@アキバ!がいど  

第38回
ビルの5階に本物のメイドを見た!
リアルメイド喫茶「schatzkiste」探訪の巻

2007.06.01

 秋葉原にはよく行くけど、「通」ってわけでもない、そんな微妙な立ち位置の記者が、皆様と一緒に秋葉原についてお勉強してアキバ通を目指そうという、そんなコーナーであります。今回は、筆者の周囲で評判がいいメイド喫茶「schatzkiste(シャッツキステ)」を訪れてみました。

妙に評判のいいお店は、電気街のビルの5階にひっそりとあった

▲「schatzkiste」に至る階段は「スターケバブ★Akiba Terrace」と液晶の「ばんばん」の間にある。エレベーターなしで5階まではちとキツイが、お店に着けばゆっくりできる。頑張ってのぼろう

  個人的なことですが、筆者の周囲で行った人間全員が「あの店はいい!」、「ほかとは雰囲気が全然違う」と、とにかく絶賛していたメイド喫茶「schatzkiste」。新しいほうの「スターケバブ」や牛丼屋「サンボ」の近くにあるということだけは聞いていたので、筆者も付近を通るたびに気にしていたのですが、一向に見つかりませんでした。それもそのはず、「schatzkiste」は小さなビルの5階に、まさに「ひっそり」という表現が相応しいような佇まいで存在していたのです。
  店内はドイツをイメージしたファンタジー世界というのがコンセプト。全体にアンティーク調のもので統一され、ファンタジーらしい雰囲気がよく出ています。もともとメイド長のエリスさん自身がファンタジー的な世界観が好きだったらしく、小物なども日々入れ替えて、さらに雰囲気のよいお店を作っている最中だそうです。

▲内装など、お店は後述のメイドさん9人だけで、1か月くらいで作ったらしい。いい古さを持った家具や壁紙、写真では見えないが照明など、お店全体が異世界のような雰囲気。女性のお客さんも4割程度いるようだ ▲今回、お店の案内をしてくれたメイド長のエリスさん。落ち着いた雰囲気ながら、ドイツでファンタジーと言えばジャーマンメタル、といった濃いめの話題もできる、素敵な女性オタクだった

読書、ゲーム、妄想!? 「schatzkiste」の3つの楽しみ方

▲入店時にもらえる伝票として「盗賊の鍵」のような鍵が渡される。付いてある紙に入店時間が書かれ、それによって滞在時間がわかるようになっている

  お店のシステムは30分ごとに500円と、かなりシンプル。メニューも入店後に紅茶のアイスかホットかを選ぶだけで(おかわりし放題)、あとはお茶請けのクッキー(100円)があるくらいです。飲み物を注文したらあとは自由。自分の好きな方法で過ごしましょう。
  ただ「schatzkiste」が推奨している過ごしかたが3つ存在します。まず最初に読書。読むのは店内に用意されている本でも、自分が持って来たものでも何でもOK。店内の本には、ファンタジー系の小説や仕掛けのある絵本などがあります。
  次にボードゲーム。これまたメイド長のエリスさんがお店を始める前から好きだったらしく、有名なドイツの『カタン』(※1)をはじめ、店内には多くのボードゲームがあり、自由に使って、友人や、ときには知らないほかの客さんとも遊べるのです。メイドさんと一緒にプレイするのは不可能ですが、ルールがわからない場合は、プレイ前にじっくり教えてもらえます。
  最後のひとつはこのお店ならではのもので、「schatzkiste」の世界観を堪能すること。もともとこのお店を開く際の目的のひとつに、近年増えてきた一般の方も含めて、物を作ったり、物事の裏にある設定を想像したりというオタク特有の楽しみ方を楽しませたいというものがあったそうです。
  例えば突然店内に増えた小さなコウモリの人形から、「実はあのコウモリは、勇者に倒されたヴァンパイアロードのなれの果ての姿で、現在魔力を貯めるためにメイド喫茶で休んでいるのだ」などと、勝手な想像で脳内保管をすること。メイドさん同士の世間話や日々変わる店内の様子から、そういったオタク特有の妄想力でお店の裏設定を作っていくのがおすすめの過ごし方らしいです。ん~、奥が深いです。

▲食器棚。右下にある真ちゅう製のはかりが、エリスさんお気に入りの家具のひとつ。クッキーはこれで量り、右の皿が下まで降りると1カッタン(=100円)だ ▲ボードゲーム好きが講じて、お店がモチーフのオリジナルゲーム『attick to cellar』(※2)まで制作、販売をした。現在品切れ中だが、店内ではプレイ可能
▲左側の年季の入った冊子がコミュニケーションノート。開店して1年強で10冊弱とハイペース。お客さんの「schatzkiste」への熱い愛がぎっしり綴られている ▲2006年12月4日、お店に突然やってきたヴァルゴ(コウモリ、オス)。詳しくはメイドさんが書いているブログを参照。こんな人形ひとつから妄想するのだ

人気のため満席のこともあり、狙い目は土日の昼間以外

▲メイドさんが手作りで作った9人分の人形。普段メイドさんは店内で編み物をしており、昨年末までに全108体を作成。見事すべて販売しきったようです
▲ファンタジーで統一された空間の中、唯一、アキバっぽさを醸し出していた『まなびストレート』のDVD。「どうしても外せない」(エリスさん談)らしい

