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「E3 2010」プレスカンファレンスに北米メディアはどんな反応?【後編】 |
2010.06.18 |
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直前の任天堂があまりにも素晴らしかったため、「しんがりは大変だな」と、早くも同情の声が集まるなかでスタートしたSCEのプレスカンファレンス。だが、SCEがライバル視しているのはマイクロソフトだった。
冒頭でステージに立ったSCEアメリカのJack Tretton社長は、「ポンチョは着なくていいよ。こっちは自然体でいくから」と言って記者たちを笑わせた。2日前に行われたマイクロソフトのイベントで、来場者が全員白いポンチョを着せられたことをネタにしたジョークだ。
発表の大きな柱となったのは、3D立体視と「PlayStation MOVE」。来場者はポンチョの代わりに3Dメガネを渡され、一部のタイトルの紹介ではメガネを着用するように言われた。3D対応ソフトの筆頭『Killzone 3』の実機デモは、大スクリーンだったことも手伝ってか、非常に評判がいい。煙や雪などのエフェクトが強調する奥行き感や、向かってくるロケット弾の迫力などに驚嘆の声が上がった。3D対応ソフトのラインナップも充実しており、『グランツーリスモ5』ではひときわ大きな歓声が上がった。
一方「PlayStation MOVE」については、もともと“Wiiの後追い”みたいなイメージがついてまわり、前日にはマイクロソフトのKinectが発表されていたこともあって、当初は否定的なコメントが散見された。だが、実際に対応ソフトのデモを見て、多少なりとも考えをあらためた人は多かったようだ。
例えば、モーションコントローラを魔法の杖のように振って冒険する『Sorcery』というゲームでは、敵を氷づけにして砕き、ポーションを飲んでネズミに変身し、炎と竜巻の魔法を組み合わせて炎の竜巻を作る、といったゲームプレイを見て「これは楽しそう」という声が。MOVEの価格も納得のいくラインだったようだ。
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| 『Sorcery』のスクリーンショット |
さらにサプライズもあった。例えば『Portal 2』のPS3版には、多くの記者が目を丸くしていた。というのも、開発元Valve社のGabe Newell氏は、以前からPS3に批判的な発言をしていることで有名だったからだ。また、最後のサプライズとして『Twisted Metal』がPS3独占ソフトとして発表されるに至っては、歓喜の雄叫びをあげる記者も。日本には馴染みが薄いかもしれないが、海外では90年代にバイオレンスなカースタントゲームとして高い評価を浴びていた作品だ。
日本に馴染みがない……といえば、もうひとつ、このカンファレンスには大きな話題があった。PS3の北米CMで“ソニー広報部長”として登場するKevin Butler氏が、Tretton氏とともに共同司会を務めるというウワサがあったのだ。実際には司会ではなかったが、ゲストとしてステージに現れたときには客席が大いに沸いた。
この人、ちょうどドリキャスの“湯川専務”みたいに、PS3への親近感を盛り立てるのに貢献し、北米ではとても人気が高い。ステージではゲーマーを鼓舞するスピーチをやってのけ、これも大ウケだった。
こうして見ると、日本人にはキャッチーなネタが少なかったように思えるカンファレンスだが、そんななか、報道陣からは「Team ICOの『The Last Guardian』はどうなったんだ?」との声が出ていたことはお伝えしておこう。
一部の発表には否定的な意見も出ていた。例えば、PSNの有料プラン“PlayStation Plus”については「セールスポイントをわかりやすく示すべき。このままでは新たに金を巻き上げる手段でしかない」という厳しい声が出ていた。
なにより大きな失点だったのは、PSPの扱いだ。これまでの内容に比べて、目を引く新発表がほとんどなかった。せいぜい、先に紹介したButler氏に続いて、新たにゲーマー少年が主役となるPSPのCMシリーズが始まることくらいか。これには失望した人が多かった。
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さて、3回にわたって主要ハードメーカーのプレスカンファレンスを紹介してきたわけだが、北米のメディアに与えたインパクトに限っていえば、今年は任天堂が“ぶっち切りの大勝利”といって間違いないだろう。
SCEとマイクロソフトがモーションコントローラの進化を目指す一方で、任天堂は、携帯ゲーム機での3D表示という新しい道を示し、Wii/3DSの両方で、これ以上はないくらいに強力なソフトのラインナップを用意していた。
「PlayStation MOVE」と「Kinect」のどちらに軍配が上がったかは、記者の間で意見が分かれている。まったく新しいゲーム体験を求めている人は「Kinect」、体全体を動かすことに抵抗があり、ソフトのラインナップを重視する人は「MOVE」を評価しているようだ。
昨年と比べて、ちょうど正反対の結果になっているのが面白い。ここしばらくは「波がおさまった」などと言われていた任天堂だが、メディアは再び同社に熱い視線を注ぐことだろう。
(中島理彦)
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