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事実誤認から生じる販売禁止騒動 その背景にゲーム専門家の存在
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2010.08.27 |
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戦争をテーマにしたゲームで欧米がまたも揺れている。今回騒動の渦中におかれているのは、Electronic Artsのアクションシューティング『Medal of Honor』の新作。そのマルチプレイモードではプレイ可能キャラとしてタリバン兵も選べることから、アメリカなどで問題視。とくにイギリスでは、リアム・フォックス国防大臣が販売禁止を訴えるほどまでに至っている。
この騒動のなか、イギリスのニュースサイト“Telegraph.co.uk”は、政治家がゲームを断罪する昨今の風潮について論評。とりわけ、事実誤認からくる騒動を批判している。
例えば、本や映画、テレビ番組、絵画、音楽アルバムといった他の分野では、作品が議論の的になると、ニュース番組などで同分野の専門家が呼ばれて背景事情を説明してくれるのが普通。「ところがゲームの場合、ゲームに詳しくない人でも好き勝手なことを言える。問題視されているゲームだけでなく、業界全体をも攻撃する。まれに詳しい人が呼ばれても、その声は他の意見にかき消され軽視されてしまうのだ」
ちなみに、冒頭で紹介したフォックス大臣は「タリバン兵になってイギリス兵を殺すことができる」と言って『Medal of Honor』を非難したが、EAは「このゲームにイギリス兵は登場しません」と正式にコメント。また、マルチプレイモードの性質についても大臣には誤解があったかもしれない。このように、思い違いで過剰反応が起きているケースが目立つ。
しかし、かといって他の分野と同じように専門家を見つけてくればいいかというと、そう簡単にはいかないようだ。“GameCulture”は上の論評に対して「そもそもゲームの専門家って何?」と問いかけている。
専門家とは、ゲームの関連分野で学位を取った人のことなのか。それとも開発者か。ジャーナリスト、あるいはゲーマーなのか。誰を呼んでくればいいのか……(ちなみに、同サイトの記者は長年ゲームをプレイして記事を書いてきたが、とうてい自分が専門家とは思えないと明かしている)。
ゲームにまつわる誤解がいまだに生まれているのは、正しい情報や背景知識を伝えるチャンネルがいまだ確立できていないところに原因があるのかもしれない。
(中島理彦)
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