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アバターの肉体を用いて、1人称視点の没入感の大きさを実験
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2010.05.18 |
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1人称視点のゲームは、一般に、3人称視点に比べて没入感が強いといわれているが、英国のユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンで行われた実験によれば、それは“体外離脱現象”に近いものかもしれない。
ニュースサイト“LiveScience”が報じたところによると、この実験では、仮想現実体験用に作られた特殊ゴーグルをつけた男性の被験者たちが、“居間にいる母親と娘”の映像を見せられた。映像の中では、CGモデルの母親が娘の肩をさすっていたが、それと同時に被験者自身も、実験助手の手で、実際に肩をさすられていたという。
と、このとき突然、母親は娘の顔を3回ひっぱたく。すると、被験者も強い肉体的反応を示し、心拍数が一瞬下がったあと、数秒後に再び高くなった。これは、肉体が現実の脅威にそなえるときと同じ反応で、しかも、1人称視点と3人称視点の映像で比べた場合、前者の反応のほうが強かったらしい。
なお、実験中の仮想体験は決して完ぺきなものではなく、例えば被験者のとアバターの頭の動きや、肩をさすられる動作が一致していたわけではなかった。それでも、1人称視点の効果の大きさは、はっきり表れたようだ。
さらに面白いことに、1人称視点の効果は、その後、映像が俯瞰視点に切り替わっても続いた。被験者が実際に肩をさすられなくなり、娘がひっぱたかれる光景を俯瞰視点で見るようになっても、被験者は同じ反応を示したわけだ。
このことから、研究者は、被験者が現実の肉体と同じような感覚を“アバターの肉体”にも抱き、いわば気持ちがアバターに乗り移って、上に示したような反応を示したのではないかと考えている。
今回のように、視点/動作/触感の3要素を同時に含む実験は、初めての試みとのこと。1人称視点の効果は、多くのゲーマーがすでに体感していることかもしれないが、映画「アバター」を彷彿とさせるような実験結果をあらためて見せられると、驚きを禁じえない。
(中島理彦) |