プレスリリース  

ガンホー堀氏「コミュニティ」がウリとなる時代は終了

2005/03/03
[アジアオンラインゲームカンファレンス公式サイト]
   
 
 アジアにおけるオンラインゲーム市場について、現状や問題提起、展望などが積極的に論じられたアジア オンラインゲーム カンファレンス。ガンホー・オンラインゲームエンターテイメント 技術担当取締役 堀 誠一氏が登壇し、オンラインゲーム開発に対するガンホーの取り組みについて、スピーチを行なった。

 堀氏は東京ゲームショウ2004で発表したゲームアーツとの共同開発タイトル『Codename:GO』などの具体的なタイトルについて、触れることはなくかった。セッションは、MMORPGの開発における注意点中心の話題となっていた。

 まず開発における注意点の前置きとして、韓国との日本の国内のゲーム状況を振り返った。「韓国では、小さな会社がトライアルとしてオンラインゲームをいくつも制作している。このことがオンラインゲームのコンテンツの充実と、開発者の育成に繋がっている。」と話し、続いて堀氏は日本の状況として「ネット環境としてまず、ブロードバンド後進国である。さらにコンシューマ・アーケードゲームが大量に制作できる場を完成させたがために、オンラインゲーム開発が遅れてしまった」と分析。さらに開発者の対応不足、状況把握の立ち遅れ、ミドルウェア・ネットワーク・サーバーに関する知識不足を挙げて言った。

 また昨今もてはやされている「MMORPG」について、「MMORPGという名前をつけてしまったがために、ゲームそのものの限界点を創出してしまい、市場を狭くしてしまっている。そろそろMMORPGという言葉自体、役割を終えるべきだ」と語った。

 現在の日本におけるオンラインゲームは、そのほとんどは海外からの輸入タイトル。日本はオンラインゲーム後進国というポジションからの脱却できるかどうかについて、以下の点が挙げられた。

■ユーザーの選択肢が多く、取捨選択の場が多い。それ故作品に対する審美眼が厳しい。逆にユーザーのニーズに応える作品は世界に通じる
■品質管理、生産工程のノウハウの保持。開発におけるチェックの目が行き届いている
■ゲーム以外のアニメやマンガなどの市場と協調しやすい。

 このほか堀氏は、MMORPGを開発するにあたり、サーバー構成やハードの選択、開発会社との契約の注意点、さらにゲームマスターの役割などを挙げた。
 このセッションで一番印象を強く受けた言葉は「オンラインゲームのウリとしてのコミュニティは終了する」という話しであった。
 「ゲーム性が薄い故に、ユーザー同士が集まることによってゲームが“楽しい”と感じる。つまりコミュニティだよりとなってしまい、ゲームから与えられるものの少なさを、今後ちゃんと解決していかなくてはならない」とし、ゲームとコミュニティは別物であると強調。昨今のコミュニティだよりという傾向に一石を投じるスピーチであった。

 日本国内No.1のMMORPG『ラグナロクオンライン』の運営を通して、様々な経験とノウハウを蓄えてきた堀氏。今後その経験をどのような形でみせて頂けるのか、今後のガンホーの動きに注目したい。