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任天堂のCMじゃないけれど、ニンテンドーDSはどれだけの顔を持ったゲーム機なのだろう、と思う。ソフトを挿すだけで、「ポケモン」のような優れたゲームを遊べたり、英語の勉強ができたり、今夜のおかずの献立を考案したりすることができる。
ニンテンドーDSは、使い方次第ではアウトドアでも使用できる。本連載でも紹介したことがあるが、京都の嵐山にある百人一首の博物館「時雨殿」や、先日Bunkamuraで開催された「エッシャー展」では、パーソナルビューワーとして活用された。気になる百人一首の札があればその絵柄をニンテンドーDSの画面に大写しにすることができるし、だまし絵のトリックを暴くために絵の一部を拡大表示することだってできた。
そして、今また新たにニンテンドーDSのアウトドア的な活用方法が提案されている。題して「日本橋観光まちナビ」。簡単に言えば、ニンテンドーDSが日本橋の観光ガイドブックになる試みだ。日本橋の町を歩きながら、日本橋はもちろん、日本銀行貨幣博物館や長崎屋などの名所・旧跡の前を通りかかったときに、ニンテンドーDSの下画面をタッチすると、映像と音声でその詳細な解説を聞くことができるのだ。名所・旧跡に限らず、祭りや伝統芸能、店舗など幅広い情報が収録されている。
映像や音声は、それらの場所に設置されたWi-Fiポイントから発信されているのだろう。
比べてみてほしい。これまでの紙メディアの観光案内と、映像と音声で見られる観光案内の違いを。観光スタイルの「過去像」と「未来像」と言っていいほどの差がある。
この「日本橋観光まちナビ」がこれまでと違うのは、これを国土交通省が実施していること。「まちめぐりナビプロジェクト」の東京都の中で唯一採択された実証実験で、1月15日から2月末日まで、日本橋の4か所で開催されている。くわしくは、公式サイトを参考にされたい。
僕はめまいを覚える。ニンテンドーDSがゲームのあり方を大きく変えたことに。
昔、ゲームは一日一時間、という標語を使っていた名人がいた。この根底には、ゲームは時間を浪費し、子供を勉強から遠ざけるもの。目を使うので、視力を著しく下げるもの、という「ゲーム悪者論」があった。
それが今ではどうだろう。話は冒頭に戻るが、中高年が脳を活性化するためにニンテンドーDSに励み、カップルがアートを楽しむためにニンテンドーDSを片手に美術館めぐりをしている。そして今度は“お上”が新しい暮らしの提案として、ニンテンドーDSを活用しよう、と試みているのだ。
古今東西、さまざまなゲーム機が発売されてきたが、ニンテンドーDSが歴史的に最も革新的で、ゲームの一変させた存在であることは間違いない。
ありきたりな締めくくりになりかもしれないが、ニンテンドーDSは、今後もまだまだ刺激的な展開を見せてくれそうで、少し足りとも目が離せそうにない。
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