この講演を行ったのは、(株)シグナルトーク代表取締役の栢孝文氏。
栢氏はまず、Web2.0的なもののひとつとされるCGMやUGC(一般ユーザー制作のコンテンツ)の数が膨大になり、自分にとって面白いものや役立つものを探し出すのは非常に難しくなっているという現状を指摘。
そこで栢氏は、ユーザーによるコンテンツの制作だけでなく、評価の順位付けや洗練(Refine)のプロセスがシステム化されているというものを付け加えたCGRM(Consumer Generated and Refined Media)と呼んだ。
CGMは見るだけのユーザーと作るだけのユーザーで構成されているとするならば、CGRMはそれに加えて評価するユーザーが最大の特徴ということになる。その例として、多少形は違うがWikipediaやAmazonのユーザーレビューなどをあげていた。
もうひとつの実例として同社が日本テレビと協力して制作した「STORY TREE 100万人で書く1つの物語」を紹介した。これは昨年12月に日本テレビで放送されたドラマ「オキナワ■男■逃げた」のエンディング後の物語を、視聴したユーザーによって書いていこうという企画だ。
ドラマのエンディングを幹として、そこから枝のように派生したストーリーはユーザーの手によりどんどん派生し、ツリーに加えられていく。投稿されたストーリーには、それを読んだユーザーからの評価が付け加えられ、評価が低ければ削除されてしまうが、20票以上の評価を得たストーリーはその続きがかけるようなシステムになっている。
また同社は、自社コンテンツであるオンライン麻雀ゲーム『Maru-Jan』とCGRMのコラボレーションとして麻雀小説プロジェクトも進めていくという。屈強な男が麻雀をテーマに戦っていくという背景をベースに、ストーリーツリーを展開していくという。ドラマや映画、ゲームなどストーリーのあるものと相性がよくプロモーションツールとしても有効な点を活かして、新たな情報発信のメディアとして使っていければと語った。
最後に栢氏は、全体的なメッセージとして「現在は歴史の転換点に立っているのではないか」話した。膨大な数のコンテンツが作られているとすると、そこから淘汰、検索が必要になるだろうという。「コンテンツの中からいかに扱い、評価し、検索し、集積させ、価値のある、面白い、楽しい、正しいといったものを作れるかどうか。CGMが行き渡った今こそ転換点ではないか」と話をまとめた。
その一方で、プロが作り上げた映像よりも、素人が作った映像の方が面白いものも少なくないなどの事例を挙げ、「クリエイターは覚悟しなくてはならない時期かもしれない」と警鐘を鳴らしていた。 |