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プレスリリース  

「Wiiコントローラはゲーム人口拡充のため」任天堂Round Table

2006/05/12
[任天堂]
   
 
 任天堂は5月10日(水・現地時間)にRound Table(簡単な発表会)を行い、宮本茂氏によるWiiコントローラコンセプトの説明や『大乱闘スマッシュブラザーズX』の発表を行った。

 Round Tableは宮本氏の「さぁ、みなさん、Wiiと言いましょう」という挨拶でスタート。宮本氏の「Wii」にあわせ、集まった報道陣も一斉に「Wii」と挨拶。にこやかな雰囲気でRound Tableが始まった。

 まずは宮本氏が自らのビジョンをコメント。「本当にやりたいのはかつてのユーザーの呼び戻し。ゲームが複雑になって、コントロールの仕方が難しくなって、プレイが大変になってきた。それでは、ユーザーが減ってしまう。それをなんとかしたかった」という。
 また「ゲーム会社間の競争ではなく、世の中の他のエンタテインメントとの競争になる。この“競争”を行うことで、ゲーム業界がもっと広がっていく。そうすれば、昔ゲームを遊んでいたけど今は止めてしまった人、まだゲームを遊んだことがない人、そういった人たちをユーザーとして迎え入れることができる」と、語った。
 ファミコン誕生以来、ゲーム業界の最大のユーザー層であった第2次ベビーブーマーが加齢とともに少しずつゲームから離れていった。他にも近年の市場縮小の理由があることは間違いないが、宮本氏はそのひとつに「ボタン数増加によるプレイの複雑さ」を考えたようだ。そして、それの解決策が“体全体で直感的に動く”Wiiのコントローラであるということなのだろう。

 しかし、宮本氏は「今までのコントローラから持ち換えると、最初はとても違和感を感じる。僕は左利きなんですが、その利き手の感覚でヌンチャクコントローラを持って“さぁリンクを動かそう”と思うと、これが動かない。“あ、逆だ”って気付く(笑)。これまでのゲームに慣れている人ほど、そうなる。むしろ、Wiiで初めてゲームを遊ぶ人のほうがすぐに自然に遊べるようになる」と、若干、とっつきにくいことを認めている。
 だからこそ「もう一度、世の中のみんな、リセット。ゲームの遊び方が一から生まれ変わる」と発言し、ゲーム産業がWiiによって新たな市場となることを予見しているのである。

 宮本氏のトークが一段楽したところで、『大乱闘スマッシュブラザーズX』のムービーを上映。新キャラクタの存在で報道陣を沸かせた後、本作の制作には欠かせない桜井政博氏の登場となった。
 桜井氏は「『スマブラDX』を作ったあと、もう『スマブラ』を作ることはないと思っていた。僕が当時在籍していたHAL研究所を退社し、チームも解散していたから。しかし、昨年のE3で任天堂の岩田さんから直接、声をかけられてきっかけが生まれた。そして、チームも任天堂が集めてくれて、2005年の10月ころから本格的に開発がスタートした」と、本作の制作が始まった経緯を語った。
 また「高田馬場にオフィスを構え、“外人部隊”なんて呼ばれている」とコメント。集まった日本人メディアから笑いをとっていた。

 続いて宮本氏、桜井氏へのQ&Aへと移行。その主な内容は下記のとおり。
Q:過去の作品をWii用に作り直す?
A:それも面白いけど、今は作りたいものがたくさんある。Wiiのヌンチャクコントローラではポインターで画面を触ることになるので、昔のゲームの操作をこれに変えるだけでも面白いかも(宮本氏)。

Q:Wiiの『マリオ』はどんな感じになる?
A:一人が遊んでいるときに、もう一人が助ける、もしくは邪魔をするといったことができるようにしたい(宮本氏)。

Q:『大乱闘スマッシュブラザーズX』はヌンチャクコントローラで操作する?
A:ヌンチャクにこだわらず、最も遊びやすい操作を検討中。WiiはGCのコントローラを使うこともできるので、GCのコントローラをまだ捨てないでほしい(笑)。宮本さんがヌンチャクコントローラを使った新しいゲームを作ってくれるので、バランスとして僕は別の方向性も考えたい(桜井氏)。

