高校1年生の子供を持つ金さん(45歳・自営業)はこのごろ悩んでいる。勉強を放り投げっぱなしで、ゲームだけに夢中になっている子供が心配で眠れないのだ。
主婦の朴さん(36)も金さんと同様だ。新しい仕事を探すと言って会社を辞めた夫が、一日中ゲームしかしないからである。朴さんは、「この不景気のなかでゲームだけに夢中な夫が無気力に見えて気がかりだ」と言う。
ゲーム中毒となり、正常な家庭や社会生活をおくれないという人々のエピソードは、忘れられたかと思うと出てくる話題である。
このようなエピソードの主人公たちは、外部とは一切接触せずに引きこもってゲームだけに没頭する、いわゆる「ゲーム廃人」として描かれる。そのため、急速に成長してきたゲーム産業の姿には目を背けたまま、ゲームの“副作用”にのみ注目されていると言えるだろう。
では、ゲームが好きな人々は皆“廃人”なのだろうか? 必ずしもそうだとは言えない。ゲームを楽しみながら、自分の人生を力強く生きていく人々もいる。
小学生のころからゲームを楽しんできたというシンさん(27)は、2007年2月に開かれたXbox 360『WINNING ELEVEN X』のゲーム大会で数多くのライバルを破り、最強のユーザーとしての地位を固めた。彼は、サッカーゲーム『WINNING ELEVEN』シリーズにおいては特別な存在であり、彼の老練でかつ派手なプレイは周囲に嘆声をもたらす。2007年2月の大会でも、個人戦・団体戦ともに試合序盤から大量得点を決めて相手を強く圧倒し、勝利を“予告”したのである。
このような姿から、彼は人生を“ゲームだけ”で生きていくように思われがちだが、実は、高麗(コリョ)大学生命科学部を卒業して外資系製薬会社の「韓国MSD」社に就職。新たな道を切り開いている。
シンさんは「単純にゲームを楽しんだことよりも、ゲームを通じていろいろな人々と出会ったことが記憶に残っている。そしてゲームを楽しんだことが、普段の仕事や勉強における活力源となる」と述べている。
Xbox 360用FPS『Gears of War』の同好会「BOSクラン」のメンバーたちもまた、特異な経歴の持ち主である。
計20人ほどのメンバーたちは、ハーバード大学、マサチューセッツ州工科大学といたアメリカの名門大学の出身者が多い。そして「現代金属」社代表取締役シン・ザンウさん(41)、「ファッションネット」社代表取締役キム・ユンジュさん(42)、「GS Holdings」社常務ホ・ヨンスさん(39)といった人物が名を連ねる。彼らは時間があると、オンラインで一緒にゲームを楽しみ、親睦を図っている。
キム氏はこのような活動について、「利害関係ではなくゲームという共通の関心事を持った人々が純粋に、ともにゲームを楽しむというところに魅力がある。まるでオフラインでサッカーや登山を楽しむのと同じだ」と述べた。また、同氏は「ゲーム市場の拡大を目前にし、事業家としても、新たに展開されるデジタル産業の先端の理解が進められて興味深い」と付け加えた。
2007年1月、某ゲームメーカーにマーケッターとして入社したチォン・ヘリョンさん(24)は、初の就職先としてゲーム業界を選択した、特殊な人間である。
彼女は「2006 ミス・コリア コンテスト シアトル」の1位として選ばれたが、芸能界進出という誘惑を振り切って、普段から興味を持っていたゲームマーケッターとしての道を選択したのだ。
「ゲームについてどう思いますか?」という質問に対して、チォン氏は 「ゲームは“友達”で、一緒にいると楽しい。一生、付き合っていきたい」と述べた。
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