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新作紹介  
規制は民間で迅速に―「インターネット・コンテンツ審査監視機構」記者発表
2008.04.26
 
 2008年4月25日(金)、東京・表参道の青山ダイヤモンドホールにおいて、中間法人「インターネット・コンテンツ審査監視機構」の設立に関する記者発表が行われた。

※写真をクリックすると、拡大した画像を見ることができます。


 「インターネット・コンテンツ審査監視機構(Internet-Rating Observation Institute」とは、英語表記の頭文字を取り「I-ROI」(アイ・ロイ)の略称およびロゴマークを掲げる団体。主な活動内容として、インターネット上の有害コンテンツに対する審査・規制を通して、社会に貢献することを挙げている。 
 「I-ROI」は、同団体に所属する学識者と有識者で年齢制限(レーティング)を定め、それをネット全般に普及させることで青少年を有害コンテンツから保護していく方針。本年9月より本格的な始動を予定しており、以後は第三者機関として活動していくことになる。 
 
 レーティングの指標としては、1994年に設立された社団法人デジタルメディア協会で推進されてきた、利用者向けにコンテンツの安全性をアドバイスする「コンテンツアドバイスマーク(仮称)」などの研究成果を踏襲したものになるという。

■「5月までに関連の企業に趣旨を説明、協力を仰ぐ」(襟川氏)

 「I-ROI」の設立は、ネット接続機能を持つ携帯デバイス(主に携帯電話)の急速な進歩と普及、出会い系サイトや学校裏サイトなどモバイルサイトにおけるトラブルの急増が背景となっている。  

 日本の携帯デバイスの進歩はいまだに先進国の中でもトップレベルだが、一方で利用者が触れるコンテンツに関しては無法地帯と呼んでも過言ではない状況。そうした中で「I-ROI」は、特に青少年が訪れるのに相応しくないコンテンツをレーティングを軸として規制し、規制のあり方を議論・検討することで青少年を守っていくとしている。 

 また、「I-ROI」は青少年だけでなく全てのネットの利用者がコンテンツの是非を判断できるリテラシーを育てていくこと、活動を通してインターネット産業に貢献すること、同団体がつくる規制を国際標準にする、といったことも目標として掲げた。 記者発表の会場には、コーエーの取締役名誉会長・襟川恵子氏や、NTTドコモ執行役員・夏野剛氏などインターネット/モバイル産業の関係者、東京工科大学学長・相磯秀夫氏をはじめとした学識経験者が登壇した。

コーエーの取締役名誉会長・襟川恵子氏

●襟川恵子氏
 「ここ10年の携帯電話とブロードバンドの進歩はすさまじいもので、小さな子供でも様々な情報にアクセスできるようになりました。しかし、コンテンツに関しては規制がないために歪んだ進化を遂げてしまったという後悔もあります。私たちはインターネットに関する有害なコンテンツを規制するという前人未到の難題に取り組んでいく所存です。5月までにプロバイダ、インフラ関連の企業に趣旨をご説明し、協力をお願いしていくことになります」

NTTドコモ執行役員・夏野剛氏

●夏野剛氏
 「日本のモバイルの発達は他の国の追随をいまだ許していません。しかし、一方でデバイスと国境の壁を越えてコンテンツが氾濫してしまっているのも事実です。今まで私たちが社会に取り入れてきた技術と知識を生かして、モバイルとPCも含め、安全なインターネット社会を形成する一助になりたいと思っています」




東京工科大学学長・相磯秀夫氏

●相磯秀夫氏
 「日本では技術的なインフラは発達しましたが、社会的なインフラがまだまだ未熟であると言わざるを得ません。有害コンテンツから青少年をいかにして守るかということはもはや社会問題といってもよい段階にきています。私たち以外にも審査機構は誕生していますが、複数の団体が存在することで消費者に選択の幅が広がり、またそれぞれの団体が専門分野を掲げることで、開けた視点で審査が行われるものと考えています」

■政府案とは異なる立場、民間だからこそ可能となる迅速な対応

 ここ最近、与野党間ではコンテンツの規制や、ネット掲示板の匿名性に関する議論が進められており、具体的な規制に関しても検討されている。その結果として生まれてくるであろう政府案としてのコンテンツ規制に関して、「I-ROI」はどのような立場をとるのかという質問が質疑応答で投げかけられた。

●襟川恵子氏
 「与野党で議論された結果として出される政府案が消費者に受け入れられるのであれば、それは問題ありません。しかし、国の法体制を持って規制をかけるというのはいわば“最後の手段”であり、また、審査のみに注力するわけではない国が規制を行った場合、実情に合わない結果を生む可能性も危惧されます。私たちは民間の立場でこそ可能な柔軟かつ迅速な対応で、国の規制に先駆けて活動していきます」


 一方で、具体的な規制の手段、「フィルタリング」をどうやっておこなっていくのか明確な回答は示されなかったが、近日開かれるシンポジウムで利用者に向けて分かりやすい説明がなされる予定とのことだ。

 
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