Q:『大乱闘スマッシュブラザーズX』に登場するワリオは、オナラの技を使える?
A:ええ、使うことができる。それに、『大乱闘スマッシュブラザーズX』にはここで発表した以外のキャラクタがまだまだ登場する(桜井氏)。

Q:『大乱闘スマッシュブラザーズX』はWiFiに対応する?
A:ええ、もちろん。WiFi対応、これがそもそもの開発コンセプトのひとつ。ただし、単に4人で対戦して誰かが1位、というだけではつまらない。もっと何かできないか、検討している(桜井氏)。

Q:いま、最も気に入っているWiiタイトルは?
A:『Wii Sports』の中の「テニス」。これは初めてWiiで遊ぶ人でも簡単にプレイすることができる。対戦しても良い勝負ができる(宮本氏)。

Q:Wiiのハードそのものの“チャレンジ”要素は?
A:「操作は簡単」「ボタンは少なく」「初めて見たときに受け入れやすい」こうした要素をすべて盛り込まなければならなかった。これらの解決が難しかった(宮本氏)。

Q:『大乱闘スマッシュブラザーズX』に『メタルギアソリッド』のスネークが登場するが、これは誰の企画?
A:以前、小島監督が「『スマブラ』にスネークを出してくれない?」と言ってきてくれた。そのときはもう二度と『スマブラ』を作るとは思っていなかったので、そのときは「もっと早く言ってくれれば良かったのに」と答えていた。それが今回、新作を作ることになり、実現に至った(桜井氏)。
A:これは会社同士の信頼の問題なので、非常に慎重に進めた。他社さんの愛情が注がれたキャラクタをお借りするわけだから、慎重に話を進めなければならない。実は、「ソニックも出してほしい」と言われたこともある。だが、前述のとおり、そう簡単に答えは出せない。しかし、今回スネークの件があるので、今後同じような事例が成立する可能性もある(宮本氏)。

Q:『大乱闘スマッシュブラザーズX』の新しい部分は?
A:今回は1人用のモードを充実させる。過去のGC版よりも、もっと一人でじっくり遊べる仕様を入れる(桜井氏)。
A:実は、1人用モードについては桜井君と必ず意見が対立していた。僕は「1人用はいらないから早く作ってよ」と言っていて、桜井君は「いや、必要」と譲らない。これまではそれをその都度、話し合ってきたが、今回はすべて桜井君に一任している。どうなるか、僕も楽しみ(宮本氏)。

Q:Wii独特のコントローラ、それをどうやって普段ゲームを遊ばない一般層に浸透させていくのか?
A:人は、他人の遊んでいる姿を見てそのエンタテインメントに興味を持つ。その過程をいかに多く作り、より効果的にしていくか。それを考えたプロモーションを行う。そして何よりも、“ゲームは暗い部屋で遊ぶ、暗いもの”という悪いイメージを払拭したい。ゲームは明るいものなんだというイメージに変えていきたい(宮本氏)。

Q:なぜWiiはHD対応ではない?
A:まだ、その時期じゃない。HDに対応させるのは簡単。しかし、現在の市場を考えると、それをやるのは今でなくてもよい。ただ、これが5年後は別。5年後はHDで当たり前になっている。本格的に対応させるのは、市場がそんな意識になったときでよい。Wiiには、それよりも先にやることがある。

 上記のQ&Aをもって、今回のRound Tableは終了。ちょっとした答えの随所に、宮本氏の現在のゲーム市場に関する思想があふれていたものとなった。特に興味深いのは、グラフィックに関する意識。PS3やXbox360がHDによるグラフィック描画能力の強化を大きな要因としているのに対し、「Wiiは違う。他にやることがある」と、はっきりと答えている。ゲームはあくまでもゲーム、そのゲームをゲームのままひとつのエンタテインメントに昇華させ、一般へ浸透させていく。それによってゲーム人口を増加させる。そのためにどうするか。それはグラフィックではない。遊び方である。そんな強い信念があるのだろう。
 ニンテンドーDSでタッチパネルを搭載し、発表当初はその機能に疑問を投げかけられた。しかし、今ではそれがニンテンドーDSの成功要因となっている。「新しい遊び」を常に念頭に置き続けている任天堂の新たな挑戦であるWii。いま、追い風は吹いている。このハードは、ニンテンドーDSに続くプラットフォームになれるだろうか。


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