bethesda Softworks社の親会社ZeniMax Mediaが、日本法人としてゼニマックス・アジアを設立。あわせて、『Fallout 3』が日本語にローカライズされてXbox 360/プレイステーション3向けに発売されることが発表された。 |
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本作を手がけるのが、広大な世界と自由度の高いプレイを実現し世界的な人気を博した『オブリビオン』の開発スタッフであることも、注目を集める大きな要因となっている。
『Fallout 3』の舞台は、全面核戦争からおよそ200年を経た西暦2277年の世界。主人公は、地下深く建造された核シェルター「Vault 101」から父親を探すために荒廃した大地へ足を踏み入れる。放射能の影響で巨大化した生物やミュータントを退け、生き残った人々との関係も結びつつ、主人公は父親の足跡を追っていくことになる。
今回の試遊では、本編を最初から始めるのに加えて、あらかじめ途中まで進めてあるセーブデータを利用してプレイすることもできた。それぞれのプレイレポートをお伝えしていこう。
| 最初からプレイ : シェルターでの成長とチュートリアル |
荒廃した大地の惨状を、次第に引いていくカメラと音楽で表現する巧みなオープニングの後、ゲーム本編は主人公の誕生からスタートする。赤ちゃんの状態でベビーケージの周りを一通り動き回ると、キャラクタメイキング開始。主人公の遺伝子から、成人になった姿を予測するという設定でメイキングは行われる。このような細部にまでSF的な演出が取り入れられているのが、いちいち嬉しい。
用意されたパーツは多岐におよび、目鼻の入れ替えはもちろん、顔の輪郭や髪型、眉間の間隔や鼻の向きまで細かく設定することが可能だ。おおまかな選択として人種と性別の項目も用意されているので、本作で再現できるキャラクタはそれこそ数千通りといっても過言ではない。
ちなみに今回筆者は、映画「タクシードライバー」の主人公トラヴィスそっくりなファンキーGUYを作成してみた。病的な表情は言うまでもなく、いっちゃってる髪型も「モヒカン」パーツで完全再現。画像でお見せできないのが残念でならない。『オブリビオン』発売時にも、有名人に似せたキャラクタをweb上で発表しているユーザーがかなりいたが、今回も流行りそうな予感。
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主人公が生を受け、成長する(チュートリアルを体験する)ことになる地下核シェルター「Vault 101」の様子。こちらは主人公のバースデイパーティ中 |
さて、幾年か年月は流れ、主人公もそろそろ将来の進路を決める時期に。職業適正試験を通してスキルのポイント配分を行う。ゲーム中に用意されたスキルは、銃器を上手く扱ったり、格闘戦で優位に立てるなど戦闘系のものから、商品を安く購入できる、アイテムの修理が上手くなるといった交渉系・技術系のスキルも用意されている。
地下核シェルター「Vault 101」には、主人公以外にも核戦争を生き残った人間たちが肩寄せ合って生活している。とはいえ、住民全員が仲良しというわけではなく、監督官を頂点とした支配体制を不満に思う住人もいたりする。革ジャンにリーゼントという苔の生えたようなファッションのチンピラ集団に、監督官の娘がからまれている場面にも遭遇するわけだ。
ここで助けるかどうかは、プレイヤー次第。相手は3人だし見捨てたってかまわない。助けるにしても、相手をのしてしまう直接的な方法から、上手く言いくるめて場を収める賢いやり方まで様々。このように善悪の判断、行動の決断をプレイヤーに求める自由度の高さは、相変わらずBethesda Softworksらしいといったところ。筆者は怖いから、ヘッドの人にテキトーに頭を下げて逃げた。監督官の娘とは目を合わせないようにして、一言も交わさない。この瞬間、筆者の『Fallout 3』人生が決まったような気がする…。
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監督官が誕生日プレゼントにくれた情報端末「Pip-Boy 3000」。装備の変更、アイテムの管理、マップやクエストの表示など、多彩な機能を使用可能。というか、これナシじゃ生きていけない |
さらに月日は流れ、主人公もすっかり大人に。監督官の娘がちょっと気になるお年頃。と、ある朝目覚めると彼女から「あなたのお父さんがルールを破ってシェルターの外へ逃亡したの。あなたも逃げないと危ないわ」と、最悪な状況を知らされる。今まで、主人公の成長を見守ってくれていたセキュリティーたちが、警棒片手に襲い掛かってくる。こちらは、ふざけて全裸で行動していたので、文字通り丸腰。やばい。
そこで誕生日に父親からもらって、その場で父親を撃つかかなり迷った、「BB銃」を装備して戦闘開始。しかしこの「BB銃」、弱い。口径が小さいせいか、1発で相手に致命傷を与えられない。お金持ちになったら、もっとすっげー銃買ってやるからな! と胸に刻みつつ、地上への脱出口を目指す。途中、娘の前で監督官を殺すという絶望的な事態に巻き込まれるも、一番心理的にストレスだったのは、巨大ゴ●キブリとのバトル。アイツら、わさわさいて、人●の死●を食うんです…。逃げる途中、チンピラ集団のヘッドの母親がゴ●キブリに襲われていたが、見捨てる。どこに助ける理由が?
