 |
 |
ゲームの“絶滅品種” 発見、保存することは叶わないのか…
|
2010.07.30 |
|
つい最近、チャールズ・チャップリンが出演した幻の作品が見つかり、米バージニア州の映画祭で上映された。この映画は1914年に作られたが、アナログなフィルム技術は過去90年間大きく変わっていないため、再上映は比較的容易だったようだ。だが、ゲームでも同じことがいえるだろうか?
MITの技術情報サイト“TechnologyReview”が報じたところによると、オーストリア・ウィーン工科大学の研究者たちは、家庭用ゲーム機タイトルの保存について現状を調べたという。
この調査によると、今から何十年もたつとハードが大きく変遷することが予想されるため、古いゲームの発掘と再現は、映画のようにはできなくなるかもしれないという。しかもそれは、1本2本のタイトルどころの話ではなく、ハードに対応したゲームライブラリーがまるごと“絶滅”してしまうことを意味している。
ゲームの保存方法として、まずパッと思いつくのはエミュレータ。しかし、大半のエミュレータはゲームを完全に忠実に再現できるわけではない。商業用ソフトではないのでアップデートは少ないし、開発が止まってしまうことさえある。また、コンピュータ環境の変化により、エミュレータそのものが絶滅に追いやられる可能性だってある。
このほか、メーカーが保管していたはずのハード仕様の資料が紛失したとか、極秘扱いで入手できない、あるいは著作権法により、エミュレータによるゲームの再生や、別媒体への複製ができないといった事情が、ビデオゲームの保存を阻む要因になっているという。
というわけで、信頼できる保存方法は、プレイヤーがオリジナルのゲーム機でプレイする様子を、ビデオに録画するくらいしか残されていないようだ。でも、これではゲームの肝ともいえるインタラクティビティは再現できない。
最近では、現世代のゲーム機で懐ゲーを配信する動きも目立っているが、人気・定番タイトルがフィーチャーされる一方で、忘却の中に置きざりとなってしまうタイトルも無数にあるはず。それらを完全に保存する方法を見つけるのは、ゲーム文化の資産を、映画・音楽・文学なみに培うために必要なことではないだろうか。
(中島理彦)
【関連コンテンツ】
・欧州で文化保存のため、過去のゲームを全て動かせるエミュレータを開発
|