イベントレポート
 
ソニー経営方針説明会を実施、PS3へのビデオ配信&新アーカイブス発表
2008.06.23
関連URL:Sony Japan|ソニーグループ ポータルサイト
関連URL:ソニー・コンピュータエンタテインメント
 
 ソニーグループは2008年6月26日(木)、東京・品川の本社において経営方針説明会を実施。3つの重要施策として、コアビジネスの更なる強化、ネットワーク関連事業の推進、新興市場における事業展開を積極的に行っていくことが明かされた。 
 

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 今回、コアビジネスとして位置づけられたのは、液晶テレビをはじめとするエレクトロニクス分野、PSPやPS3が軸となるゲーム分野、そして携帯電話や関連コンテンツも含めたモバイル分野。 
 ここでは、経営方針説明会で語られたことの中から、コアビジネスに挙げられたゲーム分野に関して、また、ゲームも巻き込む展開となるネットワーク関連事業を中心としてお伝えしていこう。

全製品の90%をネットワーク対応、ブラビアやPS3にビデオ配信
 まず、同グループ代表執行役 会長 兼 CEO ハワード・ストリンガー氏が登壇し、現在のソニーグループの立ち位置を確認するということで、各部門ごとに2007年度の業績を振り返り、今後の施策も語られた。

ソニー グループ代表執行役 会長 兼 CEO ハワード・ストリンガー氏


 各部門を振り返る中で特に強調されたのは、事実上の標準規格となったブルーレイディスク関連の好調ぶり、出遅れた液晶テレビ分野に切り込むことに成功したブラビア、そして全世界で5,000万台を普及させているPS3とPS3について。


 ブルーレイディスクに関しては、全世界における再生機の普及台数が、PS3なども含めて1,500万台に達しており、今後も成長が望めるとしている。液晶テレビに関しては、ブラビアが今後も市場をリードしていくことを期待しつつも、有機ELテレビなどにも注力していくとした。PS3/PSPについては、2008年度におけるゲーム部門の黒字化への原動力になり得るとしている。

 次に、今後の施策として、以下の4点を明らかにした。

(1) 既に売上高1兆円を越える4事業(液晶テレビ、デジタルイメージング、ゲーム、携帯電話)に加え、PC、ブルーレイディスク関連商品、コンポーネント・半導体の各事業を1兆円規模のビジネスに拡大し、グループ内に7つの1兆円事業を創出

(2) 2010年度までに製品カテゴリーの90%をネットワーク機能内蔵およびワイヤレス対応へ

(3) 2008年夏のPLAYSTATION Network上でのビデオ配信サービス開始を皮切りに、2010年度までに主要製品に展開

(4) BRICs諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国)での年間売上高を2010年度末までに倍増の2兆円に拡大


 (2)に関しては、本年11月から米国で、ウィル・スミス主演の映画「ハンコック」をパッケージ版に先駆けて、インターネット接続したブラビアに配信することが明かされた。配信方法は既存の配信・販売チャンネルを介さずに、Wi-Fiなどを利用するという。なるべく容易に接続できるように配慮されるとのこと。
 また(3)に関しては、ブラビアへの映像配信とは別に行われるものとなっている。これは、従来のゲームコンテンツだけでなく、映画や音楽などのノン・ゲーム コンテンツも、PS3/PSPで提供していきたいという狙いがある。


 ハワード・ストリンガー氏は最後に、「営業利益率5%を収益のベースラインとし、今後も各業界をリードしていきたい。ブルーレイディスクで勝利したように、これからも我々ソニーグループは競合相手に打ち勝つ。誰も私たちを止められないでしょう」と、強気な姿勢を示した。

「つながるHD」 : 各HD製品をワイヤレスにリンクさせる
 同グループ代表執行役 社長 兼 エレクトロニクスCEO 中鉢 良治氏からは、ハワード・ストリンガー氏が語った項目(2)「製品カテゴリーの90%をネットワーク機能内蔵およびワイヤレス対応させる」という施策に関して、より詳細な説明がおこなわれた。

ソニー グループ代表執行役 社長 兼 エレクトロニクスCEO 中鉢 良治氏


 ソニーはエレクトロニクス分野において、早期から各製品のHD化を推進してきたが、今後は次の段階として「つながるHD」と題し、各製品をワイヤレスにリンクさせるという。また、ネットワークにも接続させることでコンテンツ配信を行い、新たな顧客層を探っていきたいとしている。


 なお、前述のブラビアへのビデオ配信と、PS3/PSPから接続するPLAYSTATION Network上でのビデオ配信は別物であるが、「将来的には、『つながるHD』という枠組みの中でコンテンツを共有することも考えている」と語った。

