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プレス向け発表会における「イエ〜!」との記者の歓声に疑問
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2010.08.19 |
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アメリカのプレス向け発表会は、ビッグなアナウンスがあると会場席から「イエ〜!」と歓声が上がり、大いに盛り上がるもの。筆者はそれを見て「活気があっていいな」などとのん気にとらえていたのだが、真面目なジャーナリストからは「報道にたずさわる者として恥ずかしい!」と批判の声も上がっているようだ。
ニュースサイト“GamePro”のAJ Glasser記者も、そんな批判を寄せる1人。大学でスポーツ・ジャーナリズムのクラスを取った彼女は「スポーツ記者は試合のプレス席で歓声を上げてはいけない」という鉄則を学び、ゲーム記者もこの鉄則に従うべきだと考えている。
もちろん、スポーツ報道の鉄則をゲーム報道にそのまま適用するのは強引かもしれない。だが、記者たちが歓声を上げて拍手喝采する光景は、健全なものでなくなっているのではないかと彼女は案じる。
その典型的な例として挙げられたのが、今年のE3開催直前、マイクロソフトが主催したプレスイベント。同イベントに招待されたプレス関係者は全員が白いポンチョを着せられ、客観的な立場でイベントを観察するのではなく、じかに参加することを余儀なくされた。そのうえ、実況ブログやツイートをすることも許されなかった。
「あのとき私はプロのジャーナリストではなく、カーニバルのお客さんになったような気分だった。パフォーマーのジャマにならないようにして、ステージがよく見える場所を陣取るので精一杯。だけどそのとき、“USA Today”紙はすでにKinect対応ソフトの紹介記事を載せて、会場で得られるよりも多くの情報を報じた。しかもイベントは後日テレビで放送されたから、私たちはお客さんだけでなく、ステージの道具でもあったわけ」と彼女は憤慨。
そして翌日行われた同社のプレスカンファレンスでは、何百人もの人で席は埋め尽くされ、ステージ上の発表に誰もがいちいち拍手喝采。「最後に新型Xbox 360がタダで全員に進呈されることがわかると、スタンディング・オベーションまで起きた」と、当時の模様を苦々しく思い返している。
このような傾向は、ジャーナリズムの観点から反省すべきなのはたしかだろう。また、プロのジャーナリストがファンのように扱われるのは、業界にとってもよくないことだと彼女は言う。ゲームの作り手が、ゲームに対する評価を正確に知る機会がなくなってしまうためだ。
日本の報道関係者は、さすがに欧米に比べてクールなはず。だが、上の指摘には耳を傾け、あらためて居ずまいは正しておきたいものだと思う。
(中島理彦)
【関連コンテンツ】
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