  そのほかにこのお店の特筆すべき点として、メイドさん9人が、2006年3月の開店からまったく変わっていないということが挙げられます。開店当初から「このメンバーで『schatzkiste』という作品を作っていくんだ」という思いが強いらしく、誰かひとりでも欠けたらお店をたたむ覚悟もあるとか。個人的には、どこかのアイドルみたいに金髪の新メンバーを加えてもよいのでは、とも少し思いましたが、まるで『三国志演技』の「桃園の誓い」のような熱さに感銘を受けました。メイドさんはそれぞれに歌やバイオリン、文章、イラスト、ボードゲームなど得意な分野を持ち、店内で披露したり、雑貨として販売したり、お店の同人誌を作ったりとさまざまに活躍しています。
  このように珍しいこだわりが随所に見られるだけにお店は人気で、店内には13席しかないため土日の14~18:00辺りは満席で入れないことも多いようです。その時間帯に訪れ、入れなかった人用の「残念カード」にポイントを貯めてメイドさん手作りの「何か」をもらってもよいのですが、お店にスムーズに入るにはそれ以外の時間帯がおすすめのようです。
  また、先の想像を膨らますためにもお店の公式サイトにある物語を読んでいくとより楽しめるかも、とのこと。ぜひ一読し、雰囲気が気になったらお店に行ってさらに自分なりの物語を想像してみましょう。

SHOP DATA
schatzkiste
営業時間: 12:00~22:00
定休日: 火曜
住所: 東京都千代田区外神田3-10-7
第2北澤ビル5F
[ Google Earthで確認 ]
※閲覧にはGoogle Earth(無料)が必要です

【Akiba New Spot Guide】
JR秋葉原駅のすぐそばにインパクト大のお店が出現
「ミマツ音響 電脳市場」とはどんなお店なのか!?
【今回の案内人…?】
社長の山本氏……はお忙しくて撮れなかったため看板から。個人的にはアキバの気になる看板ランキングで、ドン・キホーテ秋葉原店を越えて単独トップに立ちました。
SHOP DATA
ミマツ音響 電脳市場
営業時間: 10:00~19:30
定休日: 年中無休
TEL: 03-3253-9087
住所: 東京都千代田区
神田佐久間町1-7-3
[ Google Earthで確認 ]
※閲覧にはGoogle Earth(無料)が必要です
 

 去る5月7日、秋葉原から南に30秒ほど歩いたところに、とにかくインパクトのあるお店ができました。その名も「ミマツ音響 電脳市場」。店内すべてが黄色に塗られ、店頭には黄色地に“おじさん”が腕を広げている姿が描かれた看板を掲げており、ガードレールの下にあるというのにとにかく目立ちます。
 「ミマツ音響」はその名のとおりオーディオ機器を中心に扱う、1950年創業の老舗。「秋葉原ラジオセンター」内の「第一売場」、「第三売場」を拠点に、その後、パソコン関連製品や防犯グッズなども含めて多様な製品を扱っていました。そんなアキバ伝統の老舗が、なぜ突然こんな看板(失礼)にしたのか、そのほかお店にある商品についてなどを問おうとお店にお邪魔してみました。

  しかし店内唯一の店員さんに聞いてみると「今ちょっと手が離せない」ということで、話は聞けず。これは困った、と公式サイトを開いてみると看板などについてはすべて由来などが載っていました。看板に載っているのはミマツ音響株式会社社長の山本荘司氏。曰く「電気屋が暗くてどうする! 明るくなければ電気屋じゃない!!」というモットーをお持ちらしく、ド派手な看板もここから来ているようです。確かに、明るさだけならアキバにあるどんなショップにも勝っています。
 中に入ってみるとかなり硬派なお店で、ケーブルや特殊な電池、細々としたパーツなど、素人がひと目見てわかる製品のほうが少ないくらい。自分はメガホンと特殊警棒、UHFアンテナ、マイクくらいしかわからず、やはりゆっくりお話が聞きたかったな、と少々残念です。写真を撮り終え、帰り際にもう一度店員さんに挨拶をしようとすると、なんとその時にいた唯一の店員さんが看板の山本社長だとやっと気がつきました。決して小さなお店というわけでもないのですが、社長自ら商品を並べ、レジに立つという姿勢。派手なだけではなく誠実な、なかなかいいお店のようです。


※1『カタン』……1990年中盤以降のボードゲームブームを代表するドイツ製のゲーム。正式名称は『カタンの開拓者たち』。日本ではカプコンが輸入、販売をしている。ルールなどは日本版公式サイトを参照。ちなみに「難しそう……」と感じた初心者には、ボードゲーム『ガイスター』がおすすめだそうだ(エリスさん談)。

※2『attick to cellar』……地下室に発生した幽霊を、メイドさんとともに退治しにいくという内容のボードゲーム。「attic」=屋根裏(「schatzkiste」のコンセプトのひとつ)、「cellar」=地下室で、「屋根裏から地下室」という意味。さらに「attack」の「k」を加えて、「attick」という造語になった。凝ってます。


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