ゲーム、ノン・ゲーム、ネットワーク、パッケージの枠を超える
 今回の経営方針説明会で「コアビジネス」として位置づけられ、次年度の黒字転換に期待がかかるゲーム分野。この分野を統括するソニー・コンピュータエンタテインメント代表取締役 社長 兼 グループCEO 平井一夫氏が登壇し、今後のプレイステーション事業における施策について明らかにした。

ソニー・コンピュータエンタテインメント代表取締役 社長 兼 グループCEO 平井一夫氏


 まず、PS3/PSPが全世界での累計販売台数が5,000万台を突破するなどプレイステーション事業が非常に好調であることが強調された。平井一夫氏は例として、6月12日(木)に発売となったPS3向けソフト『METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS』が早くもハーフミリオンを突破していることを挙げ、「『METAL GEAR SOLID 4』は世界で初めてブルーレイディスク2層50GBという大容量を使用した画期的なタイトルで、これこそPS3が可能にするエンターテイメントといえる。ハードの売り上げも前週に比べて8倍と急激に伸びている」と高く評価した。


 次に、「ノン・ゲーム コンテンツも、PS3/PSPで提供していきたい」というハワード・ストリンガー氏の発言を引き継ぐかたちで、平井一夫氏は「ゲーム、ノン・ゲーム、ネットワーク、パッケージという枠を超えたエンターテイメントを展開したい」と発言。今後の展開に関しては、PLAYSTATION Networkが要になるとしている。


 ちなみに、PLAYSTATION Networkの実績もここで明かされた。以下は全世界における2008年6月24日(木)時点の数字。


●累計登録者数:980万アカウント
●接続率:45%
●ダウンロード数:1億7千万件
●ダウンロード量:86peta bytes 

 累計登録者数に関しては、1台のPS3を家族などで複数アカウント作成している場合も含まれる。なお、86peta bytesは1層DVD(およそ4GB)に換算すると1,700万枚にあたる。

地球の現在・過去をアーカイブス 「Life with Playstation」
 さらに、ノン・ゲーム コンテンツにおける施策も明らかになった。具体的には以下の5点。

(A)PS3向けにビデオ配信 ★初公開

PS3向けに、今夏から北米で映画などを先行して配信。その後日本でも展開される。コンテンツをダウンロードしながらの鑑賞も可能。詳細は、7月にアメリカ・ロサンゼルスで開催されるE3にて明らかにされる


(B)「Playstation Home」

「PLAYSTATION Home」は、ネットワーク上に再現された仮想空間上で、ユーザー同士がゲームやコミュニケーションを楽しむことができるサービス。そのほか、「Home」内からゲームを起動させることや映画の鑑賞なども可能。2008年秋のオープンβサービス開始を目指す


(C)ゲーム内広告

今後発売・配信されるタイトルのゲーム内において、実際の商品の広告を展開。一部では「1,000億円規模の市場になる」という予測もあるとのこと


(D)「Life with Playstation」 ★初公開

今回の説明会で初お披露目されたPS3向けの新コンテンツ。起動させると画面に宇宙からみた地球が出現。各地域のニュースや天気などがリアルタイムで更新されていく。平井一夫氏によれば、「朝起きた時にテレビを点けるようにPS3の電源を入れてほしい。最終的には過去の出来事も地域ごとに保存する巨大なアーカイブスにしたい」とのこと



(E)PSPをネットワークに接続

上記のビデオ配信はPS3向けに行われるが、最終的にはPS3のハードディスクに保存したビデオ映像をPSPで持ち出せるようにして、いつでもどこでも観られるようにしたいとのこと。平井一夫氏からは「今期中にはPSPから直接『Playstation STORE』に繋がるようになるでしょう」というコメントもあった


日本では何が配信される? 7月開催のE3に期待
 今回の説明会はグループ全体のものということで、ゲーム関連の発表はそれほどないのではと思われたが、ビデオ配信や新サービス「Life with Playstation」が明かされるなど、予想以上の発表にまず驚かされた。 
 
 登壇者の発言にあった「ノン・ゲーム」の推進は、競合相手である任天堂がWiiやニンテンドーDSにおいて成功したライトユーザー層の取り込みを、PS3でも実現したいという思惑を感じる。 

 ビデオ配信に関しては、「インターフェイスは世界共通。コンテンツは地域ごとの性格にあわせたものも配信する」という発言もあり、日本国内における具体的な展開が気になるところ。7月開催のE3に期待したい。


 

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