松原氏はまず、国内と海外におけるコンシューマゲーム機の普及台数や市場の差を提示。特に据え置き型高性能ゲーム機(PS3やXbox 360)においては海外市場が日本のそれを圧倒している状況であることを再確認した。一方でオンラインゲームの市場は、すでに普及が頭打ちになっているのではないかと思われた韓国が、アイテム課金などによって150%ものシェアの伸びを見せている状況。、やや緩やかではあるものの、日本も40%程度の伸びを見せており、オンラインゲーム市場はこれからも広がっていくだろうと語った。
松原氏は引き続き、「オンラインゲームは何処へ?」と題し、数年前に漠然と希望を抱いていたという市場の流れを振り返った。しかし、期待していた流れとは異なり、「オンラインゲームは追い抜かれたという気がしています」と発言。その“相手”はSNSや、今回のOGCの目玉ともなっているニコニコ動画、そしてモバゲーなどのコンテンツ(SNSの代表格であるmixiが1331万人、ニコニコ動画が600万人、モバゲーは800万人の登録会員数を誇る。当然ながら、これは一般的なオンラインゲームやオンラインゲームポータルサイトの会員数を大きく上回っている)。
これらの“追い抜かれた相手”とオンラインゲームの差を見ていくと、利益収入の面で特徴があることが見えてくる。基本的に無料であり、広告費を得て運営を行っている点だ。しかし一方で、オンラインゲームも基本無料が増えつつあり、いずれは広告費のみで運営を行うオンラインゲームも出てくるかもしれない。松原氏はこれを“地上波TVモデル”と呼び、オンラインゲームは徐々にその方向へ向かっていると語った。ただし、このモデルでは、コンテンツ制作の対価を、今までのようにユーザーから得るわけではないことに不安や危惧といったことも感じているようだ。
ここで松原氏は、よりいっそうのサービスの多様化を提案する。氏はこれを「心地よいおせっかいサービス」と名付けた。一本化されたオープンIDを使うことで、将来的にはオンラインゲームだけでなく、他のサービスからのオススメ商品などをユーザーに提示していくという構想だ。この前段階として、ゲーム内においてオススメのクエストやイベントなどをユーザーに知らせていったり、ゲーム外で行われているイベントやキャンペーンなどをゲーム内のユーザーに伝えたりすることも考えられるのではないかと語った。
最後のまとめとして、コーエーとしてのオンラインゲームへの取り組みをまとめた資料を紹介。業界の多くがアイテム課金の流れになる中で、月額課金モデルの運営をベースとするコーエーだが、『三国志オンライン』でも国内登録ユーザー12.5万人、うち課金ユーザー2万人を獲得(同様の資料では『信長の野望オンライン』で登録30万人、課金5.5万人、『大航海時代オンライン』で登録25.5万人、課金2.7万人)。同社の運営する他ゲームからの流入だけではない完全新規のユーザーも多いことが特徴で、これには確かな手応えを感じているようだ。
最後に「開発コストがかかるなどの理由で手を出さないメーカーさんも多いようですが、MMORPGの市場はやはり魅力的です」と笑顔を見せ、講演を終えた。 |