日本におけるインディーズゲームの代表として、海外で取り上げられることの多い『洞窟物語』。北米では先日、本作をWiiウェアとしてリメイクした『Cave Story』が配信され、大反響を呼んでいる。 『洞窟物語』はもともと、“開発室Pixel”がPC向けに作ったフリーウェア。2004年に発表されたときには口コミで評判が広まり、多くのゲームファンに知られるようになった。海外でも、ファンの手で英語化パッチが作られるほどの人気を集めている。 今回配信されたWiiウェア版は、米NICALiS社が、開発室Pixelと共同で開発。グラフィックと音楽を新調したほか(オリジナル版のグラフィックと音楽も選択可能)、タイムアタックモードなど数々のモードも追加している。 このリメイク版配信をきっかけに、『洞窟物語』の優れたゲームデザインをあらためて称える声が上がっているところだ。 例えば、ニュースサイト“Destructoid”でレビューを行ったJonathan Holmes記者は、次のように評価。「2004年に発表された当時、本作は、ファミコン時代の技術や表現法が今日でも十分通用することを示してくれた。それから、芸術性と、とっつきやすさは両立することを。たった1人でも、大会社のゲームに負けない作品を作れることも。本作に影響を受けたゲームは多い。ゲームデザインの非凡な才能が光る作品だ」 また、大学講師/有名ブロガーのMichael Abbot氏も、自身のブログ“The Brainy Gamer”で、「2D横スクロールゲームのデザインとして達人級」「インディーズゲーム史において重要な役割を果たした」と本作を評価。同氏はさらに、5年をかけてコツコツと開発を行った作者本人にも関心を寄せ、「本作のルーツやクリエーターの慎ましやかさを知ると、よけいに感心してしまう。作者を応援せずにはいられない」と語っている。 一方、これだけ話題になると、逆にアンチの声を上げたくなるのが毒舌ゲーマーの性。先ほど紹介したDestructoidでも、さっそく、本作を絶賛するAshley Davis記者と、毒舌で知られるJim Sterling記者の間で論争が起きている。 例えば、Davis記者が「これほどのクオリティのグラフィックとサウンドを1人で手がけたなんてスゴイ。手がかりを提示しながらストーリーを徐々に明らかにする手法が素晴らしい」というと、Sterling記者は「グラフィックとサウンドが恐ろしくしょぼい。ストーリーは最初から明らかにしてくれ。じらされるのはゴメンだ」といった具合。Sterling記者はさらに「マルチプレイモードがないし、PS3で動かないぞ」等々、アクセル全開でけなしまくっているが、これはもうほとんど彼のお家芸なので、ゲームファンは大目に見るしかないか。 いずれにせよ、日本発のインディーズゲームが、デビューから6年たってもこれだけ反響を呼んでいるのはうれしいことだ。インディーズにおいては、日本の作品は海外に比べて脚光を浴びることが少ないのだが、制約が多い中で作品を磨き上げる姿勢は、本来、日本人の得意とするところ。今後も、優れた作品が世界に飛び出していくことを期待したい。 (中島理彦)