そんな阿鼻叫喚な地下核シェルターから最後の扉を開いて脱出すると、荒れた大地の上に星空が広がる。胸に湧く充実感。わずか1時間足らずのプレイ、しかも最初の目標を達成しただけだが、短編映画を観終えたくらいの満足感が確かにあった。
| 途中からプレイ : 荒れ果てた街を、「ミュータント」から守れ |
さて、こちらは、プレイ時間が20時間ほど経過しており、主人公のレベルは8。装備やアイテム、スキルも充実した状態で、とある街中からスタートする。もともと、核戦争の爪痕が残る世界なので、まともな街など期待するだけ無駄というものだが、この街の荒廃ぶりはただごとではない。
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まあ、「全面核戦争」後なので、どの街もあんまりきれいな状態ではなかったりするんですが…… |
住民に聞くと、「スーパーミュータント」なる連中が街を襲って人をさらっているらしい。義憤に駆られ、さらわれた人々の救出と、「スーパーミュータント」の討伐を約束する。が、よくよく考えると普通の「ミュータント」すら見たことないのに、いきなり「スーパー」と戦うのは無謀なんじゃないかと、激しく後悔。暗い気持ちを引きずりながら「スーパーミュータント」の根城だという警察署を目指す。道すがら、橋の下を流れる小川で泳いだり、泳いだまま水をガブ飲みしたりしたけれど、心は晴れず。
街を出て丘を歩いていると、人間っぽいシルエットが遠くに見える。ズンズン近づいてくるそれが「ミュータント」だと気付く頃には、手にした板きれで滅多打ちにされてしまう。後退して距離をとり、アサルトライフルの掃射を喰らわせてなんとか倒す。
倒した「ミュータント」の持ち物を漁っていると、爆発に巻き込まれた。わけが分からずカメラを急旋回して周囲を確認すると、もう一匹「ミュータント」がいることを確認。しかも、今度の奴ロケットランチャーを担いでいる。アサルトライフルで撃ちまくるも全く倒れないもう一匹の「ミュータント」。こちらに向けてかなり正確にロケットランチャーを撃ってくる。HUDに表示された「ミュータント チーフ」という名前を確認した刹那、ロケット砲弾が直撃。死んでしまった。
再開地点は、先ほどと同じ街中。「ミュータント」のくせに自分よりも良い武器を持っている「ミュータント チーフ」への嫉妬と怒りが収まらない。ろくに装備も整えず、時間を止めて精密な攻撃を実行する「V.A.T.S.」の機能も確認しないまま、手持ちの武器のみで再戦へと赴く。今度は接近戦だ!
左スティックを押し込んでしゃがみ、「ステルスモード」で「ミュータント」に静かに近づいていく。1匹目、普通の「ミュータント」はスレッジハンマーで背後から奇襲を仕掛けなんなく撃破。ちなみに戦っている最中に気がついたが、こいつら片言でなら話せる様子。
どうやら、先に「ミュータント チーフ」の方がこちらに気づいたらしくロケットランチャーの砲撃を受ける。ジャンプで左右に交わしつつ接近戦に持ち込もうとするが、ロケット弾にはある程度誘導性があるようで上手く避けきれない。立て続けに直撃をもらい、あえなく死亡。その後、もう一度グレネードを投げまくる特攻作戦で挑んでみたものの、1発目が上手く着弾した以外は大ハズレ。三度ロケットランチャーで吹き飛ばされ、街へ戻される。そして、ここで試遊時間は終了。必ず製品版でリベンジを果たすと誓いつつ席を離れた。
| 根底は『オブリビオン』だが、味付けはまったく異なる |
さて、最初からのプレイと、途中からセーブデータを利用したプレイの様子をお伝えしてきたが、総括として感想を書かせていただく。
実は筆者、『オブリビオン』があまり得意じゃない。それはゲーム内容うんぬんではなく、いわゆる西洋ファンタジーな世界観が苦手なためだ。同じRPGにしても、現代劇やSF設定の作品の方にひかれる。だが、『オブリビオン』の徹底的に細部まで作り込む、広大ながらも隅々まで手を抜かないというコンセプトには感服していた。むしろ、「『オブリビオン』のシステムでSFをやってくれないか」とさえ思っていた。
そんな中で、登場した『Fallout 3』。核戦争後の荒廃した地球、人々を恐怖に陥れるミュータント……。正当なSFというよりは、ややサイバーパンク調な世界観や設定も嬉しいところだし、「北●の拳」、起源をたどれば「マッド●ックス」のようないい意味で頭の悪いB級臭さも随所に感じられて、なお嬉しい。
つまり『Fallout 3』は、まったく『オブリビオン』とは異なる作品だということ。根底を支えるシステムは同じでも、その世界で体験できるものの味付けは、似ても似つかない。もし、筆者と同じく世界観が理由で『オブリビオン』を挫折した人には、本作『Fallout 3』をプレイしていただきたいと思う。現実世界との地続きであることを感じさせるリアルで薄汚い未来世界が、あなたをグイグイ引き込んでくれるはずだ。
また、一方で『Halo』や『Gears of War』のようなFPSが好きな方にもおすすめしたい。もちろん、それらFPS作品と比べてしまうと、アクション性やスピード感は劣ってしまうが、物語を追う楽しさでは勝るはずだ。やり込む要素だって負けてはいない。
最後に、Xbox 360を愛して止まないコア・ユーザーの諸兄、PC版で『Fallout』シリーズをプレイしてきた方々には、何も言わず本作を手に取ってほしい。大丈夫、期待どおりですから!
