欧米ゲーム事情  

「E3 2010」プレスカンファレンスに北米メディアはどんな反応?【中編】

2010.06.18
「E3 2010」プレスカンファレンス【前編】
「E3 2010」プレスカンファレンス【後編】

 前日のマイクロソフトに引き続き、今回取り上げるのは、任天堂のプレスカンファレンス。6月15日(火)に行われたこのカンファレンスは、ニンテンドー3DSと「ゼルダの伝説」の新作が発表されるとあって、以前からひときわ期待を集めていた。

 そして驚いたことに、実際の内容はその予想さえもはるかに上回るものだった。北米のメディアは「ここ数年で最高のカンファレンス」「こんなにスゴイとは思わなかった」「ワクワクした」と、大絶賛している。

 実況ブログを見てもその熱気が伝わった。他社のプレスカンファレンスと比べて、明らかに記者たちの打ち込みのスピードが速いのだ。Nintendo of AmericaのReggie Fils-Aime社長や、任天堂の宮本茂氏、岩田社長のコメントを逃すまいと、彼らが必死にタイプしているのが容易に想像できた。

 まず、来場者たちをじらすことなく、冒頭から「ゼルダ」の新作『The Legend of Zelda: Skyward Sword』を紹介したのが好印象。このあとの流れに期待をもたせた。残念ながら、宮本氏が実機を用いて行ったデモは、技術的な問題のためかトラブル続きだったが、カンファレンス全体に大きなダメージを与えずに済んだようだ。また、ゲーム体験をうまく伝えられなくとも、記者からは「絵画調のグラフィックがきれい」との感想は出ていた。

 そして、真打ちともいえるニンテンドー3DSの発表。事前に細々とした情報が漏れていたとはいえ、ステージ上のスクリーンに映し出される実機が少しずつ大きくなっていくときには、記者たちが固唾を呑んでいるようだった。同機の裸眼立体視機能付きワイド液晶や、3Dカメラ、アナログスティックはすでにウワサにのぼっていたものだが、今回彼らの間では“3Dボリューム(3D表示の立体深度を調節するレバー)”が評価されたのが面白い。新奇な機能をオフにもできることに、ちょっと安心したのだろうか?

 カンファレンスの最後で、3DSの実機を手にしたコンパニオンが大勢ステージから客席におりてきたときには、「とにかく早く触ってみたい」と実況ブログを早々に引き上げる記者たちがいた。このプレゼンは、スクリーン上で表現できない3D機能を来場者に理解してもらうための苦肉の策だったのだろうが、大きなアピールになっていたのは間違いない。

 Wii/3DSソフトの強力なラインナップにも感嘆のため息がもれた。例えば、3DS対応ソフトとして最初に紹介された『新・光神話 パルテナの鏡』。同作のグラフィックは携帯ゲーム機としてはクオリティが高く、「Wiiの水準には達しているのでは」との印象がもたれている。

 このほか、「星のカービィ」「ドンキーコング」がWiiソフトの新作となった『Kirby's Epic Yarn』『Donkey Kong Country Returns』。そして「黄金の太陽」のDS版『Golden Sun Dark Dawn』に、ニンテンドー64の名作をWiiでリメイクした『Golden Eye 007』、ディズニーものの新作として前評判の高い『Epic Mickey』など、そうそうたる顔ぶれ。

 これらのタイトルの中には、事前にまったく情報が出ていなかったものも多く、「任天堂は秘密をガードするのがうまいなあ」と感心する人も。

 一方で、期待作『ピクミン3』や、昨年のE3で記者たちを当惑させた「Wii Vitality Sensor」の続報がないという声もあった(※)が、とにかく取り上げるべき情報が盛りだくさんで、記者たちはまったく手を休めている様子がなかった。3DSをサポートするサードパーティの名前を岩田社長が列挙するとき、実況ブロガーの中にはタイピングが追いつかなくて「岩田さん、早い、早いよ!」と悲鳴をあげる人もいたほどだ。

 以上のように、満点に近い成果をおさめた任天堂のプレスカンファレンス。このあと、SCEはどうやって記者たちの関心を奪うのか?

(後編に続く)

(中島理彦)

※任天堂が同日中に行ったラウンドテーブルでは、「『ピクミン3』の開発も進行中と宮本氏が明かした」

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