僕は昨日、地元のトイザらスへ足を運んで、店内に設置されたDSステーションを利用して、『燃えろ!熱血リズム魂 押忍!闘え!応援団2』の体験版をダウンロードしてきた。料金はもちろん無料だ。ゲームは体験版といえど、1面を丸々遊ぶことができ、おかげで『燃えろ!熱血リズム魂 押忍!闘え!応援団2』の面白さを確認することができた。
振り返ると、そう遠くない昔、ゲームの購入は博打だった。ファミコンやスーパーファミコン全盛の時代だ。ゲームに関する情報といえば、ゲーム雑誌とCMのみ。そのCMもゲームの映像は映し出さず、タレントが何かしらの演技をしているものだったりした。
ゲーム情報砂漠。発売後しばらくしてから評価が定まったソフトは仲間の口コミを信じればよいが、発売日にソフトを買うことは一種の賭けであった。パッケージとは似ても似つかないヒーローや戦闘機、単調で盛り上がりに欠くゲーム展開……。最近でこそ使われなくなった言葉だが、いわゆる“クソゲー”に何度泣かされたことか。当時のスーパーファミコンのソフトは9,800円の価格帯がザラだった。なんと昨今のゲーム価格より高いのだ。そのため、クソゲーをつかまされたときのダメージは心身をともに堪えるものだった。
こうした旧態依然とした状況に風穴を開けたのが、プレイステーションを引っさげてゲーム業界に参入したソニー・コンピュータエンタテインメントだ。音楽ビジネス畑出身の同社は、購入前のCDの“視聴”など当たり前の話。ユーザーに賭けを強いるゲーム業界のあり方に大きな疑問をいだいていたのだった。
そこで同社が行ったのは、体験版の制作と配布だった。ユーザーに実際にゲームの導入部などを遊んでもらい、良し悪しを判断してもらう。そんな良き習慣を作り上げたのだ。このアイデアは当然のことながらユーザーに受けに受けた。体験版を手に入れるために、配布日の前にゲームショップ店頭で徹夜をした。そんなユーザーも少なからずいたほどだ。
この体験版の発想は、今現在も引き継がれ、より一層活発になっている。例えば、プレイステーション3。インターネットに接続すれば、『グランツーリスモHD』や『RIDGE RACER 7』などの無料体験版をダウンロードできる。これまでは体験版を手に入れるには、店頭に並ぶのが当たり前だったが、今は自宅のソファに寝そべりながら入手できるのだ。改めて思うが、いい時代になったと思う。
プレイステーション・ポータブル(PSP)も体験版の配布に熱心だ。ゲーム量販店などの店頭にある体験版配信サービス「PlayStation Spot」
や、
「PSPブラウザ オフィシャルサイト」にアクセスすれば、現在『LocoRoco』や『サルゲッチュ ピポサルレーサー』をはじめとした11タイトルの体験版をダウンロードできる。
任天堂もニンテンドーDSの爆発的なヒット以来、体験版の配布に余念がない。任天堂は『脳を鍛える大人のDSトレーニング』や『パネルでポンDS』に搭載されている機能のように、ソフトそのものから周囲にある別のニンテンドーDSへ体験版を供給する仕組みを考案した。これはソフトの“おすそわけ”の発想だ。新しい体験版の供給方法として、その恩恵にあずかっている人たちは多いと思う。
また、玩具店などに足を運ばなければならないというデメリットはあるが、店頭に設置されたDSステーションという什器を利用すれば、なんと100タイトルからの体験版をダウンロードすることが可能だ。これは驚くべき数だ。
クソゲーをつかまされて泣かされた。そんな習慣とは、もうさよならだ。 |