| 「Z」の天井を目指した『Fallout 3』 発禁の可能性もあった!? |
試遊プレイの合間、『Fallout 3』の日本語版ローカライズを手がけるゼニマックス・アジアのゼネラルマネージャー高橋徹氏にインタビューをおこなったので、お伝えしていこう。
●『オブリビオン』では、環境によっては日本語字幕の文字が小さくて読みづらいという意見もありましたが、『Fallout 3』では改善されていますか?
★高橋氏
「今回は、非常に多くの音声が日本語に吹き替えれられて収録されています。登場キャラクタのセリフはもちろん、画面に表示されるメッセージやラジオまで日本語で聞くことができますから、音声が十分にテキストの説明を補ってくれます。テキストの色を変更できるようになったので、そちらで調整してもらうことも可能です。初期設定では、レトロなコンピュータ風の緑色のテキストになっていますが、白に変更してもらえるとより見やすくなると思います」
●トップメニューには「Downloads」の項目がありました。今後配信されるダウンロードコンテンツの内容は決まっていますか?
★高橋氏
「360版に関しては、ダウンロードコンテンツの配信自体は決定していますが、具体的な配信日や内容に関しては未定です。北米と同じ時期にやりたいとは考えています。PS3版に関してはまだ何も決まっていません」
●ゲーム中には各地を転々としつつアイテムを販売する「キャラバン隊」が登場します。これを襲ってアイテムを強奪することもできますが、プレイに影響はありますか?
★高橋氏
「ゲーム内のキャラバン隊の数は決められていますから、あまり襲いすぎるとアイテムが流通しない世界になってしまいますね。あと、私なら直接襲ったりしないで、別の一団を扇動してキャラバン隊を襲わせて、その後で回収しますよ(笑)」
●登場人物の生死がプレイヤーに委ねられる場面が非常に多いですが、キーパーソンを殺してしまっても物語は進行するのでしょうか?
★高橋氏
「メインシナリオの展開に関わる重要なキャラクタは殺すことができないようになっています。どんなにダメージを与えても気絶するだけです。それ以外の人々をすべて殺すこともできますが、とてもさびしい世界になるでしょうね」
●かなり過激な描写の多い『Fallout 3』ですが、CERO審査で問題はありましたか?
★高橋氏
「今回のローカライズにあたって一番苦労したのがCEROのレーティングです。当初は「D」(17歳以上対象)で進めていたのですが、その範疇に収まらないことが分かった瞬間、「Z」(18歳以上のみ対象)のギリギリまでやろうと決めました。本当に「Z」の天井まで、その限界いっぱいまでの表現を取り入れています。『Fallout 3』はつい最近まで、レーティングが決定していませんでしたが、その理由は「Z」を超えていたからです。そこから何とか「Z」に収められる範疇までおさえました。残念ながら、核爆弾が絡むあるクエストと、人間の部位破壊に関しては収録を見送りましたが、そのまま発売禁止になっていた可能性も十分あります」
●サブクエストも含めると、膨大なシナリオ数を誇る『Fallout 3』は、プレイ時間としてはどの程度を想定していますか?
★高橋氏
「メインシナリオだけを駆け足で追っていくとおよそ30時間ほどですが、サブシナリオまでやり込むと60~70時間です。また、すべてのイベントに解決方法が2つ以上用意されていますから、それらもこなすとなると、総プレイ時間は優に100時間を越えるはずです。ゲーム中の行動によって増減する『カルマ』によってエンディングも変化しますし、長い間遊んでいただけると思います。少なくとも、年末年始は問題ないかと(笑)」
●では最後に。高橋さんが考える『Fallout 3』の魅力とは何でしょうか?
★高橋氏
「Bethesda Softworksの作品は『何でもできる』のが魅力です。もちろん、スト―リーも用意されていますが、自分のやりたいように遊べることが私にとっては一番の魅力ですね。また、日本語ローカライズをしたことで、より作品世界に入りやすくなったと思います。スタッフが頑張ってくれたおかげで、海外版のリリースからわずか1か月半で日本版を発売することができました。どうぞ発売を楽しみにお待ちください」
(ジーパラドットコム 広田)