元宮秀介のこれぐらい知っとけ
 
第26回
企業サイトのお手本「任天堂」公式サイトに注目

2007.07.10
関連URL:任天堂公式サイト
 

 任天堂のホームページの作り込みに、深く感心している。企業のホームページは数あれど、ここまで凝った作りのホームページはないのでは?と思わされる。しかしながら、その凝った部分を前面に押し出すのではなく、あくまでさりげなく、一陣の風が吹いてくるような作りになっているところが小憎らしい。

 任天堂のホームページは、現在、本体とN.O.M(ニンテンドー・オンライン・マガジン)、Wii.comとTouch-DS.jp、そしてクラブニンテンドー、さらにニンテンドーWi-Fiコネクションのページがある。

 僕が注目しているのは、Wii.comとTouch-DS.jpのふたつのサイト。どちらも相当にクオリティの高いホームページだ。
  Wii.comは、ご存知家庭用ゲーム機のWii専用のホームページ。ここは、Wiiのゲームの新作映像のみならず、ピックアップ映像と称してWiiで遊ぶ人たちの姿を映している。体験している人たちは、若い家族、カップル、ご年配の夫婦、女の子3人組……など、実にさまざまだ。
  登場する人たちは、もちろん有名人ではない。一般の人たちばかりだ。しかし、彼らがゲームに興じている姿を見ていると、予想もしない言葉や行動が飛び出してきて、実に面白いのだ。想像がつかない人は、明石屋さんまと松岡修剛が出演したCMを思い出してほしい。そうそうあのノリだ。しかも、Wii.comでは、CMとは違い、ゲームの映像もたっぷり流しているため、それがどんなゲームで、どんな風に楽しめて、周りにいる人たちとハッピーになれるのか、よく伝わってくるのだ。購入を迷っているゲームがあれば、Wii.comを参照してみるといい。この上にない判断材料になるはずだ。

  また面白いのは体験映像だけではない。任天堂が5月に行った広告展開のアーカイブ「バーチャルコンソール駅貼りポスター公開」には、目を奪われた。懐かしのゲームが遊べるバーチャルコンソールのソフト1本につき、1枚のポスターをつくり、それを東京近郊の駅に貼っていたのだが、その様子をホームページ上で再現しているのだ。ホームページで見ると、すべてのゲームが1枚の画面にズラリと並んでいる様が圧巻で、まるでポップアートを見ているようだ。
  ほかにはCreater's voiceと題したインタビューページもある。現在は『ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔』を開発している堀井雄二さんが登場しており、ゲーム雑誌のインタビュー記事にはめずらしい、一人称視点の語り口で構成されていて、堀井さんがこのゲームにかける思いが、スッと胸に入ってくる。

 Touch-DS.jpも負けてはいない。こちらは、携帯ゲーム機ニンテンドーDSのサイトだ。こちらもWii.comと同様に、ユーザーの体験映像が満載だ。現在面白いのが、『がんばる私の家計ダイアリー』。20代、40代、そして60代のユーザーにソフトを体験してもらい、それぞれの感想を述べてもらっている。印象的なのが、60代の夫婦の映像。ふたりで談笑しながら、ごく自然に『がんばる私の家計ダイアリー』を操作しているのだ。ニンテンドーDS登場以前には、60代の方がゲームに触れるなんて、思いもよらなかった。ましてや、それを達者に使いこなすなんて……。こういう驚きがあるから、体験映像は面白い。

 Touch-DS.jpにも、Creater's voiceと題したページはあり、こちらは基本的には対談形式になっている。大作『ファイナルファンタジーIII』を開発したスクウェア・エニックスの田中弘道氏と浅野智也氏、意欲作『レイトン教授と不思議な町』を作ったレベルファイブの日野晃博氏と千葉大学名誉教授の多湖輝氏の対話などが読める。現在は、『いただきストリートDS』にちなんで任天堂の宮本茂氏とアーマープロジェクトの堀井雄二氏の夢の対談が掲載されている。ゲーム雑誌でもなかなか見ることのできない豪華な顔合わせだ。

 Wii.comとTouch-DS.jpを見る限り、どんどん新しい仕掛けを積極的に行おう、という姿勢が見て取れる。当コラムの読者の方も、このふたつのホームページに注目しておいて損はない。



 
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